
“好みに作れる”だけじゃない! <CUSTOM TAILOR BEAMS>クオリティの秘密
“好みに作れる”だけじゃない! <CUSTOM TAILOR BEAMS>クオリティの秘密

今、オーダースーツの人気がかつてないほど高まりを見せています。これからの時代こそ、自分の好みや体型、ライフスタイルに合った“いいスーツ”を長く着たい。そんなマインドが広く浸透しつつあるためです。
ビームスのオーダーメイドサービス<CUSTOM TAILOR BEAMS>は、生地やディテール、シルエットを非常に幅広いレンジでカスタマイズ可能。しかし、本当のこだわりは別のところにあります。それは、ビームスがものづくりの根幹に据える“クオリティ”の追求。いくら好みの生地を選び、体型補正を細かく施しても、スーツそのものの仕立てが上質でなければ、決して“いいスーツ”にはならないからです。そこで今回はまず、ビームスがこだわる“上質な仕立て”の秘密を解説。一見ごく普通に見えて、実は語り尽くせないほどのこだわりが凝縮されているのです。

“いいスーツ”にはさまざまなファクターがありますが、究極的には、「着心地がいいこと」「体型を美しく見せること」の2点に集約されます。そのために最も大切なことは、外から見えない内側にこそコストと手間を惜しまないこと。スーツの骨格は、襟や身頃の内部に仕込まれた芯地によって形作られます。ここに手を抜いてしまうと、いくら高級な生地を使ってもどこか平面的で高級感のない仕上がりになってしまいますし、着心地も窮屈に感じます。なかでも重要なのは上襟の部分。ビームスのスーツでは、ここの芯地としてアイリッシュリネンを採用しています。サヴィル・ロウのビスポークテーラーやイタリアの超一流ブランドも用いる素材で、アイロンの熱を加えることで立体的に成形することができるため、首にぴったりと沿った上襟を作ることができるのです。

上襟が首にぴったり沿うと、ジャケットの重量が首と肩で分散される形になり、着心地が軽く感じます。また、上襟とショルダーラインがなだらかに繋がり、山のような美しい線を描きます。これによって肩周りが非常にエレガントに見え、スーツ全体の印象も大きく変わってくるのです。イタリアのビスポークテーラーたちの間でも、「上襟こそジャケット最大の要所」と断言する人が少なくありません。
ちなみに、いい芯地を使ってもそれをアイロンで少しずつ曲げて立体的な襟を作るには想像以上の技術と手間を必要とします。ビームスではアイロンワークにも一切妥協せず、長い時間をかけて上襟を成形し、手縫いで身頃に縫い付けています。
加えて、肩とアームホールの設計にも秘密が。日本人は肩が前方へカーブした「前肩」と呼ばれる体型が多いため、ジャケットの肩も弓なりにカーブさせて着心地と美観を高めています。アームホールは「そら豆型」と呼ばれる横長の楕円形に設計。これによって肩の前方に余裕ができるため、腕を動かしたときも窮屈さを感じにくいのです。

また、上襟と並んで要所となるのが胸回り。日本人は一般的に胸が平板で、スーツを着たとき上半身がのっぺりと見えてしまう体型といわれます。これを補うのが胸周りの芯地。素材によってさまざまなグレードがありますが、ビームスでは最高級のものを採用しています。ちなみに写真に写っている束は馬の尻尾の毛。ハリコシと弾力性に優れるため、胸の立体感を演出するのに最適といわれています。この素材が胸部分の芯地にふんだんに用いられています。

ボタンひとつにまで抜かりはありません。安価なプラスチックではなく、水牛のツノやヤシの実から作った天然素材の高級ボタンを惜しみなく採用しています。

もちろん、パンツにも徹底的にこだわりにぬいています。ヒップが薄く、O脚が多い日本人の脚をスマートに見せるために最適なパターンを研究し、アイロンワークによって立体的に仕立てることで、立ったときも座ったときも美しい佇まいを演出します。
このように、長年の試行錯誤を経て蓄積したノウハウを凝縮したのがビームスのオーダーメイドスーツやオリジナルスーツ。実は、今も少しずつアップデートを重ねています。お客様とじかに接するスタッフが改善点を指摘し、それをディレクター陣が慎重に検証・反映しています。現在進行形で進化し、最高の“いいスーツ”を叶えるために決して妥協しないのがビームス・マインドなのです。
Order Process

まず、出来上がりのイメージに沿った生地をお選びいただきます。スーツで約800種類、ジャケットで約400種類の生地を取り揃えていますので、あまりの多さに迷ってしまうかもしれません。その際は、ぜひスタッフにご相談ください。“こんなシーンで着たい”“こんなコーディネートがしたい”など、ご要望をお伝えいただければ、最適な生地をご提案させていただきます。

生地の見本帳となるバンチブックの一部。イギリスやイタリアを中心に、世界の一流ファブリックメーカーの生地を幅広くラインナップしています。

生地が決まったら、裏地やボタンなどディテールを決めていきます。こういった細かなところまで自分仕様にカスタマイズできるのがオーダーの醍醐味です。
また、ここでスーツのデザインもご要望をお伺いします。シングル、ダブルはもちろん、チェンジポケットやパンツのプリーツ仕様などもお選びいただけます。

お客様の体型にぴったりと沿ったスーツを作るために、採寸も入念に行います。反身(上半身が沿っている体型)、屈身(猫背)、鳩胸、O脚などさまざまな体型に対応し、最適な補正を行なっていきます。

オーダーシートをご覧いただくと、非常に細かなところまでカスタマイズできるのがわかるはず。体型補正に加え、ラペル幅を調整したり、パンツの股上や裾幅を変更するなど、デザインにかかわるディテールも自在にアレンジすることが可能です。
オーダーが済むと、約4~5週間で仕立て上がり。5年、10年と愛用できる、あなただけの一着が完成します。