限りなく透明に近い…

Satoshi Tsuruta 2018.06.04

季節が変わり始めました。
日中は夏の一歩手前という陽射しの強さ。

着る服のカタチや素材も変わり始める季節です。

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2018年春夏の注目素材といえばナイロン、シルク、レーヨンといった素材です。ペラペラっとした軽さもそうですが、これらの素材はコットンやウールに比べ発色が良いので、今シーズンはヴィヴィッドカラーやパステルカラーを乗せたアイテムに多用されています。ハイファッションにおいて、従来はレディースアイテムによく見られる素材でしたが、この夏はメンズアイテムでもバリエーション豊かに展開しています。

もうひとつ、レディース発信からメンズに流れてきた素材が「トランスペアレント」です。


えっ?それって何?という方も…?


PVCやビニールなど「TRANSPARENT=透明な」素材で作られた衣服が昨年くらいからよく見られるようになり、2018年に本格的なリバイバルを遂げています。この「スケスケ服」の歴史は1960年代後半にイヴ・サンドーランやアンドレ・クレージュらが提案したトランスペアレントルックまで遡ることができます。アメリカvsソ連の宇宙開発競争が本格化した時代に「近未来的な最新素材」としてパリファッション界での話題をさらいました。

かく言う僕の高校生時代(1990年代中盤)にもトランスペアレントなアイテムはリバイバルしています。ビニール素材のバッグやベルト、メッシュ素材の衣服などが流行していました。当時も1960年代後半~70年代ファッションがリバイバルしていたので、およそ20年周期ということになります。


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ここからは店内にあるスケスケ服をご紹介。


写真はCLASSのブルゾン。キャメルレザーとポリ塩化ビニールという強烈な異素材コンビネーション。





CLASSのデザイナー堀切氏はモード史に非常に造詣が深く、過去の優れたファッションをリスペクトし、オマージュを捧げながらも、必ず「今」という時代に変換する形でコレクションを発表してきました。単なる焼き直しファッションとの決定的な差がここにあります。



フラットに縫合されたPVC素材。



あえて芯地を入れる事で、副資材やそれに施された(ステッチなどの)職人技が透けて見えるように意図されています。無機質な素材と有機的な手仕事をブレンドする、という着眼点は実にCLASSらしいセンスです。



JIL SANDERからは透き通るくらい薄いナイロンのシャツブルゾンがリリース。高度な縫製技術を持つ工場でなければステッチを打つ事すら難しそうな「軽さ」と「薄さ」です。


モード界の異端児、RAF SIMONSからも勿論スケスケアイテムが。一見すると「どこが…?」という感じですが。


近づいてみるとノースリーブのメッシュシャツです。このスタイリングではインナーに同系色のシャツを着せたので、それほど透け感がありませんが…。


光にかざしてみると十分透けています。

メッシュ素材で透け感を出したアイテムも僕の高校生時代にはトレンドでした。18歳の頃、BEAMSオリジナルのメッシュTを着ていた僕。色は鮮やかなパープル、ナイロン混の黒いスリムパンツに合わせてエナメルのモンクストラップを履いていました。いま思えば、けっこー気持ち悪い組合せですね…(笑)。今メッシュ素材を取り入れるなら、ゆったりしたサイジングで選ぶ方が今年らしいと言えそうです。



ポケットにPVC素材を使い透けさせたものも。今回のRAF SIMONSは映画「ブレードランナー」の世界観を盛り込んだコレクションなので、近未来イメージとしてのトランスペアレントです。



衣服が透けてみえるのには抵抗がある、という方にはコチラ。TA CA Siからトランスペアレントなミニバッグがリリースされています。「中に入れる荷物が丸見えじゃないか」なんて言わずに、アクセサリー感覚でどうぞ。夏場の単調になりがちなコーディネートに素材感のポイントを作ってくれます。ナイロン系のアイテムには勿論、リネンのような自然素材に合わせてみるのも面白そう…。人気アイテムのため、残りわずかです。


いかがでしょうか?

薄着になるこれからの季節、メッシュ素材のシャツやビニール素材の小物ならば「涼しげに見せつつレイヤードを楽しむ」ことが出来そうです。

是非、みなさまもトライしてみてください。




Tsuruta