Photo : Tomoaki Shimoyama / Text : Tommy
ラップミュージックが渋谷から秋葉原、果ては池袋にまで伝播する一方で、渋谷は東京2020に向けての工事も急ピッチ。
摩天楼だらけでハチ公ビックリ。世界は回り、世の中が動き、でもスチャダラパーは変わらない。
その秘密に迫るインタビューは、フタを開ければ1万字オーバーの放談。
でも、それが“らしさ”ってぇヤツなんですよ、お客さん。それでは早速どうぞ!

    来年は30周年になるんで、
    なんかできたらいいなって。

    来年は30周年になるんで、
    なんかできたらいいなって。

    そもそもが、スチャダラパーを知らない人なんて、フイナムの読者にはいないと思うんですよね。

    Bose:いや、なんか名前を聞いたことがあるとか、なんとなく顔は分かるけど…とか、意外と何をしているのか分からない。っていう場合は結構ありますよ。

    ANI:あるある(笑)

    Bose:「DA・YO・NEですよね、違いましたっけ?」みたいな(笑)

    一同:(笑)

    Bose:「今日はシャングリラ、演んなかったね~」みたいな感じもあるしさ。そこは気を付けておかないと。

    SHINCO:あっ、そっちも。

    ANI:混ざってくるのね(笑)

    その辺が結構ごっちゃになって認識されていると。

    Bose:そうそうそう。

    ANI:若い人らはそうかもね。

    Bose:全然そうだよ。だって「お父さんが好きで、昔よく聴いていたみたいで~」って感じだもん。

    ANI:そうだよね。

    20歳前後は世代的にそうかもしれませんね。僕なんかが今年38歳で、まさにLB世代です。

    Bose:LB世代! そんなのナイっしょ(笑)!

    SHINCO:もう幻、マボロシ(笑)。

    Bose:だから「お父さんと同級生ぐらいの感じの割には、なんか若ぶってるんだよなぁ」なんて言われちゃう感じですよ。ところでフイナムの読者って若いんですか?

    コア読者層は20代後半から30代前半ですね。

    Bose:と、見せかけてフタを開けてみたら40代ってこと多いじゃん、最近は。

    フイナムが年2回発行している雑誌『フイナム・アンプラグド』なんかだと、その可能性もあります。

    Bose:でしょ。こういうのを読んでいるのって40代だよ。yONE(米原康正)ちゃんとか知ってたりしてさ。絶対そうだよ。だって若い子は興味ないでしょ? yONEちゃんのこととか。

    一同:(笑)

    ANI:いや、あるでしょ(笑)!

    ありますって(笑)

    Bose:きっと加納典明的なモノに見えていると思うのよ、同期でいうと。

    一同:(笑)

    ANI:もしくはアラーキー的なモノとか。

    Bose:アラーキーは言い過ぎだよ。それは言い過ぎ!

    ANI:言い過ぎって(笑)

    ということで、まずは最近の皆さんの活動についてもっと知りたいので、教えていただけますか?

    Bose:最近は今回のようなイベントに呼ばれることが多くなったかな。全国各地で、こういうことをやるんですよ、みんな。で、「じゃ、まぁ1回行ってみよっか」っていって参加すると。

    ANI:そうだね。

    Bose:で、どこに行っても大抵「LB世代で昔からファンでした!」って言ってくる主催者に会うっていう。

    自分みたいなヤツですね(笑)

    ANI:そうね〜。

    Bose:多いよね。「今年で40歳になるんで、ここは一発いっておこうと思って呼んでみました!」ってね。

    そう伝えたくなる気持ちは非常によく分かります。

    Bose:あとは小さなフェスも増えてきたので、春ぐらいからシーズンがチョコチョコ始まって……。

    ANI:で10月~11月ぐらいまで、それが続く感じで。

    Bose:大体、ココ10年ぐらいはず~っと同じペースで。

    ANI:そうだね。大きいフェスには、たまにしか呼ばれないけどね。

    Bose:なかなかね。

    ANI:やっぱ枠の数的にも余裕がなくってギチギチじゃない。政治力がないからね、我々には。

    Bose:ないね~。

    一同:(笑)

    Bose:ロビー活動をしてないからね。

    ANI:でも普通はあるじゃん。ねじ込み系とかバーターとかさぁ。

    Bose:本当はこうなってくると、勢いのある若手が同じ事務所にいたりしてね。

    ANI:あ~、ありそうだよね。でも、ウチらにはそれがない。

    Bose:勢いのある若手が、もう(サイプレス)上野しかいないもん。

    一同:(笑)

    Bose:しかもその上野自体がもう若くもないし。上野って同世代ぐらいですよね?

    そうですね、上野さんが1つ上の39歳です。

    Bose:それを“若手”って言ってしまうぐらいのズレたノリですからね。

    ちなみに今日はスタジオにお邪魔していますが、なにか活動の方で新しい動きがあるとか?

    Bose:そうですね、レコーディングを頼まれてやったりとかもあるし。来年は30周年になるんで、なんか作品を作ろうって。

    待望の30周年アルバム!

    Bose:どうすかね?今もね、ちょうど進んでいるレコーディングが何曲かあったりするから、それを進めたりはしてますけどね。

    どんな内容になりそうですか?

    Bose:なんかあるかな~あれは? 『ヨン・ザ・マイク feat. ロボ宙&かせきさいだぁ』とか。

    ANI:『フォーカード』ね。

    Bose:テレビ東京でね。

    SHINCO:日曜日だっけ?

    Bose:深夜(※毎週月曜3:05~3:10)ね。

    ANI:5分番組なんでしょ。

    Bose:なんか人形を使ったアニメというか変わった人形劇番組があって。それを作っているところが変わった音楽好きみたいで、新シーズン(※10月6日からスタート)のエンディングテーマを頼まれて作ったりとか。最近の楽曲だとソレかなぁ~。そういうのを頼まれてやっていたりするので。あとはなんですかね?

    その辺りの曲が収録されると。リリースは来年の早々ですか?

    Bose:5月でデビュー30周年なので、その時に記念ライブの開催を予定していて、その時にはなんか発売されていてみんな聴いていたりするのかな。

    ANI:したいよね。

    Bose:もうでも、あのほら、トラヴィス・スコットみたいに今日やって明日出す! みたいなさ。

    一同:(笑)

    Bose:「もう出すぞ!」みたいに出来るじゃん。今時の配信とかだとさ。

    スピード感というかクイック感が昔とは全然違いますからね。

    Bose:ギリギリまで粘って、ソコから「やっぱり変えるぞ!」って、急に言い出すんだよ(笑)

    ところで世間的には、いまだに“ラッパー=ゴリゴリで悪そう”って思っている人たちも多いじゃないですか。

    Bose:最近はMCバトルとかも多いしね。TVでも『フリースタイルダンジョン』とか。

    ANI:この間なんて、NHKでも取り上げてたからね、ラップバトルを。でもその一方で、ヒカキンみたいな感じのもいたりして。

    Bose:あと、ヲタクなんだけど家でこっそりラップを配信している人もいっぱいいるからさ。もう両方だよね。一昔前の、ニコラッパーなんて今は当たり前になっているから。

    そうですね。ストリート文脈でもTHE OTOGIBANASHI'Sとか、ナーディーなラッパーもいますし。

    ANI:PUNPEEを筆頭にイケてる感じな。

    Bose:あっちはちゃんとオシャレじゃん。東京っぽくてさ。それよりももっと色んな意味でこじらせてる感じの子たちもいるじゃん。

    ANI:ヒップホップが好きとかじゃなくても、ラップはとにかく増えたね。

    Bose:あとアレなんだっけ? なんとかマイク。

    『ヒプノシスマイク』ですかね。

    Bose:そう、ソレ! 知ってる? 声優の子がチームでラップバトルするの。

    ANI:知らない。

    有名な声優さんだと『ドラえもん』の2代目ジャイアン役の木村昴くんとか。いとうせいこうさんとも繋がっていたりして、ちゃんとラッパーとしても活動してますね。

    ANI:はいはい、ジャイアンの子ね。

    Bose:裏でポチョムキン(from 餓鬼レンジャー)とかがトラックを作っていたりしてさ。でも絵はいわゆるアニメって感じ。

    イケメン2次元キャラですね。キラキラ系の。

    Bose:それで女の子が「好き~♡」みたいなね。ラップっていうとアレっていう感じもあるから、今どき。

    ANI:ま~、そうなるか。

    Bose:どちらかというと”ラッパー=ゴリゴリで悪そう”もあるけど世間的にはそっちの方がメジャーじゃない?

    色々と広がっているのかもしれないですね。

    もうね、マイブーム。
    ラップがマイブームなの、僕らは。

    もうね、マイブーム。
    ラップがマイブームなの、僕らは。

    そんな中で、皆さんは変わらず自分たちの道を歩んでいるじゃないですか。自分たちのペースで。

    Bose:もうね、マイブーム。ラップがマイブームなの、僕らは。みうらじゅんイズムっていうか、何でもやるっていう感じ。

    ANI:むしろ、これしかやることなくなってきたみたいな?

    Bose:流行りのトラックに挑戦するわけでもなく。

    一同:(笑)

    ANI:アンテナを立てているわけでもなく。

    Bose:最近のトラップにも「難しいな~、これちょっと口が回んねぇな~」みたいな距離感で(笑)

    ANI:試しにいってみる?

    Bose:無理だよ、多分。下手だったら意味ないから! アレは上手なのを競っているからね。若いヤツらが「お前らオッサンには出来ないだろ?」っていうのを見せつけてるんだって。

    ANI:なるほどね。

    皆さんの“マイブームを貫く、芯の強さ”ってどこからきてるんですか?

    Bose:自分たちが好きだったような人たちが、同じようなことをずっとやっている人が多くて。それでいうと、みうらじゅんさんが代表ですけど、(いとう)せいこうさんだって、高木完さんだって、結局あまり変わらず同じようなことを今の時代でもやっている。自分らも別にね、ずっと同じことをやっているかと問われたら、今の時代で求められることをやっているつもりで。少しずつ変わったりとか違うコトやったりとかはするけど、結局、他人から見たら「スチャダラさん、何も変わらないですね~、うらやましいっすね~」とか。こっちは必死で駆け足しているつもりなのに、ゆっくり進んでいるみたいなことを言われるっていう。

    それに対して違和感やジレンマを感じたりも?

    Bose:なんすかね~。変わってないって言われたら「確かに!」って思うんで「すみませんでした、何も変わってないです」って(笑)。だって、ANIとか今だに7インチのレコード買っているから。若い子たちからしたら「えっ、まだレコードとか買ってんすか!?」みたいになるじゃん。

    ANI:ダハハハ。買ってます(笑)

    SHINCO:むしろ、ここへきてだよね、また。

    Bose:全体的には1回終わった感じじゃないですか、世の中的なレコードブームみたいなのは。

    ANI:いや、今キてるでしょ?

    Bose:それとは違うじゃん! ただ自分でずっと続けていたことが世の中的には数周回って、たまたま戻ってきただけで。

    ANI:まぁ、確かに(笑)

    Bose:平行線のまま、ただ進んでいるっていう。

    ANI:で、世間が追いついたり、さらに追い抜いていったり。

    Bose:もしくは、ほっとかれたりで。

    ANI:俺も別に、高いレコードが欲しいってわけじゃないからね。

    Bose:高いヤツは高いので、スゴイ事もなっちゃってるんでしょ?

    ANI:そりゃあ、高いのはね。

    Bose:異常だもんね。

    ANI:だから結局、枚数が少ない=レア=偉い。みたいな図式に。

    SHINCO:珍しいのを自慢したいっていう感覚は変わらないよね。

    Bose:昔からあるけど、やっぱりそれなんだっていう。

    ANI:俺は、そこじゃないです!

    Bose:そこじゃなくて『ゆ・れ・て湘南』が欲しいとか?

    ANI:ダハハハ(笑)。『ゆ・れ・て湘南』は結構安かったよ。

    一同:(笑)

    Bose:安いからいいんでしょ。

    あとは掘って見つけ出す楽しさとか。

    ANI:やっぱ一番は、出会いを楽しむっていうね。だからネットで買わないもん。レコード屋で絶対買う!

    Bose:最近は演歌を掘ってるって聞いたけど「コレは!」っての、あったの?

    ANI:あるある!

    Bose:自分も知らなかったけど「コレはいいわぁ~!」みたいなヤツだよ?

    ANI:あるある!

    Bose:例えば?

    ANI:五木ひろしがやっぱ。

    Bose:五木ひろし、イイんだ(笑)

    ANI:あとは森進一でなんかあったな…『東京物語』!

    Bose:いや、知らないわ~。

    タイトルが小津的というか、むしろ今だとシティポップですね。

    Bose:もはやワンオクに通ずるものがあるような。いや、別に通じないか(笑)

    SHINCO:初期の曲?

    Bose:どこなんだろ、ヒットして売れまくった後だったのか。

    ANI:どうかなぁ~、関係ないけど『おふくろさん』は360円の値が付いてた(笑)。逆に『襟裳岬』なんかは意外にないんだよな~。

    SHINCO:あんだけ湧いたのに?

    Bose:無いんだ?

    ANI:イイ曲だから持っておく。みたいな感覚ってあるのかな。

    もしくはDJたちが買い漁ったとか。

    ANI:『襟裳岬』を!?

    分かんないですけど(笑)。12インチの LPではなく、7インチというのがイイんですね。

    ANI:そうすね。やっぱドーナツやな~、7(インチ)やな~って(笑)

    Bose:7やな~じゃねえよ(笑)

    ANI:そういうのって、ワゴンセールとかで探すんですよ、1枚50円とかの。もはやゴミを漁っているって感じで(笑)

    SHINCO:店としては「ゴミが売れた!」って。

    皆さん、自分の好きなモノに対してのアンテナは絶えず立て続けているんですね。

    Bose:ANIは特にそうだよね。結局は奥さんが許してくれるかどうかってとこになってくるから。

    ANI:まあ。

    Bose:7インチだったらアリとかそういうことでしょ? 結局は置く場所が~とかさ。そういうのは重要だよね。多分30歳、40歳とかでモノを捨てなきゃいけないタイミングがあって。

    人生で何度かある断捨離タイミングですね。

    Bose:結婚とか出産でってあるじゃん。子供が生まれたらコレはなくなるみたいな。僕もチョロQだけはどうにか死守したもん。

    一同:(笑)

    Bose:チョロQの箱は小さいから。

    ANI:じゃあ、ミニ四駆は?

    Bose:ミニ四駆は無理だった…ちょっと大きいでしょ。ラジコンなんてすぐ処分したし。

    ANI:ちっこいラジコンだったらイイのね。

    Bose:そう、ちっこいラジコンを最初残していたけど、やっぱソレすら無理で。

    ANI:俺も家にはほとんど置いてないなぁ。

    雑誌とか本の場合はどうですか?

    ANI:雑誌買わないね~。

    Bose:なんかさ『ポパイ』とかでさ、キャンプ特集とか車の特集とかあってさ。で、気になって買う→結局読まない。みたいな(笑)

    一同:あ~(笑)

    Bose:自分の興味あるページは書いてある内容も、大体が知っているっていう。

    ANI:あ~。つい『ターザン』とか、年に1回買ったりするね。体を柔らかくしよう的なやつとかあるじゃない?

    Bose:”鍛えよう!”とかね、で買ってはみても実践はしない(笑)

    ANI:トイレで「へ~」とか言いながら読んでるだけ(笑)

    SHINCO:あとは『ダンチュウ』とか『ブルータス』とかの町中華特集とか、ああいうのならね。

    Bose:カレーとかね。

    SHINCO:そうそう。

    Bose:買ってはみたものの大して”身がない”ってことも多くない? 「あれ……思ったほど身がない?」って。

    ANI:あ~。

    SHINCO:本屋で立ち読みして「買わなきゃ!」と思った瞬間がピークだったりしてね。

    シャツとか着ないなぁ。基本的にトレーナー(笑)
    ボタン嫌いってことだよね(笑)。アレ面倒臭いじゃん。

    シャツとか着ないなぁ。
    基本的にトレーナー(笑)
    ボタン嫌いってことだよね(笑)。
    アレ面倒臭いじゃん。

    そうなると、ファッション誌は…。

    Bose:もうね、言っちゃうとファッション自体に興味がない(笑)。いや、なくはないけど、友達が作っている服を着ているだけ、みたいな。

    ANI:もう何となく決まっているし。

    Bose:買い物だって、知り合いが作った服を選びに行っているだけっていう。

    SHINCO:ほんとだよね~。

    それって、みなさんが20代だった頃から変わってない気がしますが。

    Bose:変わってないんすよ。クローゼットの中身だって増えてもないし。いや、減ったは減ったのかな、ちょっとね。

    ANI:でも結局、Tシャツなんかはすごい増えてくるっしょ?

    Bose:Tシャツだったら〈C.E.〉とかね。〈ダブルタップス(WTAPS)〉の軍パンとかもさ、「これ何回買ってんだよ!?」っていうような似たようなのばっか買っちゃう。

    ANI:いやいや~、とはいえシルエットがさぁ…。

    Bose:ちょっとずつね。

    SHINCO:太くなってたりすんの。

    Bose:だけど結局、今だに足元にはニューバランスを履いてたり。ずっと一緒(笑)

    そういう意味では、SHINCOさんは〈ダブルタップス〉のパンツに〈エイプ(A BATHING APE®)〉のTシャツと、最も90年代後半から変わらぬファッションというか。

    Bose:えっ! そのTシャツって〈エイプ〉なの?

    SHINCO:そう、リバイバル。前に出ていたヤツが復刻されて。

    Bose:本当だ。マンハントじゃん、イイなぁ。

    SHINCO:当時は千切れるほど着ていたヤツね(笑)

    Bose:あったね~。

    SHINCO:「ボロボロになったなぁ~」ってタイミングで復刻されるから(笑)

    Bose:スニーカーなんかもそうでしょ。

    四半世紀以上経って、グルッと一周しているんでしょうね。

    ANI:大体もう(スタイルも)決まっている感じだからね。あっちには行かないでしょ。ジャケット着ちゃったりとかさぁ。

    Bose:だね。ジャケットどころか、普段と違う色を選ぶとかの冒険もしない。

    ANI:むしろシャツすら着ないもんね。

    Bose:シャツとか着ないなぁ。基本的にトレーナー(笑)

    ANI:ボタン嫌いってことだよね(笑)。アレ面倒臭いじゃん。

    SHINCO:そろそろ着始めようと思ってるんだけど、なかなかね……。

    ANI:分かる~。

    Bose:「よく上までボタンを留めているね」って。

    ANI:分かる!

    SHINCO:ボタンがある服は洗うのも畳むのも面倒臭いから。

    ANI:と思ったらさ、ロボ宙がちょいちょいシャツを着てるじゃん。

    Bose:着だしたよね。いつもちょっとオシャレしてる。

    ANI:そうなると「気に入らねえ! だったら俺は絶対に着ないぞ!」って(笑)

    Bose:アハハハ(笑)。くだらねぇ~。

    ANI:なんか、色気づきやがってさぁ(笑)

    Bose:いいじゃん、別に。

    SHINCO:丈の長いコートも着てたりするでしょ。

    ANI:あとなんか変な帽子ね。

    一同:(笑)

    Bose:まぁ、でも元々がオシャレだからね。

    ANI:芸大亭ヤードのくせして!

    SHINCO:そもそも、ヴィヴィアンっ子だから。

    今日は何かの参考にと、ビームスの40周年記念本を持ってきたんですが、同じく40周年プロジェクトのムービーでは『今夜はブギー・バック』がBGMに採用され、さらにコラボもしていたりと、ビームスとの接点は結構ありますね。

    ANI:そうそう、カルチャートで展示したりね。

    Bose:あそこが自分たちには一番近いね。かせきさいだぁだったりとか、絡んでいるのも知り合いばっか。

    ANI:ロボ宙のTシャツを売ってたりね。

    すごくロボ宙さんを意識されていますね。

    ANI:(全力で否定)いやいやいや。

    SHINCO:ライバルなの? もしかして。

    Bose:身近なところで。

    ANI:そう、あのヤロー! なんつって(笑)

    ビームス自体の印象って、この数十年で変わりました?

    Bose:気付いたらさぁ、地方とかに行っても、すごくデッカイビームスがあったりして「こんなにデカイのか…!?」みたいな。

    SHINCO:そりゃ、大企業だから。

    Bose:それがメッチャすごいじゃん!

    ANI:そうだよね、ちょっとした街なら大体あるよね。二子玉にもあるから、ついつい行っちゃう(笑)

    SHINCO:なのに、本当にカルチャートにくらいしか接点ないよね、ウチらって。

    Bose:あんまり今ドキのオシャレに飛び付けないからね。でも、僕らが通っていた専門学校が、渋谷にある桑沢デザイン研究所ってとこだったから、昔から見てきてはいるんだよね。まだあの場所にあるんでしょ?

    ANI:原宿の?

    Bose:違うって、渋谷・神南のほら、公園通りのドーナツ屋があったトコを曲がってさぁ~。

    ANI:まだあるんだっけ?

    ミスタードーナッツは随分昔になくなりました。

    SHINCO:ラブホテルもあったよね。

    ANI:12カ月ビル(※現在の神南坂フレーム)のところ? 東京堂とかある。

    東京堂が入っていた建物も、もう取り壊されています。

    ANI:あの辺も大分オシャレになったよね。神南のあの辺りって、昔は怪しい感じのエリアだったけどね。

    Bose:そういえば先日、工事中のパルコを内覧する機会があって、パート1とパート3がくっついてんの。

    へ~、渋谷も日々変わってますもんね。

    ANI:パルコが取り壊された時、公園通りの上の方は明らかに人が減ってたけど、また復活しそうじゃない? 

    SHINCO:あの辺りは建物もイイからね。

    Bose:形がスゴイのとか結構あるしね。新しいパルコもそう。でも見た目以上に中身がスゴいみたいよ、 Nintendo TOKYOとかほぼ日、変わったメシ屋もいっぱい入るみたいな。

    ANI:へ~。

    Bose:知り合いのDJが音もやる、っていう飲み屋みたいなのとか色々と入るみたい。

    ANI:友達が働いているところもあそこの上に移るって聞いたよ。

    話を伺っていると、渋谷系カルチャーに熱狂していた世代が喜ぶようなコンテンツも多そうですね。

    Bose:そうそうそう、完全にそっちそっち。それを目指しているんじゃない。PARCO劇場もはいるし。

    SHINCO:我々おっさんの交流の場として(笑)

    Bose:そうなると、ゴメス感あるよね。

    SHINCO:山田ゴメスじゃなくて?

    Bose:まあ、それもあるけどね、あの『ゴメス』(※渋谷パルコが発行していたフリーペーパー)ね。

    ANI:あぁ、パルコのね。

    SHINCO:バカドリルが載ってたヤツか。

    Bose:ああいうような感じ、なんかね。そこから『ビックリハウス』(※同じくパルコが1970年代に発行していた読者参加型カルチャー雑誌)まで、いきたい感じでね。

    とりあえずガンダでいきます!
    あとはまぁ、場面で(笑)

    とりあえずガンダでいきます!
    あとはまぁ、場面で(笑)

    伝説的フリーペーパーの名前も出てきましたが、結局のところ雑誌は“最近読んでいない”ってことでOKですか?

    Bose:そうなるかなぁ~。逆にウェブとかも、SNSとかTwitter以上までいく?

    ANI:いくけどさー、そもそもウェブメディアの記事って文章長くないですか?

    一同:(笑)

    Bose:バカがいるな~(苦笑)

    ANI:なんか、読んでて疲れてくんの。でも紙の雑誌だとソレはソレで物足りなかったりも感じて。

    SHINCO:ウェブメディアの記事って、すげ~下まで読み進めたところで、さらに2へ続くみたいな。

    Bose:そうなると紙雑誌の方がデジタルより読みやすいよね。

    ANI:そうね〜。長い文章は読んでる内に疲れてきちゃって、途中で止めたりするもん。

    Bose:スマホで読むとしたらさぁ画面と時間を『全裸監督』とかと奪い合わなきゃなわけじゃん。ウェブメディアって。

    ANI:あとはYouTubeとかニコ動とか。

    Bose:でもそうなった時に、『全裸監督』を再生しながら同時には読めないじゃん。

    ANI:そこでアレでしょ。文章を音声で読み上げてくれる機能!

    Bose:アメリカじゃ普通にあるしね。

    ANI:本が出版されると、絶対に朗読バージョンも一緒に発売されるんでしょ?

    Bose:「っつ~か、ソレほとんど“読んで”ないんじゃん!」っていう(笑)

    ANI:そんでアレでしょ、車に乗りながら聴いているっていう。

    Bose:そういうことらしいよ。だから誰も本を読まなくなって、どんどんバカになっていく方向に進んでるワケですよ。日本も今の感じだと、そうなっていきそうだよね。

    ANI:あとさぁ、最近マジでスマホを見ながら歩いている奴が増えた。

    Bose:多いよね。中には、がっつりゲームやっているヤツとかいない?

    ANI:あと、動画を観ているヤツ。

    Bose:いるね、ガッツリと。

    SHINCO:渋谷駅とかも、満員電車からゲームをしながら降りてくる。「スマホから一瞬でもいいから目を離せよ!」ってね。

    ANI:でもさぁ~、ああいう対戦的なやつだと難しいのは分かるんだよなぁ。

    Bose:クラロワ(クラッシュ・ロワイヤル)とか途中で止めると負けちゃうからね。ポイントを奪われるからイヤなんだよ。

    SHINCO:たまに敵でそういうヤツもいるけどね。「あっ、いなくなった、ラッキー♪」とか(笑)

    ゲームは相変わらずやっているんですね。

    Bose:いやいや、もうね、今は昔のようにゲームをやる時間がないんですよ、本当に。買ってはみるけど子供がいたりすると無理。PS4の『NBA 2K20』とかも買ったけどさ。

    ANI:買うの?

    Bose:一応チェックはしときたいじゃん。で、ザザザっと見て、ちょっとプレイして。そこから先はもう出来ないみたいな。

    SHINCO:テレビに向かってゲームをプレイするっていう時間がね。

    Bose:そう、全然ないのよ。

    SHINCO:ポケモンは? アレなんだっけ? なんとかサン。

    サン&ムーンですかね。

    Bose:ソレ! 前やってたじゃん。クリアしたの?

    SHINCO:いや、まだ途中。

    Bose:僕も途中でやめた~。

    もうすぐ新作も出ますよね。

    Bose:ソード・シールドでしょ。それが11月!

    ANI:ゲームボーイ?

    Bose:何でだよ! ニンテンドースイッチだよ!

    ANI:(スマホで調べつつ)これか!

    Bose:それでもテレビでやらなかったら、もうないかも。

    ANI:そういや昨日って、なんか『ポケモンGO』のイベントデーだったの?

    Bose:知らないなぁ。

    ANI:駒沢公園にスゲェ沢山いたんだけど、オジさんが(笑)

    一同:(笑)

    ANI:でも、そうやってオジさんたちにポケモンを普及させた功績っていうのはさぁ〜。

    SHINCO:すごいよね。しかも今って、その辺の人たちのコミュニティが地区ごとに出来てるらしいね。

    Bose:去年LAに行った時もオジさんらがやってたよ、公園で。でも、ソコはやっぱり西海岸だよね。アッチの人は明るいから楽しそうに喋りながらやってた。

    SHINCO:グループで集まって、みんなでワイワイすんだろね。

    ANI:若者たちは他にも色んな刺激があるから、すぐに飽きたりしているけど……

    Bose:オジさんはしぶとくね。

    SHINCO:まさかその層がドンズバでハマるとはね。それも運動不足解消になるから一石二鳥って。

    Bose:そうなんだよね。

    SHINCO:健康にイイとか言っちゃって。

    ANI:で、歩き回って卵を孵化させたりとかして。

    Bose:ゲームしつつ運動にもなるからね。

    SHINCO:それに、イベントの打ち方が絶妙なんだよね!

    ANI:なんつうか、オジさんたち的に“スマホを使いこなしている感”が得られるんでしょ。

    SHINCO:ソレとやっぱね、図鑑を埋めたいじゃん。

    Bose:結局、埋めたい欲だよね。だってANIもスタンプ埋めているんでしょ。ローソンに行くとスタンプがあるじゃないですか。あれを押すためのノートを持っているんだよね?

    ANI:そう、スタンプはなんでも集めてる。夏のピークを過ぎて、ちょっと落ち着きに入ったけどね、スタンプラリーのシーズンも。あっ、今度サミットからもスタンプラリーの景品が送られてくるよ。

    Bose:そうなんだ(笑)

    SHINCO:集めたのね(笑)

    ANIさんはマイブームがいっぱいあって楽しそうですね。

    Bose:ねぇ~羨ましいよ。

    SHINCO:レコード屋でゴミみたいな歌謡曲や演歌を掘りながら、一方でスタンプラリーだから。

    Bose:全然金かからないじゃん。

    SHINCO:「ヤベ! あのローソン行ったことねぇ!」だもんね。

    ANI:確かにどこに行ってもローソンが気になってしょうがない(笑)

    Bose:予算300円ぐらいでいけるよね。

    ANI:まぁね。あと東急線電車のスタンプラリーは、一日乗車券を買って2回ぐらい行ったよね、電車に乗って。

    非常にエンジョイされてますね。

    Bose:まぁ、そういうことを主にやっているって感じですね。で、たまにライブ“も”やっている。

    SHINCO:趣味の合間を縫ってね。

    これを読んでいる読者は「メッチャ羨ましいライフスタイルだなぁ」と思うでしょうね。

    Bose:いや、ほんとね。さっきも言ったけど、みんなに羨ましがられるの。

    ANI:でも、お金に全くならないんです!

    SHINCO:その分、出ていくお金も少ないからね。

    ANI:たしかに(笑)

    Bose:ANIなんてスタンプを押して、1日200円で済んだみたいなこともあるでしょ?

    ANI:いや、ない。そんなことはない! レコードだって1枚100円のコーナーで10枚買わないと1枚50円にならないし。

    Bose:たしかに半額はデカイね。これから消費税も上がるし。

    とりあえず世の中は目まぐるしく変化すれど、スチャダラパーはスタンスを変えずにやってらっしゃるということが分かりました。ベタですが、最後はライブへの意気込みといったところをひとつ。

    Bose:ライブはどういう人が来るのか分からないですけど、若い人がいるんだったら…。

    SHINCO:ソコは若者用語で!

    Bose:え~と……若者用語って言われても、全然思いつかないから(笑)

    SHINCO:…チョベリバ的な?

    ANI:ダハハハ(笑)、古すぎるって。今でいうと芸人のEXITみたいな感じでしょ?

    Bose:それもどうなんだろうね、分かんないけど(笑)。とりあえずガンダでいきます!

    ANI:あとはまぁ、場面で(笑)

    Bose:で、入り時間には遅れないように気を付けると(笑)

SCHADARAPARR

ANI、Bose、SHINCOの3人からなるラップグループ。1990年にデビューし、1994年『今夜はブギー・バック』が話題となる。以来、ヒップホップ最前線で、フレッシュな名曲を日夜作りつづけている。デビュー25周年となる2015年にアルバム『1212』をリリース。2016年に『スチャダラ2016 ~LB 春まつり~』を開催し、ミニアルバム『あにしんぼう』をリリース。2017年に『ミクロボーイとマクロガール/スチャダラパーとEGO-WRAPPIN’』、『サマージャム2020』の2曲を発売。2018年4月に日比谷野外大音楽堂で『スチャダラパー・シングス』を開催し、ライブ会場限定販売となる4曲入りCD『スチャダラパー・シングス』を発売。2019年12月14日に恵比寿リキッドルームで毎年恒例となっているライブ、『暮れの元気な5あいさつ(KG5)』を開催する。

最近どんな感じ? ライブどうする?
とか、いろいろ聞いてみましたー!

HOUYHNHNM 15th ANNIVERSARY
HNF ~フイナムのフェス~
「フイナムとビームスのライブ」

開催日
2019年10月13日 (日)
時間
14:00 ~ 22:30 (仮) 
(HNFも同時刻より開催しています)
会場
渋谷ストリーム 6F ホール
住所
東京都渋谷区渋谷3-21-3 MAP
アクセス
東急東横線 ・ 田園都市線、 東京メトロ半蔵門線 ・ 
副都心線 「渋谷駅」 16b出口直結
お問い合せ
HNF実行委員会
協賛
ビームス
タイムテーブル
YAKUSHIMA TREASURE
OPEN 14:00 LIVE 14:20 〜 15:00
CHAI
OPEN 15:50 LIVE 16:10 〜 16:50
WONK
OPEN 17:40 LIVE 18:00 〜 18:40
ペトロールズ
OPEN 19:30 LIVE 19:50 〜 20:30
スチャダラパー
OPEN 21:20 LIVE 21:40 〜 22:20
チケット応募方法
各アーティストの 「お申し込みボタン」 より
ご応募ください。
チケット申込期間
一次 : 「フイナムとビームスのライブ」 
オフィシャル最速先行抽選

9/4 (水) 18:00 ~ 9/10 (火) 23:00
二次 : フイナムLINE公式アカウント独占先行抽選
9/18 (水) 18:00 ~ 9/23 (月) 23:00
注意事項
  • お1人さま1アーティスト(2枚まで)のみの応募とさせていただきます。
  • 当選アーティストのみ観覧可能です。(各アーティストごとの入れ替え制となります)
  • 応募多数の場合、抽選となります。
  • 同一名義、アカウントなどでの複数エントリーをされた場合、抽選時にエントリーを無効とさせていただく場合がございます。
  • ご入力内容に不備があった場合、エントリーを無効とさせていただく場合がございます。
  • LINEアプリがダウンロードされていないとご応募いただけません。
  • 本公演は電子チケットのみの受付となります。
  • 転売などの不正が発覚した場合は、入場をお断りさせていただきます。
  • 未就学児童入場不可。
  • 小学生以上はチケットが必要になります。
  • 整理番号順での入場。(※整理番号は最速先行優先、ランダムで割り振りますので予めご了承下さい)
  • 予告なしに急遽内容が変更する可能性がございます。予めご了承ください。
  • 出演者のキャンセル・イベントの中止・遅延に伴う、会場までの旅費等の補償は一切致しません。
  • 会場及び会場周辺での徹夜待機・早朝のご来場は、会場近隣の方のご迷惑となりますのでご遠慮ください。
  • 手荷物等を使用しての場所取りは固く禁じます。発見次第、スタッフおよび警備により撤去させていただく場合がございます。
    なお、撤去した物、および放置されている物に関して主催者・会場・出演者は一切の責任を負いません。
  • モッシュ・ダイブ・ジャンプ・リフト等の行為は危険かつ他のお客様への迷惑となりますので一切禁止させていただきます。
    このような行為が見られた場合はステージを一時中断、もしくは中止させていただく場合がございます。
  • ペット同伴でのご来場はお断りしております。(介護犬は除く)
  • 主催者側での駐車場のご用意はしておりません。公共交通機関をご利用いただきますようお願い致します。
  • 凶器・危険物(他、主催者が判断した物含む)の持ち込みは固く禁止しております。
  • 会場内・外で発生した事故、盗難等は主催者・会場・出演者は一切責任を負いません。
  • 当日はメディアの取材が入る場合があります。カメラに映り込む可能性がありますので、予めご了承の上ご来場ください。