(左から)河村俊秀、長岡亮介、三浦淳悟
3人が考える“ヒップ”なアレコレ。
3人が考える“ヒップ”なアレコレ。
フイナムでは10周年を迎えたときにインタビューをさせて頂きました。あれから4年近く経ちますが、最近の調子はいかがですか?
長岡:相変わらず周囲に流されずゆっくりやっているんでね。調子いいんじゃないですか。
三浦:3人ともマイペースでやらせて頂いてますよ。
河村:うん、誰も生き急ぐことなくね。気持ちは10周年のときから変わってないと思います。
フイナムの信念に“ヒップ”という言葉があります。簡単にいうと“イケてる” とか、自分の眼でおもしろいことを追求しているヒトやコトを意味するのですが、お三方はまさにヒップなひとたちだと思っています。
長岡:トレンディなのがヒップってわけじゃないんだ?
トレンドも大事なんですけど。周りに流されない、みたいな考え方もまさにヒップと捉えています。皆さんにとっての“ヒップ”があればお聞きしたいなと。
長岡:難しいね(笑)
河村:普段イケてるって感じること…。イケてないな、って思うことならたくさんあるんですけどね(笑)
と、言いますと?
河村:「あ、またこれか」って思うことがたくさんあって。そうじゃない新しいことがイケてるってことかもしれないですよね。
三浦:うーん、つい最近の話でいいですか? 家にいたら突然チャイムが鳴って。見たことないおばちゃんに玄関先で「愛は足りてますか?」 って言われたんですよ。
長岡:おやおや(笑)
三浦:ある程度「うんうん」って話を聞いて、最後「冊子を置いていきますね」って言われたんですけど、そこですかさず「いえ、結構です」って断ったんですよね。この強い信念こそがヒップですかね。
長岡:とりあえず一度は寄り添ったんだね(笑)
三浦:ごめん、ヒップが全然分かってないかも(笑)
一同:笑
長岡:ぼくはうちのクルマを直してくれるおじさんがヒップかなって思いますね。ただひとりで仕事をキチッとやるっていう。そしてそこには大きい別のディーラーが直せなかったクルマたちがそこに集まってくるみたいなね。
ブレない職人というか、そのひとにしか出来ないことを持ってる方というか。
長岡:そこには愛があってね。彼が調子が悪いと感じたら注文していない部分まで直してくれたり。クルマが健康であってほしいという想いからの仕事をしてくれるようなひと。
みなさんの私生活ってやっぱり謎に包まれているところがあって。ファンの方も気になると思うのですが、音楽活動以外、普段は何をしていることが多いですか?
長岡:ボブは家が好きだもんね。
河村:家が特別好きってわけじゃないんですけどね(笑)。掃除して洗濯して、ご飯食べて…。
長岡:よく使う近所のスーパーどこなの? イトーヨーカドー?
河村:近所って言われて、イトーヨーカドーって答え出ないでしょ(笑)
長岡:あ、そうか。
河村:最近はもっぱら家で曲をつくることにハマってますよ。
長岡:それはどれくらい前からだっけ? 昔はやってなかったもんね。
河村:ペトロールズで音源になっていないものまで遡れば10年前くらいにはなるんだけどね。新作のアルバムに入っている『シェイプ』とかは、ぼく発信の曲だったりするし。
長岡さんのハマっていることは何ですか?
長岡:やっぱり休みがあったらダラダラするのが好きで。起きたら、すぐお酒を飲むとかいいですよね。酔っ払って洗車するとかさ。ギターの弦を張り替えたり。
三浦:ぼくはこの夏、槍ヶ岳に登ってきたんですが、その流れで新田次郎さんの『孤高の人』っていう山岳小説を読みました。
河村:いいね、そういうの。
長岡:なんか、かっこいい答えが飛びでてきちゃったなあ。
ちなみに、今回出演頂く「フイナムとビームスのライブ」はセレクトショップの「ビームス」とタッグを組んでいるんですが、みなさんビームスで買い物したりとか、何か想い出ってありますか?
河村:皮のカバンを買いましたね。
長岡:あ! ずっと使ってるやつ?
河村:そうそう。黒がハゲてグレーになるまで使ってるアレ!
長岡:ぼくもありますよ、お買いもの。シャツにカバンに靴に色々と。
三浦:ぼくは友人が働いていたんでよく遊びに行ってましたね。プレゼント用に財布を買ったのをよく覚えてます。
プレゼント! 素敵ですね。たとえばデートで行ったりとかは?
長岡:そんなのお洒落すぎるじゃない、我々には。ビームスっていちいち粋でずるいんだよなあ。
たしかにモノを売るだけじゃなくて、こうやってイベントをやったり、カルチャーに結びつけるのが上手いですよね。
長岡:「HNF」のライブをお洒落にできるかちょっと不安だなあ(笑)
貫き通したペトロールズ独自のスタンス。
貫き通したペトロールズ独自のスタンス。
ついに新作アルバム『GGKKNRSSSTW』が、現在ツアー中の「3 Code」で先行発売されました。どんなアルバムに仕上がりましたか?
長岡:ずばりシンプルですかね。
河村:うん、シンプル。
それがいまのテンションということですか?
長岡:シンプルなのが良いなと、いま。世の中ややこしいことが多いから。
以前、フイナムの記事で長岡さんにインタビューをした流れから、ラジオにもご出演頂きました。そこでは新曲「KA・MO・NE」を初解禁しましたが、そのときは “3人で歌いたい” という気持ちを話していました。
長岡:そうでしたね、このアルバムではかなり3人で歌ってますよ。
三浦:そうだね。
長岡:演奏の音像としてはシンプルになってるけど、今作は3人の声の掛け合いがわりと乗っかっていて。
三浦:一方で、いままで以上に音のスキマも多いんじゃないですかね。
ペトロールズファンにとっては、その “スキマ” が醸す色気がたまらなく好きなんだと思います。
長岡:「君はこのスキマに耐えられるかな!」っていうね(笑)。それくらいシンプルですよ。
「3 Code」という今回のツアータイトルは「3人の音色」だったり、音楽でシンプルな進行を指す「3コード」を示しているのでしょうか?
三浦:ある曲の仮タイトルがそうだったんですよね。
長岡:曲タイトルをツアー名にしたくて。たとえば前回のツアーは『Smooth me』っていう曲からきています。
三浦:でもね、和音を意味する“Chord”とはスペルが違うんですよ。よく見るとね。
長岡:3つの暗号的な謎めいた意味も込められてます。
絶賛ツアー中ではありますが、意気込みはいかがですか?
河村:やっぱりいつも通り、ですよね。気負うことはないし。
長岡:そうですね、あとは新しいアルバムの曲もちょこちょこやろうかなって。上手くできるかなって気持ちもあるんだけど、だんだん上手になってツアーを終える頃には、お客さんと一緒に完成しているみたいなね。そんなんじゃ本当はいけないんですけどね(笑)
なるほど。ファンの方にとっては嬉しいし、ライブに足を運んでいまのペトロールズを見ておかないと! という気持ちになりますよね。
三浦:そうやってやってきましたからね、この14年間。それは変わらないです。
『フイナム』は今年で15周年ですが、ペトロールズは来年15周年を迎えます。これからのペトロールズを教えてください。
長岡:来年15周年だし、またアルバムを出すかもしれません。
河村:絶対にないでしょ、このペースでやってきた人間が(笑)
長岡:絶対にないって言い切っちゃうっていうね(笑)。まあとりあえずアルバムが出たので、まずはそれを聴いてもらって。
河村:ぼくらがやることやスタンスは変わらないんですけど、まずは新しいアルバムへの周りの反応が楽しみですよね。
三浦:ライブが楽しみです。やり慣れていない新曲たちと付き合っていきながら。CDどおりの演奏はしないと思うし、そこも楽しんでいただけたらいいですね。
長岡:コメントに活力がなくて、いいでしょ我々(笑)
三浦:そういえば、ぼくらと同じようにスチャダラパーにももちろんインタビューするんでしょ? Boseさんとかおもしろいんだろうなあ。
ご出演いただく5組のインタビュー記事はこのサイトに一緒に並びます。
長岡:CHAIとかエネルギッシュだったでしょう。こちらはしわっしわのコメントでお届けしてすみませんね(笑)
三浦:でもね、考えていることは、ほとんどCHAIと同じですよ。
長岡:そうですね。“ペトロールズは、ほぼCHAIです”。
一同:爆笑
HOUYHNHNM 15th ANNIVERSARY
HNF ~フイナムのフェス~
「フイナムとビームスのライブ」