MESSAGE

努力は夢中に勝てない

代表取締役 社長設楽 洋

40年以上も夢中で走り続けてきたBEAMS。
創業時から変わらない想いとは何か? これからの社会にBEAMSが提供すべき価値とは?
BEAMSが求める仲間像とは? 設楽洋から未来のBEAMS社員に贈るメッセージです。

「努力は夢中に勝てない」

世の中と同様に、BEAMSは様々なタイプの人間が存在し、いわば動物園のような会社です。ただ、他社と極めて異なる部分があります。それは「BEAMSが好き」という人間がとても多いという点です。

仕事にはLABOR、WORK、PLAYの3つの意味があると思っています。BEAMSスタッフには仕事を通して周りを喜ばせられるようなPLAYerになってほしい。もちろん、仕事だから当然つらいこともあります。生活のために働いている側面もあるでしょう。ただ、自分の好きなことを仕事にすること、好きな集団に参加できている喜びや誇りを感じながら仕事をすること。それは、とてもハッピーなことなのではないか、と私は考えています。そして、それが時代に足跡を残していると感じる時、その喜びは何にも替えがたいものです。

私は、「努力」をするよりも、好きなことに「夢中」になってほしいと思っています。「自分は努力している」と常に思っている状態は、そのマインドこそ、自分が何かを犠牲にして、いわば無理をしている状態だと言えます。それに対し「好きなことに夢中」の状態は時間があっという間に過ぎ去り、楽しさや満足感に満ち溢れた状態で、何かを「犠牲」に払っていると思うことやそもそも努力しているとさえ思わないでしょう。例えば、世の中の一流と呼ばれる方の多くは、経営者であれスポーツ選手であれ、「好きだから夢中」であることが多い。そもそも限界を突き抜けるパワーが違うし、困難にぶつかった時に容易く折れることもない、むしろそれを楽しんでいる風情ですらある。その明るさに、純粋さに、軽やかさに、人は感動し、憧れ、応援したくなるものです。人間はそういう風にできているのかな、と思います。

そんなBEAMSスタッフの姿を見て、仲間になりたいな、協力したいな、参加したいなと思って頂けるような集団でありたい。そして、「会社」という枠を越えて「コミュニティ」を築いていきたいと思っています。

「変わるものと変わらないもの」

私は「アメリカ」に憧れた世代です。映画、車、ファッション、音楽、スポーツ、全てが輝いていた。ハッピーな生活、自由の国、ドリームのある国、それが「アメリカ」でした。1976年2月、原宿駅からほど遠い雑居ビルの一角(現在のBEAMS原宿)にわずか6.5坪の店としてBEAMSはオープンしました。店名は「アメリカンライフショップ ビームス」。UCLAの学生の部屋を模した店内には、パイン材のテーブルにお香や蝋燭立て、スケボーのホイールやネズミ取り、そしてTシャツやジーンズを並べました。今から40年以上も前に、ライフスタイルを提案する店を出したのが始まりです。

その後、時代の流れが東海岸に移ると、店の横に2.5坪の「ビームスF」をオープン、プレッピーの店です。続いて、洋服の源流はやはりヨーロッパだということで、「インターナショナルギャラリー ビームス」をオープンします。ウィメンズや雑貨なども派生していき、おかげさまで今や年商700億円を超える規模にまで大きくなりました。

BEAMSの歴史は、その時代やストリートの流れに常に寄り添い、またライフスタイルの変化に応じて拡大してきた歴史です。ただし、規模は変われど、「若者の風俗文化を変えたい」「この会社に働く人が、この会社に関係する人が幸せになる会社にしたい」という思いはずっと変わりません。

「TOKYO CULTURE STORY/今夜はブギー・バック(smooth rap)」

その思いは、「HAPPY LIFE SOLUTION COMPANY」と言葉を変え、「ハッピーな生活のための喜びの素材・共感の素材を提供する集団」となり、今やスタッフ一人ひとりがそれを胸に深く刻み、それを自負してもいます。その40年間を振り返ってみたい。BEAMSには直接縁のなかった流れも含めて、ストリートの変遷を記録し、整理することで、また新たな時代、次なる原動力を生むきっかけを作りたい。そんな思いから、「TOKYO CULTURE STORY /今夜はブギーバック(smooth rap)」が生まれました。

この作品は、動画総再生回数が1200万回を超えるなど話題を呼び、「アジア太平洋広告祭(ADFEST 2017)」にてシルバーアワード、「第4回Brain Online Video Award(BOVA)」ではグランプリを受賞しました。これに留まらず、日本で最も歴史ある総合広告賞である「広告電通賞」で「デジタルメディア広告 webムービー部門 最優秀賞」を、またデジタル領域に特化した総合的デジタルアワード「コードアワード2017」では「ベスト・キャンペーン賞」を受賞し、日本の広告界、デジタルマーケティング界を代表する両アワードにおける大変栄誉あるタイトルをも受賞しました。

私たちの歴史の解釈、表現方法が認められたことは素直に嬉しいと思っています。

「40年間、喜びの素材・共感の素材を提供し続けてこられた理由」

スタッフが、実際にそれを着ている、使っているというリアル感に尽きる、と思います。4畳半1間に住んで、どんなにそのクルーザーの良さを説明しても説得力がありません。実際に自分がお金を出して買って、使ってみて、良いと思えるものをお客様にお薦めする。この信頼関係があるからこそ、「共感」していただけるのだと思います。

「悩める人に一言」

「一歩進めよ、一歩でも出ろよ。」とお伝えしたいですね。例え良い結果に繋がらなくても、いずれ何かの役に立つ。それが経験というものだと思います。この方法論じゃなかったと気づくだけでも、収穫ですしね。

私は割となんでもできるタイプでした。でも、一流の人には何一つ敵わない。だから秀でたクリエイターには今でもコンプレックスがあるんですよ。そこでプロを集めて、プロデュ―スすることもクリエーションの一つではないかと思いついた。それが「セレクトショップ」であり、自分にとってのクリエーションだったんです。

なんでもやってみなければ、向き不向きも分からない。スタートラインを少しでも前に進めることは意味があります。

「一緒に仕事をしたい人」

年齢は単なる「背番号」に過ぎません。一歩踏み出し行動する、プラス志向である人こそが、「若い」人であると思っています。あらゆるものに興味を持つ、好きなことに夢中になれる、一つのことを突き詰める、胸がキュンとなる人。そんな人と一緒に仕事をしたいですね。

「メッセージ」

先日、初孫が生まれました。その日に、最先端の技術を持つアメリカの大企業トップの方とAIについてミーティングを行いました。そこで話に出たのは、3年後、5年後の急速なAIの進化についてです。20年後はどんな社会になっているかは、もはや想像もつきません。ただ、どんな時代になっても、世の中が平和であってほしい、ラブ&ピースな世界であってほしいと願っています。

そのためにBEAMSができることは何か?おそらく「正しい判断」よりも「暖かい判断」が重要になってくると思います。「正しい判断」はコンピューターやロボットで瞬時にできるようになるでしょう。その「正しい」は営利企業である以上、「儲かるか儲からないか」を基準とせざるを得ません。「文明は飯の種になる、しかし、文化・カルチャーは中々飯の種にならない」、でも面白い。「儲かる」より「楽しい」をやるのがBEAMSです。だから、自分の代では上場しない。それを次の世代にも伝えたい。新しい時代の解釈、オルタナティブな視点・価値観が、より重要になるだろうと考えています。

SPECIALCONTENT

「夢中なもの」
  • ①着物素材のジャケット
    抜染で裏に家紋、店でハンガーにかけたい
  • ②大島紬のストール
    これをタキシードに合わせる
  • ③小物入れ
    お坊さんが和装の時に持つバッグをクロコダイル素材で。これはスーツに合わせる。
  • ④アンティークの煙草入れ
    名刺とカード入れにしている。昔は帯にぶら下げていたもの。

ファッションはコミュニケーションのツールだと思っています。最初に話すきっかけ作りですね。「なんですか、それ!?」から生まれるコミュニケーションで一気に距離が縮まりますし、モノ一つで相手の興味を引くこともできます。