「生きること、答えること」が繋ぐ<N/OH>のものづくり

インテリアとして楽しめるスタイリッシュな植木鉢で話題の陶器ブランド<N/OH(ノウ)>。<B:MING by BEAMS>では、この春、ビーミング ライフストア by ビームス テラスモール湘南店、横浜ポルタ店の2店舗にて<N/OH>のPOP UP SHOPを開催、別注アイテムを始め幅広いラインナップをご紹介します。開催に合わせ、アートディレクター/彫刻家の宮脇志穂さんにお話を聞きました。
Interview Shiho Miyawaki / N/OH art director 
Photography:dennoooch
Interview & Text : Saiko Ena

“LIFE IS ART, B:EAT GOES ON”のメッセージに込めたもの

−ビーミング ライフストア by ビームスのPOP UP SHOPの開催が迫っています。楽しみですね。

宮脇:そうですね。たくさんの方に手にとっていただけたらと思っています。今回は<N/OH>で定番として作ってる植木鉢に<B:MING by BEAMS>の「B :」という文字やメッセージを転写した別注モデルを作りました。<B:MING by BEAMS>というレーベルには、若くてエネルギッシュなイメージを抱いています。植木鉢の外側に大きめに「B:」と入れることで、そのイメージに近づけたのではないかと。

−鉢の内側にある“B:EAT GOES ON”というメッセージにはどんな思いが込められていますか?

宮脇:今回のコラボレーションにあたって、ビーミングの「B:」にまつわる文字を使って前向きな言葉を刻みたいなと考えていて、“LIFE IS ART, B:EAT GOES ON”というメッセージを思い浮かべました。そもそも<N/OH>のコンセプトは「応」「能」。相互作用や情報伝達、意思疎通を意味しています。生きること、それは応えること。作品にメッセージを入れることで、使ってくれる方と間接的に繋がれるような気がするんです。<B:MING by BEAMS>スタッフの皆さんが、インスピレーションを大切に作ることを受け入れてくださったので、直感を信じて、植木鉢のいろいろな場所に自由に文字を配置することができました。

植木鉢の中で一番人気のモデル「澪標(みおつくし)」に込められた意味とは?

−宮脇さんが植木鉢を作るようになったきっかけは?

宮脇:きっかけのひとつに、8年くらい前に祖父からもらった3つのサボテンがあります。特別な品種ではなかったのですが、植物が大好きだった祖父がある時「あげるよ」と言って手渡してくれたのがとても嬉しかったんです。だけどそれが市販のなんでもないプランターに植えられているのが寂しくて。いいものはないかと探してみたのですが、当時、個人的にピンとくる植木鉢はあまり見当たりませんでした。それで植物のための器を作ってみようと思い立ったんです。

−ランダムな面にしのぎ(稜線)の入った「澪標(みおつくし)」というシリーズには、特別な思いが込められていると聞きました。

宮脇:サボテンをくれた祖父が昔書いた本のタイトルが「澪標」でした。「航路を示す標識」という意味があります。植物とうつわをテーマに作るきっかけをくれたのが祖父でしたから、何かよいタイミングがある時にこの言葉を使いたいと思っていたんです。私は以前、個人で活動していましたが、ものづくりの想いを共有できる仲間に出会い、チームを組んで<N/OH>をスタートしました。そこでブランドとして最初に作った作品に「澪標」と名付けることにしたんです。<N/OH>は、ひとつの船です。この「澪標」というシリーズは<N/OH>出発点であると同時に、ブランドが目指す場所への道標であり、立ち返るところにもなればと思っています。

−「澪標」は、多面体のフォルムが魅力的です。どうしてこのような形になったのですか?

宮脇:私は、高校、大学時代に彫刻を勉強していて、そこで身につけた感覚を作品に落とし込みたいと考えていて、ふと面をランダムに削り取ることを思いついたんです。それまではうつわを中心に制作していたのですが、植木鉢なら草木と土を入れることさえできれば、どんな形でも成立する。彫刻するときのような自由な感覚を生かすなと思ったのです。

彫刻するように形作る

−実際どのように作っていくのですか?

宮脇:いくつか方法があるのですが、例えばランダムな面のあるフォルムは、粘土の塊から面を削りとることで生まれます。私は、彫刻出身ということもあり大胆に面取りをしていくのが好きみたいで。削る時には、のこぎりを使ってスパッと。衝動的に、感覚的に、削っていくことが多いですね。そうしてできた塊をもとに、石膏型をとります。石膏型を作ることによって、同じフォルムの植木鉢を複数作ることができるんです。

−しのぎと呼ばれる特徴的な稜線も、手作業で入れていくのですか?

宮脇:そうですね。石膏型ができたら粘土をあてて植木鉢の形を作ります。しばらく乾燥させてから、好きな面を選んでしのぎを入れていきます。どの面をしのぐか、何面しのぐかなどは、完全に感覚で決めていきますね。なので同じものはできないんです。「B:」のロゴを入れる時と同じ感覚です。

ーギザギザしたふちは、どのようにして生まれるのですか?

宮脇:しのぎを施したあと少し乾燥させ、いい頃合いになったら、ふちの部分を手で折るように欠けさせていきます。クッキーを割るようなイメージなんですが、山脈のようなラインなどバランスを見ながら進めていきます。

ー「グデア」シリーズは、ベーシックなデザインですね。

宮脇:どこにでも売っているテラコッタの植木鉢の形を参考に、N/OHのスタンダードを目指して作りました。こだわりは、上部の帯状のふちを厚めにとってしのぎを入れることと、底をN/OHのロゴと同じ八角形にして<N/OH>らしさを出したことです。ベーシックな形なのでインテリア好きの方に親しまれているんですよ。

自分らしく植物を楽しむために

ー多肉植物や塊根植物など、個性的な色や形をした植物を好むお客様が増えています。植え方のアドバイスはありますか?

宮脇:多肉植物や塊根植物は種類も豊富なので、植木鉢との相性を考えて選ぶのが楽しいですね。私は、鉢を選んでからそれに合う植物を探すのもいいと思います。例えば、横長の「澪標 四角型」には、縦に伸びた多肉植物を。これは「B:」の文字が左に寄っているので、植物もそれに合わせてあえて中心をずらして端のほうに植えてみました。植物は大きくなるにつれ植え替えをすることが必須なので、最初はあまり深く考えすぎず可愛く見えるように、インスピレーションで植えるのがいいのではないかと思います。

ー豊富なバリエーションが楽しい<N/OH>の植木鉢ですが、どんな風に使って欲しいですか?

宮脇:植物は枯らしてしまうから苦手という方も多いと思いますが、それを恐れず、焦らず、ゆっくり楽しんで欲しい。植物は生きているので、日当たりや置く場所など部屋によって生育が左右されるし、もちろん植木鉢のと相性もあります。生き物相手だからこそ、やってみないと分からないところも多いんですよね。その一方で、私が祖父から受け継いだサボテンのように、時を超えて育ってくれる植物もある。水やりのタイミングなど、植物が見せる反応を楽しみながらゆっくりと付き合って欲しいと思います。

ー<N/OH>の植木鉢なら、楽しんで使えそうです。

宮脇:私が彫刻的な感覚で作るのは、植物を入れない状態でもかっこよく見え、インテリアとしても取り入れられるものにしたいからです。しばらく植えない時期があってもいい。植物を植えるという用途にとらわれず、自由な発想で使っていただけたら嬉しいですね。

Profile / 宮脇志穂(みやわきしほ)
彫刻家 / アートディレクター。東京造形大学美術学部彫刻専攻卒業、2011年アトリエ<NEOSHIHO>を立ち上げる。2014年頃より、植物とうつわをテーマに植木鉢作品を本格的に展開し、Instagramを通してその世界観を発信。2019年クリエイティブディレクターに増元直人氏を迎えブランド<N/OH(ノウ)>を創立。現在世界6カ国で展開中。個人名義でも彫刻作品に留まらず多方面で活動を展開している。
<N/OH>オフィシャルサイト
<N/OH>インスタグラム

B:MING by BEAMS ショップスタッフが提案する <N/OH>のある暮らし

POP UP SHOPを担当するショップスタッフと、植物&インテリア好きのビームススタッフが提案する「<N/OH>のアイテムのインテリアへの取り入れ方:実例集」。合わせる植物の種類や色の選び方、アクセサリー入れなど多用途な使い方などぜひ参考に。
Photography:BEAMS

ビーミング ライフストア by ビームス テラスモール湘南店
小田嶋崇之

「今のマンションに引っ越してきてから、部屋づくりの一環で徐々に植物が増えていきました。収集する植物やアイテムにはこだわらない、というのがこだわりで、とにかく自分の好きなものだけを集めるようにしています。<N/OH>の澪標(POT SS)はホワイトのベースを活かして窓辺に、XSはDIYした棚と相性が良さそうなのでアクセコーナーに飾ってみました。どちらも完全な趣味で集めた既存のアイテムや小物とも自然に馴染み、早くも自分の在りかを見つけたようです。今回B:MING by BEAMSで展開する<N/OH>の鉢は小振りなものが多いので私のような一人暮らしや、グリーン初心者の方にもおすすめです」

ビーミング ライフストア by ビームス テラスモール湘南店
中島元

「今の家に住んで1年。幼少期から地元大磯で海、山といった自然と共に育った私にとって、庭をいじる、植物に触れるということは欠かすことのできない生活の一部。このサンルームでもお気に入りの植物の成長や、季節によって変わる表情を見つけは楽しんでします。その時の感覚で植物を植え替えたり、足したり、妻の趣味であるドライフラワーを飾ったりと、雑多な雰囲気がお気に入りのこの場所にはN/OHのグデアSを。マットな黒色ですが、独特の存在感を発揮してくれそうです。サボテンを植えた澪標(四角 SS)は食卓に飾ってみました。これまでは季節を告げる植物を活けていたのですが、サボテンを眺めながらも食事ものんびりできていいですね」

自由な使い方にアレンジ
植物&インテリア好きビームススタッフのマイルームより

<N/OH>のPOP UP SHOP開催

<B:MING by BEAMS>では3店舗にて、幅広いバリエーションを揃えてご紹介するPOP UP SHOPを開催。イベントでは別注アイテムをはじめ、通常は取り扱いのない数多くの作品を一挙にご覧いただけます。

イベント詳細はこちら

<B:MING by BEAMS>×<N/OH>別注アイテム

POP UP SHOPに合わせて、<N/OH>が得意とする面取りのデザインの植木鉢にインテリアとしても取り入れやすい小さめサイズが登場。<B:MING by BEAMS>の「B:」とメッセージロゴをあしらったスペシャルバージョンです。

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