ア・ラ・カルト

Satoshi Tsuruta 2017.05.03

ちょっと前の話ですが
ある日、自宅にいた僕は
本棚にある一冊の本を何気なく手に取り
パラパラとめくりながら
軽い気持ちで読みはじめました。


1997年刊行の
「今日からちょっとワイン通」という本で、
サントリーで(当時)コピーライターとして
活躍する山田健氏による著作です。


先に断っておきますが、
僕はワインに詳しい訳でもなければ
特別詳しくなりたいわけでもない。
何故、自宅にこの本があったかも分からない。
(たぶん、妻が買ったものかと)


とにかく、自宅のソファーで
パラパラとページをめくっていました。


で、僕はワインをはじめ
酒の銘柄などには
まったく詳しくないし
ブドウの品種とか地域の特徴とか
そういったことには元々興味がない。
真剣に覚えようというつもりもない。


しかし、この本は僕にとって
非常に興味深いものでした。


なぜか。

・・・・・・・・・・・・・・・・・


この本の著者山田氏の持論は
(かなりおおざっぱに言うと)
「自称ワイン通や気取ったソムリエの振り回す
ウンチクや常識なんか
気にしないで
ワインを楽しみましょう!」
というもの。


グラスの良し悪しについての話や
レストランでの注文の仕方など
「ふむふむ」と読む部分も勿論ありましたが、
個人的に
もっとも興味深かったのが
「ワインと料理の相性」について書かれた項。


氏によると(ある程度好みはあるとしても)
「レモンをサッとかけた魚のグリルと
ボルドーの白ワイン」や
「野獣肉とエルミタージュの赤」や
「アップルパイとドイツのアウスレーゼ」
という具合に、ワインと料理には
よく「馴染む」相性があると言います。


この場合、「共通項を探り」
「似たもの同士を合わせる」ということが
ヒントになるようです。
要するに酸味と酸味、
野趣と野趣を合わせる、ということです。


これって何かに似ていると思いませんか?




そう、洋服のコーディネートです。


・・・・・・・・・・・・・・・


ワインと食べ物、洋服のコーディネート。
ともに相性があるとして
それらは大きく二つに分けることができます。


「馴染む相性」と「引き立て合う相性」です。
「馴染む相性」とは先に挙げたような
「酸味と酸味」つまり「同じ要素で合わせる」。




逆に、「引き立て合う」というのは(氏によると)
「英国人が好むブルーチーズとポートワイン」
「アメリカ人がよくやる
チョコレートとカベルネ・ソーヴィニヨン」。
これは甘いワインと臭いもの、
渋いワインと甘いチョコという具合に
コントラストの強い組み合わせのこと。




服に例えるなら「ツイードの上着に
ウールのネクタイを結ぶとして」
シャツは?

「ビエラ地のタッターソール」を選べば
「馴染む」
(=カントリー×カントリー)
「白のブロード」を選べば「引き立て合う」
(=スポーティ×ドレッシー)でしょうか?




当然、始めのうちは
「馴染む」方を選択する方が間違いない。
アイビーっぽいものと
ボタンダウンを合わせてみたり。
英国のスエード靴に
シェットランドウールを合わせてみたり。


「馴染む」と「引き立て合う」。
どちらが良いのか?となると
「着る人の個性」や「好み」は勿論のこと
まずは「着るシチュエーション=TPO」次第
ということも言えます。





・・・・・・・・・・・・・・・・・

2017年現在、ファッションにおいて
洋服のコーディネートは
かつて無いほど自由になりました。



ハイとロウ、
イーストとウエスト、
オールドとニュー、
ボーイとガールがありとあらゆる角度で
「ミート」していて
もはやミックスされていないことなど
この世に存在しないかと思えるほどの
ノーボーダーぶり。
GUCCIやVETEMENTSの
コレクションを見ていると
そう感じます。



一方で洋服屋。
濫立する大型ショップへの反動からか、
小さなショップや個人商店、
あるいは専門店(靴屋、スーツ屋)への
興味が高まっていることも見逃せません。
こういったショップのドアを叩くと
「無限のミックスを遂げた外界」とは
少々趣の異なる「ある特定のスタイル」を持った世界が広がっています。

日本橋にあるANATOMICAや
渋谷にあるrdv O globeなどもそうです。
オーナーや店主の趣味が良く出ていて
これらの店に足を運べば
その店のシェフと深く付き合うほどに
双方の理解が深まり、
着席した瞬間から自分好みの味が
目の前にサーブされることでしょう。

・・・・・・・・・・・・・・・・・

一方で、僕ら
インターナショナルギャラリー ビームスは
どんな店なのでしょうか?



言うなれば「巨大な冷蔵庫」という感じです。
和洋中エスニック問わず
様々な食材がぎっしりと詰まった冷蔵庫です。
勿論、それぞれの食材自体も厳選されており
鮮度も管理されております。
先述したANATOMICAやrdv O globeも
取り揃えております。



そこから
お客様のご要望に合わせて
食材を取り出し、組み合わせ
調理、盛り付けをして
サーブするのが
僕ら、ショップスタッフの仕事です。

クラシックなアイテムから
前衛的なコレクションピースまで
食材は豊富に取り揃えております。
夜のフォーマル時に合わせて
きちんと「馴染む」ものをお考えならば
ブラックタイのコーディネートを。
夜遊び兼用であれば
タキシードの上着を「引き立てる」
トラックパンツとスニーカーも
ご提案させていただきます。

組み合わせは
お客様の数だけ存在するかと思います。



食事とワインの組み合わせよろしく、
洋服と靴の組み合わせについて
ホームページで特集を組んでみました。
当レーベルのメニュー代わりに
是非、ご覧になってみて下さい。
http://www.beams.co.jp/feature/170502/

ここで登場するスタイリングは
あくまで「ほんの一例」です。


初めにも書きましたが
山田氏の持論は
「自称ワイン通や気取ったソムリエの振り回す
ウンチクや常識なんか
気にしないで
ワインを楽しみましょう!」
というもの。




決められたコース料理も存在しますが
是非、アラカルトにてご注文くださいませ。
「馴染む相性」も
「引き立てあう相性」も、どちらも
ご提案させて頂きます。


ブランドや価格の上下関係はありません。

すべてを並列に扱います。

食事を楽しむような感覚で
お買い物を楽しんで頂けると幸いです。

スタッフ一同
みなさまのご来店をお待ちしております。



Tsuruta