今年も東京箱根間往復大学駅伝競走(以下、箱根駅伝)が近づいてきた。テレビの視聴率も年間トップクラスに名を連ねるなど、ますます人気が加速する正月の風物詩。前回大会を過去最速タイムで制覇した絶対王者・青山学院大学の3連覇に期待がかかる一方で、ライバル校の躍進も見逃せない。そんな群雄割拠な第102回大会について、3名の箱根ラバーたちが駅伝談義に花を咲かせました。熱く、厳しく、マニアック。愛が深過ぎる座談会がスタートです!
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ハリー杉山
HARRY SUGIYAMA
タレント
東京生まれ、イギリス育ち。日本語、英語、中国語、仏語を操り、司会、リポーター、モデル、俳優などマルチに活躍。TBS『オールスター感謝祭』の名物企画を機にランニングを本格的に始め、今では全国各地の大会に出場するほど。フルマラソンのパーソナルベストは2時間53分53秒。
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よしき
YOSHIKI KAMINAGA
動画クリエイター
登録者14万人を超える人気チャンネル「TKD PROJECT」を運営する陸上系YouTuber。自身も東洋大学駅伝部の出身で、2度の箱根駅伝総合優勝を経験。4年時にはマネージャー陣をまとめる大役、駅伝主務も務めた。新作ランニングシューズの性能を試すショート動画も大好評。
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牧野英明
HIDEAKI MAKINO
BEAMSスタッフ
BEAMS随一のシリアスランナー。〈B印MARKET〉では、いつでも10km走れるコーディネートをテーマに、走るのに快適なファッションアイテムと、機能美溢れる高性能ギアをセレクトしている。フルマラソンのベストタイムは2時間47分44秒(東京マラソン2023)。
Y's鍼灸整骨院
座談会の会場は、3人が懇意にして足繁く通う代々木八幡の「Y’s鍼灸整骨院」。院長の吉田博信さんは、なんと元・青山学院大学陸上部! 自身の経験と豊富な知識で、現役選手からの信頼も厚く、王者・青山学院大学でもサポートメンバーとして選手のケアに携わり、合宿や大会にも帯同している。
東京都渋谷区代々木5-7-17 2F
施術の予約はInstagramをチェック!
Instagram:@ys_shinkyu_seikotsuin
泥臭く練習する青学の選手が
楽しそうに走る姿が好き(ハリー)
―いよいよこの季節が近づいてきました。皆さんが抱く箱根駅伝のイメージを教えてください。
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ハリー
新年のスタートに相応しい、心踊る大会だなっていつも思います。子どもの頃からずっと観ていましたけど、実際に選手たちを追うようになったり、交流を持つようになったのはここに通うようになって、吉田先生に学生のことを教えてもらうようになってから。あとはNHK BSで出演している『ランスマ俱楽部』を通して、いろいろな大学へ取材に行かせてもらったことも大きいです。
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牧野
世の中にランニングカルチャーが根付いてきていますけど、箱根駅伝は昔からずっと続いている大会。なんか純粋な感じが魅力かなって。普段ランニングしない人でも観ますもんね。
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吉田
復路のゴールシーンは、年間視聴率でもトップ3とかに入ります。
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よしき
僕のYouTubeチャンネルもこの時期になると、過去の投稿動画の再生回数が急に伸び始めるんですよ。箱根駅伝、ありがとうって思います(笑)
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牧野
みんな検索するから上がってくるんだ。
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ハリー
YouTubeとかInstagramのおかげで、昔より選手の様子も分かるようになったじゃん? 以前の“正月から走っている人”って見方じゃなくて、学生一人ひとりに親近感を抱けるようになったのはいいことだよね。
―皆さんはどこで観戦する予定ですか?
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よしき
今年は家でゆっくり観ようかなと思います。
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牧野
あれ? いつも沿道に観に行ってなかった?
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よしき
現地でしか味わえない空気感はもちろんあるんですけど、あの独特の緊張感は大学4年間で嫌というほど味わったので(笑)。なるべく家でのんびり観たいですね。
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牧野
僕も絶対テレビ派だね。
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ハリー
どの大学がどこを走っているのか見えますもんね。
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牧野
そう。ラン友と正月早々集まって、みんなでかじり付いて観てる。日テレのカメラワークがうまいからつい引き込まれちゃうんだよね。あと、今なら沿道に行ってスマホを観ながら応援する“ハイブリッド観戦”もあるよね。観に行っても一瞬で目の前を通過しちゃうからさ。
―では、ここでは皆さんの推し大学を教えてください。フリップを用意しているので、ご記入をどうぞ! ちなみにフリップのデザインは前回大会に出場した21大学のスクールカラーです。
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ハリー
これ、BEAMSオリジナル? 本格的ですね。推しの大学、被るかな?
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牧野
では僕からいきます。青山学院大学です。陸上は辛いものっていうイメージを大きく変えたのが青学かなって思っていて。原監督の人柄もあって楽しそうな雰囲気はあるけれど、彼らは大学随一とも噂される、とんでもない練習量をこなしているんです。優勝校が出る大会翌日のテレビ番組を観ると学生らしい明るい掛け合いがあって、そのメリハリが良いんですよね。
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ハリー
僕も同じく青学なんですよ。牧野さんの言ったこと、全てagreeです。あと、吉田院長から青学の選手たちの泥臭く努力する姿勢も伝わってくるし。彼らだって年間を通して怪我や不調もあったり、悩みを抱えながら練習に向き合っている様子を聞いていると、なんか親近感が湧くんですよね。超人的な彼らの人間っぽい部分が分かるというか。
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牧野
あと、本当に楽しそうに走っているイメージ。箱根でも先頭を走っていて、中継所とかでニコニコしているのって青学の子くらいじゃない?
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ハリー
人生を楽しもうって意欲を感じる。ノったら強いチームですよね。何より箱根で圧倒的な成績を出すし。
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よしき
たしかに青学の人はノリがいい気がします。YouTubeを始めた頃は、仕事として認められていない感じで取材も断られたりしていたけど、青学OBの人たちは「僕も出たい!」って言ってくれたんですよ。そういうスタンスが素敵だなって思いました。
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ハリー
青学生たちは区間賞取った後のインタビューとか、ピンポイントに鋭い言葉で答えられているなって思う。原監督の姿勢から学ぶものも多いんだろうな。
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よしき
僕はこれしか書けない感じもしますが、東洋大学です。母校じゃなかったとしても、東洋を推していたかもって思う時があって。なぜなら、箱根で一番衝撃を受けたのが、東洋大だった柏原竜二さんの走りなんですよ。当時はまだ一年生だったのに5分近い差をひっくり返して、9位からトップに立ったシーンです。
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牧野
そんなに抜いたんだっけ?
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よしき
はい。いまだにあの名場面を超えるものはないなって。高校生でそれを見て以来、東洋が憧れだったし、仮に進学しなかったとしても推し大学になっていたと思うから。まさかそこからスカウトが来るなんて。当時はうれしくて眠れなかったですね。
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牧野
それで言うと僕は最初、早稲田推しだったな。渡辺康幸さんがエースだった頃の。今年は早稲田もけっこう期待できるから楽しみだね。
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よしき
早稲田が上位に来たら面白そうですね。27分台で10000mを走る選手がたくさん揃っているのはどこでしたっけ?
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牧野
中央だね。
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よしき
やばくないですか? 最多優勝記録も中央ですよね。
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牧野
そうそう。はるか昔だけど、六連覇したこともあったらしいよ。
黒田朝日選手は今年も花の2区?
とにかく区間新を見てみたい!(牧野)
―大学に続いて、皆さんが注目している選手も教えてください。
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ハリー
推し選手かあ。
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よしき
またまた東洋大学ですけど、西村真周選手ですね。この夏、東洋の合宿を取材させてもらったんです。昔は監督と選手に距離があったけど、今年は一つにまとまっている感じで雰囲気がとても良かった。その中心でムードメーカーになっていたのが彼です。人間性も素敵だった。めちゃくちゃ応援したくなる感じ。
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ハリー
有名な選手はもちろん全員注目してほしいけど、箱根で初めてスポットを浴びる選手もいるよね。育英大出身の新田颯くんとか。
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牧野
ああ、学連選抜の!
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ハリー
そうそう。彼は2023年の1区で序盤から飛び出して。あの大逃げは相当覚悟がないとできないじゃないですか。実は僕、彼の箱根の走りに惚れて、ランニングコーチをお願いしているんですよ!
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牧野
あの作戦は大正解だったよね。あれだけテレビに映って目立ったら、抜かされたとしても勝ちだと思う。
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ハリー
しかも区間3位になりましたし。それまでメジャーじゃなかった選手がクローズアップされるのも箱根の魅力なんじゃないかな。
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牧野
僕は青学の黒田朝日選手です。とにかく彼が花の2区を64分台の区間新記録で走るのを見たい! さっきそこで読んだ『陸上競技マガジン』のインタビュー記事でも「狙える」って答えていたから期待しちゃうな。
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よしき
2区の区間記録って65分台でしたっけ?
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牧野
そうそう。1時間5分31秒。今年、東京国際の留学生が樹立している。でも、今回も新記録が出るんじゃないかって言われているよね。
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よしき
東洋の後輩だった服部勇馬が67分台で走った時も、めっちゃ速いじゃん!って思ったのに、黒田選手はそれよりも2~3分早く走ろうとしている(笑)
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ハリー
黒田くんは2区で決定なんですか?
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牧野
院長、知ってるんでしょう!?
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吉田
知りません!(笑)。でも彼はあまり気持ちを言葉にしないタイプなので、言うってことは自信があるんじゃないですかね。
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牧野
やっぱり彼が期待通り走ったら、青学は勢いづくと思う。
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吉田
彼は周りが気にならないですからね。いつも自分のペースで走れるところがすごい。
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牧野
他にも注目選手はたくさんいるから、今年も2区はすごいことになりそう。
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よしき
楽しみですね。
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牧野
推しが青学と黒田選手って全然普通のことしか言ってないけど(笑)。でもやっぱり期待したいです。
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ハリー
その流れで僕も推しの青学から。2年生の折田壮太選手には注目して欲しいです。
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牧野
ああ、たしかに!
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ハリー
出雲と全日本大学駅伝は力を出し切れてなかったけど、11月のMARCH対抗戦では10000mで3位になりました。青学が優勝するには彼の活躍が絶対に必要なんですよ。先日の宮古サーモン・ハーフマラソンも優勝して波に乗っています。今年こそ“折田開花!”を期待しています。
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牧野
彼は1区で見てみたいね~。ゴールデンルーキーとして入ったものの、怪我で長いこと苦しんでいたからここで頑張ってほしい。
熱い思いが溢れて止まない座談会。記録や順位だけでなく、選手一人ひとりまでフォーカスできるのは箱根駅伝を深く愛している証です。トークはさらに加速して、話題はまだまだ尽きません。3人がおすすめする必見区間の話から、今大会の大胆予想まで。濃密な駅伝談義は後編に続きます!
Photo:Kanta Nakamura
Edit & Text:MANUSKRIPT