開拓者たち

Satoshi Tsuruta 2018.04.09

こんにちは、Tsurutaです。

桜が散り、春の陽気が本格的にやってきました。重い上着を脱ぎ捨てて、アクティブになるにはうってつけの季節です。G.Wも近づき、いよいよ春夏シーズンも本番。

アクティブな洋服の代表と言えば「ジーンズ」ですね。元々がワークウェアということもあり、デニム素材のジーンズは都会でも郊外でも活躍するタフな普段着として、私たちの日常にすっかり溶け込んでいます。

ただし、今書いたように「ジーンズは本来、作業着」なのです。労働の際に着用するモノであったはずのジーンズが今の様な市民権を得るまでには、ファッションの歴史の中で何度かの革新や転機がありました。今回はファッションとしてのジーンズの歴史を切り開いてきたパイオニア的な「あの」ブランドの紹介です。



「Calvin」というロゴを見ただけで、勘の良い方はもうお気づきのはず。


Calvin Klein Jeans(カルバン クライン ジーンズ)です。

以下はビームス オンラインショップのテキストより。

「1978年にローンチされて以降、カルバン クライン ジーンズはメンズ・ウィメンズ共に、オーセンティックなデザイナーズジーンズとして認識されてきました。オメガステッチが施されたアイコニックなポケットの発表から30年経った今日でも、持続性のある素晴らしい履き心地や個性的なディテール、革新的なアイテム使い、そしてパイオニア的な広告キャンペーンなど絶えず注力し続けているアメリカ発の人気ブランド。」



30代後半以上の世代には懐かしいブランド名です。1990年代前半にファッション誌を熱心に読んでいた方は、Calvin Kleinのキャンペーン広告が強く印象に残っていることでしょう。フォトグラファーのブルース・ウェバーや、(被写体としての)ケイト・モスらを一躍スターダムに押し上げた一連の広告写真は、それまでのファッション業界の通例を根底から揺るがすものであったに違いありません。1982年にブルース・ウェバーが撮影したアンダーウェアのキャンペーン写真は「鍛え上げられた肉体美を誇る男性が真っ白なブリーフを一枚身に付けているだけ」のものでした。(こういった手法は)今では当たり前になり過ぎて、言葉ではうまく伝わらないかもしれませんが…。

そもそも、ハイファションのデザイナーがジーンズやアンダーウェアを手掛けるということ自体、殆ど前例がない時代にCalvinはジーンズラインをスタートさせています。



革新的デザイナーとして1980~90年代のファッション界を牽引したCalvin Kleinの現クリエイティブ・ディレクターに就任し、大きなニュースになったのが、ご存じRaf Simons。ニューヨークを舞台にRafが発表したCalvin Kleinのプレタポルテライン「205W39NYC」2017年秋冬コレクションももちろん話題になりました。Calvin Kleinというブランドの歴史とRaf Simonsの才能が化学反応を起こし、21世紀的なアメリカンルックが誕生したのです。



Raf Simonsのディレクター就任を受けて、Calvin Klein Jeansも新たな展開を見せています。「205W39NYC」でも多く見られた「ウエスタンディテール」や「側章」などの1970年代風デザインはCalvin Klein Jeansにも落し込まれていますが、ブルース・ウェバー的マッチョイズムは影を潜め、むしろ繊細でアーティスティックなムードが漂っています。


インターナショナルギャラリー ビームスでは新生・Calvin Klein Jeansコレクションの中からデイリーウェアに新しい感覚を呼び起こしてくれるアイテムを中心にバイイングしています。スウェットシャツ、Gジャケット、ワークシャツ、Tシャツ、そして勿論ジーンズも。





Gジャンにジーンズというユニフォームルックは1990年代のHelmut Langを彷彿とさせます。思えば、Calvin Kleinの存在なしにHelmut Langの成功はありえなかったのかもしれません。Helmut Langから多大な影響を受けたと公言しているRaf Simonsも同様です。



Helmut LangやRaf Simonsといった才能あるデザイナーが、それぞれのキャリアの中で知らず知らずのうちにニューヨークという都市に集まっている事実。1980年代にCalvin Kleinという偉大なデザイナーがワークウェアとアートを繋げたその瞬間から、それは予見された未来であったのかもしれません。

ジーンズという「反抗の象徴」をキャンバスに、アートなグラフィックのプリントTをプラスして、デイリーかつ刺激的なスタイルに身を包み街を歩いてみませんか?


この春の、個人的イチ押しスタイルです。





Tsuruta