日本は昔から、贈りものを大切にしてきた国です。年末に行う「お歳暮」という習慣も、もともとは、一年お世話になった気持ちを伝える意味を持っていたはず。そこを大事にしながら、未来に向けたギフトとして変身させられないか。それもビームスらしく、どこか遊び心のあるものをということで、ビームス ジャパンとifs未来研究所(以下、未来研)がひとつチームを組んで、新しいプロジェクトを立ち上げました。

行き着いたのは、「ニッポンの神ギフト」。日本人の暮らしに「おめでたい」をもたらしてきた七福神にヒントを得て、七人の神様にちなんだギフトを揃えました。

ビームス ジャパンが抱くニッポンへの思いと、未来研が抱く未来への思いを重ね合わせ、大切なあの人に贈るものを、笑みを浮かべながら選んでもらいたい――ビームス ジャパンと未来研チーム(デザインを手掛けた西川、アートディレクションを手掛けた柿木原、企画発案した林、企画プロデュースを担当した川島、コンセプトライティングを手掛けた国井、企画進行を担当した増崎)からの新しいご提案です。

準備期間は1カ月半と大忙しでしたが、チームの前のめりな勢いがあって、楽しいかたちになりました。改めてプロジェクトを振り返り、参加メンバーが語り合いました。

七福神に行き着くまで

川島:そもそも「お歳暮」を考え直してみようというプランは、どこから始まったんでしたっけ?

国井:未来研が伊勢丹新宿店と「みらいの夏ギフト」という「お中元」プロジェクトを続けてきていて。

川島:今回のビームスさんとのプロジェクトと同じように、国井さん、柿木原さん、西川さん、ノビさん(林さんの通称)、増崎さんから成る未来研チームが、伊勢丹とコラボして進めているプロジェクトで、今年で3年目になりますね。

林:その延長という感じで、ビームスさんとの取り組みは、日本の伝統的なもうひとつのギフトである「お歳暮」を「みらいのギフト」ととらえたら、どんなことが考えられるかというのが出発点でした。

川島:そうそう。ところでみなさんは「お歳暮」ってやってますか?

鈴木:本当にお世話になった限られた方にだけに贈ってはいるものの、何となく儀礼的な意味を感じてしまうので、ほとんどやっていないというのが正直なところ。

西川:まったくやっていないです。親の世代がやっていることかも。

川島:私もそう。「お中元」「お歳暮」という言葉には、どこかしきたりっぽいイメージもあって、敷居が高いと感じていて。でも、人にものを贈るのは結構好きなんです。気持ちを伝えたい、思いを込めたいっていうことありますよね。

柿木原:僕は、お世話になっていて普段あまり会えない方に、御礼の気持ちを込めて贈っているかな。

川島:こういう風に、何となく廃れてきている「お歳暮」を見直そうということで、みんなで話し合った結果、「神ギフト」に行き着いたわけですが、思い返せば、きっかけを作ってくれたのはノビさんでしたよね。

林:いえ、僕は発案者というより口火を切っただけ。新宿にあるビームス ジャパンという場を考えた時に、9個とか16個とかの棚割りにして、それぞれに年末年始にふさわしい漢字、たとえば「福」とか「富」とかをあてはめたらどうだろうって思ったんです。

川島:そこから七福神へジャンプした!

鈴木:ちょうど僕が、七福神をテーマにした絵描きさんとお会いしたばかりだったのが印象に残っていて、七福神ってキャッチ―でいいなと思いついたんです。

柿木原:僕も、たまたま他のプロジェクトで七福神を手がけていて、日本っぽいし、誰もに馴染みがあるし、いいキャラクターだと感じて。何かご縁だなぁって。

川島:それまで話し合いを重ねていて、出口が見えないって感じだったのが、ノビさんのアイデアから、鈴木さんや柿木原さんが七福神と言い出した時、うわぁっと盛り上がって決まり! となった。あの時のチームのノリ具合、凄く楽しかったです。

「おめでたい」を贈りましょう。

川島:テーマが決まったところで、いざコンセプト作りに入ったんですが、国井さんは、どんな意図から、コピーを書いたのですか?

国井:まず七福神は、「福を呼ぶ」とか「ハッピーを贈る」といった意味を掛け合わせられので、とても良いテーマだと思ったんです。ただ一方で、「神ギフト」というネーミングについては、最初は少し迷いがありました。企画した私たちが、自ら「神ギフト」と言ってしまっていいのかと。

川島:何だか上から目線的な感じもするし。

国井:そうなんです。でも、考えてみると、ビームス ジャパンという場がどっしりとした土台となっていて、そこで「神ギフト」って謳うのは、しゃれていて、お店のイメージにもぴったり。そう考えたところから、ネーミングとコンセプトに進んでいったんです。

川島:国井さんが綴ってくれたコンセプト、改めて読み直してみたんです。
「『贈ること』。それはどんな遠いみらいにも連れていきたい、人類の宝物。お歳暮もクリスマスも、贈る側から楽しまなくちゃ。この冬、ビームス ジャパンではハッピーを司る七福神にちなんだ「ニッポンの神ギフト」をご提案。七つの災難が除かれ、七つの幸福が授かる おめでたさを贈ったなら、ちょっといいみらいがやってくるかも、しれません」。

国井:日本って「贈る」という良い文化を持ってきた国だと思うんです。それも、「お歳暮」の持っている、年の瀬に来たる年を見据え、お世話になった方に「おめでたいを贈る」って素敵なことって考えたのです。古いしきたりとして終わらせず、みらいに向かって引き継いでいけたらいいなとも思いました。

川島:でも私、七福神って名前は知っていたし、七人の神様の名前も何となく知ってはいたけれど、実際のところ、どんな“ごりやく”をもたらしてくれるのかは知らなかったんです。それをひもといて、ギフトと結びつけたのも今回のキモですよね。

国井:“ごりやく”を調べてみると、それぞれユニークで。たとえば大黒天は福徳開運の神様だから「富」を担当する、福禄寿は招徳人望の神様だから「友」を担当する、弁財天は恋愛成就の神様だから「愛」を担当する、といったように、それぞれの神様に漢字を一文字あてはめ、いわば「福」の担当を決めたるところから始めました。

七福神をキャラ化する!

川島:このコンセプトに触発され、柿木原さんと西川さんは、七福神をキャラ化したわけです。いわば産みの親ですよね。

柿木原:うちのチョモ(西川さんの愛称)は、昔からキャラクターが大好きで。「やってみたら」って声かけたら、はまってくれて。

西川:私、キャラ作りが本当に大好きで、どんどんやっちゃいました(笑)。まず七福神は、デザインとしていいなと思ったんです。いろいろ調べてみると、元のすがたは結構、緻密で複雑なんですが、今回は思い切って線画だけで描いてみました。たとえば「富」の神様である大黒天だったら「幸せそう」とか「愛せそう」といったことを想定して、ちょっと笑っている表情を工夫したり。説明になり過ぎず、でも意味が伝わるように、ひとつひとつの神様をキャラ化していくのは楽しかったです!

鈴木:僕は、西川さんが作ってくれたキャラを見た途端、「これ、売れるぞ」って思ったんです。

川島:それで商品化に向けてまっしぐら。西川さんと鈴木くんの連携、凄まじかったですね。

鈴木:西川さんがどんどんデザインしてくれたお蔭です。それが僕の中で、このアイテムならあそこで作ってもらえるって、バシバシっとつながっていって。

佐野:西川さんに無茶ぶりっていうところもあったみたいですが(笑)。

西川:いや、私が作ったキャラが商品になって、ギフトとして贈られる。とっても嬉しい経験でした。

林:未来研としてもオリジナルキャラクターを作ったのは初めてのこと。商品になると、また別の見え方になってくると感じました。

鈴木:実は商品にすることで、キャラが膨らんでくるんです。持ち帰って使えるし、人に贈ることができるし。手ぬぐい、缶バッチ、そば猪口(万能猪口)、そしてポチ袋、どれも自信作です!

川島:これ、売れてほしいなぁ。

ビームス ジャパン全館からセレクト

川島:今回は「神ギフト」のリーフレットも作ったのですが、ここには、ビームス ジャパン全館からセレクトしたものが並んでいて、やんちゃで元気いっぱいな感じがビームスらしい! しかも「めでたい」って感じがします。

佐野:5フロアにわたるビームス ジャパンの全館からセレクトしたイベントは、実はこれが初めてなんです。

鈴木:「めでたい」というイメージのものを選んでいくのは、ちょっと大変なところもありましたが、面白かったです。

川島:そして、それぞれの商品を、それぞれの神様にあやかって区分けしたんですよね。

鈴木:そうです。たとえば国井さんがおっしゃっていた、大黒天=「富」なら、富を招く福々しい(=服など)といったように、ギフトという発想から、スウェットの「ループウィラー」とコラボした桜色のウエアとか、スカカーディガンとか。弁財天=「愛」のところは、江戸時代に色街として栄えた吉原を発祥とするブランド「新吉原」のアイテムを揃えたり。布袋尊=「宴」のところには、年末年始にみんなで集まってわいわいというイメージがあったので、柿木原さんが作った「Rocca(ロッカ)」というカードゲームを入れました。

柿木原:ありがとうございます(笑)

川島:恵比寿天=「商」にある、陶器でできた狸人形もかわいいですね。

鈴木:あの狸人形、よくお蕎麦屋さんの前とかにあるじゃないですか。あれ、「他を抜く=タヌキ」にあやかり、商売繁盛のために置いているものなんです。でも僕は、キャラとしていいなと思って、狸人形の産地である信楽に出かけて行って、ビームス ジャパンのオリジナルを作ってもらったんです。ビームスカラーのオレンジ色とか、小さなサイズとか。

増崎:かわいいですね。こうやってビームス ジャパンの中から「贈る」という視点から編集することで、同じ商品でも違う見え方になってくるんだなぁって感じました。

「神ギフト」を定番に、世界に

林:僕はジャーナリストなので、かねがね思っていたのは、もののストーリーを伝えることって大事だなと。店頭で、その伝え方の新しいかたちが実験できたらいいと考えていたんです。

川島:ノビさんは、最先端のテクノロジーに物凄く詳しいし。

林:「神ギフト」のキャラを動かしたものを店頭で流したらどうだろうとか、商品を作っているプロセスを動画で流したらどうだろうとか、さまざまな発想が浮かんできて。一方で売り場については素人同然なので、その道のプロであるビームスチームと連携した実験、いろいろやっていきたいです。

川島:最後にみなさん、「神ギフト」の将来はどうなって欲しいか、夢を語ってください。

佐野:「お歳暮」って、ちょっと忘れていた日本の文化。それが「神ギフト」みたいに、見方を変えることで広まっていったらいいですね。

西川:「福を贈る」ってわかりやすいと思うし、舞台はビームス ジャパン。若い人にもどんどん広まって欲しい。キャラも生き続けて欲しいなって思います。

柿木原:振り返ってみると、ビームス ジャパンというお店が目指していること=「日本人ならではのセンスやウィットに光を当てることで、新しいビームスの姿を作り上げ、世界に“JAPAN”を発信していく」っていうのが、今回のコンセプトとぴったり合っていたんだって思いました。これからもどんどん広めたいですね。

増崎:こうやってかたちになると、ビームス ジャパンらしいなって改めて感じました。定着していったらいいなと思います。

鈴木:僕は、「神ギフト」のキャラが、いずれはギフトの定番キャラになっていって、ビームスという枠をはみ出して広がっていったらいいなって。

国井:世界に愛されるキャラになっていったらいいですよね。

林:日本の良さやユニークさは、先進国から熱い視線を集めていること。ビームス ジャパンの海外発信、海外進出もあるのでは? 日本の素敵なものを世界に出していくって、大きな可能性があると思います。

川島:楽しい夢がどんどん広がっていきます。みらいの夢ってワクワクするもの。是非是非、実現したいものです。これを読んでくださった皆さん、どうぞビームス ジャパンにいらしてください!

ビームス ジャパンでは未来研とのコラボレーションによる「ニッポンの神ギフト」を開催いたします。

お歳暮やクリスマスのギフトの新しい贈り方として、日本ならではの「おめでたさ」を象徴する「七福神」にちなんだ7つのキーワードのもと、ビームス ジャパン全館から商品を選りすぐってご提案いたします。


「ニッポンの神ギフト」とは?
日本は昔から、贈りものを大切にしてきた国。年末に行う「お歳暮」も、そもそもは、一年お世話になった気持ちを伝える意味を持っていたはずです。そこを大事にしながら、未来に向けたギフトとして変身させられないか。それもビームスらしく、どこか遊び心のあるものを。ビームス ジャパンとifs未来研究所がひとつのチームとなり、たくさんの話し合いを重ねて行き着いたのが、「ニッポンの神ギフト」。日本人の暮らしに「おめでたい」をもたらしてきた七福神にヒントを得て、七人の神様にちなんだギフトを揃えました。ビームス ジャパンが抱くニッポンへの思いと、未来研が抱く未来への思いを重ね合わせ、大切なあの人に贈るものを、ちょっと笑みを浮かべながら選んでもらいたい――ビームス ジャパンと未来研チームからの提案です。
「未来の幸せ」を願って、あの人に「おめでたい」を贈ってはいかがでしょうか?

開催店舗
ビームス ジャパン
開催期間
2016年12月1日(木)〜12月25日(日)

(※)ifs未来研究所 http://ifs-miraiken.jp/
伊藤忠商事の傘下で「その未来に、私はいますか。」を掲げ、近未来に向けたライフスタイルの研究・発信を行っている。プロジェクトごとに建築家、グラフィックデザイナー、コピーライター、プロダクトデザイナーなどとチームを組み、ブランドや商品の開発を行うとともに、実験的な研究プロジェクトを行っている。

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