BEAMS EYE on BEPPU

PROJECT
BEAMS EYE on BEPPU
CLIENT
大分県別府市
YEAR
2017-

大分県別府市とのコラボレーションプロジェクト第4弾『BEAMS EYE on BEPPU』。今回の取り組みでは、別府市と共同で、公募により集まった13の事業者と”あたらしいみやげもの”の開発に取り組みました。<BEAMS JAPAN>バイヤーと、度重なる意見交換と試作品づくりを経て完成した商品は、温泉の蒸気を活用した調理技法『地獄蒸し』によって製造した“温泉コンフィチュール”や珈琲豆、別府を代表する工芸である竹細工のおもちゃやつげブラシなどのほか、まちの活性化の鍵をにぎる様々なサービスにまつわる紹介まで、多彩なラインナップです。イベントでは「ビームス ジャパン」の店内に足湯を設置。また、このイベントに合わせて制作したフリーペーパー『BEAMS EYE on BEPPU あたらしいみやげもの』を「ビームス ジャパン」店頭で無料配布。過去3年の『BEAMS EYE on BEPPU』参加事業者と開発した“あたらしいみやげもの”を、『町』『人』『食文化』といった6つのテーマに分けて紹介。それぞれの背景にあるストーリーや事業者の想いに焦点をあてながら別府のものづくりの魅力に触れるフリーペーパーです。

Order

別府温泉への観光客が少しずつ減少していく状況を踏まえ、若い層を中心とした新たなターゲットに対する街と温泉の魅力の再認知と、今までになかった別府ブランドの斬新な「付加価値」と話題性を求め、市内で購入できる伝統的な工芸品に変わる “MADE IN BEPPU”のおみやげを開発すること

Issue

別府とビームス、両者の協業の文脈が曖昧な状況でプロダクト開発からスタートしてもユーザーの共感を呼ぶことは難しく、さらにビームスが抜けた後でもブランドづくりというプロジェクトの自走を可能にするために、参加した事業者すべてが「ブランドづくり」そのものについての学びが得られる事業を目指しています。

Ideas

協業の土台づくりのため、第1回目は毎週末新宿のBEAMS JAPANに別府市の源泉かけ流しの湯による足湯を設置。おみやげの開発については、半年間を費やして事業者様との深い対話を繰り返し、プロダクト開発ためのビームス的アプローチを共有。さらに、ものづくりの背景にある「物語」を伝えるため、ペーパーメディアとウェブメディアも制作しました。

VOICE

  • 鈴木修司
  • ディレクター

もともとは別府を代表する新しい土産物を、2~3年かけて作って欲しいっていう依頼でした。でも僕たちとしてはただ土産物を作るだけじゃなく、数年後にビームスが離れたとしても別府の各事業者がそれぞれ自力で発展させられるような、関わる人すべてにとって学びの機会が多い事業にしたいという思いがありました。別府とビームスがくっついただけじゃ誰も振り向かないだろうし、いきなり僕たちが別府の特産品をプロデュースしてもお客さんはついてこないだろうと思いました。だからまずはちょっとキャッチーな、誰もが目を引くことようなことをやった方がいいかな、と「例えばですけどうちの新宿の店に暖かいままの源泉掛け流し足湯を運んでいただけますか?」って難題を提案してみたんです。そしたらちょうどそういうサービスを始めた会社がいて、特殊なタンクローリーで運んでくださった。それで別府とビームスの繋がりができたから、2年目でお土産もつくるし商品開発もすることになったんです。そこで今度は、僕たちのものづくりのチームが半年間別府に通い詰めて、リサーチしまくったんです。そうしたなかで別府の様々な事業者さんのお話しを聞いていると、歴史が長いからこそ、自分たちのサービスやプロダクトに強いプライドを持っていて、変えたくないことや譲れない部分がどうしてもでてしまうものなんです。僕たちはその気持ち汲み取り、少しずつほぐしながら、新しい発想を提案していきました。今までとは違う層に発信していくのであれば、変えなきゃいけない部分は必ずあるものなんですよ。僕はそういうネガティブなことも、できる限りストレートに伝えます。認めるところは認めてリスペクトする、でも厳しいことも正直に言う。その上で「ビームスと一緒にやりたい」って思っていただけるようしたいんです。プロジェクトが成功するかどうかは、結局は、人と人との力次第なんです。だからまずはちゃんと信頼関係を作らないと何も始まらない。中でも「ザボンの砂糖漬け」はとても印象的でした。実はこれ、その会社の社長さんと一緒にパッケージと売り方を変えただけですが、1年後大分空港に行ったら大分空港の売店の一番いいところに大々的にコーナー展開されていたんです。ちゃんとした販促物があって、そこから派生した新商品も出ていて。お客さまと僕たちが一緒に力を尽くして考えたものが、知らないところで自走し、想像以上のプロダクトに成長していたんです。もう最高の気分でしたね。サボンはほんの一例でしかなくて、別府の皆さんはすごく元気だし感覚もいいので、街全体がどんどん面白くなってきました。もう僕たちがいなくなったとしてもどんどん変わっていくでしょう。もっとたくさんの人たちに別府に足を運んでみて欲しい。行けば本当に、その魅力がわかりますから。
僕自身は「素人代表」みたいなものだと思っています。やったことのないことも、わからないこともたくさんある。でもどんなことでも最後は「好き!」という単純な気持ちが一番だと思っています。だからあれこれと考える前に、とにかくぶつかっていく。プロデュースのプロフェッショナルは他にもたくさんいるかもしれないけれど、僕は「プロの素人」として、自分自身も楽しみながらプロジェクトに全力投球することで、結果的に誰も見たことのないような面白いものが生まれていくと信じているんです。

  • 佐野明政
  • プロデューサー

このプロジェクトがスタートした時は、実際かなりぼんやりとしたオーダーでした。別府温泉のお客さんが減って観光業だけでは難しくなってきている現状があり、ビームスのプロデュース力で別府という街をもっと目立たせることができないかというような。だから僕は「できればもう少し具体的な希望を聞かせて欲しい」と伝えたんです。ところが「とりあえず一度ビームスに好きにやってみて欲しい」ということでした。神戸や沖縄でのBEAMS EYE onプロジェクトの実績を見て期待していただいたんだと思います。それならば、とディレクターの鈴木が「では別府から源泉掛け流しのお湯を持ってきて、ビームス ジャパン(新宿)で足湯をしてみませんか」という無茶なお願いをしてみたら、本当に実現したんです。その企画のインパクトは本当にすごかったですよ、週末ごとにお店の行列がどんどん増えていきましたから。その成功体験を共有できたことで、2年目から「あたらしいみやげもの」を含めたプロジェクトがスムーズに進んでいきました。
僕たちはいつも最初に、課題や解決したい問題点について深いヒアリングをさせていただくようにしています。面白いからといって僕たちが勝手な思い込みで企画を押し付けるようなことは絶対にしません。あらゆる話を聞かせていただいた上で課題を明確にし、「それならば、こういうやり方はいかがでしょうか」と、そのプロジェクトの課題解決に最適なオリジナルのソリューションを提案させていただきます。別府のプロジェクトでも、半年の間に何度か別府を訪れ、数日間ほぼ缶詰状態でいくつもの事業者さんからヒアリングをする機会を設定しました。その事業者さんごとに「ビームスに何ができるのか」を考え、僕たちの持っているノウハウをできる限り伝えさせていただいたんです。特に「地域」をプロデュースするプロジェクトの設計となると、関わる方々やそこに住む方々の今後の生活に直接影響することですから、責任はさらに重大です。だからこそ瞬間最大風速的な単発の企画ではなく、将来のことまで見据えて考えるべきだと思っています。
なぜビームスにプロデュースを依頼するのか。それはきっと「今までにないアウトプットで、今までとは違う人々に価値を届けて欲しい」ということなんだと考えています。だから僕たちもあまりに堅くやりすぎず、企画には必ず僕たちらしい「遊び心」を取り入れるようにしています。自分たち自身が面白がっている企画こそが、結果的にお客様が一番喜んでくれることが多いから。だからこそ、どんな案件でも、そのお客様が大切にしてきたカルチャーやストーリーをきちんと勉強し、理解し、掘り下げます。どんな相手だったとしても、ちゃんと知って、リスペクトしたうえじゃないと、手が動かない。それがビームスの文化なんです。
僕がさまざまなプロジェクトに携わるうえで一貫して大事にしてきたことは、関わる人たちができる限り気持ちよく参加できて、最後に「関わってよかったな」と感じてもらうこと。特に別府のように長いスパンで展開されるプロジェクトとなれば、顔と顔が見えてるからどんどん情が入ってくるし、その人のためにも絶対頑張らなきゃと思いますよね。やっぱり常に期待に応えたいし、いつだって前よりいい企画を提案していたいんです。もう僕たちが一番楽しんでるのかもしれません。

OUTPUT