
PixCell-Deer#7
145 × 90 × 60cm
mixmedia
courtesy of SCAI THE BATH HOUSE
2007年
 
- PixCell [coyotte]
 45.15 × 52.3 × 34.3cm
 mixmedia
 2004年
「PixCell」シリーズはネット上で出会ったモチーフを実際に取り寄せ、その表面をガラスビーズで覆ってつくられている。"もの"の表面にビーズという透明の球体をのせることで、「もの」は「像」に変化する。そして、その"像"は、一人一人の脳の中に、映像的な記憶として残る。
いわばその瞬間ビーズは、"マテリアル(物質)"としてのガラスビーズから、"機能する、あるいは役割を与えられる"ビーズへと変化をとげる。
またそれは同時に、リアルなものが、一つ一つのビーズ上、あるいは小部屋(セル)の中に、吸い取られて行く過程でもある。細胞や小部屋、ユニットといった、一つの単位が組み合わさって世界全体を小部屋(セル)にリアリティを吸い取っていく方法なのである。彼は、世界にあふれた余剰の刺激(リアリティ)を吸い取って、自分の身体を通して昇華していくようなシステムとしてこの表現方法をとっているのだ。
また鑑賞者は、同じ空間にいて一緒にみてはいても、ビーズが球体であるがゆえに、まったく同じ光をみることができない。いわば見ている人の脳の中にしかそのイメージは存在しない。結局、"イメージ"や"感覚"は個々人の脳内にしかなく、それをコミュニケーションによって共有しようとするが、その共有がうまくいったり、いかなかったりするのが現実だ。だが、更新を繰り返し試すことができる場こそが、アートやカルチャーのフィールドなのではないか。
Text  : Yuu Itoh
Photo: Masafumi Toyonaga(PixCell-Deer#7)
            Keizo Kioku(PixCell [coyotte])
 
- Photo : Ryosuke Kikuchi
 Styling: Ayaka Endo
名和晃平 KOHEI NAWA
http://www.kohei-nawa.net/
名和晃平(BEAMS and More)
- 1975年
- 大阪府生まれ
- 2003年
- 京都市立芸術大学大学院美術研究科博士(後期)課程彫刻専攻修了 博士号(美術)取得
主な個展
- 2006年
- 「GUSH」SCAI THE BATHHOUSE(東京)
- 2008年
- 「ミロ・ファウンデーション」(バルセロナ)
 「PEKIN FINE ARTS」(北京)
- 2009年
- 「Vera Munro」(ハンブルグ、ドイツ)
主なグループ展
- 2006年
- 「アート・スコープ2005-2006 -インターフェース・コンプレックス」原美術館(東京)
 「Banquet : A Feast for the Senses」Pacific Asia Museum(カリフォルニア)
 「アミューズランド2007 ビューティフル・ドリーマー」北海道立近代美術館(北海道)
- 2007年
- 「アート・スコープ2005-2006」Daimler Chrysler Contemporary(ベルリン)
 「六本木クロッシング 2007」森美術館(東京)
- 2008年
- 「Great New Wave : Contemporary Art from Japan」Art Gallery of Greater Victoria、 Art Gallery of Hamilton(カナダ)
 「パラレル・ワールド」東京都現代美術館(東京)
- 2009年
- 「第6回アジアパシフィック トリエンナーレ」(オーストラリア)







