春の嵐

Satoshi Tsuruta 2018.03.18
 

不安定な天候が続いていますが、これは一歩づつ春に近づいている証でもあります。暖かい空気と冷たい空気がぶつかりあい、突然の雨や強風などを伴って崩れる3~4月の空模様。俗に「春の嵐」と呼ばれています。

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ホームページ内の特集サイトはご覧いただけましたか?





このコンテンツは当レーベルの2018春夏シーズンの気分をスタイリングで表現しています。国籍や年齢/ジャンルでは縛りきれない世界観を、是非のぞいてみて下さい。
http://www.beams.co.jp/feature/180223_m/

このページのスタイリングに負けじと(?)ショップでも日々、店内ディスプレイ用コーディネートを組んでいます。アーデモナイ、コーデモナイと思案しながら取り組むこの作業、僕は楽しいんです。自分で着る面白さとはまた違った意味で。

最近、Tsurutaのお気に入りはこんな感じのコーナー。




各アイテムのディテールやシルエットもそうですが、配色に今シーズンらしさが表れているかな、と自分でも思っています。カラフル、ではあるのですがド派手というよりも「くすんだ感じの古着っぽいカラー」が新鮮です。古着、とはいってもヴィンテージ、ヘリテイジといった歴史を感じさせる重厚さではなく、いわゆる「レギュラー古着」のチープな発色です。


MARNIのシャツもMartine RoseのプリントTも古着屋のワゴンセールで売ってありそうな「チープな」カラーリングを絶妙な色出しで表現しています。ひと昔前なら完全に「アウト」なチープさが、いまミョーに新鮮です。特にMartine Rose。発色だけでなく、デニムのウォッシュ具合やサイジング、ステッチの選び方まで「絶妙にダサい」雰囲気を作り出すのがダントツにうまいデザイナーです。


足元はレザーパンツにFoot the Coacher×Inov-8。



トップスの裾をパンツイン。MARNIのビッグザイズトラウザーズのウエストをVaporizeのGベルトでギュッと絞って。トップスにボリュームを出すためにプリントTのインナーにはメッシュ素材のロングスリーブを重ねています。


スニーカーはDAMIR DOMA×LOTTO。表面にはエイジング加工が施されていますが、これもやはり「チープ古着」タッチです。



ナイロンのウエストポーチはMartine Roseのもの。ユルめシルエットで全身コーディネートしても、ウエストポーチをギュッと絞るだけで全体が引き締まるので不思議です。



トラックパンツも引き続きの注目アイテム。写真はDaniel W.Fletcherのもの。コンチョやプンターレで装飾されたTOGA VIRILISのビルケン風サンダルが好相性。出来るだけテーストが違うもの同士で合わせる方がよさそうです。


スウェットやTシャツは無地よりもプリントものに勢いを感じます。



…といったところで、なんとなく感じていただけましたでしょうか?昨日までの自分と今日の気分が絶妙にぶつかり合いながら渦を巻いていく感じ。ファッション版「春の嵐」といったところです。

コーディネートを考える時間は、一体につき5分程度。2分で出来るときもあります。テーブルの上にササッとアイテムを並べていき「うん。これだな」と直感で思えたら、いざ着せ付け。脱がせて着せる、こっちの作業の方が時間はかかります。最後に全体のアレンジを整えて(裾を入れたり出したり、ウエスト位置を変えたり、小物を付け加えたり)できあがり。

朝、出勤前に自宅の衣裳部屋でコーディネートを考える時もそんな感じです。前日の夜に考える事が(僕には)できないんです。朝起きた時の気分というものがあるので。時間をかけずにササッと考えたコーディネートに起こるアクシデントから発見することもありますし。ただ、この「ササッと」が出てこないときがたまにあるんです。そういったときは(洋服屋にとっては)危険信号。自分に対して、刺激のインプットができていないからアウトプットできないんだと。普段から感じる事が少ない(薄い)と、表現もできなくなるんです。それくらい目に見えない「刺激の集積」が目に見えるかたちで「ファッション」に表れるから面白いですよね。これはピアノを弾く人は音に、絵をかく人は筆のタッチに表れるでしょう。


いま、あなたは何が好きで、どんな気分ですか?


春の嵐に身を任せて、自己探求してみる。
そんな季節です。
なにか新しいコト起こるかも。


出会いや発見を求めて、街へ出てみましょう。




Tsuruta