アドルフよ!あれが巴里の灯だ

Satoshi Tsuruta 2017.02.13

パリらしさ、とは何か?


この質問に対する答えは
もちろん人それぞれでしょう。

カフェやクロワッサン、
答える人もいれば
エッフェル塔や凱旋門、
答える人もいるでしょう。

芸術の都、
と答える人もいるかもしれません。

僕は洋服屋なので当然
ファッションの都、と答えます。


ではパリ的ファッションとはなにか?
と聞かれたときにどう答えるか。
これもまた千差万別なものになるはずです。
あまりファッションに興味のない人であれば
「ベレーにボーダーT」と答えるかもしれません。
しかし、
洋服やファッションが好きな人であればあるほど
答えはバラバラになるのではないでしょうか?


それがパリ、だとも言えます。



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ここで一枚の写真をご紹介します。





ジーンズとジャージをだらしなく身につけた
赤い髪の白人男性がふてくされたような目つきで
こちらを見ています。


このジャージ(トラックジャケット)が
今日の本題です。


パリ発のファッションブランド
NIUKU(ニウク)の新ラインがリリースされました。





その名も
BASSCOUTUR NIUKU(バスクチュール ニウク)。


このラインで彼らは
誰もが知っているアイコニックなアイテム
(トラックジャケットとトラックパンツ)を
解体・再構築しています。








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すこし話を戻します。
なぜ、パリはファッションの都なのか?
歴史的経緯はいったん置いておいて
シンプルに答えるならば、それは
オートクチュールがあるから、です。

なぜ英国がメンズ服の聖地なのか?
サヴィルロウがあるから、に近い答えです。

そう、フランスにはオートクチュールがあり
イギリスにはビスポークがあるのです。

イタリアにス・ミズーラがあるとしても
オートクチュールがあり、
ビスポークがある限り
パリはパリ、英国は英国であり続けます。

なぜ英国にパンクが起こったのかというと
英国には歴史ある王室があったからです。
順序で言うとパンクが先に起こったのは
ニューヨークでしたが、結果として
なぜ英国でより激しく起こったかというと
英国には歴史ある王室があったからです。

権威があるからこそ
従うことも壊すこともできるのです。
壊すものがないと壊せません。

オートクチュール。
高級仕立て服を指すこの言葉は
パリ・クチュール組合の加盟店で
顧客の注文により一点ずつ縫製される
もの(や行為)を意味します。

1970年代に
高級既製服(プレタポルテ)が台頭する中で
オートクチュール人口、すなわち
顧客数は減少の一途をたどっている、
と言われています。

それでもパリはパリ。
なぜならオートクチュールがあるから。

アフリカ出身の男女2名からなる
デザインデュオNIUKUが
この新ラインのテーマにしたのもまた
オートクチュールでした。
















BASSCOUTUR (バスクチュール)とは
「BASS」と「COUTUR」からなる造語です。

「BASS」は楽器のベース。
ベース音が物事の根底を連想させます。
また、「COUTURE(クチュール)」から
あえて「E」を抜いた「COUTUR」は
彼らのオートクチュールへの反抗を
意味しています。

これら
BASSCOUTUR NIUKUのアイテムたちは
「オートクチュールに匹敵するテクニック」や
「注文服にも引けをとらない高級素材」を用いて
作られているわけではありません。


では、なぜリメイクしたジャージが
オートクチュール(権威)に反抗できるのか?
それは彼らがパリにいるからです。


彼らは怒っています。
冷静かつ、的確に。
彼らは退屈しています。
与えられることに。

BASSCOUTUR NIUKUのアイテムたちは
パリに暮らし、権威に反抗心を燃やす彼らにしか
作りえないコレクションになっています。

これらのアイテムはすべて
インターナショナルギャラリー ビームスの為に
作られたスペシャルなものです。

BASSCOUTUR NIUKUは
2/18(金)より販売開始です。
詳しくはこちらの特集記事をご覧ください。
http://www.beams.co.jp/news/273/



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各アイテムの画像は
オフィシャルInstagramからご覧頂けます。
是非チェックしてみてください。
https://www.instagram.com/international_gallery_beams/

当レーベルバイヤーがピックアップした
古着のジャージ数十着を
NIUKUのふたりに渡すところから始まった
この新ライン。

2017年にピークを迎えようとしている
リメイク、再構築されたファッションアイテム。
日本やアメリカのブランドが手がけると
きっとこのようにはならないだろう、
という独特のムードに仕上がった
このスペシャルアイテムを
是非、店頭にてご覧ください。


どんなに世界が近くなったとしても
やっぱり僕らはみな「違う」し
「違ってよい」と思うのです。




Tsuruta