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ビームスが思う理想の男性像

"MR_BEAMS"とは、ファッションをきちんと理解しながらも、
自分の価値観で服を選べる
"スタイルをもった人"のこと。
と同時に、決して独りよがりではなく、
周りのみんなからも「ステキですね」と思われる、
そのスタイルに"ポジティブなマインドがこもった人"のこと。

今回立ち上げたオウンドメディア#MR_BEAMSには、
私たちビームスが考える理想の大人の男性像と、
そんな理想の彼が着ているであろうステキな服、
そしてMR_BEAMSになるために必要な
洋服にまつわるポジティブな情報がギュッと詰め込まれています。

本メディアを通じて、服の魅力に触れていただいた皆様に、
ステキで明るい未来が訪れますように……。

調理免許皆伝

a fashion odyssey | 鶴田啓の視点

調理免許皆伝

 

 僕の趣味のひとつに料理がある。それが果たして美味いのか?と言われるとかなり怪しいが、とにかく作ること自体は好きだ。週に23回、休日の夕方になるとスーパーで買い出しを済ませて18時頃からキッチンに入る。大体いつも34品は作るので、小一時間ほどの間、適当な酒を軽く飲みながら調理する。あれやこれや同時進行で下ごしらえと火入れをしていくので、段取りやタイミングに考えを巡らせながら調理を進める時間は、日々の雑念が不思議と霧散していく貴重なひと時になっている。

ところで、料理とファッションはよく似ている。①買い物をして②組み合わせて(コーディネートして)③調理して(スタイリングして)④賞味する(着て出かける)、という意味で。

付け加えると③と④の間に「器に盛る」という工程があるが、これはファッションにおいては「どこで(Place)」に近い。これを間違えるとどんなに素敵なコーディネートも美味しそうに見えない、ということだ。

①の工程では、まず買う前に何を作るかを決める。必要なものを挙げ、しかしちょっと待てよ、と冷蔵庫の中身を確認する。人によっては、まず冷蔵庫の中身を確認してからメニューを決める人もいるだろう。予算から決める人もいるだろう。いずれにしても「足りないものを買う」ということだ。

例えばカレーを作るとする。ルー、肉、人参、玉ねぎ、じゃがいも。シーフードカレーであればルー、海老、あさり、イカ、玉ねぎ、マッシュルーム、あとバターと白ワインを加えると香りが良い、など。同じカレーでも必要なものは丸っきり変わってくる。つまり、二日続けてカレーだとしても、ノーマルカレーの翌日にシーフードカレーを一から作るとコストがかかってしまうので、二日目はめんつゆでルーを伸ばしたカレーうどんになる場合が多い。前日の肉カレーにあさりやエビを無理矢理に放り込んだものを作るのなら話は別だが、もはや雑然とした味に思わず閉口してしまうことだろう。やはり、冷蔵庫にあるものや常備菜をうまく活用して前日とはまた違った味に仕上げる方が本当の料理上手ということになる。そう、料理とファッションの似ている点とは「着回し」=「冷蔵庫のあり合わせで作る料理」にこそセンスが出る、というところだ。この場合のセンスとは「洋服や食材そのものの味を経験値として知っている」という意味。勿論、湯水のように費用を投入すれば毎日を新しいコーディネートとメニューで過ごすこともできるのだが…。

例えばカプレーゼ。イタリア料理の前菜として定番の一品だが、ご存じの通りトマト、モッツァレラチーズ、バジル、オリーブオイル、塩、黒コショウを合わせただけのシンプルかつ清涼感のある味わいだ。冷蔵庫にトマトがあるとして「今日はカプレーゼを食べたい」と思う。なぜなら駅前のショップでワインも買ったし、今夜のメインはパスタだから。オイルや塩はある。あとはモッツァレラチーズとバジルだな。というところで野菜室に使いかけの大葉(青じそ)があることを思い出し、バジルの代わりに使ってみることを考える。そういえば昨日のチャンプルーに入れた島豆腐も半分残っていたな、と。この発想に辿り着けば、和風カプレーゼの出来上がりである。ジャパニーズハーブである大葉の清涼感や島豆腐の淡白な味と引き締まった食感から、バジルとモッツァレラチーズを連想できるという経験値が生み出すのである。結局、冷蔵庫やクローゼットの中に「足りないものがあるのに食べたい味がある」という瞬間こそが、センスの磨き時ということ。

フレッシュバジルが流通していなかった時代にパセリと紫蘇を混ぜて考案されたというキャンティのバジリコパスタが今も素晴らしく美味いのは、このセンスと情熱の賜物であると思う。

これと同じことをファッションに置き換えると…。

今日はネイビーブレザーを着て出かけようと思う。いつものグレーフランネルパンツやタッセルスリッポンは勿論相性が良いけど、たまにはドレスダウンで気分を変えたい。そういえば普段はネルシャツに合わせているスウェットパンツがクローゼットに入っている。ここはひとつ、杢グレーのスウェットをグレーフランネルに見立てて、合わせてみよう。足元はブレザーと相性の良いホワイトバックス、と言いたいところだが季節は秋。夏っぽさは要らない。ならば同じ白靴つながりで白いキャンバスのSpring Court G2があったはず。インナーにはボタンダウンシャツの代わりにハイゲージの白いタートルネックセーターを選び、ボトムと調子を合わせて軽快に。全体はドレスダウン思考だけれど、配色を白・紺・グレーに絞って清潔感をキープ。これなら休日の銀ブラにも子供っぽくは見えるまい…といった感じ。

古くはスポーツアイテムとして重宝されていたグレーフランネルパンツ+ホワイトバックスを、現代のスポーツアイテムであるスウェット+スニーカーに置き換えて作ったレシピというところか。普段はタイドアップしているブレザーコーディネートが、定番アイテムの入れ替えだけで休日の街歩きに変化した。ポイントはスニーカーのチョイス。大きなロゴが入ったスポーツブランドのものではなくクラシックな香りがするローテクタイプを選ぶ点。スウェットのシルエットや雰囲気によっては990番台のNEW BALANCE(単色のグレーやネイビーがベター)など、大人顔なものでも成立しそうだ。

そう考えると、クローゼットの中に定番アイテムがしっかりと揃っていることはいかにも頼もしい。これはキッチンに乾物やツナ缶など、保存のきく食材が常備してあることに等しい。白いリネンのポケットチーフやベーシックカラーのソックス、使い込んだベルト類などは、粗挽きのブラックペッパーや乾燥ローリエ(スパイス/ハーブ類)のようなもので、これらが「あるのとないのでは大違い」という脇役だ。基本的なものが揃っていれば、今日のメイン食材を調理するのに臆する事はない。大胆な柄行きのチェックコートだろうと北海道産の生ラムだろうと、なんでもござれである。

御贔屓のビームススタッフがいらっしゃるお客様は、ぜひそちらにご相談を。お客様の冷蔵庫の中身を熟知したスタッフが旬の食材と調理法をご提案させていただきます。

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蛇足かもしれないが、最後に写真の料理(作・鶴田)を上から順に少しだけご紹介。

「カキフライの残りの牡蠣と実家から送られてきた菜の花で作った煮びたし」
「シチューのルーを多めの牛乳で伸ばした、コーン缶とベーコンのクリームパスタ」
「キムチの残り汁で切り干し大根を戻したカクテキ風」

見た目の割に(?)意外とお金はかかっていないチープシックのようなレシピである。

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