Double RL meets BEAMS PLUSfeaturing Marlon Brando & James Dean
FEATURE | volume.1
Double RL とともに誂えた、
ジーンズ史に刻まれる特別な一本

それはアメリカン ヘリテージ ファッションの理想郷。1967年に一本のネクタイからスタートし、現在ではトラディショナルなドレスクロージングを核に、
カジュアルからフォーマルウェア、さらにはハウスホールドグッズまでを取り揃え、豊かなアメリカン ライフスタイルを提案している<RALPH LAUREN(ラルフ ローレン)>。
その数あるレーベルのなかでも、古き良き米国へのオマージュと、創始者ミスター・ラルフ・ローレンの趣味性が最も色濃く表現される<Double RL(ダブル アール エル)>は、
<RALPH LAUREN>ファンにとどまらず、アメリカンカジュアルのコアな愛好者、ヴィンテージフリークからも狂信的な支持を得る特異な存在だ。
そんな多くのアメリカンラバーを虜にして止まないブランドが、今シーズンより満を持して<BEAMS PLUS>に並ぶ。
このローンチを記念し、<Double RL>史上類を見ない特別なプロダクトをお届けできることになった。

構成小澤匡行/いくら直幸/イラスト竹田 嘉文
Double RL meets BEAMS PLUS
featuring Marlon Brando & James Dean
左:NY・ブルックリンに構える「ダブル アール エル」の店内。世界各国どこの店舗を訪れてもフロアのメインスペース、いわば特等席に鎮座するジーンズの姿は、まるでショップの主人のような風格を漂わせる。
右:<RALPH LAUREN>の専門チームが手掛けた「ビームス プラス 原宿」のウインドウディスプレイ。もちろん<RALPH LAUREN>が他店のウインドウディスプレイを担当するのは初の試み。
NY・ブルックリンに構える「ダブル アール エル」の店内。世界各国どこの店舗を訪れてもフロアのメインスペース、いわば特等席に鎮座するジーンズの姿は、まるでショップの主人のような風格を漂わせる。<RALPH LAUREN>の専門チームが手掛けた「ビームス プラス 原宿」のウインドウディスプレイ。もちろん<RALPH LAUREN>が他店のウインドウディスプレイを担当するのは初の試み。
ブランドの核たるジーンズを用い
ファッション文化を変えた
そのスタイルを現代へ
ウェスタンやネイティブ、ワーク、ミリタリー、バイカーズウェア、そしてドレスクロージング……<Double RL>のコレクションは幅広く、いずれもハイレベルな一級品ばかり。そうしたなかでも、ブランドを象徴するアイテムとして今回ピックアップしたのが5ポケットデニムである。NY・ウェスト ブロードウェイの旗艦店をはじめとする米国内や欧州、東京の「ダブル アール エル 表参道」、どこのショップを訪れても、ジーンズはまるで部屋を見渡すソファにどっしりと腰掛ける主人ように来訪者を迎え入れる。その世界観が凝縮され、最も重要なプロダクトであるジーンズこそが、世界初となるコラボレーションを飾るに相応しいと考えた。併せて<BEAMS PLUS>が一番大切にしたのは、誰にもマネのできない<Double RL>だからこその魅力。身にまとったときの圧倒的な格好良さ、ファッションピースとして徹底的に研ぎ澄まされたスタイルの提案である。
  • STRAIGHT TAPER " 53-MB "
    feat. Marlon Brando

  • HIGH SLIM " 55-JD "
    feat. James Dean

では、ジーンズにおけるスタイルとは? 正解は人それぞれ千差万別だが、<BEAMS PLUS>では、デニムパンツにアイデンティティを投影して初めて公に立ち、その歴史を変えたといっても過言ではない、あるスタイルアイコンにひとつの答えを見出した。西部開拓の1870年代にワークウェアとして産声を上げて以来、常に労働者たちとともに歩みを進めてきたデニムパンツ。しかし第二次大戦後の好景気に沸く1950年代、映画やTVショーといった庶民の娯楽が一気に開花するなかで大きな転機が訪れる。'53年公開の映画『The Wild One/邦題:乱暴者(あばれもの)』で主人公を演じたマーロン・ブランド、'55年封切りの『Rebel Without a Cause/邦題:理由なき反抗』で主演を務めたジェームス・ディーンの登場だ。当時、アメリカの若者が抱えていた大人社会への不満や反発を鮮やかに描いたセンセーショナルな両作品は、同世代に強烈な影響を与える同時に、スクリーンに映し出された2人の出で立ち、とりわけ彼らが穿いた5ポケットデニムは反抗の象徴として若者たちのユニフォームとなった。ブルーワーカーたちの薄汚れた作業着であったボトムスが、一躍ファッションアイテムへと存在価値を変えたのである。今日<BEAMS PLUS>を含め、世界中で多種多様なジーンズが取り扱われているが、マーロン・ブランドとジェームス・ディーンがいなければ、このような現代を迎えることはなかったかもしれない。少なからず、世の中のファッションは大きく違っていたことだろう。

しかしなぜ、それまでも当たり前に身の回りにあった労働着のデニムパンツが、突如として若者たちの心を捉えたのか。もちろん、劇中の人物像やストーリーへの共感・憧れもひとつだろう。だが半世紀後の現在でも2人のジーンズ姿が色褪せて見えないのは、さらなる理由があるのかもしれない。その疑問と向き合い、隠された秘密を解き明かし、カタチにしたプロダクトこそが、ここに完成した<Double RL>と<BEAMS PLUS>が贈るスペシャルな逸品なのである。
Double RL meets BEAMS PLUS
featuring Marlon Brando & James Dean
希代の名優、マーロン・ブランド
彼のためにカスタマイズされた
「ストレートテーパー」
1953年公開の映画『The Wild One』で、アウトロウなバイカーチームのリーダーを演じたマーロン・ブランド。重厚なライダーズジャケットに足元はエンジニアブーツ、そしてブルーデニム。彼が脚を通している5ポケットジーンズは、腰回り&太腿に適度なゆとりがありながら、膝から裾へと細くなるストレートテイパーなシルエットを描いている。着用モデルを巡っては有力とされるリーバイス・501XXをはじめ諸説あるが、いずれにせよ当時のヴィンテージや時代考証を踏まえると、ここまでシェイプの効いたフィットは存在していなかっただろう。では1950年代の初頭にはあるはずのないシルエットを、いかにして手に入れ、なぜ衣装にしたのか?この謎は、劇中や貴重なオフショット写真を解析することで解き明かすことができた。ブーツの履き口までロールアップされた裾をつぶさに見ると、セルビッジが付くアウトシーム裏の割り縫いの幅が、通常のジーンズより確実に太いのである。
そこから推測するのは、既成のジーンズの脇縫いのステッチを解き、膝から下の生地を1cmほど内側に巻き込んで細く仕立て直した痕跡であるということ。わざわざカスタマイズを加えたのは、ロールアップした際に裾がモタつき、野暮ったく映るのを嫌ったためと想像できる。つまり、怖いもの知らずの不良グループを率いるに似つかわしいスタイルを演出する、細かな仕掛けだったのではなかろうか。結果それは、ワークウェアの武骨さや垢抜けないルックスを削ぐこととなり、誰も見たことがないスタイリッシュで新鮮なそのシルエットが、既存の社会に反抗する若者たちの心を捉えたのだ。
通称 “ 53-MB ” こと「ストレートテイパー」モデルは、マーロン・ブランドが着用したこのカスタムジーンズをモチーフに製作した。

マーロン・ブランド
1924年、米国・ネブラスカ州生まれ。'51年の映画『欲望という名の電車』で世界的スターとなり、また同作での彼の服装を機に、それまで下着であったTシャツがファッションとして広まる。『The Wild One』のほか『波止場』『ゴッドファーザー』『地獄の黙示録』『スーパーマン』など代表作も多く、“ 20世紀最高の俳優 ” と評される。2004年に80歳で逝去。

  • STRAIGHT TAPER " 53-MB " feat. Marlon Brando /
    ¥39,000+TAX /
    SHOP NOW
  • ヴィンテージのシャトル織機を用い、オリジナルで開発した16.25オンスのセルビッジデニムは、1950年代当時に実際に生地を納入していたアメリカの名門メーカー謹製。

  • ミシンに返し縫い機能がなかった時代に見られるトップボタン脇のV字ステッチ、またバックポケット口を内側から補強する隠しリベットなど、ヴィンテージの仕様を細部まで再現。

  • 雰囲気のあるレザーパッチ。さらに当時のヴィンテージを基に今回のためにデザインしたフラッシャーには、シルエットの表示と併せ、ニックネーム “ 53-MB ” の名が刻まれる。

  • カードラベルに明記された “ 53-MB ” の名や「MADE IN U.S.A.」の文字が誇らしい。さらに内容をつぶさに読むと「Exclusive Issue for BEAMS+」の一文がさりげなく隠れる。

Double RL meets BEAMS PLUS
featuring Marlon Brando & James Dean
永遠の不良、ジェームス・ディーン
その型破りな着こなしから生まれた
「スリムフィット」
ジェームス・ディーンが、わずか24歳の若さでこの世を去ったのは、1955年のことだった。同年に公開された代表作『理由なき反抗』で彼が見せた、真紅のブルゾン&白のTシャツ、エンジニアブーツ、そして本人の私物とも言われるリー・101Zというファッションスタイルは、その後のアメリカンカジュアルのシンボルともなった。ただ、ズドンと太いストレートシルエットを特徴とする'50年代前半の101Zにして、スリムフィットのようなシャープなラインが時代考証とマッチしないのである。では、どのようすれば、当時まだ存在していないはずの細身のジーンズを穿くことが可能になるか。もしかすると彼は、本来の自身のサイズよりウエストを1~2インチダウンし、あえて小さめを選んでいたと想像できないだろうか。
そう仮定しながら資料写真を詳細に確認すると、腰回りからヒップ、太腿が当然タイトになるため、フロントのトップボタンやジップフライの比翼が左右に突っ張っているカットが散見できた。メーカーが推奨するジャストサイズではなく、自分好みに穿きこなすための工夫だったと考えると合点がいく。指定の制服をルールに従って着用せず、改造を施したり、わざとオーバーサイズをチョイスして自己主張やオシャレを楽しむのは、昔も今も変わらない万国に共通するアウトサイダーの美学である。若者たちが自分とは関係のない労働着と捉えていた土と埃と汗にまみれたデニムパンツが、一変して眩しくファッショナブルなアイテムに映るほど、彼の自己流の着こなしは異彩という輝きを放っていたのだ。ニックネーム “ 55-JD ” と名付けた「ハイスリム」モデルは、そんなジェームス・ディーンのスタイルを再現したものである。

ジェームス・ディーン
1931年、米国・インディアナ州生まれ。UCLAで演技を学び、当時から舞台やCM、テレビドラマで活動。その後、映画でのエキストラ時代を経て、'55年公開の初主演作『エデンの東』をキッカケに瞬く間にスターダムへと駆け上がる。しかし、同年の『理由なき反抗』に続く'56年公開『ジャイアンツ』のクランクアップから1週間後、自動車事故により24歳で逝去。

  • HIGH SLIM " 55-JD " feat. James Dean /
    ¥39,000+TAX /
    SHOP NOW
  • 世界屈指のクオリティを誇る、日本製の13.6オンスデニムを採用。綾目が左上がりのレフトハンドツイル、フロントパネルのみセルビッジを使った通称 “片ミミ” 仕様も忠実に。

  • フロントも彼の愛用モデルにならってジッパーフライに。引き手の裏に設けられた1つのツメでファスナーを留める、クラシカルなピンロック式という点もヴィンテージと同様。

  • ウエストのパッチには、より古い年代に見られたヘアードレザーを使うヘア オン ハイドが。またシルエットの種類や “ 55-JD ” のナンバーが記されたフラッシャーもオリジナル。

  • 今回のために描き下ろしたカードラベル。「EXCLUSIVE FOR BEAMS+」の文字が印刷されたイラストの裏面には、米国製の表示やニックネームに加え、より詳細なスペックも。

憧憬のアメリカを語り継ぐ同志による
シンパシー&リスペクトをカタチに

かくして作業着であったデニムパンツの在り方を変え、ひいては今日まで続く以降のファッション文化をも変えたジーンズ史に刻まれる彼らのスタイルは、
失われつつある憧憬のアメリカを伝える<Double RL>と<BEAMS PLUS>の手によって現代へと蘇った。
そして互いのシンパシー&リスペクトが結実した、この世界初のコラボレーションもまた、行く先のジーンズ史に刻まれる意義深いプロジェクトになったと確信している。
ファッションとして楽しむと同時に、そうした歴史に秘められたドラマに想いを馳せながら脚を通すのも一興だろう。

IN STORE NOW

今回のコラボレーションモデルは「ビームス プラス」の原宿&有楽町をはじめ、「ビームス」の渋谷&神戸、そしてビームス公式オンラインショップを含む<BEAMS PLUS>取り扱いの一部店舗にて販売中。さらに<Double RL>にとっても特別なプロダクトのため、東京「ダブル アール エル 表参道」でも取り扱われるとともに、将来この両シルエットは、<Double RL>が通常展開するグローバルのラインナップに加わることも予定されている。またコラボレーションモデルの発売と併せ、原宿&有楽町の「ビームス プラス」では、<RALPH LAUREN>チームが手掛けたスペシャルディスプレイを展示。珠玉のジーンズとともに、アメリカン ヘリテージ ファッションの理想郷たる濃厚な世界観をご覧いただきたい。

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