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ビーチクリーンからバーベキューまで! 茅ヶ崎を舞台にした〈OCEAN TURF CLUB〉のサーフ&ターフな1日

2023.07.05

マジックナンバーとビームス ゴルフのコラボレーションにより、サーフカルチャーとゴルフカルチャーが融合したアイテムを多数展開する〈OCEAN TURF CLUB(オーシャン ターフ クラブ)〉。去る6月16日、そのリアルイベントが神奈川県・茅ヶ崎で初開催された。ビーチクリーン、ハーフラウンド、そしてバーベキュー。約20名の参加者たちが終始笑顔で過ごした、サーフ&ターフな1日をレポートしよう。

茅ヶ崎のマイクロプラスチックを拾う

梅雨の時季にもかかわらず、当日の茅ヶ崎は〈OCEAN TURF CLUB〉のイベントにふさわしい好天に恵まれた。午前9時の時点で、気温はすでに22度。今日はかなり暑くなりそうだ。

今回のイベントにはビームス ゴルフおよびマジックナンバーのクルー、ショップスタッフ、顧客などが集結。〈OCEAN TURF CLUB〉のプロダクトや取り組みに賛同するメンバーたちである。

集合場所はGDO茅ヶ崎ゴルフリンクス。完全セルフプレー、ドレスコードフリーのカジュアルなスタイルで知られる、9ホールのコースだ。

今回は朝のビーチクリーンに始まり、ハーフラウンド、トークセッション、そしてバーベキューという流れ。クラブハウスでイベントの説明と自己紹介を終え、さっそくビーチへと向かう。コースから5分ほど歩けば湘南・茅ヶ崎の海が広がっている。

「最近では普段からビーチクリーンが行われているので大きいゴミは少なくなってます。本日はこういう小さなプラスチックゴミ、いわゆるマイクロプラスチックを清掃していきましょう」

マジックナンバーのスタッフがそんなふうに説明してくれる。海洋ごみのなかでも近年特に大きな問題となっているマイクロプラスチック。海に流出したプラスチックごみが波や風によって細かく砕かれ、小石〜砂粒程度のサイズまで小さくなったごみのことである

自然界で完全に分解されることなく、半永久的に海で漂い続けるマイクロプラスチック。その小ささゆえ回収も調査も難しく、実態の多くはいまだ把握できていないのが現状だ。

しかしながら確かに、ここ茅ヶ崎のビーチにもマイクロプラスチックは無数に存在している。目を凝らせば、さまざまな色のプラスチックの破片が砂にまぎれているのがわかる。

午前10時、メンバーたちはごみ回収の袋を手に、波打ち際のマイクロプラスチックの清掃を開始。好天のなか和気あいあいとスタートしたビーチクリーンだが、5分もするとおしゃべりは止み、誰もが黙々とごみを拾い始めていた。

ビーチクリーン自体が初体験というメンバーもちらほら。そのなかの一人が「ずっと下を向いてごみを探していると、時間を忘れて夢中になってしまいますね」と、目を輝かせていたのが印象的だった。

約1時間のビーチクリーンで拾い集めたマイクロプラスチックは、小さなごみ袋およそ10数枚分。清掃を終えたメンバーたちは誰もが晴れやかな笑顔であった。最後に、マジックナンバーのスタッフがメンバーたちに掛けたこんな言葉が心に残った。

「回収したマイクロプラスチックは、このあと細かく分別して処理しなければなりません。そして今回使ったこのごみ袋も、やっぱりごみになってしまうんですよね。僕たちはできる範囲で、プラスチック製品の使用を控えていかなければ、と思うんです」

“7本”で“ハーフ”をとことん軽快に

クラブハウスに戻り、2階の「TREX OCEAN CAFE」へ。軽めのホットドッグのみというあえて簡素な昼食。こういうカジュアルさが、サーフ&ターフを体現する〈OCEAN TURF CLUB〉のテイストにマッチしている。

午後12時半からはいよいよラウンド開始。今回のルールは「クラブ7本でのプレー」である。コースと自分のスタイルを鑑みてクラブを選択。少ないクラブと荷物で軽快にプレーを楽しむのが、このルールの醍醐味といえよう。

グリーン上までアイアン限定という1番ホールから、全5組が順次スタートする。グッドショットあり、ユニークショットありの賑やかなスタートとなった。

メンバーたちのウェアは、そのほとんどがTシャツ&ショーツというイージーさ。ドレスコードフリーのGDO茅ヶ崎ゴルフリンクスだからこそ楽しめるコーディネイトだ。

Tシャツやハットにあしらわれた“SEE YOU ON THE TURF”“OCEAN TURF CLUB”のロゴが青い空に、そして緑の芝に映える。

ここGDO茅ヶ崎ゴルフリンクスは9ホールながら、海沿いの爽やかな風と富士山の借景を堪能できるダイナミックなコース。バンカーの配置も考え抜かれており、グリーンも決して簡単ではない。ひと言で言えばあなどれないコースだ。コース設計の巨匠、上田治氏が手掛けたと聞いて納得である。

フェアウェイ、ラフ、グリーンいずれもメンテナンスが行き届いており、一度プレーすれば誰もがその快適さを実感できるはず。手押しカートの使用やキャディバッグの“かつぎプレー”が推奨されている点も、グッドコンディションのキープに一役買っているのではないだろうか。

さて今回〈OCEAN TURF CLUB〉のラウンドに帯同して、素晴らしいと感じたことが2つあった。

ひとつは、プレーファースト。ゴルファーの誰もが心がけていることだとは思うが、これがなかなか難しい。参加するプレーヤー全員が同時に意識を高めなければ、実際のプレー時間は短縮しないのである。

ボールの行方は全員で確認する。打順が来る前に次のクラブを決めておく。素振りは最低限で。ホールアウト後は速やかに次のホールに移動する。

こうしたマナーをパーティ全員が守るからこそ、プレーファーストが実現するというわけだ。もちろん「クラブ7本でのプレー」も、時間の短縮に大いに寄与するルールだと思う。

そしてもうひとつは、誰もが朗らかに笑い、真剣に悔しがり、相手を讃え励まし合っていたこと。そう、心の底から“今このときのプレー”を楽しんでいたのである。不要な見栄を張ったり、ネガティブな発言をするメンバーは一人もいなかったと断言する。

午後15時半、最終組がホールアウト。このあとクラブハウスでトークセッションを行い、そして待望のバーベキューである。〈OCEAN TURF CLUB〉の一日はまだまだ続く。

対話から生まれる新しいカルチャー

午後4時、クラブハウスのミーティングルームでトークセッションが始まった。先に言ってしまえばこのトークセッションは、今回集まったメンバー同士の距離をもう一歩近づけるために、とても役に立った時間であった。

〈OCEAN TURF CLUB〉とは、簡潔に言えばひとつのコンセプトである。マジックナンバーとビームス ゴルフというブランドが出会い、「海のカルチャーとゴルフカルチャーをシームレスに楽しむためのアイテム」を、21年春夏シーズンから作り続けている。

2つのブランドの出会いやコラボレーションの経緯を改めて説明。そしてお互いのカルチャーへのリスペクト、環境に対する問題意識、スタイリッシュでピースフルな新商品の紹介などを通じて、〈OCEAN TURF CLUB〉とは何かを言葉で伝えた。メンバーたちの理解は、確実に深まったはずである。

そしてこのトークセッションが楽しかったのは、メンバー同士が活発に意見交換をしていたことだ。

「こんなに思いきり笑ってゴルフをしたことはなかった」「何せ暑かったからTシャツと短パンでプレーできてよかった(笑)」「実はマイクロプラスチックを初めて見ました」「朝、波の音を聴いたあとにプレーするなんて最高」「既存のルールとお互いを思いやるマナーについて考えた」「ゴルフだけじゃない、新しい一日の過ごし方を教わった気がする」「いつの間にか〈OCEAN TURF CLUB〉への仲間意識が生まれていた」

大人同士が、限りなく素に近い思いを口にすること。正直に言って普段の暮らしの中ではまずないことだ。そして誰もがお互いの声に耳を傾け、ポジティブに受け止めている。決して否定から入ることなく。

いったいなぜ、そんな空気が自然に生まれたのか。理由はわからないが、ここ茅ヶ崎には雄大な夏の海と、カジュアルで美しいゴルフコースが確かにあった。そして今回集まった〈OCEAN TURF CLUB〉のメンバーたちがその2つの中で一日を過ごしたことだけは、間違いのない事実だ。

そしてこの時間の中で、サーフとゴルフから新しいカルチャーがひとつ、芽吹いたような気もしたのである。

さて最後のイベント、バーベキューであるが……それがどれだけ楽しかったか、改めて書き連ねる必要はないだろう。飲み、食べ、語り合い、笑う。写真を見れば一目瞭然である。

〈OCEAN TURF CLUB〉初のリアルイベントとなった、茅ヶ崎での一日。この日の思い出を胸にメンバーたちはまたいつか、芝の上での再会を果たすに違いない。

Photographs by Takayuki Haneta

Text by Tomoshige Kase