カルチャーは現象。誰かと何かが出合って、
気づいたらいつもそこにあった。
世界各地で生まれる新たな息吹を、
BEAMS的な視点で捉えて、育みたい。
きっと、そこにまた新たなカルチャーが
生まれるから。

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韓国発〈rareraw〉と「ビームス カルチャート 高輪」が提案する、新しい暮らしの風景

BEAMSのアートやカルチャーの面白さを発信するプロジェクト〈BEAMS CULTUART〉初となる単独店舗「ビームス カルチャート 高輪」が、2025年9月12日、新生「ニュウマン高輪」にオープン。その店内で異彩を放つのが、韓国のインテリアブランド〈rareraw(レアロウ)〉のカラフルなスチール家具だ。さて、ファッション感覚で空間を彩る同ブランドと〈BEAMS CULTUART〉の協業はどのようにして生まれたのか。ブランドの魅力を探るべく、実際に韓国の工場を訪れた〈bPr BEAMS〉ディレクター山口真吾と、笑顔で出迎えてくれた〈rareraw〉代表ヤン・ユンソンさんの言葉から解き明かしていく。

profile

山口真吾

やまぐち・しんご|bPr BEAMS ディレクター。1999年にビームスにアルバイトで入社し、ショップスタッフやビジュアルマーチャンダイザーなど様々な職務を経て、現在は〈bPr BEAMS〉のディレクターとして活躍。雑貨やインテリアのバイイングや商品企画も担当。今回の韓国取材では、以前から目を付けていた、メキシコの伝統的なハンドクラフトのガラス製の作品を衝動買い。

양윤선

ヤン・ユンソン|rareraw代表。父が長年経営する法人向けスチール家具メーカーの技術力を受け継いで2014年に創業。鉄製の家具と聞かれて真っ先に思い浮かぶブランドを目指して日々、奮闘中。気分転換はランニング。2匹の愛猫と戯れるのが至福の時間。

rareraw
https://rareraw.com/
https://www.instagram.com/rareraw_official/

日本は二極化、韓国は渦中。
違和感がきっかけではじまった。

「コロナ以降、より“暮らし”へ目を向ける人は確かに増えましたが、日本のインテリアシーンは低価格と高価格に二極化し、真ん中の“核”が痩せている気がします」と、山口。同時に「韓国ではローカルブランドやスモールショップが次々と生まれて、上質なものも粗いものも同じ渦に投げ込まれて、そこに熱がある。だから“今のインテリア”を学ぼうと思いました」と続ける。

©SihoonKim

山口が2023年に訪れたソウル・聖水洞のショールームで〈rareraw〉に出合った瞬間、まず刺さったのは「色と選択肢の豊かさ」、そして「日本にはない手触り」だった。ただ当時は、ファッション主軸の小売で大型システム家具を扱う具体像が掴めなかった。そんな折に舞い込んできたのが、「ビームス カルチャート 高輪」の構想。「デザイン雑貨を並べるだけでは百貨店的な表現で終わってしまう」と考え、「であるならば、什器そのものを“カルチャー”として見せて、同時に買える場へ発想を転換させる。その鍵が〈rareraw〉だ」と確信したという。

店舗什器からインテリアへ。
YYさんが鉄で暮らしを更新する理由。

YYさんは「父の工場で長年、アパレルやコスメの店舗什器をOEMで作ってきました」と言う。そして、現場で「これ、家にあってもいいのに」と感じた経験が、ブランドの出発点となった。海外では住宅もオフィスもカフェも、優れた家具は横断的に使われる一方、韓国ではカテゴリーで分断されがちだったからこそ、「普遍的に使えるデザインをやる」と決めた。

〈rareraw〉という名には“生(Raw)から特別(Rare)へ”の意思がある。「素材の“生”は姿勢でもあります。未完成であり続け、挑戦を止めないことです」。3代続く鉄の家系。鉄は薄くても強く、発色がよく、屋内外に耐え、さらに韓国では木材より根付いていて調達がしやすいという。つまり、素材選択の合理性が機能美を下支えしているのだ。

工場内のMAP。16のセクションに分かれており、すべてこの工場内で生産されている。

会社の理念は“ソリューション・妥当性・挑戦”。これまで世に送り出してきた照明付きシェルフや充電トローリー、キャスター付きソファなど、YYさんは「ちょっとした便利さが暮らしに小さな変化をもたらす」と言い、山口も「〈rareraw〉には、SNS上での“いい感じ”と実用品の間に橋を架けられる魅力が詰まっている」と付け加えた。

SYSTEM000。
“照明ごと動く棚”という発明。

店舗では棚下LEDの要望が多いが、どうしても配線が移動を制限してしまう。そこでYYさんは、棚・パネル・照明を統合した『SYSTEM000』を開発した。「5段階調光、前面差し込みで一人でも移動できるし、照明はマグネット着脱で交換も簡単。バックパネルを“壁”のように立てて、棚と照明を一列で組めるよう設計しています」。山口は実物に触れ「写真を見る限り重厚だと思っていましたけど、全然。色や設計、パンチングのデザインでとても軽やかに見えますね。ポップさと堅牢性のバランスが絶妙」と唸った。これまで見てきた“システム棚の記憶”に、光と可動性で割って入る『SYSTEM000』は、収納×照明×可動の三位一体によって空間を“編集”する装置として機能してくれるはずだ。

パーツを作るセクション。プロダクトによって、レーザーで裁断する場合と職人が裁断する場合がある。
塗装前のスツール。

塗料の保管庫。その数は300色を超えるとか。単色はもちろん、複数の色を混ぜて理想のカラーに仕上げていく。
各セクションがすべて一つのベルトコンベアーで繋がっているので、全員が一斉に作業を行う。こちらは塗装シーン。すべて手作業で塗っている。

『SYSTEM000』の特許は国内外を含め、すでに取得済み。ちなみに、2025年9月にオープンしたニューヨークの「MoMA デザインストア・ソーホー店」にも什器が設置されていて、これは歴史的な快挙とも言える。そして「ビームス カルチャート 高輪」では、ステンレスパネル仕様が導入され、質感が一段引き上がった。

出来上がった商品の梱包を行うセクション。
検品だけでなく、商品品質タグの貼り付けもすべて手作業で行っている。

YYさんは「光はムードだけでなく作業性も上げてくれます。読む、飾る、撮る。微妙な明るさの違いが“気分”を変え、行動をも変えてくれるはず」と話し、山口も「まずは小型中心で反応を見ながら徐々に拡張していって、日本の住環境に合う“都市型の選び方”を提示していきたいですね」とイメージを膨らませていた。

ビームス カルチャート 高輪での実装。
“什器をディグる”ショップ体験。

「ビームス カルチャート高輪」では、什器は背景に退かない。山口は「什器=背景じゃなくて、主役にもなる。飾る雑貨の見え方すら変えてくれる」と言う。EC対応サイズを中心に『CITY BOYS BASKET』、『PO STOOL』、『CYLINDER TABLE』、『PO STACKING SHELF』を取扱い、「一点入れるだけで部屋の“景色”が変わる」ラインナップにした。

『PO STACKING SHELF』はBEAMSカラーのオレンジで製作。『SYSTEM000』と併設してブックエンドや小物まで“触って”体験できる場を作り上げた。YYさんは「型と色を選ぶプロセス自体を楽しんでほしいですね。自分の想像力で部屋を組む体験を、ビームス カルチャート 高輪をきっかけに日本でも広げていきたい」と来店者へのメッセージを添えた。

日韓で“中間ゾーン”を再起動する。

現在改装している清潭洞(チョンダムドン)のショールームのパース。オフィスから住居まで、いろんな〈rareraw〉のある暮らしを提案する内装になる。

インテリアは大量消費の速度を求めない。だからこそ環境配慮と選択肢の拡張が両立できる。山口はそう考え、次なる目標を「日本で〈rareraw〉全型を買える状態にしたい。一過性の話題作りだけで終わらせず、日常の選択肢として〈rareraw〉を根付かせたい」と言う。YYさんは「〈rareraw〉は、世界的にも有名な韓国を代表する家具ブランドを目指しています。そうなるためにも、まず来年は、新しい製品を次々と発売するよりも、既存の製品をより高いクオリティで作ることに集中したいと考えています」と、ビジョンは明確だ。

「ビームス カルチャート 高輪」オープン初日、店内は“楽しさ”で満ち溢れていた。レコードを探すようにアートを選び、甘いドリンクの香りのなか本をめくる。その中心でステンレスのパネルが静かに光り、棚板の縁から滲む光が商品も来店者の表情も柔らかく照らしていた。

山口は「“カルチャーの交差点”に必要なのは情報より体験。〈rareraw〉はその体験の“器”を更新してくれる」と言い、YYさんも「家具は背景にも主役にもなれる。空間の主語を入れ替えられるのがシステムの面白さです」と重ねた。


創業以来、BEAMSは衣食住とカルチャーを横断してきた。「ビームス カルチャート 高輪」はひとつの集大成であり、未来に向けた店のかたちを示す舞台でもある。家具を“買う”から“編集する”へ。鉄の精度と色の遊び心が暮らしの豊かさをアップデートする。山口は「“正解の部屋”ではなく“更新し続ける部屋”のための道具として〈rareraw〉を提案したい」と言い、YYさんは「色は自由、構成は可変。暮らしに余白を残すことが長く使うためのデザインです」と締め括った。

高輪の一角から始まる新たな実験は、各々の部屋で続編になる。更新は、今日から。選ぶ喜びを、ぜひ「ビームス カルチャート 高輪」で。

BEAMS CULTUART TAKANAWA
(ビームス カルチャート 高輪)

住所:東京都港区高輪2-21-1 ニュウマン高輪 North 4F
営業時間:11:00〜20:00、不定休
電話:03-6721-6421
展開レーベル:TOKYO CULTUART by BEAMS、BEAMS T、bPr BEAMS、MANGART BEAMS、他
https://www.beams.co.jp/shop/bct/

ビームス 公式オンラインショップ

カルチャーは現象。誰かと何かが出合って、
気づいたらいつもそこにあった。
世界各地で生まれる新たな息吹を、
BEAMS的な視点で捉えて、育みたい。
きっと、そこにまた新たなカルチャーが
生まれるから。

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