BeAMS DOT 2021 AUTUMN & WINTER
BeAMS DOT 2021 AUTUMN & WINTER

もし、今。
あの頃に戻れるなら、何を感じよう。
あの日の、いつ、どの場所を、恋しく思っていますか。


たった20分の休み時間、
グラウンドにボールを持って駆け出した

あの日を思い出した。
「この後あそこね 」って、昼休みの続きが

近所の公園で始まることもあったな。
あの頃の口約束は一つも不安なんてなかった。

図書室の効きすぎたクーラー目当てに、
本も借りずに座っていた
あの日を思い出した。
プールの授業の後、

濡れた髪に当たる風が心地良いせいで、
火曜の3限はいつも夢の中にいた。

屋上で制服のまま寝そべって、
購買のパンを頬張った
あの日を思い出した。
ロッカーの中には、
いつ使うのかわからない教材と、
出し忘れた課題。
磨り減ったローファーの底にだって、
青春が詰まっていた。

尊くてたまらなかった、なんでもない日常。

スマホを買い換えるたびに少なくなっていく、
フォルダの中のそんな記憶。
それでも残されている粗い画質の写真は、
大それたイベントでも、
綺麗な集合写真でもなくて
ただその日を、
愛おしい「あの頃」を過ごしていた証だ。


ここ最近は、
相変わらず何もない日々が続いている。
飛行機で青い海を見下ろすことも、
音楽にこの身を踊らせて汗を流すことも、
涼しげな河川敷で空に咲く花火を見ることも、
何もない。

なんだかそんな毎日が寂しくなって
いつかの記憶に触れるように、
幾度も買い換えたスマホのフォルダに目を通す。

新しい靴をコンクリートのランウェイで、
友達に自慢をして見せた日。

家から徒歩数分のお店。
それだけなのに、
気合を入れて前髪を上げてみた日。

いつも通り過ぎていた小さな公園、

なんだかMVの中みたいだねって、
音楽を聴きながら遊具ではしゃいだ日。

玄関でのファッションショー、

友達と部屋を服だらけにした日。

夕暮れの日差しが輝かす海の声も、
季節が追いかけてくる匂いも、
まるで画面の写真から溢れてくるように
私の心を潤わす。

この尊い日々は、どんな「あの頃」でもない。
愛すべき「今」の写真だった。


何もないなんて思えないほど、
愛おしい日常を過ごしていた証が、
小さな画面に詰まっていた。

寂しさなんて忘れて、

今日もとびっきりの私を用意しよう。

早足に玄関を飛び出させるお気に入りの靴、
木漏れ日に重なったパンツのフレアの影。
落ち着き始めた緑と、

涼しい風とともに聴こえる鈴虫の声が、
この街にまた秋が訪れることを教えてくれる。

秋を少しずつ身に纏い始めた心が、

なんだか跳ねているのを感じた。

新しい季節の恒例行事、
部屋を服だらけにする
ファッションショーのステージは、
いつでもこの玄関だった。
また同じようにやってくる、
こんな変わらない日に心を躍らせているんだ。


いつも一緒に部屋を荒らす
あの子に会いたくなって、
あの日の写真を送ってみる。




いつかは恋しくなるこんな毎日を、愛し切るのだ。



明日は、どんな服を着よう。

2020年3月に
ファッションの楽しさを知る
きっかけを担うレーベルとして誕生。

すべての人たちが自分自身を愛せることを願い、
その背中を押す存在として、
時代の空気感を纏いながら
自分らしさを楽しむスタイルを提案します。

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