シューズスペシャリスト 坪内 浩氏にインタビュー

BEAMS(以下、B):坪内さんが靴の仕事をしようと思ったきっかけはなんですか?
坪内(以下、T):僕が高校生の頃なんですが、その頃ちょうどロンドンでは、いわゆるスウィンギング・ロンドンの時代で、グラニーテイクスアトリップやビバがあった時代なんです。僕もその影響を受けて髪の毛をすごく長くしていて、学校へはアイビースタイルで行くのに、家に帰ればそういうロンドンっぽい格好をしていました。
でもその時に履きたいと思う靴が全くなかったんです。今のようにこんなに物がある時代でもなかったので、たとえばロンドンの写真を見ていい靴が写っていたりすると「これが欲しい!」と強く思うのにそれが売っていない。じゃあ自分で作ってやろう、という気になったんです。本当はグラフィックデザイナーを志していたのですが、靴のデザイナーとして活躍していた高田喜佐さんの存在を知って、まあ、同じデザイン仕事だしやってみようと。
自分のブランドを作ったのも、自分の履きたいものを,という初心に還ってそういうところでやって行けたら良いなと思ったからです。自分がいいな、履きたいなと思ったものに共感していただけたらすばらしいですね。
B:最近のファッションの流れについてはどう思われますか?たとえばファストファッションだったり、マーケティング主導の流れだったりについて。
T:スタンダードなものを誰もが安く気軽に買える、それは一つの方法としてあっていいと思います。ただなんというか、楽しさや夢がないですよね、、、だからそういうものだけになってしまうのは嫌ですね。それだけでは人はやっぱり満足しないと思いますし、楽しい部分とか、こだわりとか欲しいという衝動は忘れずにいたいです。ファッションはやっぱり直感で行くものであって欲しいですね。僕も感覚で進んでいっていろいろな格好をしましたし、、
B:私たちも単純にマーケティングじゃない気持ちの部分、そういった衝動でモノを扱っているつもりなのですが、その延長上にあるのが坪内さんの靴だと思っています。僕らの言う感覚に対して同じ目線で返答していただける坪内さんだからこそ出来た今回のローファーの企画だと思っています。
T:今回の企画は、ローファーのこういう捉え方もあったんだ、というところでとてもおもしろいトライアルでもあったし、さらにそれが評価されるとなお良いなと思いますね。そういうことを一緒にやらせていただくことは今までの自分の世界を広げられてこちらとしても楽しいのでこれからももっともっとやっていきたいです。
B:今回のローファーで坪内さんおすすめのコーディネートはありますか?
T:8色それぞれに合わせる服もさまざまでしょうが、綺麗な色合いのものを合わせて欲しいと思いますね。僕ならどの色でもポップな感じにしてしまうと思います。黒をチョイスしてもソックスで遊んでみたり。派手なものとか柄物のソックスを合わせて欲しいです。素足にローファーではなく。
B:ちょうどうちの春夏もソックスをお勧めしていこうという流れがあるんですよ!やっぱり、ロンドンベースを通られた方はソックスで遊ぶということをしますよね。スーツから靴下が浮くのはNGというようなイタリア的な文化ではなく、きちんとしたスーツとローファーに奇抜なソックスを合わせるというロンドン的なコーディネートをお勧めしたいです。
T:パターンオーダーでの色合わせで遊んでさらにソックスで遊んで、、僕は人を前向きに元気にしてくれるものがファッションだと思っているので、そういうところをみなさんにも楽しんでいただきたいですね。




