CHAIは世界の音楽になりたい。
CHAIは世界の音楽になりたい。
いきなりですが、ヒップってどんな意味かわかりますか?
マナ:ヒップ? ヒップホップ? ヒッピー?
カナ:ハッピー?
マナ:ピースってこと? レインボー?
たくさんありがとうございます(笑)。アメリカで生まれた言葉で、時代に応じて変化する「かっこよさ」という意味合いです。CHAIの提唱する「NEOかわいい」って、まさしくヒップな考え方だと思うんですよ。
マナ:私たちは、見た目も考え方も、すべてにおいてコンプレックスが常にあって、それを伝えられるのは私たちしかいないって勝手に思ってて。4人でこういうところはかわいいとか、ここは直していこうとか話して、それをユウキが歌詞にしてくれて、勇気を出して歌う。完璧じゃないから歌えるんだと思う。いわゆるかわいい人がやってたら伝わらないから。今の世の中の「かわいい」の範囲って、すごく狭くて、その狭い正解だけが「かわいい」のはおかしいし、違う言葉でみんなを褒めたい。それで「NEOかわいい」が生まれたんだよね。
ああ、なるほど。「世界3位のニューエキサイトオンナバンド」とも掲げていますが、1位じゃないのはどうして?
マナ:1位にふさわしい3位! 1位ってずっと継続できないから。
カナ:そう、ずっと1位は継続できない。3位くらいが続くかなって。でも目指すのは1位だよ。一発屋は嫌だってことです。
バンドって、それぞれの目標があると思います。売れたい、有名になりたい、売れなくても自分たちの好きな音楽をやりたい、とか。CHAIの「売れ続けたい」はどこにつながるのでしょう。
マナ:CHAIは世界の音楽になりたい。グラミーをすっごく獲りたい。それは、私たちが好きなアーティストがみんなグラミー獲ってるから。その賞がふさわしい音楽になりたい。
カナ:でも、賞を獲るために自分たちを曲げたくはないし、「CHAIはジャンルです」って言い続けるんだ。
ジャンルになりたいんですね。
カナ:すでにある音楽のジャンルで自分たちを形容できないから、ずっと「CHAIです」って言い続けたいんだよね。
Superorganismと一緒に海外のツアーをやっていて、世界でも評価されていると思うのですが、海外のステージからはどんな景色が見えますか?
カナ:日本とは全然違う風景が見えるかな。
マナ:まだまだこれからなんだけどね。オープニングアクトは本当にアウェイ。でも、それってチャンスでもある。海外の人のほうが素直なんだよね。文化が違うからだと思うけど、みんなゴリラみたいに楽しんでくれる。
ゴリラみたい?
マナ:本能で動いてる感じ。恥も緊張もない、自然な状態。思うがままに楽しんでいるし、好きじゃなければ好きじゃないってはっきり態度に出る。
マナ:だから海外では売れるのも難しいと思う。
カナ:いいものはいいって評価するし、そうでないものには容赦ないから。
良くも悪くもシビアなんですね。
マナ:めちゃくちゃシビアだと思う。だけどその分楽しい。日本みたいに棒立ちで観ている人はいないんだよね。
東京は、そういうお客さんが多いですね。
マナ:多いね~!
カナ:ほんとにね~!もっと自由でいいのに!
今年は「NPR Tiny Desk Concert」に出演するんですよね。日本のアーティストとしては、コーネリアスに続いて二組目の登場だとか。Superorganismも出ていました。
カナ:そうなの! 本当に嬉しくて。
Tiny Deskって、独特のアコースティック環境で、うまくハマらないアーティストもいますよね。
カナ:そうなの。いろいろ観てめっちゃ研究した。CHAIはたぶん面白くできたと思う。いつもと違う環境だからすっごい考えたよ。
マナ:そうなんだよね。ロックにやるとおかしいんですよ。音量でないし、一歩間違えるとださくなっちゃう。近いうちに公開なので、ぜひお楽しみに。
ここへの出演をきっかけに、世界で注目を集めるアーティストも多いみたいですね。
カナ:ねー。うまくいくといいな。でも絶対いいよ。
マナ:年明けにはMac DeMarcoの前座でオーストラリアツアーが決まっていたり、今海外アーティストとコラボする曲を作っていて、すっごく楽しみなことたくさん。
海外に行きたいって気持ちは最初から意識されてました?
マナ&カナ:うん。
それはどうして?
マナ:うーん。人間だから。
カナ:あ、人間だからか! そうだね。
マナ:欲が満ちあふれる。日本だけじゃ足りない。だって、小さいじゃん、いろいろ。電車の座席とかも。出たい!って思っちゃう。
カナ:意味ないなーって思う。世界で売れないと。
日本って特殊ですよね。海外アーティストがアジアツアーをやるときに、日本は客の入りが悪くて採算が合わないから飛ばすこともあったりして。
マナ:ほんとにね。
カナ:ショックなんだよね。なぜ変わらないのかが。
マナ:不思議。日本は鎖国してるなって、 島国だなって思う。
カナ:スポーツはメジャーだし、世界に通用するような選手もいるのに、音楽って誰も頂点までいってない。ニュースにもならないじゃん。
マナ:なんでだろう。なんとかしたい! CHAIがなんとかする!
昭和の男っていいよね。
昭和の男っていいよね。
話が変わるのですが、CHAIが思う、イケてる男の子ってどんなイメージだったりしますか?
カナ:わー! それは考えたことないな(笑)
マナ:それはタイプで? 芸能人で?
身の回りにいる人とかでも。シンラの角舘健吾くんとの対談を読んでいて、仲いいんだなって思ってましたけど。
カナ:あ、ケンゴNew Waves! ケンゴはロマンチストだからね~。
マナ:そうだね~王子様。
カナ:しゃべり方がね(笑)
マナ:しゃべり方すごいよね! ライブのときめっちゃ面白い。
カナ:タイプか~。うーん、私より強い人。でもみんな弱く感じちゃうかも。
マナ:わかる。
そうなんですね!
カナ:言葉で絶対負けない気がするもん(笑)。私より強い人がいい。力も精神的にも。
結構言い合ったりもするんですか?
カナ:もちろん(笑)。絶対勝ちます。負けたことない
マナ:カナは絶対負けない。ものすごく強い。
カナ:なんて言うんだろう、草食系男子って呼ばれてる男の子たちは「かわいい!」とは思うけど、男としてはグッとこなくて、ときめかない。私はね。
強い男が好きなんですね。
カナ:見た目が強いとかじゃなくて、自分を持ってる人。惑わされない人。何に対しても自分を持っていて、自分の意見がある人が好きです。で、やりたいことをちゃんとやってるのがかっこいいなって思う。
そういう人、身の周りにいますか?
カナ:いるいる。
マナ:男じゃないけど、Superorganismのオロノはイケてる。
カナ:あはは(笑)。たしかに。
SuperorganismとCHAIの対バンのライブ観たんですけど、ここ数年で一番良かったライブのうちの一つです。CHAIはもちろん、オロノさん超かっこよかったですね。
マナ:うれしい。オロノはほんとかっこいいよ。
カナ:めーっちゃかっこいいよね。
思想としてCHAIもオロノさんもパンクですよね。今の日本って、パンクとかロックの思想が求められている気がしていて。
マナ:めっちゃわかります。
カナ:めっちゃめちゃわかります。うれしい。
パンクの精神を持った男性のバンドは少ないのかもしれないですね。どこか内向的というか。全員がパンクである必要はないけれど。
マナ:そう、今あんまりいないんですよ。うちのパパのほうが強そうって思っちゃう。なんか昭和の男の方が強そう。「漢!」って感じ。
カナ:昭和の男っていいよね。
マナ:うん。亭主関白はすごい嫌いだけど、男って感じがいい。
昭和の男といえば、最近「全裸監督」が話題になってますね。
カナ:めっちゃ好き~!!
マナ:めっちゃ面白い! 好きすぎていま2周目。最高、最高、最高。
かなり脚色されていると思いますが、村西とおるみたいな昭和の男性はどう思いますか?
カナ:村西か~。
あ、村西じゃない?
マナ:村西は嫌だ! あ、でもかっこいいとは思う。
カナ:作品の中で描かれている生き方はかっこいいよね。
男らしさというものが、今の時代に足りていないのかもしれないですね。
カナ:うん。マナもそう思うでしょ?
マナ:うん、そうだね。見た目は…見た目はいわなくていっか。
いえ、ぜひ教えてください!
カナ:えー清潔感があって汚い人。
マナ:わかる。
矛盾してますね(笑)
カナ:矛盾してる感じがいい。
マナ:なんか路上で座っててもさまになる人。汚いのにきれいって、狙って出せないじゃないですか。
ー髭生えてたり?
マナ:あーもう最高ですね。髭。
訳分かんなくなるから、食べることを必死に考える。
訳分かんなくなるから、
食べることを必死に考える。
今、どんどんいろんな人に聴かれるようになっていると思うのですが、どういう時に一番大きな喜びを感じますか?
マナ:ライブ。
カナ:ライブしてるときが一番楽しい。
原動力は、ライブなんですね。
カナ:原動力は食べ物ですね。
マナ:食べ物です。ニンニクとか。
カナ:あと焼き肉とか。もうがっつり食べる。
とにかく食って頑張るぞ! みたいな。
マナ:ほんとにそう(笑)。まずはとにかく食べるぞ! みたいな。
カナ:食べないとステージ立てないもん。おなか空きすぎて倒れちゃう。
ある意味動物的ですね。
カナ:確かに。
マナ:そうかも! 4人ともそうだと思う。
人前で発散し続けるのって、すっごいエネルギーがいるし、疲れたりしないですか?
マナ&カナ:え、するする!
そういうときは…?
マナ:食べる、寝る。
カナ:SNS見ない。あと、人に会わない。
マナ&カナ:うんうん。
カナ:毎日ライブしてるとそれしかないっていうか。それしかないって言うと極端だけど、移動、ライブ、ご飯! みたいな。海外遠征だと、そのパターンが1ヶ月くらい続くんですよ。
マナ:3週間やり続けて、3日連続休み。それで移動日、みたいな。ずーっとそういう生活をしていると訳分かんなくなるから、食べることを必死に考える。いつ食べるか。いつ寝るのか。
ああ、少しわかった気がします。CHAIのクッキング企画とか、見てみたいですね。
マナ:企画してください!
カナ:食、大事。
BEAMSのPLAN Bでやるの、よさそうですね。
マナ:あ、出たいです。
カナ:出たーい!
グルメ企画でもいいですね。
マナ:出たいです。
マナ:すごい食べるよ。
極端な話ですけど、戦争を回避するには自分の生活を良くするしかないぞみたいな話があって、自分が生きてることをちゃんと楽しんだりするみたいな、その戦いの中で食べる楽しみを追い続けるのって、すごくいいなって。
マナ&カナ:戦ってるもんね(笑)
マナ:ツアーマネージャーにまず言うのは、ご飯を用意してくれってこと。まず何より先に(笑)
10月のフイナムのフェス「HNF」の演出ってこれから考える感じですか?
マナ:今作ってる時期だから、ライブもそれで変えるかも。常に新しいことはしたいよね。バンドにこだわるわけでもないし。
カナ:楽器弾くことにはこだわらないよね。飽きたらバンドはやめる。
そうなんですね! 何やるんですか?
マナ:わかんない。
マナ&カナ:あははは(笑)
マナ:だから、自由でいいと思うんだよね。
ミラクル双子のマナ・カナに、ユウキとユナの男前な最強のリズム隊で編成された4人組、『NEO - ニュー・エキサイト・オンナバンド』、それがCHAI。2017年1stアルバム「PINK」が各チャートを席捲、音楽業界を超え様々な著名人からも絶賛を受ける。2018年には日本テレビ系「バズリズム02」の「コレはバズるぞ2018」1 位、第10回CD ショップ大賞2018 入賞など、各所より高い評価を得る。3rd EP「わがまマニア」はApple Music/ iTunesオルタナティブランキング1位を獲得。海外の活動も活発で、2018年2月にアメリカの人気インディーレーベルBURGER RecordsよりUSデビュー、8月にイギリスの名門インディーレーベルHeavenly RecordingsよりUKデビューを果たし、4度のアメリカツアーと、10月には初の全英13都市のツアーを成功させる。2019年2月13日にはタイアップ曲など話題曲満載のセカンドアルバム「PUNK」をリリース。3月にUSツアー、5月にヨーロッパツアーを経て、6月に日本全国8都市を巡る『CHAI JAPAN TOUR 2019 PINKなPUNKがプンプンプントゥアー!』を実施し初のワールドツアーも大成功! 彼女たちに触れた君の21世紀衝撃度No.1は間違いなく『NEOかわいい』バンドCHAIだよ!
HOUYHNHNM 15th ANNIVERSARY
HNF ~フイナムのフェス~
「フイナムとビームスのライブ」