増山士郎 展覧会『毛を刈ったフタコブラクダのために、そのラクダの毛で鞍を作る』

Information
- 日程
2019年11月2日(土)~12月1日(日)11:00〜20:00
- 会場
Bギャラリー(ビームス ジャパン 5F/新宿)
- レセプションパーティー
- 日時:2019年11月1日(土)18:30〜20:00
- トークイベント
- 日時:2019年12月1日(土)15:00〜16:00
定員:先着30名様
Bギャラリーでは5年ぶり3回目となる、現代美術家・増山士郎の最新展を開催します。紛争地帯としても知られる北アイルランドを拠点に2010年より唯一の日本人アーティストとして活動している彼は、2011年の東日本大震災以降、世界で急速に進むグローバリゼーションや、日本や西欧諸国での現代生活様式に対し、深い疑問を抱くようになります。その結果、2012年から2015年にかけ、アイルランド、ペルー、モンゴルの3ヶ国を旅しながら、土着の人々と動物を巻き込み、現地の伝統的な動物繊維技術を用いて、それぞれ、羊、アルパカ、らくだの毛を使ったプロジェクトを実現してきました。そして、同シリーズ3作品は今年の春開催された札幌の第7回500m美術館賞展で見事グランプリを受賞しました。 本展では、2015年にモンゴルで制作したプロジェクトのドキュメンタリー映像全編を日本初公開するほか、本プロジェクトの様々な記録写真や、キャメルヘアで製作したラクダ用の鞍を展示します。ユーモアをオブラートに包みながらも、人類都合の発展を遂げた現代社会に向けた本作の批評的問いかけは、今日の日本社会に対する私達の認識にも、複雑で豊かな波紋を投ずるに違いありません。どうぞご期待ください。
「動物の毛を刈る3つのシリーズの最後のプロジェクトとして、未だ国民の過半数が遊牧民のモンゴルにおいて、フタコブラクダのためのプロジェクトを実施することに決めた。ラクダは人々の移動手段なので、毛を刈った後、その毛を使い、そのラクダに乗るための鞍を、モンゴルの土着の遊牧民たちと一緒に制作した。さらに、そのラクダと親密な関係になるため、出来上がった鞍を使い、ラクダと一緒に旅を試みた。旅の後、ラクダと理解し合えたように感じたと同時に、自分自身が広大な大自然の一部であることを実感したのだ。」 ー 増山士郎
増山士郎(ますやま・しろう)/現代美術家
1971年、東京生まれ。川崎出身。
1997年、明治大学建築学科大学院修了。世界中のアーティスト・イン・レジデンスに滞在しながら、ノマドで活動している。2004年より6年間ベルリンを拠点にした後、2010年に北アイルランドに移住。
2013年より、北アイルランド最大のアーティスト・スタジオ組織Flax Art Studiosのボードディレクターに就任し、自らのアーティスト活動のみならず、現地で多くの日本人アーティストを紹介するなど精力的に活動している。
■ 最近の主な個展
2019 「Coexistence」アイルランド国立民族劇場(ケリー、アイルランド)
2019 「Self Sufficient Life」京都場(京都)
2018 「Tokyo Landscape 2020」現代美術製作所(京都)、及び、アートセンターオンゴーイング(東京)
2017 「Attracting My Neighbors」チェンライ美術館(チェンライ、タイ)
2015 「Self Sufficient Life」Millennium Court Arts Centre(ポータダウン、北アイルランド)及びFotoaura Institute of Photography(台南、台湾)
2014 「毛を刈ったアルパカのために、そのアルパカの毛でマフラーを織る」B GALLERY(東京)
2011 「成層圏 行為の装填 Vol.2 増山士郎」ギャラリーαM、東京(2011)
2010 「Intervention」 市原市水と彫刻の丘(現・市原湖畔美術館)(市原、千葉)
■ 最近の主なグループ展
2019 「沈黙の騒音:日本のアートの現在」Golden Thread Gallery及びPop-up sapce、キャッスルコート・ショッピングセンター(ベルファスト、北アイルランド)(キュレーション兼任)
2019 「第7回500m美術館賞展」(グランプリ受賞)500m美術館(札幌)
2018 「Wandering Seeds」台湾国立先史博物館(台東、台湾)
2015 「北アイルランドのアートの歴史」Golden Thread Gallery(ベルファスト、北アイルランド)
2014 「アラフドアートアニュアル 2014」(土湯温泉 , 福島)(キュレーション兼任)
2013 「あいちトリエンナーレ 2013」(長者町、名古屋)
2009 「第一回所沢ビエンナーレ-引込線」西武鉄道旧所沢車両工場(所沢)