スタッフ「Satoshi Tsuruta」の記事

プレイバック part1

いよいよ夏のセールが近づいてきました。


2018年春夏シーズンも終盤戦。今回は店内ディスプレイを見ながら今季の傾向を総ざらい、というブログです。





まずはコチラ。MARNIのジップアップブルゾンをE.Tautzのワイドパンツにインしたコーディネート。高い位置にウエストポーチを合わせ、更にウエストマーキング。




インナーはシンプルな無地Tでクリーンに合わせるのが新鮮です。ベーシックな配色にバッグのイエローがポイント。





こちらは70'sフィーリングを取り入れたコーディネート。RAF SIMONSのシャツや7×7のブーツはモロにウエスタンスタイルですが、Maison Margiellaのショートパンツで意外性のあるバランスに仕上げています。Martin Roseのレザー製ウエストポーチが全体を引き締めています。




赤茶色のシューズも今シーズンの気分です。



足元といえば、スニーカー人気はもちろん継続中。こちらはVALENTINO。



奥にもVALENTINO。




RAF SIMONSの(ノースリーブ)メッシュシャツにサルエル型のショーツを合わせています。メッシュやビニール素材のアイテムが人気だったのは先日のブログでも書いたとおり。夏のレイヤードルックでも大活躍。開放的になり過ぎないようにインナーにはタブカラーシャツをレイヤード。グレンプレイド柄のショーツと少しだけ繋がりを持たせています。




レトロスポーツテイストのトラックパンツやスニーカーもハズせません。ジャケット、パンツ、パッチワークシャツはMARNI、スニーカーはLiam hodgesis×FILA。チョークストライプをクレイジーパターンであしらったジャケットを羽織らせてスポーティになり過ぎないように気を付けました。



ベージュ~オフ白の軽い配色はコロニアルスタイルの流行からクラシック業界でも人気でした。ここではCEDRIC CHARLIERのスウェットにVELENTINOのクロップドパンツでクリーンに合わせながらもJIL SANDERのストラップベストやJOHN MOOREのラバーブーツでパンキッシュに仕上げています。


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全体的に言えるのは「一見アヴァンギャルドに思えるアイテムにも、よく見ればメンズファッションの背骨がきちんと入っている」ということです。世界トップレベルのデザイナーたちが作る服ですから、当たり前なんですけど…。当店のスタイルは、どんなに前衛的な服を見ても「ただの変わったデザイン」だと決めつける前に、その背景にあるものをきちんと見極め、あくまでベーシックなものを扱うつもりで展示・販売することです。

店内ディスプレイは一見変わった組合せに思えるかもしれませんが、その中にベーシックなメンズ服のエッセンスを感じて頂ければ幸いです。

さて…。




当店では、いよいよ6/29(金)より夏のセールスタートです。

しかしその前に…。


絶賛開催中のこちら。
欲しい物を人よりも先に!売り切れてしまう前に!という方は是非、お早めに!




Tsuruta


限りなく透明に近い…

季節が変わり始めました。
日中は夏の一歩手前という陽射しの強さ。

着る服のカタチや素材も変わり始める季節です。

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2018年春夏の注目素材といえばナイロン、シルク、レーヨンといった素材です。ペラペラっとした軽さもそうですが、これらの素材はコットンやウールに比べ発色が良いので、今シーズンはヴィヴィッドカラーやパステルカラーを乗せたアイテムに多用されています。ハイファッションにおいて、従来はレディースアイテムによく見られる素材でしたが、この夏はメンズアイテムでもバリエーション豊かに展開しています。

もうひとつ、レディース発信からメンズに流れてきた素材が「トランスペアレント」です。


えっ?それって何?という方も…?


PVCやビニールなど「TRANSPARENT=透明な」素材で作られた衣服が昨年くらいからよく見られるようになり、2018年に本格的なリバイバルを遂げています。この「スケスケ服」の歴史は1960年代後半にイヴ・サンドーランやアンドレ・クレージュらが提案したトランスペアレントルックまで遡ることができます。アメリカvsソ連の宇宙開発競争が本格化した時代に「近未来的な最新素材」としてパリファッション界での話題をさらいました。

かく言う僕の高校生時代(1990年代中盤)にもトランスペアレントなアイテムはリバイバルしています。ビニール素材のバッグやベルト、メッシュ素材の衣服などが流行していました。当時も1960年代後半~70年代ファッションがリバイバルしていたので、およそ20年周期ということになります。


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ここからは店内にあるスケスケ服をご紹介。


写真はCLASSのブルゾン。キャメルレザーとポリ塩化ビニールという強烈な異素材コンビネーション。





CLASSのデザイナー堀切氏はモード史に非常に造詣が深く、過去の優れたファッションをリスペクトし、オマージュを捧げながらも、必ず「今」という時代に変換する形でコレクションを発表してきました。単なる焼き直しファッションとの決定的な差がここにあります。



フラットに縫合されたPVC素材。



あえて芯地を入れる事で、副資材やそれに施された(ステッチなどの)職人技が透けて見えるように意図されています。無機質な素材と有機的な手仕事をブレンドする、という着眼点は実にCLASSらしいセンスです。



JIL SANDERからは透き通るくらい薄いナイロンのシャツブルゾンがリリース。高度な縫製技術を持つ工場でなければステッチを打つ事すら難しそうな「軽さ」と「薄さ」です。


モード界の異端児、RAF SIMONSからも勿論スケスケアイテムが。一見すると「どこが…?」という感じですが。


近づいてみるとノースリーブのメッシュシャツです。このスタイリングではインナーに同系色のシャツを着せたので、それほど透け感がありませんが…。


光にかざしてみると十分透けています。

メッシュ素材で透け感を出したアイテムも僕の高校生時代にはトレンドでした。18歳の頃、BEAMSオリジナルのメッシュTを着ていた僕。色は鮮やかなパープル、ナイロン混の黒いスリムパンツに合わせてエナメルのモンクストラップを履いていました。いま思えば、けっこー気持ち悪い組合せですね…(笑)。今メッシュ素材を取り入れるなら、ゆったりしたサイジングで選ぶ方が今年らしいと言えそうです。



ポケットにPVC素材を使い透けさせたものも。今回のRAF SIMONSは映画「ブレードランナー」の世界観を盛り込んだコレクションなので、近未来イメージとしてのトランスペアレントです。



衣服が透けてみえるのには抵抗がある、という方にはコチラ。TA CA Siからトランスペアレントなミニバッグがリリースされています。「中に入れる荷物が丸見えじゃないか」なんて言わずに、アクセサリー感覚でどうぞ。夏場の単調になりがちなコーディネートに素材感のポイントを作ってくれます。ナイロン系のアイテムには勿論、リネンのような自然素材に合わせてみるのも面白そう…。人気アイテムのため、残りわずかです。


いかがでしょうか?

薄着になるこれからの季節、メッシュ素材のシャツやビニール素材の小物ならば「涼しげに見せつつレイヤードを楽しむ」ことが出来そうです。

是非、みなさまもトライしてみてください。




Tsuruta


ハイ&ロウ


こんにちは、Tsurutaです。

ここ最近のブログで何度か、今シーズンの店内ディスプレイコーディネートをご紹介してきましたが、その中で「レギュラー古着感」という表現で僕が書いたものがあります。Martine Roseを筆頭に「チープなセコハン感覚の発色や素材加工を得意とするデザイナー」が2018年に台頭し始めている、という話です。ご記憶の方もいらっしゃいますでしょうか?この場合の「レギュラー」とは「ヴィンテージと呼ぶには至らない、まだ比較的浅い年月しか経過していないもの」という意味です。

この「レギュラー」と「ヴィンテージ」の境目は、人によって(時代によって、国によって)マチマチです。

ジーンズに関しては「リーバイスで言うところのビッグEとスモールeの間が境目」という感覚を個人的には持っておりますが…さて?

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ここでイベントのお知らせです。




(以下BEAMSオフィシャルサイトより引用)

ヴィンテージやアンティークからインスピレーションを得て、90年代にまつわるバンドのオフィシャルTシャツを中心に製作するブランド<Insonnia Projects(インソニア プロジェクツ)>。

この度、エクスクルーシブのNIRVANA復刻オフィシャルTシャツを発売するほか、デザイナー志鎌英明氏の私物アーカイブ(Tシャツ、ポスター、ポストカード、カセット、ビデオ、楽譜等)を額装して展示・販売します。 また、商品ご購入者にはシリアルナンバー入りのZINEを50名様限定で差し上げます。

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ここ数年の間に、古着屋の店頭で1990年代のバンドT(オルタナ/グランジ及びUK含む)がビックリするくらいの高値で売られているのを目にするようになりました。

当時(1990年代)に学生時代を過ごしたリアルタイムの世代としては、とにかく驚きのハイプライス。その頃もバンドTの価格が高騰したことはありましたが、それらは主に1970年代までのもので、代表的なところでストーンズ、レッド ツェッペリン、ピンク フロイドなどのレジェンド、他にヘヴィメタル、初期パンクものなど…。

リアルタイムで活動していた90年代バンドのTシャツは当然、現行品=レギュラーだったので、まぁよっぽどレアなものでない限りは普通に毛が生えた程度の値段で取引されていたかと思います。これはバンドT以外の古着全般にも言えることでした。ちなみにカート・コバーンはレギュラー古着の着こなしの達人でした。チープで小汚ない服がなぜ、あんなにカッコよく見えるのか、という。

そして2018年。NIRVANAの大出世作「NEVERMIND」がリリースされたのは今から27年前、来年(2019年)はカート・コバーンの死から25年というメモリアルイヤー。時代の流れるスピードの速さに驚くばかりです…。そりゃ、自分も歳も取りますね、という。

こうなってくると1990年代のバンドTも、もはや「ヴィンテージ」と呼べるほど「古く希少性の高いもの」になってくるわけです。とりわけ、フロントマンが衝撃の死を遂げ、すでに解散済みの伝説的バンドのものとなると尚更のこと。




本イベントでは志鎌氏が蒐集してきた過去の希少なコレクターズアイテムを惜しげもなく放出いたします。ファン垂涎モノ、レアなお宝アイテムを額装されたアートピースとして販売いたします。もちろん全て一点もの。


また、本イベント用に別注したTシャツを会期初日から発売します。






このブランドが作るバンドT、クオリティが物凄いんです。リプロダクトの新品とは思えないほどリアルなダメージ加工。巷に溢れる復刻品とは段違いのハイファイなローファイ感(笑)。一点一点、職人の仕事が光ります。「そうそう!バンドTって色が褪せるとこうなるよね~、ラバープリントがひび割れてくるとこんな感じだよね~」という、驚愕の再現度。生地がヨレた大きめのサイズ感もバンドTの必須項目。もし新品から着込んでいくとしたら、たぶん100回以上は「洗って干して」を繰り返さないとこの仕上がりには持っていけません。
また、今回の別注品はすべてバックプリント入り。この辺りも泣かせます。

マニアならずとも必見の当イベントは5/25(金)スタートです。


ハイとロウがグチャッと混ざった空間をご用意して、皆様のご来店をお待ちしております。




Tsuruta




Refine!ふたたび

こんにちはTsurutaです。

気温も上昇し、20℃超えの暖かい日(もはや、ちょっと暑いくらい)がすっかり当たり前になってきました。GWも間近に迫り、春夏シーズンも佳境を迎えています。


店内には展開商品の9割が入荷済み。ということで、ディスプレイをガラッと作り変えてみました。



今シーズンの気分を随所に盛り込んでみました。以前のブログ(↓)でご紹介したものと是非、見比べてみて下さい。
http://www.beams.co.jp/blog/international_gallery_beams/21578/




ナイロン素材やウエストポーチなどのスポーツテイストはやはり外せません。パステルなもの、ヴィヴィッドなもの…。発色の良いアイテムを差し込むのが今春ならではの楽しさです。



当レーベルの場合、足元のスニーカーもこれくらいデザインコンシャスな物が出ています。こちらはVALENTINO(ヴァレンティノ)のもの。アーティスティックですね。



CEDRIC CHARLIER(セドリック シャルリエ)のコートはトレンチタイプですが、非常に軽いディテール、素材、発色。ロングシャツ気分でEINE(エイン)のプリントTの上にざっくり羽織って。AVOC(アボック)のパンツにも注目カラー「イエロー」が効いています。



SOULLAND(ソウルランド)のベースボールシャツ、プリントTはレギュラー古着タッチのチープな発色。パステルカラーとはまた違った意味で90年代色強めです。M's BRAQUE(エムズ ブラック)のトラックパンツやNICENESS(ナイスネス)のレザーブルゾンで古着屋のお兄さん的なコーディネートですが、TOGA(トーガ)のサンダルが全体をブラッシュアップしてくれます。



カット柄のイージーパンツにパイル生地の半袖ビーチジャケットを羽織ったスタイリングもエクストリームな古着調スタイリング。パンツはSEVEN BY SEVEN(セブン バイ セブン)、ジャケットはFILL THE BILL(フィル ザ ビル)のもの。どちらも古着に精通したデザイナーですが、ヴィンテージをモチーフにしつつ、それをREFINE(洗練する、上品にする)する形で表現しています。



大きめのバックパックを背負っているので、足元はチロリアン風のPARABOOTを合わせています。春夏秋冬や海千山千がクロスオーバーするのはもはや当たり前。



ハイファッションから降りてきたクリーンなスポーツテイストと、街角から生まれた泥臭いスタイリングが共存する世界観。異なる価値観のデザインを並列に扱ってきた当店ならではの「コントラストがあるようで、実は無い」感じ、とでも言うべきでしょうか?


今シーズン、当レーベルのテーマは「REFINE(リファイン)=洗練させる、上品にする」です。この言葉は「Re=再び」と「Fin=終える」が組み合わさったものです。つまり「洗練させる」にしても「上品にする」にしても、その原型があって初めて「Re:Fine」となるわけです。「90年代」「古着」「スポーツウェア」「カジュアルズ」「70's」…なんでもよいのですが、過去に起こったことを今の時代にそのまま取り入れてもイビツなものがイビツのままであるわけで。イビツとイビツがぶつかり合って変化しながら、角が完全に取れるわけでもなく、それでも「今の時代」に調和していくような過程を経て生み出されるもの。それが「Re」であり「Fin」であるのです。

本当の意味で洗練を目指すならば、自分のすぐ身近にあるものよりも少し遠くにあるものとぶつかり合うことを求めることになるでしょう。似たもの同士で集まって「だよね~」と談合するよりも、僕らはきっともっと刺激を求めています。



Tsuruta


開拓者たち

こんにちは、Tsurutaです。

桜が散り、春の陽気が本格的にやってきました。重い上着を脱ぎ捨てて、アクティブになるにはうってつけの季節です。G.Wも近づき、いよいよ春夏シーズンも本番。

アクティブな洋服の代表と言えば「ジーンズ」ですね。元々がワークウェアということもあり、デニム素材のジーンズは都会でも郊外でも活躍するタフな普段着として、私たちの日常にすっかり溶け込んでいます。

ただし、今書いたように「ジーンズは本来、作業着」なのです。労働の際に着用するモノであったはずのジーンズが今の様な市民権を得るまでには、ファッションの歴史の中で何度かの革新や転機がありました。今回はファッションとしてのジーンズの歴史を切り開いてきたパイオニア的な「あの」ブランドの紹介です。



「Calvin」というロゴを見ただけで、勘の良い方はもうお気づきのはず。


Calvin Klein Jeans(カルバン クライン ジーンズ)です。

以下はビームス オンラインショップのテキストより。

「1978年にローンチされて以降、カルバン クライン ジーンズはメンズ・ウィメンズ共に、オーセンティックなデザイナーズジーンズとして認識されてきました。オメガステッチが施されたアイコニックなポケットの発表から30年経った今日でも、持続性のある素晴らしい履き心地や個性的なディテール、革新的なアイテム使い、そしてパイオニア的な広告キャンペーンなど絶えず注力し続けているアメリカ発の人気ブランド。」



30代後半以上の世代には懐かしいブランド名です。1990年代前半にファッション誌を熱心に読んでいた方は、Calvin Kleinのキャンペーン広告が強く印象に残っていることでしょう。フォトグラファーのブルース・ウェバーや、(被写体としての)ケイト・モスらを一躍スターダムに押し上げた一連の広告写真は、それまでのファッション業界の通例を根底から揺るがすものであったに違いありません。1982年にブルース・ウェバーが撮影したアンダーウェアのキャンペーン写真は「鍛え上げられた肉体美を誇る男性が真っ白なブリーフを一枚身に付けているだけ」のものでした。(こういった手法は)今では当たり前になり過ぎて、言葉ではうまく伝わらないかもしれませんが…。

そもそも、ハイファションのデザイナーがジーンズやアンダーウェアを手掛けるということ自体、殆ど前例がない時代にCalvinはジーンズラインをスタートさせています。



革新的デザイナーとして1980~90年代のファッション界を牽引したCalvin Kleinの現クリエイティブ・ディレクターに就任し、大きなニュースになったのが、ご存じRaf Simons。ニューヨークを舞台にRafが発表したCalvin Kleinのプレタポルテライン「205W39NYC」2017年秋冬コレクションももちろん話題になりました。Calvin Kleinというブランドの歴史とRaf Simonsの才能が化学反応を起こし、21世紀的なアメリカンルックが誕生したのです。



Raf Simonsのディレクター就任を受けて、Calvin Klein Jeansも新たな展開を見せています。「205W39NYC」でも多く見られた「ウエスタンディテール」や「側章」などの1970年代風デザインはCalvin Klein Jeansにも落し込まれていますが、ブルース・ウェバー的マッチョイズムは影を潜め、むしろ繊細でアーティスティックなムードが漂っています。


インターナショナルギャラリー ビームスでは新生・Calvin Klein Jeansコレクションの中からデイリーウェアに新しい感覚を呼び起こしてくれるアイテムを中心にバイイングしています。スウェットシャツ、Gジャケット、ワークシャツ、Tシャツ、そして勿論ジーンズも。





Gジャンにジーンズというユニフォームルックは1990年代のHelmut Langを彷彿とさせます。思えば、Calvin Kleinの存在なしにHelmut Langの成功はありえなかったのかもしれません。Helmut Langから多大な影響を受けたと公言しているRaf Simonsも同様です。



Helmut LangやRaf Simonsといった才能あるデザイナーが、それぞれのキャリアの中で知らず知らずのうちにニューヨークという都市に集まっている事実。1980年代にCalvin Kleinという偉大なデザイナーがワークウェアとアートを繋げたその瞬間から、それは予見された未来であったのかもしれません。

ジーンズという「反抗の象徴」をキャンバスに、アートなグラフィックのプリントTをプラスして、デイリーかつ刺激的なスタイルに身を包み街を歩いてみませんか?


この春の、個人的イチ押しスタイルです。





Tsuruta

ロワイヤルなスリッパ―



いよいよ本日から始まっております!




詳しくはこちら→http://www.beams.co.jp/news/841/




刺繍を選び…



アッパーやライニングの色を決めて…



オーダーフォームに書き込むだけで…




自分だけのルームシューズが出来上がり!


お渡しは2018年の秋ごろ(10月予定)です。
ちょっと気が早いのですが…この秋、自分だけのルームシューズを着こなしに取り入れてみませんか?

とは言え「そもそもは部屋履きでしょ~?ルームシューズを街で履きこなすって、一体どうすればイイの?」そんな疑問にお答えしてInternational Gallery BEAMSチームが一足先に着こなしてみました。まずはご覧ください。






当レーベルディレクターの服部。





同じくバイヤーの関根。






最近、銀座から原宿へ異動してきました、ショップスタッフ田村。





私、Tsuruta。







諸事情あり、も一度Tsuruta。スミマセン。





スタッフ鈴木。





プレス安武。




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Brilla per il gustoバイヤー高田も履いてます。




…と、いった感じ。参考になりましたか?ならないですね(笑)、みんなバラバラすぎて。ともかく、スーツなどのクラシックアイテムは勿論、トラックスーツやガウンコートといったリラックスムードのアイテムにも、なかなか似合います。


ルームシューズは10年ほど前にもちょっとしたトレンドになったアイテムですが、今ならスポーティー/リラックスな要素と掛け合わせてみるのも良さそうです。クラシックスタイルにこだわらず、気軽に取り入れてみてはいかがでしょうか?


足元のトレンドはクラシック回帰のドレスシューズとスニーカーブームとに二極化しています。レザーシューズに関しては、ワイドパンツがすっかり浸透したことで「ボリュームのない足元」がここ数年、新鮮に見えています。また、ビットローファーの復活や(GUCCIを筆頭に)刺繍入りのシューズなど、「アッパーに飾りの付いた靴」がピンポイント的に注目されています。


それらのトレンド要素を、あくまで「ベーシックなもの」を通して提案したいと思い、今回のイベント開催となったわけです。グリーンやパープルといったレザーシューズではほとんど存在しない色目を足元に取り入れる事が出来るのもベルベット素材のルームシューズならでは。レディースサイズも(UK4~)オーダーして頂けるまたとない機会です。


Tsurutaが昨年末から始めた「Amvai」と言うサイトでも、このオーダー会を紹介させて頂いています。
https://amvai.com/amvar/30


このサイト、Tsurutaの記事以外にもビームスで取り扱うブランドのデザイナー諸氏による「かな~り濃厚な」ファッションコラムとして楽しめますので是非、あわせて覗いてみて下さい。



会期中にルームシューズをオーダーされた方にはノベルティとして英国製のノートを差し上げております。こちらもなかなか素敵な一品です。
(※数には限りがございますので、お早めに)




会期は4/8(日)までです!

皆様のご来店お待ちしております。




Tsuruta

春の嵐

 

不安定な天候が続いていますが、これは一歩づつ春に近づいている証でもあります。暖かい空気と冷たい空気がぶつかりあい、突然の雨や強風などを伴って崩れる3~4月の空模様。俗に「春の嵐」と呼ばれています。

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ホームページ内の特集サイトはご覧いただけましたか?





このコンテンツは当レーベルの2018春夏シーズンの気分をスタイリングで表現しています。国籍や年齢/ジャンルでは縛りきれない世界観を、是非のぞいてみて下さい。
http://www.beams.co.jp/feature/180223_m/

このページのスタイリングに負けじと(?)ショップでも日々、店内ディスプレイ用コーディネートを組んでいます。アーデモナイ、コーデモナイと思案しながら取り組むこの作業、僕は楽しいんです。自分で着る面白さとはまた違った意味で。

最近、Tsurutaのお気に入りはこんな感じのコーナー。




各アイテムのディテールやシルエットもそうですが、配色に今シーズンらしさが表れているかな、と自分でも思っています。カラフル、ではあるのですがド派手というよりも「くすんだ感じの古着っぽいカラー」が新鮮です。古着、とはいってもヴィンテージ、ヘリテイジといった歴史を感じさせる重厚さではなく、いわゆる「レギュラー古着」のチープな発色です。


MARNIのシャツもMartine RoseのプリントTも古着屋のワゴンセールで売ってありそうな「チープな」カラーリングを絶妙な色出しで表現しています。ひと昔前なら完全に「アウト」なチープさが、いまミョーに新鮮です。特にMartine Rose。発色だけでなく、デニムのウォッシュ具合やサイジング、ステッチの選び方まで「絶妙にダサい」雰囲気を作り出すのがダントツにうまいデザイナーです。


足元はレザーパンツにFoot the Coacher×Inov-8。



トップスの裾をパンツイン。MARNIのビッグザイズトラウザーズのウエストをVaporizeのGベルトでギュッと絞って。トップスにボリュームを出すためにプリントTのインナーにはメッシュ素材のロングスリーブを重ねています。


スニーカーはDAMIR DOMA×LOTTO。表面にはエイジング加工が施されていますが、これもやはり「チープ古着」タッチです。



ナイロンのウエストポーチはMartine Roseのもの。ユルめシルエットで全身コーディネートしても、ウエストポーチをギュッと絞るだけで全体が引き締まるので不思議です。



トラックパンツも引き続きの注目アイテム。写真はDaniel W.Fletcherのもの。コンチョやプンターレで装飾されたTOGA VIRILISのビルケン風サンダルが好相性。出来るだけテーストが違うもの同士で合わせる方がよさそうです。


スウェットやTシャツは無地よりもプリントものに勢いを感じます。



…といったところで、なんとなく感じていただけましたでしょうか?昨日までの自分と今日の気分が絶妙にぶつかり合いながら渦を巻いていく感じ。ファッション版「春の嵐」といったところです。

コーディネートを考える時間は、一体につき5分程度。2分で出来るときもあります。テーブルの上にササッとアイテムを並べていき「うん。これだな」と直感で思えたら、いざ着せ付け。脱がせて着せる、こっちの作業の方が時間はかかります。最後に全体のアレンジを整えて(裾を入れたり出したり、ウエスト位置を変えたり、小物を付け加えたり)できあがり。

朝、出勤前に自宅の衣裳部屋でコーディネートを考える時もそんな感じです。前日の夜に考える事が(僕には)できないんです。朝起きた時の気分というものがあるので。時間をかけずにササッと考えたコーディネートに起こるアクシデントから発見することもありますし。ただ、この「ササッと」が出てこないときがたまにあるんです。そういったときは(洋服屋にとっては)危険信号。自分に対して、刺激のインプットができていないからアウトプットできないんだと。普段から感じる事が少ない(薄い)と、表現もできなくなるんです。それくらい目に見えない「刺激の集積」が目に見えるかたちで「ファッション」に表れるから面白いですよね。これはピアノを弾く人は音に、絵をかく人は筆のタッチに表れるでしょう。


いま、あなたは何が好きで、どんな気分ですか?


春の嵐に身を任せて、自己探求してみる。
そんな季節です。
なにか新しいコト起こるかも。


出会いや発見を求めて、街へ出てみましょう。




Tsuruta

やきなおしぜねれいしょん


ショップには連日のように新商品が入荷しています。店内の一部には秋冬のセール品も置いてありますが、いよいよ2018年春夏シーズンが本格的に幕開けです。


当店ではメンズだけで(規模の大小含め)常時100前後のブランドを取扱いしております。2005年に旧店舗(1FとB1F)から現在の店舗(2F)へリニューアルしたときに掲げたコンセプトは「洗練された混沌」です。まったく異なる価値観を持ったブランド同士が隣り合わせに陳列されることで生まれる刺激を追求したショップというわけです。


クラシックなスーツの隣に破壊的なクリエーション。モノトーンアイテムの隣に極彩色のプリントアイテム。8万円のレザージャケットの隣に13万円のコットンシャツ。

といった具合です。


1981年のレーベル発足以来、インターナショナルな感覚で世界中からトレンドをピックアップしてきた当店ですが「長い間続けているからこそ」出会う刺激があります。それは新たな世代の足音、ニュージェネレーションの気配です。

1995年に衝撃の新世代デザイナーとして登場したRAF SIMONS。そんな彼のキャリアも既に20年超え。JIL SANDERからDior、Calvin Kleinまで幾つものトップブランドで独創的なクリエーションを発揮してきたRAFは今や完全にビッグネームのスターデザイナー。

今回(2018年春夏)のコレクションも最高に刺激的で独自の世界観に溢れた素晴らしい内容です。














ビニール傘、提灯(ちょうちん)といったジャポニズム要素を随所に散りばめながらも、暗い雲に覆われた空から酸性雨が降りしきる退廃的なメトロポリスの世界観は、映画『ブレードランナー』さながら。ごった煮のサイバー・パンク・ワールドを独自のサイズバランスやレイヤードルックで見事に表現しています。変則的なシルエット、意外性のある素材の組合せに伝説のグラフィックデザイナー・Peter Savilleのアートワークがミックスされることで、予想以上の化学反応が生まれました。





店内ではRAF SIMONSのコレクションをジョージ・ナカシマのベンチにレイアウト。RAFもナカシマの家具をいくつも所有しているそうです。ちなみにこのベンチ、通常施される上塗りをせず、無垢のまま仕上げて貰った当店の別注品です。(店内用什器の為、非売品です)13年前、店舗リニューアルの搬入作業中に香川の桜製作所から届いた大きな段ボールを開けてみたら、このベンチが出てきたときの衝撃を今も覚えています。


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そして2018年、衝撃のニューカマーNAMACHEKO(ナマチェコ)の登場です。


NAMACHEKOは、イラクのクルド地区で生まれ、幼少期にスウェーデンに移住した兄妹Dilan LurrとLezan Lurrによって立ち上げられました。実際のデビューシーズンは2017年秋冬ですが、そのデビューコレクションをパリのコンセプトストアThe Broken Armが青田買い。世界エクスクルーシブで展開した為、市場にはほとんど出回ることなく幻に近いコレクションとなりました。

そして2018年春夏、インターナショナルギャラリー ビームスは彼らの2回目のコレクションをバイイングしています。パリの手狭なショウルームは各国のバイヤーやファッション関係者でかなりの盛況ぶりだったようで、彼らの注目度の高さが伺えます。











デビューシーズンからこれほど注目を集めるブランドも珍しいでしょう。ショップに届いたアイテムを見てみると、実にオリジナリティあふれる仕上がり。ロウカット(切りっぱなし)で処理されたエッジ部分やグラデーション状にペイントされたパーツ使い、全体的にはソリッドな印象であるにも関わらずマザー・オブ・パールやリアルホーンといった古典的な素材のボタンが付いていたり…。アイテムの各部分を実際に手に取り、試着したり、チェックしたりするうちに、自分自身が若いころ(20年前とか)に服を見ていた時の感覚が呼び戻されたような気になってきました。つまり、彼らの作る服は「洋服を見慣れた目にも新鮮に映った」のです。






今のファッションなんて過去の焼き直しでしょ?

そんなシラケた声もよく聞こえてきます。半分は正解で半分は的外れだと、僕は思います。トレンドのサイクルを2周、3周と体験しながら歳を重ねるうち、若いころは大好きだったファッションにすっかり心が動かなくなっている自分に気付く人も多いでしょう。ファッションに限らず、音楽でも映画でも全部が同じように感じられてしまう。これは「大人になる」という過程の中でオマケのように必ず付いてくる「変化」です。

確かに焼き直しファッションは溢れています。
しかしそうでないものが確かに存在します。



NAMACHEKOをバックアップするのはRAF SIMONSがデビュー当初のアイテムを生産していた工場だそうです。こういった一流の生産背景でアイテムを作ることができるデザイナーはごく一部に限られています。新人でありながら異例のバックアップを受け、世界の注目を集めるNAMACHEKO。これはアントワープ王立アカデミーのリンダ・ロッパ女史をして「あなたには教えることがなにもない」と言わしめたデビュー前のRAF SIMONSとオーバーラップする部分でもあります。破格の才能や輝きは、自分がそうであると宣言するよりも前に、まずは他人によって発見されるものです。

確かにNAMACHEKOにはRAF SIMONSで働いていたパタンナーやPRスタッフが集まっているそうです。しかし、これはNAMACHEKOのクリエイションがRAFのクリエイションの焼き直しである事を意味するものではありません。

NAMACHEKOにはオリジナリティがあります。初期衝動が感じられます。現在のメンズファッションにおいてシルエットやフォルムの新しさを追求する探究心があります。仮にそれが何周目の体験であろうとも、僕の目にはそう映りました。特定の年代のリバイバルだ、焼き直しだと早合点でトレンドを総括してしまう前に、目の前にある「服」を触って、着て、感じてみるべきです。


人生に於いて同じ日なんて一日たりともない。


あるとしたらそれは錯覚です。

コーヒーの味。通勤路の景色。風の音。
20年前の1日と今日が同じであるはずがありません。

感覚を研ぎ澄ませばファッションはまだまだ面白くなります。混沌の先にある世界に僕らの手は今にも届いてしまいそうです。




Tsuruta

Refine!


こんにちは、Tsurutaです。

ビームス各店ではファイナルセールを絶賛開催中。秋冬のお買い物は今が最後のチャンスです。


その一方で、ショップには春夏の新商品が日々続々と届いています。毎日新入荷の荷物を開けながら、スタッフ同士で「あっ、これいいじゃない」とか「おっ、これはスゴイな」とか来シーズンの傾向について話を弾ませています。先日、店内のレイアウトを大幅に変更して春夏シーズンの雰囲気を感じられるコーナーを作ってみました。


ということで、今回はスタッフMuramatsuのお株を奪う「店内巡回」です。


はい。さっそく参りましょう。まずは2Fのメンズフロアへ続く階段を上っていきます。ちなみにこの階段、けっこう急です。上り終えるころには疲れてしまうお客様もいらっしゃるようです。当店にはエレベーターもございますが、場所が分かりにくいので、エレベーターを必要とされる方は1Fスタッフまでお知らせください。


で、上り終えると…。




すっかり春夏気分のマネキンたちがお出迎え。
もう半袖の子までいるじゃないの~。



左を見るとMaison Flaneur(メゾン フラネール)やKOLOR(カラー)、Sacai(サカイ)といった人気ブランドの新商品に加えて、ロンドンの新星、Daniel W.Fletcher(ダニエル W フレッチャー)のコーディネートが。シースルー素材のアイテムは今期要注目ですよ。



こちらも新星、Martine Rose(マーティン ローズ)。オーバーサイズのレザーブルゾンにチープなレギュラー古着感満点のプリントTがアーリー90's的な最新スタイル。ヴィヴィッドなオレンジが目を引くKOLORのナイロンパンツと合わせています。



座っている彼はMaison Flaneurのシャツ&パンツにrdv O globe(ランデヴー オー グローブ)のベストをレイヤードしています。ベストを使った重ね着は春夏も継続でインな感じ。




Martine Roseのルックを流すMacの傍には、やはりベスト。10exture(テクスチャー)から届いたSEDITIONARIES(セディショナリーズ)の傑作、ボンデージベストとSedsシャツ。パンクムードが本格的に再生する2018年。




アナーキーマークとエリザベス女王。



Maison Margiella(メゾン マルジェラ)の足袋シューズ。メンズモデルはヒールなしのフラット具合が新鮮です。




逆サイドには、Acne Studios(アクネ ストュディオズ)。北欧の静かなモード感がパンクな右サイドと好対照です。



コーナー全景。これでもまだ店内の5分の1程度です。2月に入ると新規商品がさらに続々と入荷してきます。


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当店のレイアウトやディスプレイを自分でイジるようになってから、早10年以上が経ちますが…。このシーズンの変わり目にグイッと大きく舵を切る瞬間はやはり楽しいものです。夜遅くまで悩みながら構成することもしばしばですが、翌日以降に馴染みのお客様が「おっ、店内変わった?」なんて声を掛けて下さると、またアガるんです。モチベーションも。

この時期は日々、新作が入荷してくるので、それに応じて店内のディスプレイやレイアウトも生き物のように変化していきます。秋冬のセール商品をチェックして頂きつつ、店内の変化に少しだけ目を向けていただければ何か新しい発見があるかもしれません。見慣れたはずのものが少しだけ新しく見えたり。嫌いだったものが好きになっていたり。
「へぇ」とか「おー」とか「あれ?」とか「わぁ」とか「すげぇ」とか「素敵」とか「カッコイイ」とか、そんな発見をしていただけるようにお店を作っていくこともまた、僕らスタッフの大事な仕事です。2018年はスタッフ一同、より一層の工夫を凝らして皆様のご来店をお待ちしております。





Tsuruta

ハローグッバイ


いよいよ大晦日。2017年も終わりです。

皆様、いかがお過ごしですか?


この2017年、僕はなぜだか「生」や「死」についてよく考えました。これは自分自身が歳を重ねたせいでしょうか?それとも、池田晶子の本を読んだせいでしょうか?



僕の友人で自分が35歳になったことにひどく落ち込んだ男がいました。村上春樹の短編「プールサイド」に出てくる主人公が「35歳を人生の折り返し地点と決めた」というくだりを読んで「残りの人生の方が少ない」ことを意識したのだそうです。

僕は20代前半でこの短編を読みましたが、落ち込むことは特にありませんでした。僕がまだ若かったせいでしょうか?


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人が生きていく為には「衣・食・住」が必要だと言います。

暑さ寒さから体を守るために着て、飢えないために食べて、雨風に吹かれないために居を構える、といった感じでしょうか。つまり死なないために服を着て、死なないために食べて、死なないために住む、ということです。

しかし僕ら洋服屋が生業(なりわい)にしている「ファッション」は「衣・食・住」に含まれません。死なないために「お洒落をする」ということは基本的にないからです。ファッションは「最低限のライフライン」ではありません。エスキモーが着る毛皮は「衣」ですがオートクチュールのドレスは「衣」ではありません。これは「水」が「食」だとしても「3万円のワイン」が「食」ではない事と同様です。

ではファッションは何のためにあるのでしょうか?




朝、目が覚めて出かける前に鏡の前で身支度をします。シャツの色を決め、ベルトを選び、靴を履きます。

誰もが毎日、当たり前のようにとる行動です。



ここで鏡に映った自分の姿を見ながら、これから会う人のことを少しでも想像する事が「お洒落をする」ことだと思います。


「このシャツを見て、あの人どう思うかな?」「買ったばかりのこのマフラーに彼は気づくだろうか?」「前回あの人に会ったときもこのジャケットを着たから、今日はやめておこう」「彼はブルーのセーターを着てくるだろうから、私は赤いワンピースを着ていこう」


なんでもよいのです。ただ、他人のことを「想う」ということ。
これはなんと幸せな行為でしょうか!





ひと昔前に比べ、世の中には(とりわけ日本には)随分とお洒落な服が増えました。
情報が行き届き、価格競争が起こり、お洒落な服が格段に安く手軽に買えるようになりました。雪山で「死なない」ための装備だったダウン・ジャケットは都会で「お洒落に生きる」ためのデザインに変わりました。

お洒落な服が当たり前になっていくなかで自分はどれだけ人のことを想っているか、という自問自答に明け暮れた2017年。

朝、目が覚めて鏡の前に立ち洋服を選びながら他人のことを想う時間。自分自身が死の危機にさらされていないからこそ持ちうる幸福な時間です。お洒落なものが身の回りに溢れる返ることで、つい忘れてしまいそうになるこのひととき。



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「プールサイド」を読んで落ち込んだ友人。彼もいまでは38歳になりました。折り返し地点はとっくに過ぎてしまっています。

そして今年、彼に娘が生まれました。

生後二か月の娘を連れて彼が僕の自宅を訪ねてくれるというので、僕はシャツを着て、セーターを被り、そしてネクタイを結びました。初めて会う女の子に「ハロー」と言うために、きちんとしようと思いました。着ていたセーターはそっけない古着でしたが、2017年に僕が最も「お洒落をした」のはこの日だったかもしれません。

ファッションは他人に「ハロー」と挨拶をするためにあるのだと僕は思います。ひとりぼっちではファッションが成立しないのはそのためです。誰にも会いたくない日にスカーフを巻く人はほとんどいないはずです。勿論「グッドバイ」と人にお別れするために喪服を着ることも時にはもあるでしょう。それでも、その悲しみから立ち直る為に人は誰かに「ハロー」と言わずにはおれません。


会いたい人がいるという幸せが、ファッションをより豊かなものにしてくれます。



グッドバイ、2017年。
ハロー、2018年。
来年は誰のことを想いながら、どんな服を着ましょうか?

皆様にとって2018年が素晴らしい年となりますように。




Tsuruta

個人的な男


いよいよ12月に入り
店内はバタバタと忙しくなってきました。
皆様はいかがお過ごしですか?
Tsurutaです。


ショップには秋冬物が出揃い、店頭は服だらけ。
今年の総括的一大スペクタクルになっています。


そうそう、私Tsurutaは主にブログを書いて
生計を立てているわけでは
ありません(笑)。
お客様のお買い物をお手伝いするのは勿論、
店内や店外ウインドウのディスプレイ
(要は飾り付け)を
手掛けたりもしています。

今回は今年の締めくくりとして
Tsuruta作成のディスプレイを見ながら
2017年を振り返ってみましょう。

え?なんで?

まぁ、そうおっしゃらずに…。


まずはこちら。




先日の近未来ブログ(?)でも登場した
QUATTROCCHI(クアトロッキ)の
B-3ジャケット。




イタリア製のムートン素材でありながら
衝撃のプライス、そしてバランス!



異常に高いコスパを誇るこのジャケット。
まさに2017年を代表するアイテムです。

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続いては店内ディスプレイから。



Maison Margielaのリバーシブルコートを中心に
Shabbyなアイテムでまとめたスタイリング。
BASSCOUTUR NIUKUのスウェットやデニム、
Maison Flaneurのバルキーなベストをインに。



Shabby(みすぼらしい)なだけでは貧相なので
miiのスカーフでSnappy(洒落た感じ)な
要素をプラス。
あえて雑な巻き方もSnappyです。



足元はCOTTWEILER×REEBOKでハイテックに。

その隣に並ぶのはこんな人。


一見するとナードなアメリカンスタイルですが
過剰なレイヤードが俗に言う「90年代調」です。



Maison Flaneurのジャカードニットブルゾンと
BASSCOUTUR NIUKUのリメイクGジャンをレイヤー。



ボトムは注目素材のコーデュロイ。
名門パンツメーカーINCOTEXからも
勿論リリースされています。
この場合、長めの丈がスニーカーにマッチ
とにかく
この冬、コーデュロイはハズせません。



ジャカードニット、ファー、ポプリンのシャツ、
ジップ×2、デニム、ボトムのコーデュロイ…。
素材感のレイヤーが楽しいスタイリングです。
粗野なものとラグジュアリーなものが
混在しているのもポイント。

ジャンクな90's調の嵐はこの冬がピーク?


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はい、そしてコーデュロイといえばこちらの彼。



人気のスーツ「CONTEMPORARY 2B」から
ワイン色のコーデュロイがリリース。
この素材をどうしても使いたかったので
腰ポケットを「パッチ&フラップ」に変えて
新スタイルで提案しました。

たまには商品企画もやります、Tsuruta。



企画段階ではコピー用紙をハサミで切って
ポケットやフラップのサイズを指定するという
アナログな思い出も1年近く前の話…。



起毛素材のオンパレード。
イングリッシュなカントリー素材に混じって
赤いハラコのベルトが効いています。
実はこのベルト、Tsurutaが企画しました。
英国伝統のチェック柄、ツイードなど
ある意味「おじさんクサイ」素材が
一大トレンドの今年。
これくらいキッチュなものが
コーディネートにさらりと混じっていた方が
気分なんですよね…。
個人的には。




足元はALDENのタッセルスリッポン。
シューズの色はライトブラウンが気分です。

ピンクのソックスもファンシーでいい感じ。




コーデュロイ、タッタ―ソール、カシミア…。
いかにもカントリージェントルマンなアイテムを
いかにして「ふざけて」着るか、というのが
このディスプレイのポイントです(笑)。


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コーデュロイ流れでもう一体。



MARNIのベストにAndrea Pompilioの側章パンツ。
どちらもコーデュロイ素材使いが目を惹きます。



ルーズなシルエットも今年の気分。
ファンシーな色・素材使いも今年の気分。




足元はCOTTWEILER×REEBOK。
レトロな太畝コーデュロイと好相性。
ハイファイmeetsローファイ。

レトロなスポーツスタイルも今年の流行です。


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ここでお店の外へ移ります。



当店のエントランスです。
ウインドウディスプレイにご注目。



フランスの政府要人も信頼を寄せる
1930年創業の老舗シャツメーカー
THUILLIER(テュイリエ)のシャツ。
フレンチカフスが久々に新鮮です。

本来はオーダーシャツ屋なので
既製品を販売するのはBEAMSが初めて。




同じくフランスから。
Artumes&Coのチロリアンジャケット。
パリにあるハンティング専門店の製品です。
こちらもBEAMSが初めての卸し先。
このジャケットはTsurutaも自分で購入しました。
かなりのお気に入り。




SOLOVIEREのシューズは華奢な作りに
ファー&キルトという意外性が楽しい一足。
なんとなくチロリアン的なムードを感じて
ジャケットの横に飾り付けてみました。




ドレスアップ感覚をいつも大切に。


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と、ここまで見てきましたがいかがでしょうか?
「いや、いかがも何もないよっ!」とか
「自分が好きなモノを並べただけ!」とか
そんな声が聞こえてきそうな気もします(笑)。

そうなんです。

Tsurutaが言いたいのは
「自分が好きなモノは飾り付けたくなる」
ということなんです。まぁ、当たり前ですが。
当店には飾り付けを担当するスタッフが
僕の他に数名いますが、彼らもきっと同じはず。
ということは、ショップを覗いてみると
スタッフのお勧め商品がちょっと分かるかも…。

2017年秋冬も
お気に入りのアイテムや思い入れのある商品は
自分で買って着てみて、飾り付けて、
ブログに書いてみて、人にお勧めしてみて。

丁度良いのがなければ企画して作ってみて…。

そんな感じで過ごしていたらあっという間に
今年も残すところあと一か月…。


来年も同じことがやれたら幸せだな、
と思う毎日です。

つい忘れてしまいがちなこの「幸福感」。

しかし、これこそがファッションの源なのです。





Tsuruta

アンドロイドはファッションの夢を見るか?


2049年。
アメリカ西海岸。

大停電や食糧不足、電子記録の破壊、
労働力として製造された
レプリカント(人造人間)たちの反乱など
度重なる混乱を経て
近未来のロサンゼルスは
荒廃の一途を辿っていた…。

いきなり何の話だ、って?
今年一番の話題作
「ブレードランナー2049」です。
1982年公開のカルト映画
「ブレードランナー」の続編が、
35年の歳月を経て
映画ファンが待ちわびた作品として
先日より公開されました。

前作において監督リドリー・スコットが描いた
退廃的未来予想図(?)はその後に現実社会にも
大きな影響を与えた、と言われています。
個人的にも20年前に観た
「ブレードランナー」の世界から
かなりの衝撃を受けた記憶があります。
さらに時代を重ねるにしたがって
1980年代当時は遠い未来の寓話に過ぎなかった
複製技術や電子頭脳も
2017年時点ではいよいよ現実味のあるものとして
僕らの生きる世界を取り囲んでいます。


そんな話題作「ブレードランナー2049」。
先日、劇場へ観に行ってきました。

本作の主演は
「ラ・ラ・ラ ランド」での演技も話題になった
ライアン・ゴズリング。

ロサンゼルス市警に勤務するKは
反乱を起こす可能性のある旧式レプリカントを
解任(要は処刑)するという任務に就いており、
その職業の呼び名が「ブレードランナー」。

で、そのライアン・ゴズリング扮するKという男。
彼は襟元にボアが付いた
緑のレザーライダース(膝下丈!)に身を包み、
空飛ぶ自動車(プジョー製!)に乗って
レプリカント狩りに出かけていくのですが…。

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で、今日のお題は襟ボア付きのジャケット。

無理矢理感も多少ある気がしますが
まぁ、一旦最後までお付き合いください(笑)。

襟元にボア/ファー素材が付いたアウターは
昨年から引き続き注目アイテムです。


勿論、当店にも
様々なバリエーションが出揃っています。


CMMNSWDN(コモンスウェーデン)の
レザーライダースジャケット。


厚手のカウレザー素材に
取り外しできる襟ボアが付いています。



COACH(コーチ)のレザーライダース。


純白のボアが眩しい一着。



OUR REGACY(アワーレガシー)の
ファー付きデッキジャケット。


元々は蛍光イエローだったナイロン素材に
顔料を乗せて黒っぽく仕上げています。
サイバーパンクっぽい一品。

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劇中で目にする2049年のロサンゼルスは
新宿の歌舞伎町をさらに何倍も猥雑にしたような
「ごった煮」の世界として描かれています。

そこにうごめく人間(レプリカント含む)たちは
人種も職業も服装も実に多種多様。
貧富の格差もかなり大きい様子。

映画を観ていて思ったことがあります。

「2049年の世界も衣服に関しては
今とあまり変わっていないな」
ということ。

ま、SFなんですけど。


確かに合成食料と新型レプリカントの製造で
世界を牛耳っているウォレス社のスタッフたちは
所謂「近未来的」な衣服に身を包んでいます。
ピエール・カルダンやハーディ・エイミスが
1960年代に打ち出したような「近未来服」に。

しかし、大半の人間達はいまだに
「20世紀的な」衣服のまま。

ゴズリングのレザージャケットに関しては
なんなら1970年代調に見えたりします。

彼が恋人として一緒に暮らしているのは
ホログラフで実体化するAI(人工知能)の
女の子、ジョイ。
彼女の衣装のなかにも
ウエストサイドストーリーみたいな
1950年代風が出てきたりします。

レトロなものとハイパーなものとが
混在するカオス。

ブレードランナーの世界観のあちこちに
登場するこの「レトロ」感。

世界は破壊され
食べ物は人工食になり
樹木は枯れ果て
恋人がバーチャルになっても
プレスリーやシナトラを懐かしみながら
ウイスキーを飲む。


実にアメリカ的、とも言える視点ですが
日本人の僕にも分からなくはない。

ダウンロード全盛の音楽業界にあって
落ち目のCDを横目に見ながら
売上が伸ばしているというレコード。

スニーカーやナイロンといったスポーツウェアが
ストリートやハイファッション界で流行する一方
クラシックなディテールのスーツが復権する
という重衣料業界の傾向。

不思議と言えば不思議。
当然と言えば当然。


いや、というよりもむしろ
技術革新が進み無機質が有機質を
覆い隠してしまいそうになると
人間は必ず「懐かしさ」に回帰しようと
するのではないでしょうか?


よくよく考えてみると
スリーピースのスーツにハットをかぶり
ワイヤレスのイヤホンを使って
歩きながら電話をしたり
パッチワークジャケットに
フレアパンツを穿いた格好なのに
腕時計に話しかけながら
目的地までの経路を検索したり。

これって既に
プチ・ブレードランナー的ですよね??



TONSURE(トンシュア―)の
ファー付きジップブルゾン


テディベアの公式素材として知られる
「シュタイフ」社のフェイクファーが
スナップボタンで取り付けられています。



QUATROCCHI(クアトロッキ)の
シープスキンB-3ジャケット



ハードなフライトジャケットをモチーフにしつつ
イタリア製らしい洗練された仕上がり。


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少し前のニュースですが
あのGUCCI社のマルコ・ビッザーリCEOが
「今後一切のファーアイテムの製造を廃止する」
と発表して話題になりました。

また、クローン技術を利用して
(分子レベルまで同じ構造の)
牛の皮革を人工的に作るという
研究も進んでいるようです。

最近ではマイクロファイバー素材の
人工スエードで作った
衣服やバッグが人気です。
これはもう十分に未来の技術だと言えます。

しかしそれを更に大きく上回る
想像もつかないような未来が
いずれやって来るのかもしれません。

いや、やってきます。
それはもう確実に。

その頃には
ファッションの果たす役割が
どのように変わっているのでしょうか?
みんなどのような服を
着ているのでしょうか?


意外と1930年代ルックとか
ビクトリアンスタイルが
大流行していたりして。

で。

そんな服を人工知能搭載の自販機で買えたり。



みなさんはどう思いますか?



Tsuruta

路上

こんにちは、Tsurutaです。
今回のブログでは
以前からなんとなく思っていたことを
書いてみたいと思います。



いよいよ10月も終わり
秋も本番だと言うのに
「○○って何?」
「××ってソモソモどういうこと?」
という
小学生男子並みの素朴な疑問
(地球はどうして回っているの?的な)
グズグズと追及しながら
永遠に解けない謎の核心に迫りそうで
全く迫らない
Tsurutaブログの世界へようこそ、
って感じです(笑)。


で…。


いま流行の「ストリートファッション」って、何?


これが今日のテーマです。



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アフリカ出身の二人組デザインデュオ
NIUKU(ニウク)の別プロジェクト
BASSCOUTUR NIUKU(バスクチュール ニウク)。

古着のカレッジスウェットを大胆にアレンジした
当レーベルのためだけのスペシャルアイテムも
まだ記憶に新しいところ。
※詳しくはコチラ
http://www.beams.co.jp/news/619/

発売日の店内はこんな感じでした…。













9/29(金)の発売開始から
多くのお客様にお買い上げいただき
(中には開店前から並んで頂いたお客様も)
一点モノのピースが
次々と店頭から姿を消していきました。

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その発売を直後に控えた9月某日。
NIUKUのデザイナー二人が
ショップを訪ねてきてくれました。


サンプルを使いながら
2017年秋冬の新作について
熱心に説明中の彼はLENNY(左)。


次はフライトジャケットについて
熱いTALK中。


説明を終えて
デザイナーの二人をパチリ。
LENNYとKANDITA(右)。

二人とも初めての来日とのこと。
多忙なスケジュールの合間を縫って
訪ねてきてくれたこと感謝してます!

ところで
この商品説明を聴きながら
僕は隣に座っていたプレス・安武に
「ねぇねぇ、アレ見て。カッコよくない?」
「はい、僕もそう思って見てました」
とヒソヒソ話。
その目線の先には…。


KADIATAの足元!!!

スエードのワンスターを部分的に切り抜いて
エスパドリーユ風にアレンジしちゃってます。
紐の結び方もクラシックなエスパ風。

超絶クリエイティブです。
カッコイイな~。

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本題に戻ります。

「ストリートファッション」って何?
と聞かれたら、今の僕はこう答えます。

「与えられるだけじゃツマンナイから
自分たちでやっちゃおうよ」という感覚。
すなわち「D.I.Y感覚」。

権威主義に対して
自らの知恵と工夫で反抗してみせる。
それがストリート感覚だと。
反抗する、とまではいかなくとも
世の中で「長い」と言われているものに
簡単に巻かれる前に
「ホントにそうなの?」と考えてみる。
他人の受け売りでなく
自分で考えてみる(Do it yourself)
ということです。

現在は世の中に多くのメディアがあるので
様々な情報が錯綜しています。
「最近ではストリートファッションが
ハイファッションの世界にも
大きく影響を与えており
ハイブランドがストリート風の
デザインを取り入れるなど…」
云々カンヌン。

「それってホントにそうなの?」
「ストリート風のデザインって何?」

元来、疑り深くてシニカルな性格の僕は
すぐにそう思ってしまいます。

「ココ・シャネルだってそうじゃないの?
今(当時)の時代を生きる女性にとって
本当に必要な服が無いから
ツイードとかジャージーとか
それまではファッションとは無縁だった
(主に男性が身に付けていた)粗末な素材で
新たな女性服の地平を切り開いたんでしょ」
「少なくともココ・シャネル(100年前)の時点で
とっくにストリートはハイファッションに
影響を与えていたんじゃない?」って。


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BASSCOUTUR NIUKUからは
別注のスウェットシャツに続き
コレクションラインが届いています。


どれも楽しいアイデアと
意表突くギミックに溢れています。



「Gジャンにジップを取り付けて
前身だけ(ジップを)開いて着たら
後身が長くなるよね。
まるで燕尾服を着ているように。」



「ジーンズの両脚を真ん中から切り開き
縫い代を表に出してもう一度縫い合わせる。
シルエットも変わるし
ジーンズというカジュアルなものが
センタープレスの入ったトラウザーズのように
フォーマルな印象になるんだ。」


などなど。









彼らのアイデアは単なる奇抜さのみを
下敷きにしているのでは
ありません。


過去に対するリスペクトと
それらを自分たちなりに解釈
(Do it yourself)することで
独自の視点が加わったデザインなのです。


スケーターにカリスマ的人気を誇る
「あのブランド」のロゴを
身に付ければ
ストリート風。
安全ピンや切りっぱなしを
モチーフに使えばパンク風。
重ね着すれば90年代風。
英国ものを着たらジェントルマン。
フランスものを着たらシック。


インスタントな鵜呑みファッションは
あくまで「~風」であって
スタイルではありません。
表層を上滑りしていく言葉たち。


「反抗者風」「ストリート風」が大量に
「与えられる」現代のパラドックス。

そして、再びやってくる談合。
「だよね~」という表層的な共感。
退屈。

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男性服のようなツイードジャケットに
パールの首飾りをジャラリと重ね付けした
ココ・シャネルの挑発的な横顔。
彼女が身に付けていたパールには
リアルとフェイクが混ざっていたと言います。

「どれが本物だかわかる?」

90年代、渋谷センター街にタムロしていた
チーマーたちが牽引した
ストリートファッション「渋カジ」。
ボロボロのフライトジャケットや
ヴィンテージのデニムに身を包み
「汚いカッコしてるけど
俺たちイイモノは分かるんだよ」と
アイデンティティを主張していた
彼らのマインドに最も近いのは
ココ・シャネルかもしれません。

流行は与えられるもの。
スタイルは掴み取るもの。

自らの手と心を使って。



Tsuruta

村松解放宣言(Reprise)


こんにちは、Tsurutaです。

ここのところ、東京は雨続き。
気温もグッと下がり11月の様な寒さ。


一方、この男もなかなか上がりきれない様子。



スタッフ、Muramatsuです。


先日のブログ「村松解放宣言」を受け
http://www.beams.co.jp/blog/international_gallery_beams/14697/
過去の悩みを振り切って
一気に秋冬モードへ突入、かと思いきや…。

今日も浮かない表情。
この日のMuramatsuはというと…。


昨年購入したレーベルオリジナルのスーツ
CONTEMPORARY 2Bを
スウェットパーカや
スニーカーに合わせて
コーディネート。



足元は黒スウェードで抑えめにしつつ
鮮やかなピンクをVゾーンに効かせています。
差し色もトレンドカラーをチョイスしていて
悪くはないのですが、本人は少し不満げな様子。

「もっと新しい自分を発見したい!」
「でも、どうしたら良いのか…」と
相変わらずのアーデモナイ、コーデモナイ。

ということで、先輩Tsuruta。
半ば強引にMuramatsuを
フィッティングルームに押し込み…。
(パワハラではありません)


とりあえず着てみて、と。
渡された服に着替えるMuramatsu。
なかば
薄ら笑い気味。


ということで今回は
「まぁまぁ劇的!ビフォー&アフター!」
の第二弾。
「Toshiyaがスーツに着替えたら」を
お送りします。

で、出来上がったのが…。


























ハイ、コチラ。別&人。


グレーフランネルのスーツはそのまま活かしつつ
周りを全トッカエ。



インナーにはCOOHEM(コーヘン)の
ファンシーツイード風ニットジレを挟み
ネイビーベルベットのボウタイでドレスアップ。
アップした分だけ
ボア付ブルゾン(Editions MR)や
マリンキャップでドレスダウンさせています。
いずれもコーデュロイ素材。
フランネルとの相性が悪いはずはありません。



足元はスニーカーから
Tejus(トカゲ)素材のローファーに変更。
ネイビーをチョイスしておフランスなムードに。
グレーフランネルという控えめな素材を
フレンチ風味に調理してみました。



T:「ど、どおですかねぇ、Muramatsuさん?」



M:「ま、いいんじゃないすか。
ヨクデキだと思いますよ。」


…及第点いただきました。
ホッ。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

そして、また別日のMuramatsu。

今シーズンの新作スーツを着ています。
2017年秋冬の注目素材コーデュロイを使った
コンテンポラリーなスーツです。



インナーにはVEILANCEのナイロンベストと
赤いギンガムチェックのシャツをレイヤード。

足元はスニーカー好きのMuramatsuらしく
Vansで合わせています。
コーデュロイスーツをスポーツMIXで
スタイリングしています。

これはこれ。

そんな感じもします。
が、とりあえずフィッティングルームに
連れて行きました。
(パワハラではありません)




















はい、こちら。
スーツとシャツはそのまま活かして
スポーツMIXの「スポーツ」部分を
少しだけボリュームダウンさせました。



インナーにはCMMNSWDNの
レトロなスウェットシャツをイン。
ベースボールキャップはチェック柄を
選ぶことでコーデュロイ素材と
馴染むようにしました。



足元はトカゲ素材のローファー。
コーデュロイ素材の「ほっこり感」に
毒っ気を加えるイメージで。
ブラウン系のコーディネートに
「赤」を差す感じは今年の代表的な
カラーリングです。

スポーティーな雰囲気は活かしつつ
大人っぽさが加わりました。




ビフォー。




アフター。

無意味なうすら笑いが消え去り
表情がキリッと引き締まりました。

洋服の力です。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ということで
Muramatsuを劇的にアフター化してくれたのが
こちらのシューズたち。



イタリアが誇る超絶優良ファクトリーブランド
F.lli.Giacomettiのローファー。
※写真はサンプル品です。

Tejus(トカゲ)素材がエキゾチックな一品ですが
どことなく上品さを感じさせてくれるのは
まぎれもなく「ハイクオリティ」だから。

皆様ご存知のシューズブランドの
生産の一部を請け負っていたり
有名メゾンブランドの
コレクションラインのシューズを
作ったりしているだけあって
細部にも職人技が光ります。

写真のローファーをご覧ください。
この整った斑(ふ)の並び。
盛り上がった手縫いのモカ。
ファクトリーブランドならではの価格設定ですが
これと同等のクオリティの品を
メゾンブランドで買おうものなら
目玉が飛び出るようなプライス必至。

ということで告知です。
絶賛開催中のこのイベント。


これは見逃せません。
詳しくはコチラ→http://www.beams.co.jp/news/613/

時間帯によっては同ブランドの
国内エージェント(有)ウィリー代表の
秋山氏が店頭にてオーダーのお手伝いを
させていただきます。
長年に渡り靴業界で活躍される氏の商品知識は
まさに「ホンモノ」。


空き時間に靴について色々と御教授いただく
スタッフMuramatsu、渡邊。

業界の裏話から
フィッティングのコツ
素材や作りの特徴まで
横で話を聞いている僕らも
終始、勉強になりっぱなしです。


この日の東京は雨。
秋山氏の足元は象皮のブーツ。
水にも強いんです、エレファント。


・・・・・・・・・・・・・・・


Muramatsuが履いていたサンプル以外にも
パイソン、クロコダイル、象、ダチョウ…。
果てはサメまで。
希少なエキゾチックレザーを
多く取り揃えているこの機会に
自分だけの一足をオーダーしてみてください。
(希少素材には限りがあります)
皆様のご来店お待ちしております。


おそらくオーダー会場では
どのモデルにどの素材を乗せるか
悩みに悩んでいるMuramastuに会えるはずです(笑)。





Tsuruta

おもちゃ売り場でつかまえて


まだ僕が小さな子供だった頃、
よく読んでいた絵本で
今も心に残っている作品があります。


「くまのコールテンくん」という本です。
ちょっと調べてみたところ
ドン=フリーマンという作家による
1975年の作品のようです。


「コールテン」と言われても
平成生まれの若い方には
ピンとこないかもしれません。
「コールテン」とは「コール天」。
「Corded Velveteen=畝織りのビロード」。


つまり「コーデュロイ」の和名です。
昭和世代はこう呼んでいました(笑)。


デパートのおもちゃ売り場で売られている
熊のぬいぐるみコールテン君は
サロペットパンツを着ているのですが
今、見直してみるとそのサロペットパンツが
「コールテン」素材で出来ているようです。
挿し絵にも畝らしき素材感が見てとれます。


ということで(?)今回は
2017年秋冬最大の流行素材
コールテン、
もといコーデュロイの特集です(笑)。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


まずはスタッフスタイリングから。



当レーベル・ディレクターの服部。



パンツがコールテ…コーデュロイです。
これぐらい畝が太いものが多いのも
今年の特徴です。



もう一枚、服部。
デザイン性の高いPRLEのパンツにも
コーデュロイ素材が使われています。



別日の服部。セットアップもコーデュロイです。



バイヤーの関根。



Nicholas Daleyのような英国ブランドならば
もはや御家芸ともいえるコーデュロイ素材使い。



わたくしTsuruta。
太畝のコーデュロイは
素材感に変化が欲しい時にもうってつけ。



全身をブラウンでまとめても
凹凸感を演出してくれます。



レディースでもやはりトレンド素材の筆頭。
ウイメンズフロアのスタッフ島津。



Maison Flaneurの一着はインパクト大。


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続いて店内ディスプレイから。



注目ブランドCedric Charlierからは
ベビーピンクの発色が新鮮な
細畝コーデュロイパンツが。


J.W Andersonのクロシェ付きカーディガンで
レトロ調にまとめていますが
インナーに同ブランドのジャージを合わせて
スポーツテイストをミックスしています。



こちらはパンツでコーデュロイ使い。



The Lettersの親子コール素材
(太畝と細畝が交互になっている)が
ツイードのジャケットと普通に好相性。
Raf Simonsのビッグサイズジャケットと
Basscoutur Niukuのスウェットが
懐かしい素材感をアヴァンギャルドなバランスに
仕上げてくれます。


若きフレンチシックの達人
Editions MRからもコーデュロイのオンパレード。



ボア付ブルゾン、シャツ、パンツ。
中に挟んだネイビージャケット以外
すべてコーデュロイ、という荒技スタイリング。
色目をシックなダークトーンでまとめつつ
畝の大小を使い分けています。



パンツのみValentino。
こちらもコーデュロイ。
シューズのファー素材とも
相性抜群。



TACASiからはパッチワークのジャケットが。
複雑な切替えが素朴な素材感をアップデート。



合皮のパンツやハラコベルトで
素材感にも
コントラストをつけて。



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「くまのコールテンくん」が
1975年の作品であるように
コーデュロイ素材には何となく
70年代のイメージがついてきます。


この素材をうまく攻略するには
レトロ調が強くなりすぎないように
気を付けた方がよさそうです。


メンズスタイルにおいてはコーデュロイというと
英国カントリースタイルの
田舎っぽいアイテムが連想されがちです。
シェットランドウールやツイード
スエード靴と相性が良いのは当然と言えます。


オーセンティックに着こなしてしまうと
野暮ったくなり過ぎる…。
着る人の個性や趣味趣向によっては
そんなこともありえるでしょう。


そんな時は
「ナイロンなどのスポーツ素材」
「茶のスエードではなく表革の黒靴」
「エナメルなどのフォーマル素材」
「暗めのコーデユロイ(黒・紺など)を選ぶ」
などなど…ちょっと田舎から遠い要素と
合わせてみると良さそうです。


ともかく久々に流行している
「野暮ったい」素材、コーデュロイ。
これは楽しまなければ損、という位
今シーズンはコーデュロイが百花繚乱。

S.E.H KELLYやM's BRAQUEといった
素材フェチなブランドからは勿論の事
MARNIやAndrea Pomlilioなどの
デザイナーズブランドからも
多くリリースされています。


ワイン色のコーデュロイを使った
レーベルオリジナルのスーツまであります。
(これはまた別の機会にご紹介)


デパートのおもちゃ売り場で
買ってくれる人をずっと待っていた
くまのコールテンくん。
この秋はひっぱりだこの人気者になりそうです。




Tsuruta



モノ/コト


20年近く前に
国境は越えても盛者必衰、と歌った
女性シンガーがいたっけ。


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こんにちは、Tsurutaです。
いよいよ秋冬シーズンも佳境に入りました。

インターナショナルギャラリー ビームスの
2017-18秋冬シーズンを象徴する
スタイリングコンテンツが
オフィシャルサイト内にUPされています。


※リンクはコチラ
http://www.beams.co.jp/feature/171006-m/

ロケ地はニューヨーク。

1980年代までは
夜中にひとりで地下鉄に乗るなんて
とんでもない、というほどに治安が悪く
荒れていたこの街も
1990年代に
マフィアのトップを次々に摘発し
犯罪率を激減させた
ルドルフ・ジュリアーニ市長の政策のおかげで
すっかりクリーンになったそうです。
少なくとも10年近く前に
初めてこの街を訪れた僕の目には
そう映りました。

昔、ウディ・アレンの「マンハッタン」で観た
“あの”ニューヨークとも
ポール・オースターが「スモーク」で描いた
“あの”ブルックリンとも違う景色が
いまは広がってます。

これはおそらく
ニューヨークに限った事ではなく
世界の主要都市はこの20年くらいで
劇的に安全で暮らしやすくなり
それと同時に
大幅に均質化してきたはずです。

どこにいっても同じレベルの暮らしが出来る。
どこにいっても同じレベルの買い物が出来る。
どこにいっても同じレベルの食事が出来る。

12年前に行ったベルリンは暗く寂しく
20年前に行ったロンドンは食事がマズかった。
少なくとも現在よりは。



グローバリズムの名のもとに
世界中の都市や文化は
インターネットを通じて
信じられないほど身近になりました。

物事には必ず両面があり
僕らはグローバリズムと引き換えに
受け取ったものと失ったものがあります。

ことファッションに関しては
イギリスの靴メーカーが
アメリカ風のシューズを生産し
フランスのハイメゾンは
アメリカンストリートブランドの
ロゴを拝借する現在(いま)という時代。

あらかじめミックスされた時代。

この根底には
日本人の功罪があると
個人的にはそう思っています。

日本人はもともと
「洋服」という文化を持っていなかった。
つい最近までは和服文化でしたので。

で、持っていなかったので
勝手にアレンジすることに抵抗が無かった。
カリフォルニアロールに対して
日本の職人が
「あんなものは寿司じゃねぇ!」
と怒ったとしても
寿司文化のないアメリカ人は平気である様に。



日本のセレクトショップは
海外の文化や衣服を輸入販売するのと同時に
オリジナル企画の製品を生み出しました。
その時点では世界中のどこにも存在しない
日本的な洋服を。

欧米には
この「セレクトショップオリジナル的」な
服はほとんど存在しませんでした。
確かにBrooks Brothersは
アメリカ版イギリス服でしたし
Marcel Lassanceはフランス版アメリカ服でした。

しかし日本のセレクトショップのオリジナルは
(例えば)アメリカとイギリスの良い所を取って
日本的に(フィット感などを)アレンジし
ハイブランドとロウカルチャーの良い所を絡めて
(中間的な)心地よさを提案してきました。

日本人は単一民族で皆が中流階級だったので。

そして、それらの折衷手法が
欧米に逆輸入された結果として
現在のファッション界は
日本的な編集型デザインやショップが
大流行している、という感じです。

世界は日本化しました。




97年にスタートし
セレクトショップの最新形態として
当時のファッション界を席巻した
パリの編集型ショップ、コレットですが
コレットオープンの一年前(1996年)には
渋谷にBEAMS TIMEが既にオープンしています。

BEAMS TIMEは20年前当時としては前例のない
コンテンツ(カフェ、雑貨、インテリア、
デザイナーズブランド、スーツスタイル)
が組み込まれた編集型のショップで
日本人のEdit能力が世界を捉えた瞬間でした。

それから20年が経ち
コレットが年内いっぱいで閉店することを
発表した2017年。

巷に溢れる編集型ショップや
日本的アレンジ型ブランドの時代は
次のタームを迎えようとしているのでしょうか。



今シーズン
インターナショナルギャラリー ビームスでは
幾つかの新しいブランドを仕入れ始めました。

パリにあるハンティング(狩り)専門店の衣類。
フランスの政府要人も信頼を寄せる
1930年創業の老舗シャツメーカー。

いずれも、グローバルに
ファッションナイズドされていないという意味で
地場の味がしっかりと残っています。



唯一無二のクリエイションを持った
コレクションブランドのアイテムと
ガラパゴス島のイグアナのように
時代の外を歩いてきたシャツ屋からは
ある意味で同じ「強さ」を
感じる事が出来ます。



当店では以前からその二つ
(伝統と前衛)を
並列に取り扱ってきました。

過去100年間作り方が変わらないものと
過去100年間誰も作らなかったもの。

それらは「相反するもの」ではなく
「同じもの」です。
ありふれたものではない、という点で
「同じ強さ」を持っているのです。

オリジナリティという「強さ」を。

例えばHEINRICH DINKELACKERの靴と
RAF SIMONSのコレクションピースを
天秤の両極に乗せると
ちょうど釣り合うような感覚です。



世界は急速に
変わりつつあります。
国境を越えても越えなくても
いずれは時代に追いつかれ追い抜かれる。
盛者必衰の理を超えてなお
永遠なのはスタイルです。

モノから(編集する、国境を越える)コトへ
というひとつの時代が過ぎ去り
僕らは再びモノへと回帰します。
スタイルのあるモノへと。

服屋で食事をするのが当たり前の時代。
当店にレストランは併設されていません。

強さとスタイルを備えた洋服が並ぶのみです。




Tsuruta

村松解放宣言


日頃より当ブログをご愛読いただき
まことにありがとうございます。


このブログは私、Tsurutaと
もう一人のブロガーMuramatsuが
中心となって更新しています。

このMuramatsuという男。

彼のブログをお読みになったことのある方は
お分かりかと思いますが
に「悩める男」なのです。

あらゆることに
「あーでもない、こーでもない」と
悩み続ける男、Muramatsu。

ブログの中でも
「今シーズンは何を買おうか」
「どんなスタイルに挑戦してみたいか」など
「あーでもない、こーでもない」と
呟きながら文章にしています。

もし、まだの方は
是非、彼の過去ブログをご一読ください。



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で、そのMuramatsu。
この日も悩んでいました。


店頭には今シーズンのアイテムが
所狭しと並んでいます。
そろそろこの秋のスタイルを決定づけるような
「コレ!」というアイテムを購入
→自らのスタイリングで表現、
いきたいところですが…。


何を買おうか未だ思案中、といったご様子。


後輩の悩める姿に
ここはいっちょ、先輩Tsurutaが
ひと肌ぬぎまっせ!ということで
Muramatsuを半ば無理矢理
フィッティングルームに押し込み…。

(パワハラではありません)




とりあえずこんな感じで着てみて、と
Tsurutaチョイスのアイテム群を
いくつか試着してもらいました。



ハイ、ということで
本日はTsurutaスタイリングによる
「まぁまぁ劇的!ビフォー&アフター!」を
Featuring Toshiya Muramatsuでお送りします。
あ、彼、Toshiyaといいます。


ちなみにその日のMuramatsuの
自前服はこんな感じ。




OUR LEGACYのジャカードブルゾンに
TACASIのナイロンパンツを合わせ
オレンジやイエローといった
今年らしいカラーリングを表現しています。
インナーにプリントアイテムを合わせている点も
足元のVANSとマッチしていますね。


これはこれで、と言いたいトコロですが…。
Tsurutaはもっと上を目指します(笑)。

ということで出来上がったのが…。





















はい、こちら。別&人。
ヴィヴィッドなイエローのニットと
ルーズなイージーチェックパンツは
注目ブランドSUNNEIのもの。
アウターはARK AIR、
ハットはKIJIMA TAKAYUKIです。


全体的にはアーリー90'sのマッドチェスター的な
ズルズルにルーズなシルエット。




ハットやパンツにチェックを使う事で
ルーズな中にもトラッドマインドが見え隠れ。
32歳のMuramatsuが着ても
子供っぽくなり過ぎないように気を配りました。
なんとデキた先輩でしょうか(笑)。



足元はコチラ。
スニーカー好きのMuramatsuも気になる様子。



後ほどご紹介します。


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もう一体
プレゼンさせてもらいました。



はい、こちら。
E.Tautzのセットアップは
ドロップ気味のショルダーや
低いゴージ位置、長い着丈など
まさに今の気分をすべて具現化したような
完璧なバランスmeets上質感。
インナーは同ブランドのシャツを
あえてノータイ&第一釦まで留めて。



新入荷ホヤホヤ、
Master&CoのラメGベルトを垂らして…。



足元はやはりこのスニーカー。





Muramatsuも段々と「その気」になってきたのか
目つきがトロンとした感じで
モデル顔負けのアンニュイな表情。
ちなみにキャップはamiのものです。


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さぁ、いかがでしたでしょうか?
とりあえずこの日は試着のみ。
ただ、彼の中では今シーズンのヴィジョンが
だいぶクリアになってきたようで。


もはや顔つきが違います。ほら。




ビフォー。



アフター。

全然違いますよね?

洋服の持つ力ってやっぱり凄いですね。


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そして告知です。




先ほどのスタイリングでも登場した
こちらのスニーカー。
ロンドンを拠点に活動する
ブランドCOTTWEILER(コットワイラー)と
REEBOKのコラボレーションモデルです。
スポーツウェアに尖鋭性を持ち込み
独自のアバンギャルドな世界観を展開する
彼らにとってスニーカーというフォーマットは
まさに得意中の得意。
かなりカッコイイ仕上りになっています。








Muramatsuもビビっときたらしい
このスニーカーは
9/20(水)にリリース予定です。

その頃には
悩みを振り切って
秋冬の気分で一新した
ニューMuramatsuもリリース予定です。

どちらも是非、店頭にてご確認下さい(笑)。





Tsuruta

シルエット解放宣言



待ちに待っていた9月の到来。


いよいよ
本格的にお洒落を楽しもうかな、
という季節がやってきました。

いや、最近の日本の気候を考えると
やっぱり夏は蒸し暑過ぎて
お洒落どころではないですよね、正直。

からの、秋。
テンションも自然と上がる、というものです。




レーベルページのトップ(↑)も一新。
秋冬モード全開でブログをお送りいたします。


今回は秋冬の傾向、
ということでまずはスタッフのスナップから
いってみまショー!(妙にハイテンション…)




トップバッターは勿論この人、
当レーベルディレクターの服部。
オレンジ×グリーン、という
独特のカラーリングで登場。
しかし「グリーン」「オレンジ」ともに
シッカリ今期のトレンドカラーだったりします。


常人ならばワイドなボトムを合わせたくなる
ASHLEY LOWEのショート&ワイドなトップスに
VALENTINOのスリムなパンツをコーディネート。


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続いて当レーベルバイヤーの関根。
こちらもトップスはASHLEY LOWE。
全体をサンドベージュでまとめ
足元に効かせているのは
やっぱり「グリーン」のSOLOVIERE。



首元にもさりげなく「グリーン」が。

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私、Tsuruta。
7×7のチェックパンツに
ブライトなイエロー×オレンジのニットを
コーディネート。



ニットは社外品(Fabrizio Del Carlo)ですが
TACASIのコーデュロイシャツや
PB0110のミニバッグ(ユニセックス)で
レトロなムードのスタイリング。


さぁ、ここまでで
何かお気づきになりましたでしょうか?


イエロー、オレンジ、グリーン…。
ヴィヴィッドカラー…。
それもそうなのですが…。


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もう少しいってみましょう。




EMILIANO RINARDIのカラーレスジャケットに
RAF SIMONSのボトムを合わせた服部。
このパンツは先ほど関根が穿いていたものと
同型の色違いです。



スリムなシルエットですが
膝から下が緩やかにフレアしたシューカット。



別の日のTsuruta。
ボトムは先程と同じ7×7ですが
Fanni Lemmermayerのカーディガンを
パンツインしたスタイリング。

もうお分かりですね?
これらのスタイリングの共通点。

「膝下がフレアしたシルエット」です。



思えば7~8年前に
UMIT BENANが登場したタイミングで
「股上が深く」「2プリーツの入った」
「ワタリが太くテーパードのきつい」
「ベルトレスパンツ」を穿くという、言わば
「誇張したクラシック感」的なものが
流行の先端に躍り出たことを
覚えていらっしゃる方も多いでしょう。
その当時の足元はALDENのような
ボリューム靴でした。

一点突破的なTHOM BROWNEや
BAND OF OUTSIDERSのような
アメトラ再興の動きが
ワンクッション入っているとは言え
シルエット的にはまだまだ
「スキニー全盛」だったことを考えると
大きな変化です。

このあたりの流れは
7~8年遅れて
現在のピッティ周辺の
クラシック事情と
シンクロしている感じですね。

やがて、過剰クラシックな
プリーツ入りテーパードパンツに
慣れてきた人々の中から
裾まで太い「ワイドパンツ」が
注目されるようになります。

プリーツ入りテーパード→ワイド。
つまり
クラシック→リラックス
と変わっていった感じです。
当然、足元はスニーカーになっていきます。
それが、ここ3、4年の話です。

で。

最近なんだか新鮮だなと
個人的に感じるものが
この「フレアパンツ」。
無論、全力でフレアしたベル状のものではなく
よく見ると薄~く広がっている、くらいのもの。

レングスも「くるぶし丈」から
「少し長め」に気分が移りつつあります。

この変化を
「70'sスタイルのリバイバル」とか
「70'sがリバイバルした90'sのリバイバル」とか
「また流行の繰り返しかよ」とか
想いは色々あるでしょう。

ただ、人は飽きるんですね。
絶対的に。

飽き性という言葉には
ちょっとネガティブなムードがありますが
言うなれば「前向きに飽きる」、
つまり、明日も楽しく生きるために
気分転換をしているだけかもしれません。

ファッションの根源です。

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シルエットの変化ということになると
日本人は過敏になりがちです。
欧米人に対してコンプレックスがあるとされる
「体型」と密接に関係してくるので。

しかし、そこは2017年。
個人の時代を経た今、
1970年代のシルエットを再現する
必要なんかどこにもないのです。


RAF SIMONS2017秋冬コレクションより

VALENTINOではセミフレアしたパンツに
ジャストフィットのジャケットを合わせて、
RAF SIMONSはシューカットのパンツに
脱構築的ルーズなトップスを合わせて
提案していました。

どちらでもかまわないし
どちらでもなくてもかまわない。
そんな自由を手に入れた今、
前向きにチョイスしてみませんか?
フレアパンツ。



厚底靴や
ナローなレザーシューズなど
素直な70'sタッチで合わせてもよいのですが
意外にプレーンなアイテムとも合います。
服部とTsurutaがフレアパンツに
ALDENを合わせていたシンクロ感。

今回スタイリングに登場した
RAF SIMONS、VALENTINO、7×7以外に
TACASIやJ.W ANDERSONなどでも
フレアシルエットを提案してしています。

これは
「ワイドが古い」とか
「テーパードはダサい」とか
そういうことではなく
「選べる種類が増えた」という
僕らにとって望ましい変化なのです。
一辺倒ではつまらないし
息苦しい。

なぜって、
人の数だけ
好みや気分があるのですから!

いよいよ
本格的にお洒落を楽しもうかな、
という季節がやってきました。


Tsuruta

解体新書・改


残暑が厳しく
夜も寝苦しい日々が続いていますが
皆様いかがお過ごしですか?

もうひと月ばかりすると
少しは秋めいた風が吹き始め
夜更かしでもしてみようかな?
という気になるというもの。


そういえば4~5年前のある夜。
僕は自宅で夜更かしをしていました。

何をしていたかというと…。










もう着なくなった昔のスーツを
リッパ―片手に解体して遊んでいたのです。
(上は当時、記念に撮影した写真)
ふと、ジャケットの内側(材料やテクニック)を
覗いてみたい気持ちにかられ
ついつい3時間くらい夜更かししてしまいました。
ひとり解体ショー。
くっ、暗い…(笑)。


覗いてみた感想は
「ビームスのスーツはちゃんとした作りだなぁ」
というもの(笑)。
ちなみにこのスーツはリングヂャケット謹製。
今も当レーベルのスーツを制作してもらっている
超一流ファクトリーです。

で。

それから数年経って、2017年春。
ふと思い出したかのように
「昔解体したあのスーツ、着てみよっかな」と、
思い立ったが吉日。

上着だけですがスタイリングに取り入れてみました。




意外と大丈夫ですよね(笑)。



解体したまま再構築せずに着用した感じ。
肩からはずした袖なんて文字通り
「腕に通した」だけです。

この日のスタイリング、
同僚たちに鼻で笑われたり
冷ややかな目で見られたり
「アイツは阿呆や」と陰口を叩かれたような
そんな気もしますが大丈夫です。

終わったことは気にしない事にします。

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で、本題。
















これらは何を解体したものでしょうか?
勘の良い方は
もうお気づきのはず。

そして、これらを材料にして
何が出来上がったかというと…。
















衝撃の転生。
このブランドの卓越したセンスと
職人の皆様のタグイマレナル根気とが
結晶化したかのような、この完成度。

Tsurutaのように
「壊しっぱなし、組み立て放棄」の
ヤワなやつではありません。

実物を是非ご覧になってみて下さい。
ホントにビックリしますよ。



…という事で只今搬入終了。
インターナショナルギャラリー ビームスでは
明日(8/25)から大々的に発売です。


WACCOWACCO(ワッコワッコ)のバッグ全5型。





「解体」から「買いたい!」に
なること必至(笑)。

ともあれ、皆様のご来店お待ちしております。
見逃すと後悔しますよ。



Tsuruta

パンク再生?


伝統と破壊。

メンズファッションの源流である
英国の長い歴史の中で
幾度となく繰り返されてきたこの二極の対立。

インターナショナルギャラリー ビームスが
当初からその才能に惚れ込み
日本国内エクスクルーシブ(当時)で
バイイングを続けてきたデザイナー
NICHOLAS DALEYもまた
伝統と破壊の間を自由に往来しながら
自らのアイデンティティを探求する
若き表現者のひとりです。

ショップには
彼の最新コレクションが届きました。



ファクトリージャケット ¥77,000(+tax)
2プリーツトラウザーズ ¥63,000(+tax)

シェットランドウールを使用したツイードは
英国の老舗「MOON」社のもの。
表情豊かなサージグリーンが印象的です。




チュニックジャケット ¥87,500(+tax)
プルコードトラウザーズ ¥82,000(+tax)
ジュートベレー ¥36,000(+tax)

ダークトーンのチェック柄セットアップ。
この生地はヨークシャーにある
1931年創業の「MARTON MILLS」で
織られたものです。



ハイランドポンチョ ¥108,000(+tax)
ハイランドキルト ¥124,000(+tax)

フード付きのポンチョと
キルトを組み合わせたスタイル。
1864年創業、スコットランドの老舗
「HALLY STEVENSONS」が生産する
ヘビーなワックスコットンを使用しています。

特に、このキルト。
BARBOUR×1.5着分位あるんじゃないの?
というほどの重さ。
気合の一着です。




ハイランドジャケット ¥115,000(+tax)
3ポケットウエストコート ¥50,000(+tax)
フロントシンチトラウザーズ \85,000(+tax)
ジュートベレー ¥36,000(+tax)

再び「MARTON MILLS」製の
生地を使った3ピーススタイル。
ポケットのフラップなど
一部は
ワックスコットン素材です。

NICHOLAS DALEYの
2017年秋冬コレクションのテーマは
「BLACKWATCH」。


スコットランドのなかでも
高地地方(ハイランド)の民族文化と
密接に関係するタータン(チェック)に
焦点を当てたコレクションです。

ちなみに「ブラックウォッチ」とは
タータンの一種であり
上の写真の3ピースに見られる柄
(緑×紺)を指しています。

用途や目的によって細かく分類され
呼称が登録されているタータンですが
(数年前に日本の百貨店がオリジナルタータンを
制作、登録したことも記憶に新しいですね)
ブラックウォッチと言えば
代表的なミリタリータータン。
つまり軍用としても使われるタータンです。

そして、タータンと言えば…。





今シーズンのNICHOLAS DALEYの
コラージュによるイメージを見ると
伝統的なスコティッシュの肖像の中に
混じって
「PUNK」の影がちらちらと。


そもそもNICHOLASと言えば
2015-16の秋冬シーズンには
パンクレジェンド、ドン・レッツを召喚し
皆の度肝を抜くコレクションを発表しました。

※ビームスが初めて買い付けた
彼のデビューコレクションにも
レッツはモデルとして登場しました。



2015-16秋冬のショップウインドウ。

NICHOLASとカウンターカルチャーは
切っても切れない関係にあるようです。


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ジャマイカ系英国人という
移民の血を継ぐ彼が
熱い想いを寄せるPUNKカルチャー。

上のコラージュにも登場する
ご存じジョニー・ロットン。
彼はアイルランド系の移民という
ロンドンにおいてのマイノリティでした。

故アレキサンダー・マックイーンにも
スコットランド系の血が流れていたと言います。
彼も自身のコレクションの中で
独自の配色のタータンを多用した一人です。

英国に於いて影の歴史を歩んできた
スコットランドのタータンに
彼らが身を包むとき
そこにはマイノリティに対する
共感と鼓舞の気持ちがあったのでしょうか?


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そういえば、この秋冬。
当レーベル別注のアイテムで
こんなものがあります。






GEORGE COX 「EVERTON」 ¥45,000(+tax)
※こちらは11月入荷予定のご予約商品です。


数々のパンクスの足元を飾ってきた
GEORGE COXが
当レーベルのために
製作したこのシューズ。
EVERTON(エバートン)というモデル名も
同社の副社長が直々に命名したものだとか。


1971年、ヴィヴィアン・ウエストウッドと
マルコム・マクラレンが
キングスロードにオープンさせた
ブティック「Let It Rock」で人気を博していた
GEORGE COXのシューズ。


「クリーパー」と呼ばれる
ゴム底のコンビ靴が当時のテディボーイたちの
足元を飾っていた時代。
GEORGE COXのシューズも
また伝説です。


ファッション・パンクがリバイバルする、
とは言いませんが情報化社会に揉まれて
知らず知らず、すっかり白けてしまった心に
う一度火を灯すガソリン的な存在として
パンクが見直されることはあり得るでしょう。

パンクとは放送禁止用語を連呼することでも
体中に安全ピンを付けることでもありません。
その行為自体ではないのです。

破壊する相手は「体制」ではなく、自分自身。

自らを壊して終えて
チリや芥しか残っていない
もはや残骸ですらないようなものをかき集め
「これが俺なんだよね、へへへ」
笑ってみせるような感覚。


セックス・ピストルズ解散後、
ジャマイカへ飛んだジョニー・ロットンは
ドン・レッツらに注入された
強靭なダブビートとともにカムバック。


世間に押されたパンクロッカーとしての
烙印をあざ笑うかのように
結成したバンド名は
P.I.L(Public Image Ltd)
=公共イメージ会社。

ピストルズ時代とは全く異なる音楽性で
サウンドとしてのパンクを期待していたファンを
見事に、軽やかに裏切ってみせました。


Rockarchive.comより


期待はずれ上等。

タータンを身に付けて
開き直った笑みを浮かべている
この時代の彼のポートレートは
清々しさに満ちています。


自らのアイデンティティを
ふてぶてしく宣言した男が着る
タータンのかっこよさといったら。

ファッションが手軽な時代。
異常な服好きはもはやマイノリティ。

開き直りも必要です。

勝手にしやがれ、ですよ、ホント。




Tsuruta