または私は如何にして心配するのを止めて意味不明を愛するようになったか

Satoshi Tsuruta 2017.02.05


3。
三。
参。
さん。
スリー。


この数字に何か特別なものを
感じてしまうのは僕だけでしょうか?

「3」という数字が持つ
独特の感じ、といいますか。
何かあると度々登場するのが「3」。

「2」でも「6」でもなく「3」です。


ゴッドファーザーもPart3まで。
毛利元就が息子たちに折らせた矢も3本。
劉備玄徳が諸葛孔明を訪ねた回数も3度。

「三四郎」「門」「それから」。
「彼岸過迄」「行人」「こころ」。

夏目漱石に至っては前期三部作と
後期三部作があったりして。

なぜ六部作じゃだめなのか…という。


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ちょっと昔の話になりますが、
TVでよく見かけた、とある芸人さんのネタで
「3の倍数と3のつく数字の時だけ
アホになります」と言って
1から40まで数字を読む、
というのがありました。

皆様、ご存じです…よね(笑)。

これがなぜ3だったのか?
ちょっと考えてみました。


例えば、2だったら。


まず
「アホになる回数が多すぎる(というかほとんどアホ)」
「30、で終わるのでクライマックスが近すぎ」
「シメの30が2の倍数なので最後がシマらない」

まあ、あとは4以上になるとネタが長すぎる、
ということで…。


やはり、このネタの場合
「絶対に3でなくてはならない」ように
深く考えられていた、と言わざるを得ません。


一見、ただのナンセンスに見える数字の設定も、
注意深く考察してみると深謀遠慮。
恐ろしいほど緻密に計算されたものである…

ということで、本題へ(笑)。



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本日、ご紹介するのは
TA CA Si(タキャシ)のブーツ。

2017年春夏の新作です。

どうぞ。


ストラップ&バックルが3つもついています。
って、前置きが長すぎましたかね…(笑)。

色違いのブラウンも。



ストラップ&バックルが3つもついています。





上から。




横から。




後ろから。


どこからどう見ても
ストラップ&バックルが3つついています。


ちなみにこのブーツ、
英国・ノーザンプトンにある
シューメーカー、CROWN SHOES社製です。

ノーザンプトン、といえば
質実剛健なグッドイヤーウェルテッド製法で
ガッチリ作る靴メーカーのイメージが
強いかもしれませんが…。
こちらはセメント製法。
驚くほど軽い履き心地。



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英国靴で複数のストラップを配したもの、
といえば真っ先に思い浮かぶのは
某・高級シューズメーカーの
ダブルモンクストラップ
「WILLIAM」。

同モデル名のダブルモンクは
コテージラインの生産を請け負っていた
仏・パラブーツ社からも
リリースされており、
根強い人気を誇っています。

で、このダブルモンク。
ウインザー公がオーダーした、という出自故か
どこかしら貴族風のデザインに見えます。
2、という数が上品と下品のギリギリライン。
さすがウインザー公、といったところ。

ところでストラップを4つ搭載した靴もあります。

ご存じ、BIRKENSTOCKのアテネ。
世界で最も古い都市の名を冠したこのモデルは
やはり、その名のとおり
ギリシャ・ローマ文明の
グラディエーターサンダルを彷彿とさせる
4ストラップのハイカットというデザインが
クラシックモチーフの佇まいです。

で、もう一度こちら。


うーん、やっぱりナンセンスです。
2でも4でもないナンセンス。
シューズデザインにおいて
3という数字は鬼門なのでしょうか。

そういえば
BIRKENSTOCKでも3ストラップの
モデルがあります。
その名はフロリダ。

ド定番のチューリッヒ(2ストラップ)と
クラシックモチーフ、アテネ(4ストラップ)の
間に存在するフロリダの顔立ちは
やはりナンセンス。
1982年というナンセンス黄金期に発売されており
80'sデザインと言われると
なんだか納得してしまうナンセンス顔。

そう、80's感。
このTA CA Siのシューズを初めて見た瞬間から
僕の脳裏にはあのシューズが思い浮かんでいました。

靴のタン(ベロ)が3つもついた
ヴィヴィアン ウエストウッドによる
80'sデザインのマスターピース、
ブレーカーシューズです。

セメント製法で
かる~く作られた感じとか、
完全にTA CA Siのブーツにシンクロする
感じがあります。

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ということで
スタッフのハートを
入荷早々に打ち抜いたこのナンセンスブーツ。
実際のスタイリングでご紹介してみます。

まず、私Tsuruta。




ウインザースタイルに代表される
パターン・オン・パターンの
英国カントリージェントルマンをベースに…。



破れたニットベストと3バックルブーツで
パンク/ニューウェーブの
フィーリングを注入。
3つもついてるなら、と
ストラップは2つはずしてしまいました。



お次はSuzuki。




オフホワイトの柔らかいカラーリングで纏めています。
シルエットや質感でもリラックスしたムードを演出。
カントリーブーツではカタすぎ、
ビルケンではヌキすぎ、というところに
2でも4でもない3バックルブーツ。




彼もフェアアイルのベストを合わせています。
偶然か、必然か…。



約10年前に
BAND OF OUTSIDERSが
巻き起こしたアメトラ旋風。
そこから英国モノへの先祖帰りが始まり
「ヘリテージ」という言葉が
よく聞かれるようになったのもその頃。
2012年頃になると
インターナショナルギャラリー ビームスでは
Fallan&Harveyのレディメイドや
英国靴・ニット等を打ち出していました。
その後にやってきた90'sリバイバル。
ストリートスタイルが
ハイファッションへ影響を与えている、
ということが何度目かのリバイバルとして
現在も取沙汰されています。

「逆」や「逆の逆」。
and MORE MORE MORE…。

いま気になるのは
「あいまい」なもの。
貴族でも街角でもないもの。
2つに割り切れないもの。
2でも4でもなく「3」。


「アート」なんかも
気になりますね。


と、いうことで
新入荷の3バックルブーツ。
ナマッた感性にピリリと刺激をくれる
意味不明デザインをぜひお試しください。




Tsuruta