FEATURE A story about the culture.

BEAMS Tと共に歩む人。<br>花井祐介 BEAMS Tと共に歩む人。<br>花井祐介
2021.10.4

BEAMS Tと共に歩む人。
花井祐介

Yusuke Hanai, a person who walks with BEAMS T

今年、20周年の節目を迎えた<ビームスT(BEAMS T)>。“ART FOR EVERYDAY”をスローガンに掲げ、アーティスティックなグラフィックをTシャツというキャンバスで表現し続けています。その歴史の中で知名度を問わず、現場目線のアンテナがキャッチしたアーティストやブランドに出会ってきました。今回、フォーカスするのは花井祐介さん。グローバルブランドからのラブコールが絶えないほど人気のアーティストです。<ビームスT>では、何度も取り組みを重ねてきましたが、それに至った経緯から想いをアトリエで聞いてきました。

This year, BEAMS T celebrated its 20th anniversary. Under the slogan "ART FOR EVERYDAY”, the company has continued to express artistic graphics on the canvas of T-shirts. In the course of its history, it has encountered artists and brands that its on-the-spot antennae have caught, regardless of their fame. This time, our focus is on Yusuke Hanai. He is an artist so popular that he is constantly receiving special requests from global brands. BEAMS T and Yusuke have worked on various projects together over the years. In his atelier, we asked him about how it all started and his thoughts on it.

PROFILE

花井祐介
(アーティスト)
1978年生まれ、神奈川県出身。2005年よりカリフォルニアのロングビーチにある「The Surf Gallery」にて作品の展示を開始。翌年より同ギャラリー主催のアートショー「The Happening」に参加し、ニューヨーク、シドニー、東京、ロンドン、パリで作品を発表。2017年には作品集『Ordinary People』をリリース。BEAMSの他に<ヴァンズ>や<グレゴリー>といった世界的なブランドへもアートワークを提供している。
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「どうして僕を知っているんですか!?」

ー これまで何度もコラボレーションや展覧会を<ビームスT>と重ねてきました。最初の出会いは覚えていますか?

花井:初めてコラボレーションしたのは2008年ですよね。それまで僕は、イラストレーターとして本格的な活動をしておらず、サーファーの友達がカリフォルニアで開催しているイベントに少しだけ出品したり、サーフィン雑誌にちょっとだけイラストを提供したりする程度でした。でも、当時の<ビームスT>のディレクターが、カリフォルニアのイベントのポスターに小さく載っていた僕の名前を見つけて、声を掛けてくれたんですよ。僕からすれば「どうして僕を知っているんですか!?」って不思議で(笑)

花井さんが<ビームスT>のために最初に描いたイラスト。当時はグレーのボディにプリントされた。

ー そのイベントは、どういった内容でしたか?

花井:「ハプニング(The Happening)」というイベントです。ジャック・ジョンソンやGラヴなどがライブをしたり、バリー・マッギーやトーマス・キャンベルなどの作品を展示したり、サーフィン好きのアーティストを集めたものでした。

ー 日本で言う「グリーンルームフェスティバル」に近い感じでしょうか?

花井:「ハプニング」は「ムーンシャインフェスティバル(Moonshine Festival)」というフェスが前身なんです。「グリーンルームフェスティバル」主催の釜萢さんが現地でそれを見て、こういうフェスを日本でも開催したいと持ち込んだのが、横浜で毎年開催されている「グリーンルームフェスティバル」なんですよ。

ー では、どのような繋がりから「ハプニング」に参加できたのですか?

花井:僕は20代前半の頃、湘南界隈のサーファーが毎晩集まってどんちゃん騒ぎをしているようなバーで働いていました。そのお店が「グリーンルームフェスティバル」の1回目にフードを出店する時、看板を僕が描きまして。そうしたら、「ムーンシャインフェスティバル」を主催しているオーナーの目に留まって、カリフォルニアにある彼のギャラリーのグループ展へと声をかけてくれたんです。

ー その出会いが大きかったんですね。

花井:「ザ・サーフ・ギャラリー(The Surf Gallery)」というそのギャラリーは、映画『エンドレス・サマー』のポスターを描いたジョン・バン・ハメルスフェルトの作品や、老舗サーフィン雑誌『サーファー(SURFER)』の編集長でアーティストのジョン・セバーソンの作品など、サーフィン関連の作品を中心に展示している場所でした。だから、僕が好きなものに共感してくれて、話が合ったのが嬉しかったですね。

ー そうだったんですね! では、お声がけをした当時は、<ビームスT>にどんなイメージを持っていましたか?

花井:実はアパレル企業のクライアントワークとして、初めて仕事をいただいたのがBEAMSだったんです。すごいびっくりしたし、興奮しましたね。一番お付き合いは長いですし、量も多いです。その時から<ビームスT>は、既におもしろいことをやっているという印象でした。アートを落とし込んだ洋服を扱っていて、若い頃はアーティストの作品なんて買えなかったけど、<ビームスT>でTシャツは買えた。バリー・マッギーのTシャツを買ったこともありますよ。

文化としてのサーフィンが好き。

ー いまとなっては<ビームスT>と何度もコラボレーションしていただいています。

花井:担当者が変わってもずっとお仕事は続いていて、それこそ「グリーンルームフェスティバル」のオフィシャルのTシャツをずっとやらせてもらっていますし。BEAMSはただの洋服屋ではなくて、カルチャーの匂いがしますよね。洋服好きで、カルチャー好きで。

花井さんのインスタグラムより。
2012年の夏には<ビームスT>が依頼し、
原宿のとんちゃん通りが花井さんの作品で彩られた。

ー 2014年にはBEAMSで初となる、メンズカジュアルの全レーベルとコラボレーションをしていただいたこともありました。

花井:BEAMSって、いろんなレーベルで異なる色を持っているのがおもしろいですよね。そういえば、2012年に原宿のとんちゃん通りで掲示された<ビームスT>の広告を描かせてもらったのも、いい思い出です。

ー <ビームスT>との関わりについて、もう少しお話を伺ってもいいですか?

いままで手掛けたものはボックスに分けて保存している。
BEAMSだけで1箱埋まっていた。

2013年に<パタゴニア>と<ビームスT>のコラボレーションで制作した
鎌倉市農協連即売所のオフィシャルアイテム。
花井さんによるデザイン。

花井:はい。これは<パタゴニア(Patagonia)>と<ビームスT>ですね。鎌倉に、連売(鎌倉市農協連即売所)という市場があるんですが、<SSZ>をやっている加藤さんもそこで野菜を販売していて、隣にある<パタゴニア>のマーケティング担当者もサーフィンで繋がっていて仲がいいんです。そのみんなで「何か一緒にやりたいね」と話していて、せっかくならローカルに還元できることをやろうと。それで、連売のオフィシャルアイテムとしてつくりました。

ボディには<パタゴニア>を使い、野菜を買ったらトートバッグに入れてもらって。シルクスクリーンの体験イベントも一緒にやりましたね。<ビームスT>と<パタゴニア>とは、雑誌『コヨーテ(Coyote)』のイベント時にもTシャツやバンダナをつくったのを覚えています。

前出した2014年にBEAMSのメンズカジュアルレーベルと
コラボレーションした際につくったシャツとバケットハット。
全国のBEAMSで展開した。

同タイミングで「ビームスT 原宿」では、エキシビジョン「Nothing Gold can stay」を開催。
レセプションパーティ中にアイテムを購入した人に、
その場でプリントしたバンダナのノベルティを数量限定でプレゼントした。

ー 鎌倉を歩いていると、花井さんが描いたロゴや壁画のお店を見かけます。それも、ローカルに還元という考えからなのでしょうか?

花井:そうですね、ここら辺は特に。ありがたいことに、いろんなブランドとコラボレーションさせてもらっているから、他のブランドとバッティングしそうになるんです。そんな時は、基本的にお断りさせていただいているんですが、ローカルのためになるお仕事はお受けしています。やっぱりローカルを盛り上げて、友達たちが喜んでくれたら嬉しいですからね。

ー たとえば、どのようなお仕事をされたんですか?

花井:アトリエからサーフィンしに海へ行くまでに小さな酒屋があるんですけど、海に入った後のサーファーが、そこでビールを飲んでたまっているんです。いつもみんなお世話になっているので、そこのお店のTシャツも描かせてもらいました。その店頭でしか売っていないんですが、僕のことなんて知らない近所のおばあちゃんが着ていたりもしていて面白いんです。金銭は関係なく地域に還元できるのは楽しいですね。

ー やっぱりサーフィンはよくされているんですね。毎日の日課になっていますか?

花井:地域的に毎日波が上がるような場所ではないので、一週間に1、2度入れればといった感じですね。このアトリエから歩いて5分くらいの場所に好きなサーフスポットがあるんですよ。行くのは、潮と風と波のうねりによって朝に入る時もあるし、夕方の時もあります。僕はスポーツではなく文化としてのサーフィンがすごく好きなんですが、そこに共感してくれる人がBEAMSには多いですね。

ー 文化としてのサーフィンが好きとおっしゃいましたが、どういった部分でしょうか?

花井:たとえば、その人たちがどんな生き方をしているのか、周りの人との関わり方、歴史とか、サーフィンに付随するアートや音楽、サーフィン以外の時間にどんな服を着て、どんな家に住み、どんな車に乗っているのか。そんな全体が好きなんです。

ー では、最後に<ビームスT>は今年で20周年なんですが、20年前は何をしていましたか?

花井:働いていたバーを辞めて、サンフランシスコに留学して絵を学んでいました。

ー 逆に20年後の花井さんはどうなっていると思いますか?

花井:若いBEAMSの人たちと仕事できていたらいいですね。あと、先輩方を見ていると70歳ぐらいでも波に乗っているので、まだまだサーフィンを続けていると思います。だから、いつまで経っても先輩になれないんですよ。ずっと変わらず下っ端なんです(笑)

PROFILE

Yusuke Hanai
(Artist)
Born in Kanagawa Prefecture in 1978. Yusuke began exhibiting his works at “The Surf Gallery” in Long Beach, California in 2005. In the following year, he participated in “The Happening,” an art show organized by the same gallery, and showed his works in New York, Sydney, Tokyo, London, and Paris. In 2017, he released his collection of works, “Ordinary People”. In addition to BEAMS, he has also provided his artwork for global brands such as Vans and Gregory.
Official Site

“How do you know me?”

ー You have had many collaborations and exhibitions with BEAMS T. Do you remember your first encounter?

Hanai: The first time we collaborated was in 2008, right? Up until then, I hadn’t really been active as an illustrator. I was only exhibiting a little at events that my surfer friends were holding in California, and providing a few illustrations for surfing magazines. But the director of BEAMS T at the time saw my name on a small poster for an event in California and approached me. I was like, “How in the hell do you know me?” (laughs)

The first illustration that Yusuke drew for BEAMS T. At the time, it was printed on a gray body.

ー What was the event like?

Hanai: It was an event called “The Happening”. It was a gathering of surfers/artists, with live performances by Jack Johnson and G Love, and exhibitions of works by Barry McGee and Thomas Campbell.

ー Is it similar to the “Green Room Festival” in Japan?

Hanai: The predecessor of “The Happening” was a festival called the Moonshine Festival. The organizer of the Green Room Festival, Mr. Kamayachi saw the festival in California and wanted to hold a festival like it in Japan. It became the yearly Green Room Festival in Yokohama.

ー So, how did you get involved with “The Happening”?

Hanai: When I was early 20s, I was working at a bar where the surfers of the Shonan area would gather every night to have a good time. When the bar opened a food stall for the first Green Room Festival, I painted the sign. It caught the attention of the organizer of the Moonshine Festival, and he invited me to participate in a group show at his gallery in California.

ー So that encounter was a big deal.

Hanai: The gallery was called “The Surf Gallery”, and it was a place that exhibited mainly surfing-related works, such as those of John Van Hamersveld, who drew the poster for the movie “The Endless Summer”, as well as works by John Severson, an artist and editor-in-chief of the revered surfing magazine “SURFER”. So I was happy that the owner appreciated my taste and we got on very well.

ー I see. So, what kind of image did you have of BEAMS T when it approached you?

Hanai: To tell you the truth, BEAMS was the first apparel company I worked for as a client. I was really surprised and excited. It’s the longest relationship I’ve had with a company, and the volume of work is huge. When approached, I had the impression that BEAMS T was already doing something interesting. It had clothes that incorporated art. When I was young, I couldn’t afford to buy artists’ works, but I could buy T-shirts at BEAMS T. I remember buying a Barry McGee T-shirt.

I like surfing as a culture.

ー Since then, you have collaborated with BEAMS T many times.

Hanai: Even though the person in charge has changed, we’ve continued to work together, and we’ve been doing the official t-shirts for the Green Room Festival for a long time now. BEAMS is not just a clothing store, but it embodies culture. It’s for fashion lovers and culture lovers.

A photo from Yusuke’s Instagram.
In the summer of 2012, Harajuku’s Tonchan Street was decorated with
Yusuke’s works at the request of Beams T.

ー In 2014, you collaborated with all the men’s casual labels for the first time at BEAMS.

Hanai: It’s interesting that BEAMS has different characters for different labels, isn’t it? Come to think of it, I also have good memories of drawing the advertisement for BEAMS T that was displayed on Tonchan Street in Harajuku in 2012.

ー Can I ask you a little more about your involvement with BEAMS T?

He keeps all his past works in boxes,
and BEAMS alone fills up a whole box.

The official items for the Kamakura Farmers Market
created in 2013 in collaboration with Patagonia and Beams T,
designed by Yusuke.

Hanai: Sure. This is Patagonia x BEAMS T collaboration. In Kamakura, there is a farmers market called Renbai, and Mr. Kato, who runs SSZ BEAMS, sells vegetables there as well. He is a good friend of the marketing staff of Patagonia, which is located next to the market. Basically, we are all connected through surfing and we were talking about doing something together. We thought we might as well give back to the local community. That’s why we made the official items for the market.

We used Patagonia for the body. We also made tote bags to put vegetables in. We also did a silk-screening event together. BEAMS T, Patagonia, and I also made T-shirts and bandanas for the Coyote magazine event.

The shirt and bucket hat he designed in collaboration
with the BEAMS men’s casual labels in 2014.
They were sold at BEAMS stores nationwide.

At the same time,
an exhibition “Nothing Gold Can Stay” was held at BEAMS T Harajuku.
A limited number of novelty bandanas printed on the spot
were given to those who purchased items during the reception party.

ー When you walk around Kamakura, you will see stores with logos and murals drawn by you. Is this also because of your idea of giving back to the local community?

Hanai: Yes, especially in this area. Thankfully, I get to collaborate with many brands, so I try to be careful not to cause a conflict among brands by taking in all offers. But I never decline and always accept job offers that are beneficial to the local community. After all, it makes me happy when I can make the local community happy and my friends happy.

ー For example, what kind of work have you done?

Hanai: There is a small liquor store on the way from my atelier to the ocean, where the surfers hang out drinking beer after they get out of the water. Since the store has been taking good care of us all, I designed a T-shirt for the store. It’s only sold in the store, but it’s interesting to see an old lady in the neighborhood who doesn’t know me at all wearing it. It’s fun to be able to give back to the community, regardless of the money involved.

ー You surf a lot, don’t you? Is it part of your daily routine?

Hanai: The surf is not up every day around this area, so I only get in once or twice a week. I have a favorite surf spot about a five-minute walk from this atelier. Sometimes I go in the morning, sometimes in the evening, depending on the tide, wind, and swell. I really like surfing as a culture, not necessarily as a sport, and there are a lot of people at BEAMS who can relate to that.

ー You mentioned that you like surfing as a culture, but what do you mean by that?

Hanai: For example, how the surfers live, how they interact with the people around them, the history, the art and music associated with surfing, what they wear when not surfing, what kind of house they live in, what kind of car they drive. I like that whole thing.

ー Lastly, this year marks the 20th anniversary of Beams T, but what were you doing 20 years ago?

Hanai: I quit the bar I was working at and went to San Francisco to study painting.

ー Conversely, what do you think you will be doing 20 years from now?

Hanai: I hope to be working with young BEAMS people. Also, I think I’ll be surfing like the seniors around me who are around 70 and keep on surfing. Because of them I can’t become elderly, no matter how much time passes. I’ll always be “youthful”(laughs)

  • Photo_Takuroh Toyama
  • Text_Shogo Komatsu
  • Translation_Yoko Oyabu
  • Edit_Shuhei Wakiyama(Rhino inc.)
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