『アイヌ クラフツ 伝統と革新 ―阿寒湖から―』展覧会

Information
- 日程
フェニカ スタジオ 2019年10月12日(土)~10月20日(日)
Bギャラリー 2019年10月12日(土)~10月27日(日)- 会場
フェニカ スタジオ・Bギャラリー(ビームス ジャパン 5F/新宿)
- アイヌ音楽・ライブイベント
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日時:2019年10月18日(金)18:30~19:00
予約定員制:先着30名様
出演:Kapiw & Apappo(カピウ & アパッポ) - トークイベント
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日時:2019年10月20日(日)18:00~19:30
予約定員制:先着30名様
ゲスト:下倉洋之(彫金作家)、瀧口健吾(木工作家)、鰹屋エリカ(刺繍作家)、木村多栄子(アイヌ工芸作家)、北村恵子、テリー・エリス(共にフェニカ ディレクター)
「ビームス ジャパン」5階の「フェニカ スタジオ」と「Bギャラリー」にて、アイヌ文化を紹介するイベント『アイヌ クラフツ 伝統と革新 ―阿寒湖から―』を共催します。
北海道の東に位置し豊かな自然に囲まれた阿寒湖温泉には、北海道を主な居住圏とするアイヌ民族の伝統が息づく集落、阿寒湖アイヌコタンがあります。古式舞踏や民謡、木彫、刺繍など代々継承されてきた素晴らしいアイヌ文化の中から、「フェニカ スタジオ」では工芸品を中心に本イベント用に製作したコラボレート商品を併せて販売。アイヌ文様のシルバージュエリーや木彫のカトラリー、伝統素材の籠バッグ、刺繍をあしらったコートなど数年もの歳月をかけて若手工芸作家と共に作り上げた、ここでしか出会うことの出来ない商品が登場します。
「Bギャラリー」では、今では目にすることが難しいアイヌ関連の貴重なアイテムを展示。また、作家によるライブイベントやトークショウを行い、アイヌの自然観や信仰などから生まれた歴史や文化を紹介します。どうぞご期待ください。
協力 : NPO法人阿寒観光協会まちづくり推進機構、新村のりこ
下倉洋之(しもくら ひろゆき)/彫金作家
1975年、神奈川県横浜市生まれ。20歳の頃彫金を始める。1998年、彫金学校卒業後、東京のジュエリー工房で働きながら修行していた時に北海道をバイクで旅行し、平取町二風谷の博物館で目にしたアイヌの伝統衣装のその不思議な文様に衝撃を受ける。東京に戻りアイヌ文化について勉強し、1年後に見よう見まねでアイヌ文様入りの装身具を作り始める。2003年、作品を通じて知り合った阿寒湖温泉出身の床絵美と結婚。2013年に阿寒湖温泉に移住し、妻の叔父でアイヌの木彫家を代表するひとり、故・床ヌプリ氏のアトリエを受け継ぎ、自身の工房として活動を始める。2019年アトリエを「cafe & gallery KARIP」としてOPEN。
下倉絵美(しもくら えみ)/アイヌ工芸作家、アイヌ歌謡/歌い手
アイヌコタン育ち。幼少期よりアイヌ民族の唄や舞踏、伝統楽器ムックリなどに親しみ、伝統工芸は祖母や母から学ぶ。1997年以降、歌い手として活動を始める。2001年より彫金作家の夫、下倉洋之と共にアートジュエリーブランド「Ague」を東京にて経営。アイヌ文様デザインを担当する。2006年より、妹の郷右近富貴子と共に「Kapiw & Apappo」を結成し、アイヌの歌の魅力を伝えている。現在は阿寒湖温泉に「Cafe & Gallery KARIP」を下倉洋之と共に経営。
郷右近富貴子(ごうこん ふきこ)/アイヌ工芸作家、アイヌ歌謡/歌い手
阿寒湖アイヌコタン育ち。アイヌ料理の店民芸喫茶「ポロンノ」を家族で切り盛りする。祖母などから継承するアイヌの手仕事をコツコツ制作する中、姉妹ユニット「Kapiw & Apappo」としてアイヌ音楽のライブ活動を行い、他ミュージシャンとの共演も多数。また、アイヌ文化に関する講演、文化交流などの活動も幅広く行なっている。
瀧口健吾(たきぐち けんご)/木工作家
1982年、阿寒湖温泉に彫刻家・瀧口政満氏の長男として生まれ中学校まで阿寒湖アイヌコタンにて育つ。オーストラリア・アデレードの高校へ進学。オーストラリアの地でバードカービングに出会ったのが始まりで木彫りに興味を持つ。帰国後は実家に戻り一度は父の工房兼土産店「イチンゲの店」で働くが、その後浜中町、別海町で酪農業に就く。昨年、父の死を機に阿寒湖温泉に腰を据えようと店を継ぎ、現在店を営む傍ら木工作家として活動している。
鰹屋エリカ(かつや えりか)/刺繍作家
阿寒湖アイヌコタン育ち。17歳の時に、母の仕事をみて刺繍に興味を持つ。その後、母の仕事を見ながら数をこなして刺繍を覚えていく。祖母も同じように刺繍を仕事にしており、祖母と母、2人から受け継いだものに自分の色を足しながら伝統を引き継いでいる。他にはアイヌ舞踊の活動をする傍ら、現在も刺繍づくりの活動を続けている。
木村多栄子(きむら たえこ)/アイヌ工芸作家
北海道浦河町で育ち、アイヌの祖母と母から伝統的な歌や踊り、手仕事を教わりながら育つ。高校卒業後に札幌から兵庫、アメリカと渡り歩いた末、母の勧めで北海道白老郡にてアイヌ文化の伝承者育成事業1期生となる。アイヌ文様をデザインした藍染のTシャツやオヒョウの木の皮で作ったサラニプバッグなどの制作を得意とする。現在は旭川チカップニ・アイヌ民族文化保存会の一員としてアイヌ関連のイベントや学校訪問などで歌や踊りを披露している。