2025_26 AUTUMN WINTER VOL.12
5人のスタイリストが今シーズンの気分を表現 ビームスドレスで着たいもの
"MR_BEAMS"とは、ファッションをきちんと理解しながらも、
自分の価値観で服を選べる
"スタイルをもった人"のこと。
と同時に、決して独りよがりではなく、
周りのみんなからも「ステキですね」と思われる、
そのスタイルに"ポジティブなマインドがこもった人"のこと。
今回立ち上げたオウンドメディア#MR_BEAMSには、
私たちビームスが考える理想の大人の男性像と、
そんな理想の彼が着ているであろうステキな服、
そしてMR_BEAMSになるために必要な
洋服にまつわるポジティブな情報がギュッと詰め込まれています。
本メディアを通じて、服の魅力に触れていただいた皆様に、
ステキで明るい未来が訪れますように……。
2025_26 AUTUMN WINTER VOL.12

"一期一会"という言葉は元々茶湯の世界の言葉であり、どんな茶会も同じ会は二度となく、生涯に一度きりゆえ大切にせよ、と戒めたもの。そこから転じ、一度きりの出会いの尊さを説く言葉となりました。人と人との出会いに使われることが多いですが、まさに一期一会の引き合わせが生んだのが、〈ビームスF〉の新しいタータンチェックコートです。
ここ数年、1980〜90年代にアメリカやヨーロッパで注目されていたコットンやナイロンのチェック柄コートを再び提案したいと、ずっと探していました。そんななか、生地の展示会で偶然見つけたのがオルメテックス社のモダンなタータンチェック生地です。ほぼイメージ通りだったので、完売や製造中止となる前に即買い付けました。そして当時のようにバルカラーコートをすぐに仕立てたのです。一期一会を無駄にせず、出会った際の思いもそのままに仕立てたコートは、1980〜90年代の空気感を纏いながらも、現代的なシルエットでオン・オフ問わずに活躍。柄合わせの精度にもこだわり、通常の1.5倍もの生地を贅沢に使用。旬のフレンチアイビーも薫る、最高に洒落たコートといえるでしょう。

人の思い込みとは、往々にして視野を狭くするものです。そして視野が狭くなると世界が広がらなくなり、この広い世界に溢れるさまざまな素晴らしいものを見逃してしまうことにもなりかねません。たとえばグレンプレイドのジャケット。クラシックスタイルの定番中の定番ですが、英国クラシック特有のかっちりとしたイメージがあり、敬遠しがちという方も少なくないでしょう。
〈ブリッラ ペル イル グスト〉の新作グレンプレイドジャケットは、そんな思い込みや既存のイメージを軽やかに覆す一着です。使われているグレンプレイド生地は、E.ゼニア社のピュアカシミヤ製。とろけるように柔軟かつ滑らかで軽量性にも富み、グレンプレイドのかっちりとしたイメージとは正反対ともいえる快適な着心地です。また従来のブラック×ホワイトのグレンプレイドとは異なり、ネイビー×ベージュの配色になっており、柔らかく温かみがあって着やすい表情となっています。これまでグレンプレイドを敬遠しがちだった方にこそ、トライしていただきたいジャケットです。きっと新しい魅力に気付き、世界が広がることでしょう。

生地の風合いを決定づけるのは、なにも原料のクオリティだけではありません。原料から糸へ紡ぐ「紡績」や、糸から生地を織る「製織」など、風合いを高めるには各段階で専門的なノウハウが必要となります。なかでも最終段階として重視されるのが「整理加工」です。そのひとつである「洗絨」は、生地を水に浸すことでリラックスさせ、素材の風合いを引き出す役割を果たします。そしてそんな洗絨の工程に不可欠なのが、綺麗で豊富な水です。生地の産地に水資源が豊富な水郷が多いのは、そのためなのです。
〈イガラシ トラウザーズ〉の2プリーツトラウザーズに用いたウールフランネルも、厳選された高品質なウールを高密度に織り上げたのちに、“水の都” として名高い岐阜県大垣市にて整理加工及び縮絨(縮ませることで密度を高める)加工を行なっています。現地で昔から毛織物の整理加工に利用されてきた地下水(伏流水)を用いることで、光沢が美しく、柔軟で滑らかな肌触りのフランネルに仕上がるのです。生地を洗絨する水の質にまでこだわった、その優しく豊かな風合いと繊細な美しさをお楽しみください。

人類は自然からさまざまな恩恵を得ています。服飾に用いられる天然素材もそのひとつですが、ときに自然はその美しさでも私たちを魅了します。ペッカリーに並ぶ高級皮革として珍重される、カルピンチョ(カピバラ)のレザーを用いた〈ジリオ フィオレンティーノ〉のグローブは、まさにその好例。一粒一粒の形状が異なる天然素材ならではの斑模様は、美しく味わい深い表情。スエードのような柔軟なタッチで、アンライニングゆえ手に吸い付くようなフィット感です。防寒にも、また装いのアクセントにも最適な逸品です。

数あるファッションアイテムのなかでも、ベストほど活躍の機会が多いアイテムはないでしょう。インナー、アウター双方に使えることに加え、Tシャツからコートまであらゆるアイテムと合わせられるからです。〈バフィー〉に別注したブークレ素材のベストも、ジャケットやブルゾンにレイヤードしても、またはコートのインナーにしても洒脱。今季らしい温かみのあるヘアリーなニュアンスを多彩な着こなしで演出できます。もちろん防寒性も申し分ないので真冬の寒さ対策にも重宝する、この秋冬大活躍間違いなしの一着です。

どんなジャンルにも“目利き” はいます。彼らの御眼鏡に適うことはファッションの第一義ではないですが、良品を手に入れる基準とはなるはず。〈サンタ トリニタ〉のアリゲーターベルトは、まさに目利きも唸る出来栄えです。希少なアメリカンアリゲーターのなかでも、竹腑(たけふ)と呼ばれる長方形の美しいうろこが並ぶ部分を厳選。さらに大判のレザーからしか採れない、接ぎのない贅沢な一枚仕立てにしました。ドレスからカジュアルまで合うシンプルなバックルや、高いコストパフォーマンスも備える自信作です。

付き合いの長い友人同士は、互いに長所を熟知しているものです。それはレーベルとブランドの間柄にもいえること。たとえば長年〈ブリッラ ペル イル グスト〉で扱ってきた〈タトラス〉。新作の別注フーデッドブルゾンは、オーセンティックなモデルをベースに、あえてダウンではなく着用期間の長い中綿を採用し、価格と機能性の両立を実現しました。またブランドらしいスタイリッシュなシルエットはそのままに、生地もしなやかな肌触りのものに変更し、上品でデイリーに活躍するアウターに仕上げました。まさに末長く付き合える一着です。































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