続 )プリントの意味なんて知らなくて良い

上川路 俊輔 2018.06.07

最期の晩餐をモチーフとしたユニークな作品がプリントされたTシャツのご紹介です。

以前、こちらを描いたアーティストの所属するユニット<ウルトラヘヴィー>についてと、個人的なこの作品への考察を書かせて頂きました。

もし興味を持って頂けましたらこちらもご覧ください⇒http://www.beams.co.jp/blog/syl/23130/


今回はこのアーティスト、ジェリー鵜飼さんの別な作品もご紹介させて頂きます。

(こちらはBEAMSでのお取扱いは無く私の私物です。ご了承ください)




<記憶の地図>

Tシャツの上に出している本は先日ジェリー鵜飼さんが出された自伝的小説になっています。

「キミ」と呼ばれる女性と旅した山々の思い出を振り返る内容です。一人称で語られ、初めはまるでラブレターを呼んでいるかの様に感じられます。

読み進めると徐々に思いを伝える相手は(おおそらく幼稚園生くらい?の)娘さんだとわかってきます。


静かな文章で淡々と語られる思い出と「キミ」への言葉が非常に優しい気持ちにさせてくれ、読んだ方は思わず山へ出てみたくなると思います。

また山への愛情や向き合い方を、「キミ」へ語りかける様にして自分自身に問いかけている様に感じるところもあり、読んでいた私自身も普段の生活を振り返るきっかけとなりました。


いくつかのWEBショップと蔦谷書店の一部でしか販売されなかったものですので購入は難しいかと思いますが、私物をお店に置いていますのでご興味ある方は是非ご来店ください。あと先日訪れた代官山の蔦谷書店(文学書館のコンビニの前あたり)にサンプルが置かれてましたのでこちらだとゆっくり読めるかもしれません。

(もしくはどこかの山小屋で見つけられるかもしれません。ハイカーが山小屋で見て何か感じてもらえたらとどこかの山小屋に置かれているそうです。)


「キミ」との物語以外にもジェリー氏自身が使っているアウトドアギアについての過去の連載なども纏められておりウルトラヘヴィー(UH)に続く感覚が感じられます。


最後にUHに触れられていた部分を少し抜粋してご紹介いたします。




自分で背負えるものしか運べないから荷物はいつも悩んで厳選する。ウルトラライトにハマった当初は、荷物を軽くする事、減らす事に夢中だった。それはそれで楽しかったけど、過度なミニマム装備での山遊びはちょっぴり味気なかったね。大自然に囲まれているだけで満足な人も居るんだろうけど、僕はそこまでストイックにはなれなかった。

UL(ウルトラライト)落ちこぼれである。

~中略~

アルコールバーナーに火を灯して、山頂でホットサンドを作る。さんざん悩んだあげくバックパックにバウルーを突っ込んできたのは大正解だった。

挽きたてのコーヒ―が飲みたいから豆のまま持ってきた。特別な事じゃなくて、皆とやってることは同じだけどね。


肩肘張らない、いつも通りが僕の「山で一服」。


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プリントの意味なんて知らなくてもかっこ良ければ、好きだったらいいんですけどね。

背景を少し知ると着る時にも意味を持ってくれるので違った楽しみ方も出来る様になると思っています。

このTシャツを買った方の気分に少しでも良い影響になったら幸いです。


上川路