初物

Satoshi Tsuruta 2017.01.22


こんにちは、Tsurutaです。


遅くなりましたが2017年度、
初ブログです。
ところで「あけましておめでとうございます」
って、
いつぐらいまで言うものなのでしょうか。


ちょっと調べてみました。
暦(こよみ)の上で元旦を大正月と呼ぶのに対し
1月15日を小正月と言うようで…。
門松などの飾りもこの時期を過ぎると
しまうのが一般的だそうです。(諸説あります)


ということで
あけましておめでとうございます、とも
言いづらい様な時期になってしまった初ブログ、
どうぞお付き合いください。



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え~、正月といえば初夢。
昔から初夢に見ると縁起がよいとされるのは
「一富士、二鷹、三茄子」なんてことを言います。


それ以外でも日本人は
「初もの」というやつにどうも弱いらしく、
「初詣」「書き初め」など
正月はまさに「初もの」のオンパレード。
どんなに混んでいようとも
人ごみをかき分けながらいそいそと
神社まで出かけていったりもします。

最近では
ボジョレーヌーヴォーのような舶来ものにも
「初もの」騒ぎがあったりします。


そもそも「初もの」といえば
日本人の食生活にも定着していて…。


その季節に初めて収穫された食材を
食べる事で福を呼び込もう、
という縁起かつぎとして
「初ものを食べると寿命が75日伸びる」
なんてことを
言ったり言わなかったり。


もちろん旬の食材に含まれる栄養価は高いはずなので
一年中同じものを食べるよりも
実際に健康的な効果が
見込めるものなのかもしれませんが…。




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どんどんどん!
(戸を叩く音)

「ご隠居!ご隠居!いるかい?」

どんどんどんどん!


「はいはい聞こえてますよ、
そんなに叩かなくても…。
おや、誰かと思ったら熊さんじゃないか。
どうしたね、血相変えて。」

「いやね、原宿に出たってんだ。」
「なにが?」
「いや、あれだよあれ。」
「アレじゃ分かんないよ。」
「初もの。」

「なんだい、初ものって。タケノコにはまだ早いね。」
「いや原宿だからって、タケノコかい?
ご隠居も古いねぇ。靴だよ。靴。」
「くつ?」



¥112,000+tax


「オールデン、っていうアメリカの靴なんだ。」
「へぇ、それがそんなに珍しいのかい?」
「いや、最近では人気がありすぎて
欲しい人が多い割に作り手がおっつかないらしく
店に並んでもすぐ売り切れちまうんだよ。」

「へぇ。」
「しかも正月早々だよ、
原宿の
インターナショナルなんとかっていう店に
4型も入荷してるってんだ。」
「ああ、
インターナショナルギャラリー ビームスね。」
「えっ、知ってるの?ご隠居。」
「昔からあるからねぇ、あの店は。で、どんなのが入ったんだい?」






「コードヴァンって、
赤茶色の馬革を使ったもので
爪先には一文字の切り替えと穴飾りがある。」
「ああ、Punched Cap Toeだね、
そりゃモディファイドラストのものだ。」
「くっ、詳しいな、ご隠居。」
「その店では以前、同型の黒はやってたが、
ナンバー8は初めてじゃないかな。」
「んぁ、なんだいナンバーエイトって。」
「バーガンディのことだよ。あとは?」

「牛革のもあるらしい。爪先に何も飾りが無くて
こう…なんていうか靴が内側に曲がってんだ。」



¥84,000+tax

「靴ひもを通す穴は6つかい?」
「ああ、八っつあんが確かそう言ってた。」
「じゃあ、それはCalf 6-eyelet plain-toeだ。
前にやってたモデルの追加だな。」
「いや、やたらと詳しいな、ご隠居。」



「色々なスタイルに合わせやすいのもそうだが、
一足目と同様、これもモディファイドラストだ。」
「何だい、そりゃ。」
「元々は足にハンディキャップがある人向けの
木型なんだがアッパーの内側が高く、
外側が低い作りになっていたり…。」




「外側から内側に巻き込む
曲線を描くような木型がとにかく履きやすく、
歩きやすいんだよ。
フットバランスヒールも優秀でな。
あとは?」

「あとは…これぞオールデンって
馬革の…黒。」


¥112,000+tax

「9901か。」
「多分それだ。」



「このモデルはコバ部分にL字型にかぶせられた
ストームウェルトや…。」




「360度グッドイヤーの男らしい後姿、
バリーラストの寸胴で大雑把な雰囲気が
いかにもアメリカ靴、という感じで
昔から非常に人気がある。」
「ご隠居、じつは靴屋だろ。
豆腐屋の隠居にしては詳しすぎねぇか?」

「最後のひと型は?」
「中でもそれが一番珍しいらしいんだ。
昨年同じ靴の色違いが入荷してたんだけど
牛革と馬革を同時に使った珍品らしくて…。」

「ははん。」
「また知ってんのか。」


¥95,000+tax

「モデルはAlgonquin Blucher、通称Vチップ。
その店にはヴァンプ部分がコードヴァン、
周りがスコッチグレインのコンビタイプが
昨年入荷しておったな。
昨年のものは黒×黒だったはずだが、
その色違いということはブラウン系か。」
「見てきた八っつあんがそう言ってた。
なんでも馬革の部分がバーガンディで、
外側の牛革部分は明るい茶色らしい。」



「通常、コンビシューズはU-TIPの場合、
内側が明るく外側が暗い配色のものが
多いと思っておったが・・・。
たしかに印象が大きく変わりそうだの。」
「ぜんぜん別物だって言ってた。」



「牛革の部分も昨年の黒に比べて皺が細かいらしく・・・。」




「ほう、Alpine Calfか。通常のスコッチより薄く
シボ感も小さめなので、軽快な履き心地が楽しめそうだな。
しかもそのカラーリングとくれば
クラシックにもトレンドにもコーディネートできるのう。」

「むむ・・・。欲しいなぁ。オールデンの初もの。
初ものは寿命を75日も伸ばしてくれるっていうし・・・。」
「まぁ、人の噂も75日というから、
飽きっぽいお前さんのことだ。
すぐに忘れちまうんじゃねぇか?」
「なに言ってんでぇ!こちとら江戸っ子でぇ!
気が短けえんだ!75日も待ってられっかい!」

「そんな金あんのかい?」
「たしかに正直、懐具合はちっとばかし寂しいが
金は工面するとして、こりゃ買うしかねぇな!
ご隠居、おれ、ひとっ走り行ってくらぁ!」

「おいおい熊さん、行ってくるって
原宿は反対方向だよ。」
「ちょっと芝の浜まで行って
財布でも拾ってくらぁ。」
「そんなもの落ちてやしないよ。
しかもそりゃ、年末の噺じゃないか・・・。」

奴さん、風を切りながら
あっという間に飛び出していってしまいました。


これを逃すと、
次の入荷はいつのことになるやら。
「また、夢になるといけねぇ」
とはこのことです。

皆様も
是非、お早目にお問い合わせくださいませ。


Tsuruta