<インターナショナルギャラリー ビームス>から「Contemporary 2B」と名付けられた新しいスーツがリリースされた。“コンテンポラリー”というと、メンズウェアの歴史に通じた人ならば、1960年代にアメリカ西海岸のジャズメンや黒人ミュージシャンらが好んだ、いわゆる「コンポラ」スタイルを思い起こすかもしれない。しかし今回のスーツはそれとは関係なく、あくまで現代の私たちにとって有効なスタイルという意味で、その名が付けられている。そしてこのスーツは、現代における価値の多様性を前提として、メインストリームとはひと味違うものを求める人たちに向けられているという。(文/菅原幸裕)

クラシックとモードを繋ぐ、現代的なスーツとは

<インターナショナルギャラリー ビームス>では、当初からクラシックなスタイルとモードが並列に考えられてきた。過去においては、<ファーラン&ハーヴィー>のようなビスポークテーラーの服と<キャロル・クリスチャン・ポエル>のようなモードブランドが店内に並んでいた。そのコントラストがエキサイティングであり、時にはそれらがクロスオーバーした着こなしに発展することもあった。そしてスーツに関しては、そもそも男性の生活にとって必要なものとして、各時代におけるスタンダードなスーツが常に取り扱われてきた。現在、ピッティ・イマジネ・ウォモなどが主導するクラシック回帰のトレンドの一方で、その傾向に沿わない、例えば英国のオーセンティックなスタイルやモードブランドのスタイルと、ピッティ由来のスタイルとの間に位置づけられるようなスーツはあまり見当たらない。そこで、セレクトショップとして多様化する現状に対応し、ファッションとして提案できるスーツスタイルを目指したのが今回の「Contemporary 2B」という。

ロング&ストレートなシルエットのスーツ

スーツのスタイルは英国調のテーラリングがベース。上着のショルダーのコンストラクションは構築的で、袖山も少し強調している。胴周りは絞り、フロントは深めのVゾーンの2つボタンで、サイドベンツ。着丈はやや長めで、ヒップが少し隠れる程度だ。それらの結果、やや重心が低めの、スリムでシャープなシルエットが実現されている。ここ数年主流だった、ショート丈の、アンコンストラクテッドで軽さを感じさせる仕立てのものとは一線を画している。これまでの“纏う”服ではなく、“着ている感”ある服ともいえる。さらに、クラフト性を感じさせる仕様であるAMFステッチを敢えて入れず、よりラインのシャープさを際立たせている。この上着にあわせたトラウザーズは、ワタリ部分は細めに、裾幅は21センチ(サイズ46)とやや広めに設定。スリムストレートなシルエットに仕上げたことで、長めの着丈のジャケットとあわせて、視覚的に“まっすぐな”印象を生み出している。
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ラペルは、胸元のゴージの起点を従来のものより低い位置に設定。そこからやや下向きの傾斜でゴージラインが伸びていく。これまでのイタリア系のジャケットに見られる水平方向に伸びるゴージラインとは大きく異なり、新鮮な印象だ。

シルエットやコンストラクションは英国のテーラードを範としているが、英国調を連想させるディテールであるチェンジポケットなどはあえて配さず、「〜調」と特定されない、幅広い着こなしが可能なスタイルになっている。

スーツにあわせてシャツも展開

新しいスーツにあわせて、ドレスシャツも新たに2型加え、スナップタブ、レギュラーそしてラウンドの3種のカラーバリエーションを展開している。カラーの開きが「Contemporary 2B」スーツのゴージラインと同じ角度を描くよう、ロングポイント気味にピークを設定した新登場のレギュラーカラーシャツは、フライフロントで、フォーマルな用途に対応するとともに、ノータイで着用した場合にはミニマルな着こなしが実現できるよう考えられている。さらにカラーステイには形状記憶素材を使用し、さまざまな襟のアレンジが可能だ。もうひとつの新登場であるスナップで留める形のタブカラーシャツは、1970年代のアメリカントラディショナルのシャツを範として、プラケットの幅などを調整している。いずれのシャツもトーマス・メイソン社のイタリア製生地を中心に構成している。
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新登場のスナップタブカラーのシャツ。70年代のミック・ジャガーは、このタイプのシャツをノータイで上までボタンを留めていたイメージ。

レギュラーカラーのシャツのカフは、英国のシャツメーカーによく見られる、3つのボタンで留める仕様。

生地との組み合わせで楽しむ
多彩なスタイリング

  • “英国人”的なスーツの装い方

    英ジョン・フォスター社の、打ち込みのしっかりとしたダークネイビー&グレーチョークストライプの生地を使ったモデルに、ライトブルーの刷毛目生地を使ったラウンドカラーのクレリックシャツ、そしてレッドやイエローなどのミックスカラーのストライプが華やかな印象のタイを組み合わせたスタイリング。コントラストの強い、“計算されていない”色合わせが、むしろブリティッシュなムードを生み出す。

    Suit:Contemporary 2B Pin Stripe_¥80,000(+tax)
    Shirt:Round Collar Cleric Shirt_¥13,000(+tax)
    Tie:ATKINSONS Jacquard_¥14,000(+tax)

  • トレンドを巧妙に配剤した着こなし

    伊ロロピアーナ社の、ブラウンカラーベースのグレンプレイド生地を使ったモデルには、ブラウンカラーにネイビーのペイズリー調の織りを配したタイ、さらには光沢あるネイビーのチーフを挿して、「マローネ・エ・アズーロ」のフレーバーを。イタリア発のトレンドの中でも自然に映るスタイリングといえる。スナップタブのシャツで首もとをコンパクトにすることで新鮮な印象を生み出している。

    Suit:Contemporary 2B Glen Plaid_¥80,000(+tax)
    Shirt:Tab Collar Pin Stripe Shirt_¥13,000(+tax)
    Tie:ROBERT KEYTE ENGLAND Paisley_¥11,000(+tax)

  • カジュアルでグラマラスなスーツスタイル

    ダークブラウンのベルベット生地を使ったモデルには、ワインレッドのロンドンストライプのレギュラーカラーシャツと、今回のスーツに合わせてオーダーした、英アトキンソン社のアイリッシュポプリン(シルク&ウール素材)を使った7センチ幅のペイズリータイを組み合わせて、70年代の薫りが感じられるカジュアルな着こなしを提案。普通にレザーシューズを合わせても良いが、ウェス・アンダーソン風にクラークスのワラビ―でハズしても面白い。

    Suit:Contemporary 2B Velvet_¥80,000(+tax)
    Shirt:Regular Collar Stripe Shirt_¥13,000(+tax)
    Tie:ATKINSONS Paisley_¥14,000(+tax)

  • イメージはフランスの哲学者?

    伊カノニコ社のチャコールグレーの「ヴィンテージ」カテゴリーより選んだフランネルを使ったモデルには、グレーの起毛素材を使ったボウタイと、クリーム色のレギュラーカラーのシャツを合わせて、どこかフランスのインテリを連想させるスタイリング。肉厚のグレーフランネルとクリーム色のシャツの組み合わせが、ヴィンテージ感を生み出している。このスタイリングに限らず今回のスーツは、エンツォ・ボナフェやジョージ・クレバリーなど、スマートな木型を使ったドレスシューズと相性がいい。

    Suit:Contemporary 2B Fannel_¥80,000(+tax)
    Shirt:Regular Collar Twill Shirt_¥13,000(+tax)
    Bow Tie:COROA_¥6,000(+tax)

  • フォーマルでも、モードとしても

    ベルギーの著名マーチャント、スキャバル社の光沢あるブラックカラーの生地を使ったモデルには、グレーカラーのサテン生地のタイ、レギュラーカラーのホワイトシャツをあわせて、フォーマルなパーティなどでも使える着こなし。チーフを外して、フラテッリ・ジャコメッティのサイドゴアブーツなどと合わせることで、ミニマル&モードな雰囲気のスタイリングとしても成立する。

    Suit:Contemporary 2B Serge_¥80,000(+tax)
    Shirt:Regular CollarPoplin Shirt_¥13,000(+tax)
    Tie:Brilla per il gusto Silk-nep_¥10,000(+tax)

「Contemporary 2B」と合わせたいお薦めアイテム

Thierry Lasry
Sunglasses
¥44,000(+tax)


Coutellerie&Bijoux
Ring
¥50,000(+tax)


International Gallery BEAMS
Cotton Rib Socks
¥1,800(+tax)


F.LLI.GIACOMETTI
Derby Shoes
¥90,000(+tax)


F.LLI.GIACOMETTI
Side Gore Boots
¥105,000(+tax)


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