COLUMN

OUT DOOR

人材ヘッドハンターとして、身だしなみを整えビシッと決めたスーツで渋谷界隈を走り回っていた頃が懐かしい。
サッカー一筋で生きてきた自分がクライミングに出会ったのは2011年夏。
ひょんな事から友人に誘われて足を運んだクライミングジムで大げさではなく人生が一変した。
一気に虜になった僕は週4日以上ジムに通い、休みを見つけては奥多摩や八ヶ岳の方へ出かけ、
ゴツゴツとした自然の岩と対峙する人生と出会った。
クライミングの楽しさだけではなく、毎回自然に繰り出すたびに感じる純粋な感情。
「空気が美味しい気がする」
「木漏れ日が綺麗だな〜」
「鹿の糞だ」
何てことのない事が沁みるこの感覚は、恐らく癒しなんだと思う。
子供の頃の無垢な好奇心に似た、ただ岩のてっぺんに立ちたいという本能。
混沌とした東京の街中で忘れがちなこの経験を多くの人に伝えたい。
そんな志からTHE NORTH FACEに勤めて早5年。
今ではJAMES HARDENと間違われる髭を蓄えている。

2016年12月より始動したBEAMSとの協業。
アメリカという共通項を持つ2社ではあるが、それぞれ異なるカルチャーを持つ。
そんな2社が1つのプロジェクトを成し遂げる過程はまさにイバラ道。
言葉1つとっても違う解釈を持つチームが同じ方向に向くことができたのは、ゴールを想像した時の高揚感。
想像するとワクワクする新しい価値観が原動力となり育ててきたプロジェクトの一つの形がこのMOUNTAIN FESTIVAL。
最近ではネットで情報はほぼ手に入り、ワンクリックすれば翌日商品が届き、SNSなどのアプリでは昼夜問わず友達と繋がる事ができる時代。
インドアで事が完結し外出が減る中、自然との接点が減っているのでは。
自然の恩恵を得ずにいるのはもったいない。
是非外へアウトドアへ繰り出して自然の持つ魅力を感じてもらいたい。

今回のMOUNTAIN FESTIVALはその第一歩だ。
THE NORTH FACEが持つアウトドアの本質をBEAMSのファッションや音楽といった
カルチャーというフィルターを通して若い人達に伝える事が出来ればと思う。
彼らが少しでも興味を持つカルチャーを入り口に、自然と触れ合う機会を創り
最終的には僕らが作るジャケットの見え方が少し変わったら嬉しいかな。

自然との出会いで得た感動を今もなお持ち続け、この協業を通して今一度自分の純粋な感覚と向き合っている。
自然の素晴らしさ、そしてその力を感じてもらいたい。

山下浩平
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1983年東京都出身。中学、高校をドイツ、大学をアメリカで過ごしサッカー三昧の学生生活を送る。帰国後外資系企業でのヘッドハンターを経て、THE NORTH FACEに入社。以後マーチャンダイザーとしてアパレル企画を担い、日々THE NORTH FACEの未来を模索している。「ONE LIFE, ONE CHANCE」という言葉を胸に常に探求する事を目指し、いつかアメリカのヨセミテ国立公園にあるハーフドームの北西壁を登る事を夢見る。

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