NAKAMURA’S NOTEBOOK
今季のトレンドはぜんぶココに集約 中村達也的、春の10個の太鼓判
"MR_BEAMS"とは、ファッションをきちんと理解しながらも、
自分の価値観で服を選べる
"スタイルをもった人"のこと。
と同時に、決して独りよがりではなく、
周りのみんなからも「ステキですね」と思われる、
そのスタイルに"ポジティブなマインドがこもった人"のこと。
今回立ち上げたオウンドメディア#MR_BEAMSには、
私たちビームスが考える理想の大人の男性像と、
そんな理想の彼が着ているであろうステキな服、
そしてMR_BEAMSになるために必要な
洋服にまつわるポジティブな情報がギュッと詰め込まれています。
本メディアを通じて、服の魅力に触れていただいた皆様に、
ステキで明るい未来が訪れますように……。
NAKAMURA’S NOTEBOOK
〝ファッションは時代を映す鏡〞と言われます。では、現代のファッションには果たしてどんな時代が映っているのか。クリエイティブ・ディレクター中村達也が見据えるのは、最新トレンドが体現する〝今〞という時代なのです。
「欧米では春夏のドレススタイルの定番であるコットン&リネンスーツですが、あらためて今季世界的に再注目されています。スーツをカジュアルに着こなすことが広まってきたなかで、コットン&リネンはタイドアップすればドレスに、またオープンカラーシャツからニット、Tシャツ、さらにサンダルやエスパドリーユまでと、合わせの自由度が高いのがポイントです。タイドアップするにしても、Vゾーンは明るい色柄でポジティブな雰囲気にするのが今季的ですね」
グレーがかったメランジ調のオリーブグリーンが合わせやすい、ピュアリネン素材を用いたセンツァインテルノモデルのスーツ。首元にグリーンと相性のいいオレンジのスカーフを差し色として加えると、バランスよくまとまります。
2パッチポケットと軽やかな仕立てでカジュアルダウンしやすい、ビームスのエクスクルーシブモデル「ファウスト」。ネイビーを基調にブラウンをミックスし、イタリアの洒落者たち伝統の色合わせ“アズーロ エ マローネ”が完成。
ソフトな肌ざわりの上質ピュアリネンで仕立てたダブルブレストスーツは、4つボタンでフロントを開けてもバランスよく着られます。発色がキレイなピンクのリネンジャージー製スキッパーポロを合わせ、明るく開放的な雰囲気に。
服本来の柔軟性を引き出す「ニューコンフォート」モデルに、E.ゼニア社のストレッチコットンカシミア生地「カシュコ」を融合した、無類の着心地が味わえる一着。春らしい色調をVゾーンに効かせれば、気持ちまで軽やかに。
「長らく春夏のトップスはニットやカットソーが主流でしたが、3年ほど前からバンドカラーやオープンカラーのシャツが注目され始めていました。近年はプリントやストライプなど色柄も増え、今季いよいよ本格的な流れに。どれもシルエットはゆるめで、着飾りつつもリラックスしたい思いが見て取れますが、シャツは腕まくりや襟出し、ニットの肩掛けなどこなしが大切。そんなひと手間を楽しみたいという、ファッションへのポジティブさもうかがえます」
天然染料と木版ブロックプリント製法を用い、味な草木模様を表現したプルオーバーボタンダウン。経年変化も楽しめます。
繊細な透け感のリネン生地を用いたオリジナルプルオーバーボタンダウン。淡いレモンイエローが爽やかな軽快感を演出。
〈ギ ローバー〉のバンドカラーは合わせやすいリネン素材のブルーもラインナップ。着丈と袖丈を調整した別注モデルです。
今季のリネンシャツは、一枚で着てもバランスがいいチェック柄も展開。ジャケットを羽織って襟を出してもバランスよくきまります。
「定番でもあるブレザーは、プレッピーというキーワードが継続するなかで長らく根強い人気をキープしてきました。それが今季からネイビー以外のカラーや素材のバリエーションが広がり、再び注目されるようになっています。メタルボタンならではの洒落感やスポーティさは、ボーダーカットソーやニットなど、軽やかなこなしにも合致。トラッドなテイストにとらわれず、品行方正さをあえてくずすのも面白い。正統派の変化球として楽しんでほしいですね」
「近年はリラックス感を求めるあまりテーラードジャケットを着ない人も増えましたが、その代わりの羽織り物として今季登場したのがチョアジャケットです。3パッチポケットのフレンチワークジャケットがベースとなっていますが、展開されている色柄は幅広く、着こなしもワークやヴィンテージテイストだけではなく、エレガントなキレイめが気分です。シャツにクリース入りのパンツなど、まさにテーラードジャケット感覚で上品なアイテムとコーディネートしたいですね」
ビームスエクスクルーシブモデルのシャツジャケットは、インディゴブルーのリネンに白蝶貝ボタンのクリーンな組み合わせ。ブランドが得意とするワンピースカラーの採用により、襟元が優美でエレガントな雰囲気になります
幅広いブランドが提案するチョアジャケットですが、今季は〈ラルディーニ〉からも登場。「ハロ」と名付けられたモデルはハリのあるリネン生地を用い、胸のフラップポケットやホーンボタンによる洒脱なアレンジが効いています。
「ウエストのドローコード付きのパンツが人気となってかれこれ5年ほど経ちますが、その勢いはまだ衰えず、定番化した観すらあります。ラインナップも幅広くなりましたが、今季はプリーツ入りでリラックス感のあるシルエットがお勧め。なかでも多くのブランドが提案しているストライプ柄のものは、リゾートテイストも醸し出せるので一本は揃えたいボトムスです。シャツやニットなどでリラックス感を意識したコーディネートが今シーズンのイメージです」
遠目からは無地に見えるネイビー×ホワイトの爽やかなハウンドトゥース柄の生地は、ソフトで清涼感もあるコットンリネン製。ワンプリーツのテーパードシルエットは、ジャケットはもちろんTシャツまで幅広くコーディネートできます。
コントラストの効いたネイビー×ホワイトのコットンオックスフォード生地が、都会的なインパクトを醸す一本。ワンプリーツのスマートなテーパードシルエットです。ウエストにエラスティックを施すことでリラックスした穿き心地に。
リラックスパンツの火付け役的な名作モデル「マサッチョ」をベースに、ゆとりのあるフィッティングに別注。ノープリーツをワンプリーツに変更し、よりエレガントな印象に。ベージュのストライプ生地はコットンリネン製でドライな穿き心地です。
「変化が緩やかなクラシックスーツを洒脱に着こなすうえで、重要なのはやはりVゾーンです。シャツとタイという限られたアイテムで新しさを演出するのは難しいですが、お洒落のポイントゆえ意識してほしい。なかでも今季のタイはキレイな色を使ったものが多く、ベースカラーに色を差したようなニュアンスカラーが多いのも特徴。柄は丸みのある曲線を用いたパターンが増えています。こうした絶妙な変化を巧みに捉えれば、手持ちのスーツも新鮮に見違えります」
「ジャケットを着ない人たちが増え、着こなしがシンプルになったここ数年。その代わりに浮上したのが2ポケットのオーバーシャツです。ミリタリーシャツが発祥のアイテムですが、いまではワークやサファリなどのテイストも増え、色柄や素材も豊富。カットソー一枚では心許ないけど、ジャケットを着るほどでもない。そんなときにリラックスして羽織ることができて、襟付きである安心感もある。合わせるアイテムも幅広く、一枚は持っておきたいアイテムです」
日本が世界に誇る高品質な人工スエードを用いたオーバーシャツは、サックスブルーの発色が絶妙。ややゆとりのあるシルエットと素材のストレッチ性により、とても快適な羽織り心地です。同素材のショーツもあり、丸洗い可能ゆえ旅に持参しても重宝するはず。
シャツ用スエードを最薄の0.4mmまで加工。さらに裏地を用いず一枚で縫い上げることで、羽織るように軽やかな着心地に仕上げた別注モデル。テーラードフィットを採用しているため、ジャケットのように立体的なシルエットが特徴です。
英国の老舗に別注したオーバーシャツは、日本人の体型に合わせてパターンを修正。北アイルランドのスペンス ブライソン社による厚みのある上質ピュアリネンを用いており、着込むたび柔らかくなり、体に馴染んで手放せなくなります。
ドレスシャツブランドも数多く提案するオーバーシャツ。ビームスエクスクルーシブモデルは、オーバーサイズとしなやかなレーヨンベースのテラコッタカラーファブリックにより、無類の着心地が堪能できます。
「軽やかさがリラックス感とともに求められるようになって久しいですが、その流れから採り入れられてきたのがレザーサンダルです。足の露出度が低いグルカサンダルはここ数年人気となっていますが、今季それはむしろ入門編。もっと軽やかなものにトライしてほしいですが、その際は安っぽくならないようクオリティの高いラグジュアリー感のあるものを選ぶのがポイントです。リゾートテイストを意識し、コットン&リネンスーツやリラックスパンツに合わせてください」
(上)ベストセラーのグルカサンダル「パシフィック」をベースに、高級感のあるシュリンクレザーを用いた別注モデル。ソールもグリップ力に富むラグソールに変更しており、歩きやすさも申し分なしです。まさに革靴感覚で採り入れられる一足です。
(左)メゾンのサンダルも手掛けるファクトリーブランド〈ペネロペ〉の一足は、ワイドなスエードストラップにリラックス感が漂います。レザーインソールにはクッションが施され、履き心地抜群です。ホワイトのコバステッチが軽快なアクセントに。
(右)アッパーは太めのレザーバンドと親指用レザーリングのみという、ミニマルでリラックス感満点なモデル。エレガントな薄めのソールにはしっかりとクッション性があり、サンダルながら疲れにくい履き心地。今季はビームスのみの取り扱いです。
「着丈の長いオーバーコートのトレンドが続き、その反動で3年程前に登場したショートブルゾン。春夏は軽さが求められるため、今季もアウターの主流となりました。ドライビングブルゾンなどはイタリアの洒落者が昔から着ていますが、近年MA-1やライダーズのトレンドを追い風に、再注目されました。今季はスタジャンやウインドブレイカーなどデザインも増え、素材のバリエーションも豊富。少し太めのスラックスなどとキレイめに合わせたいですね」
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今季のトレンドはぜんぶココに集約 中村達也的、春の10個の太鼓判
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【後編】中村達也の2023-24秋冬トレンド解説 正しい装い、16のルール。
NAKAMURA’S NOTEBOOK
【前編】中村達也の2023-24秋冬トレンド解説 正しい装い、16のルール。