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時代の“旬”と“本質”を音楽を通して紹介し、あらゆるシーンにおける「音楽のある豊かな暮らし」を提案する〈BEAMS RECORDS〉より、この春おすすめのオーディオやレコード、カセットなどをご紹介します。
エッジの効いたカセットテープ作品を限りなくハイファイに
東京を拠点にワールドワイドな活躍をしているDJ、プロデューサー・Mars89が主催するレーベル〈Nocturnal Technology(ノクターナル テクノロジー)〉に注目が集まっている。ナイトクラブや大都市の混沌。そんな夜の光景が目前に立ちあがってくるような即効性のあるダンスミュージックを展開するAlbino Sound & Mars89『ORGANS』はレーベルを象徴する作品といえる。そしてニューヨークの作曲家・Lia Ouyang Rusliによる映画『HAPPYEND』のサウンドトラックはピアノやシンセサイザーの荘厳な楽曲から疾走感のあるテクノまで、映画の舞台である近未来的なムードが充満する作品。これらのエレクトロニック系のカセットテープの魅力を引き出すなら高音質再生が叶う〈FIIO(フィーオ)〉プレイヤーに〈AIAIAI(アイアイアイ)〉のヘッドホンをつないで街に繰り出したい。
温故知新に。レトロスペクティブな音楽とオーディオを愛でる
Visioneersの新作はSlum VillageやMadvillainの名曲カバーまで、90年代後半から00年代にかけてのヒップホップ・クラシックの絶品カバーも飛び出す小気味いいインストゥルメンタルが最高。かたやMichael Kiwanukaは伸びやかな歌声と古き良きソウルミュージックへのリスペクトが感じられる。2つの作品に共通する”どこか懐かしさがあるサウンド”を〈KORG(コルグ)〉『handytraxx play』で再生してみると、内蔵されたスピーカーから聴こえてくるローファイな質感がなんともいい塩梅。実はこのプレイヤー、20年以上も前に人気だったポータブルレコードプレイヤー〈VESTAX(ベスタクス)〉『Handy Trax』を〈KORG〉が正式にアップデートしたもの。 DJさながら〈Ashidavox(アシダボックス)〉のヘッドホンを繋いでループやエフェクトをかけてみたりと、自己流に楽しんでみるのも良さそう。
時代を越えるモダニズムという共通点
雨の日が増えてくるのも春の風物詩。まだまだインドアの時間が長いから音質が良くて多機能、そしてインテリアのアクセントになるスピーカーを迎え入れて気持ちを高揚させたいところ。ドイツの老舗スピーカーブランド〈Elac(エラック)〉とNYのアパレルブランド〈Adsum(アドサム)〉のコラボスピーカーは、BluetoothやTV接続も可能なうえにデザインも秀逸。ガラスのプラッターを備えた〈House of Marley(ハウス・オブ・マーリー)〉のレコードプレイヤーを横に並べると、異素材でありながらそれぞれがミニマルなデザインだから相性がいい。USのピアニスト兼ギタリストLori Scaccoが奏でるスロー&アンビエントな2004年作再発盤や、The Vernon Spring & Qwilym Goldのドローン要素も感じるピアノ作品など、音の粒立ちの良さを感じながら楽しみたい。
カルチャーは現象。誰かと何かが出合って、
気づいたらいつもそこにあった。
世界各地で生まれる新たな息吹を、
BEAMS的な視点で捉えて、育みたい。
きっと、そこにまた新たなカルチャーが
生まれるから。