NAKAMURA’S NOTEBOOK
今季のトレンドはぜんぶココに集約 中村達也的、春の10個の太鼓判
"MR_BEAMS"とは、ファッションをきちんと理解しながらも、
自分の価値観で服を選べる
"スタイルをもった人"のこと。
と同時に、決して独りよがりではなく、
周りのみんなからも「ステキですね」と思われる、
そのスタイルに"ポジティブなマインドがこもった人"のこと。
今回立ち上げたオウンドメディア#MR_BEAMSには、
私たちビームスが考える理想の大人の男性像と、
そんな理想の彼が着ているであろうステキな服、
そしてMR_BEAMSになるために必要な
洋服にまつわるポジティブな情報がギュッと詰め込まれています。
本メディアを通じて、服の魅力に触れていただいた皆様に、
ステキで明るい未来が訪れますように……。
NAKAMURA’S NOTEBOOK
ダイバーシティという言葉がそこかしこで叫ばれるいま、
ドレス&クラシックスタイルの世界にも、
さまざまな新しい流れが押し寄せています。
そんな数ある潮流の中で、
クリエイティブディレクター・中村達也が
一押しするキーワードの中から【トピックス編】をご紹介します。
「長らくトレンドとしてあがっていた素材が、従来とは違ったバリエーションの広がりを見せ、新鮮な着こなしが楽しめるのも2021年秋冬の傾向のひとつです。ジーンズから始まったデニムは、ラギッドさを抑えてクリーンかつモダンに。数年前のクラシック回帰より継続中のコーデュロイは、土臭くならないようにきれいめに。双方とも本来の雰囲気を残しつつ、いかにコーディネートでいまどきに見せるかが洒脱に
着こなす秘訣です」
いわゆる5ポケットのジーンズ以外も充実する、デニム素材のアイテム。ワンウォッシュ程度のクリーンな表情を選び、上品にまとめるのが鉄則です。
こちらも<フォロー>に完全別注した、デニム製のシングルライダーズ。装飾性を削ぎ落とし、8.5オンスの軽やかなデニムを用いることでモダンかつエレガントに着こなせます。
ヴィンテージのウエスタンシャツをもとに別注した一枚。適度なオンスのデニムでアメリカンな本格派の雰囲気ながら、シャープなレギュラーカラーなどで上品さも加味しました。
ツープリーツでゆとりのある腰回りからテーパードする人気のスラックス「エリック」に、別注のブラックデニムが登場。旬のモノトーンコーディネートに採り入れてみてください。
この秋冬、気分のコーデュロイ。英国カントリーが出自ゆえ、土臭い印象がありますが、エレガントなアイテムと合わせてきれいめに着こなすのが今季的。
名品に数えられる、英国ブリスベンモス社製のヘビーなコットンコーデュロイを用いたトラウザーズをツープリーツで別注。クラシックな雰囲気とボリューム感がいまの雰囲気です。
バランスを考慮し、<ラルディーニ>得意の軽快な仕立てのモデルに太畝のしっかりしたコットンコーデュロイを採用。シェイプも緩めでモダンに羽織れる一着に仕上がりました。
コットンジャージーのセットアップが人気の<チルコロ 1901>からも、コーデュロイ見えするモデルが登場しました。今季注目のライトグレーといい、上下単品でも大活躍必至。
「私は時代の流れを観測する際、サプライヤーからの提案に加え、ある程度のオピニオンたちが着ているか、そしてアイテムに広がりがあるかという3点を主な指標としています。その点、この秋冬にすべて合致しているのがヘリンボーンです。とくにツイードのバリエーションが多いですが、ニットなどもあり、ここ数年はモノトーンばかりでしたが色使いも幅広い。クラシックの代表的な柄ですが、どれも新鮮でモダンに楽しめるはずです」
弾力と耐久性に富むシェットランド産ウールで織り上げた、ヘリンボーン柄ツイード使用のビームスエクスクルーシブジャケット。ブラッシュをかけてさらにソフトな風合いにしています。
クラシックな表情からは想像できないほどの、抜群のストレッチ性能を備えた一枚仕立て。この秋冬の注目カラーであるライトグレーで、デイリーに旬を堪能できる一着です。
フライフィッシング用のショートブルゾン「スペイ」を英国マラリウス社のハリコシのあるヘリンボーン柄ウールで別注。ブラックコーデュロイの襟などで都会的に羽織れます。
「レザー自体はここ数シーズンで再注目されてきましたが、その主流は以前からブラックのライダーズでした。それに加え、今シーズンはスポーティなブルゾンから、久しぶりのテーラードジャケットやレザーパンツに至るまで、バリエーションが広がっています。黒や茶ばかりだった色も、鮮やかなブルーやレッドなどカラーレザーも一部で登場。いずれもハードではなく、ニットやウールパンツなどきれいめにミックスするのが、今季的です」
「ピーコートやドライビングブルゾン、ジージャン、シェットランドセーターなど、いつの時代も古臭さを感じないタイムレスなアイテムが、あらためて注目されています。これは斬新なものを気張って着るよりも、歴史に紐づいた根拠のあるもののほうが、安心感があってリラックスできるということなのでしょう。いわゆる定番品ばかりですが、シルエットやボリューム感、素材感などにより時代性が加味されているものを吟味するのが鉄則です」
着丈を長くしたピーコート
防寒用の大ぶりの襟や風向きにより変えられる前合わせ、ハンドウォーマーなど本格仕様はそのままに、長めの着丈で現代的に着こなせるピーコート。ニットパーカやブラックウォッチ柄スラックスで大人らしくまとめます。
シェットランドニットはシルエットをモダンに
80年代の<ビームスF>のシェットランドニットから着想した新作は素材感や色調、リブの太さを再現しつつ、程よいゆとりのモダンなシルエットに調整。バルカラーコートやリジッドデニムでクリーンに着るのが今季的。
袖口をカフ仕様にしたドライビングブルゾン
ボタンフロントに立ち襟のドライビングブルゾンは、大人の休日の定番。袖口をリブからカフに別注したモデルはシャツに合わせやすく、より幅広く着こなせます。色調を同系色に絞れば、上品かつモダンにまとまります。
CPOジャケットは袖丈や幅をモダナイズド
本場アメリカのアウター工場にて、肉厚なウールメルトンを用いて生産したCPOジャケット。短い袖や太いアームなどオリジナルの欠点が現代的に補正されています。軍パンとのミリタリー合わせも、同系色のニットでモダンに。
腕回りに修正を加えたジージャン
近年多くのブランドが提案するジージャン。<イカイ>の逸品はオーセンティックなデザインながらも、やや長めの着丈やすっきりした腕回りが現代の着こなしにマッチ。チェック柄コートのインナーに着るのが新鮮です。
「コーデュロイに並び、秋冬の定番素材であるツイードは、クラシック回帰という数年前の流れから登場して以来、長らくトレンドとして続いている素材です。ただし、以前はジャケットが主流でしたが、今季はオーバーサイズのコートやブルゾン、パンツまで多様なアイテムで登場。着こなしもカントリー調ではなく、どちらかというとモダンな雰囲気を心掛けるのが気分です。クラシックにとらわれずに、リラックスして楽しみたいですね」
シックな色使いが長らく続いてきたメンズファッションに、色が戻ってきたといわれる昨今。とくにこの秋冬は、ここ数年で全体的なトーンが最も明るくなったといえるほど。なかでも採り入れたいのが、ここで紹介する3色です
2年ほど続くドレススタイルにおけるモノトーンコーディネート。これまではコントラストのはっきりしたシリアスな印象でしたが、今季はミディアム~ライトグレーによる柔らかでリラックスした雰囲気が主流に。スーツに加え、他のアイテムにも広がっています。
大ぶりのグレンプレイドがインパクト抜群ですが、ライトグレーの淡い色調で上品な印象。元はダブルブレストだったモデルをシングルのスポルベリーノにアレンジした別注品です。
今季はドレスシャツにもライトグレーが登場。意外にもどんな色のスーツとも合わせやすく、見違えるようになります。クレリックやタブカラーなど、アクセントのあるものをご用意。
クラシックに不可欠なブルー。いままで秋冬はトーンが濃かったですが、今季は明るめで多彩なアイテムに用いられています。グリーンもシックな色調が主流でしたが、久々にライトグリーンが増えている。双方ともにニットなどで差し色に使うと今季的に映えます。
今秋冬は巻き物もブルーをチョイス。なめらかな肌触りと抜群の保温性に加え、発色もいいカシミア製で、コーディネートしやすい色調やパターンのものをラインナップしました。
新鮮な色調ながら明るすぎず着やすい、絶妙なブルーのラムレザーを用いたシングルライダーズ。新定番モデル「ユリ」をベースに、細部までこだわったスマートな別注品です。
グリーン基調のタイも今季は豊富にご用意。定番のストライプから旬のヴィンテージ柄までパターンも多彩ですが、シックな色調で合わせやすいゆえ、ぜひトライしてください。
NAKAMURA’S NOTEBOOK
今季のトレンドはぜんぶココに集約 中村達也的、春の10個の太鼓判
NAKAMURA’S NOTEBOOK
【後編】中村達也の2023-24秋冬トレンド解説 正しい装い、16のルール。
NAKAMURA’S NOTEBOOK
【前編】中村達也の2023-24秋冬トレンド解説 正しい装い、16のルール。