NAKAMURA’S NOTEBOOK
この春は、軽やかな気分で。中村 達也のトレンド解説〜2025年春夏編〜
"MR_BEAMS"とは、ファッションをきちんと理解しながらも、
自分の価値観で服を選べる
"スタイルをもった人"のこと。
と同時に、決して独りよがりではなく、
周りのみんなからも「ステキですね」と思われる、
そのスタイルに"ポジティブなマインドがこもった人"のこと。
今回立ち上げたオウンドメディア#MR_BEAMSには、
私たちビームスが考える理想の大人の男性像と、
そんな理想の彼が着ているであろうステキな服、
そしてMR_BEAMSになるために必要な
洋服にまつわるポジティブな情報がギュッと詰め込まれています。
本メディアを通じて、服の魅力に触れていただいた皆様に、
ステキで明るい未来が訪れますように……。
NAKAMURA’S NOTEBOOK
〝ファッションは時代を映す鏡〞と言われます。では、現代のファッションには果たしてどんな時代が映っているのか。クリエイティブ・ディレクター中村達也が見据えるのは、最新トレンドが体現する〝今〞という時代なのです。
「流れとしてはブレザーと同じプレッピーに属するマドラスチェックですが、ずっと続いていた鮮やかな配色だけでなく、今季は色調が濃いダークマドラスがバリエーションに加わっています。本来アイビーやプレッピーなど若いイメージのマドラスも、落ち着いたトーンになると大人の雰囲気になり、着こなしやすいのが魅力。私がファッションに目覚めた1970年代のアイビーブーム当時ダークマドラスは大定番でしたが、今季は色調を絞ってシックにこなすのが正解です」
落ち着いた雰囲気の配色に加え、リネンのナチュラルな素材感も相まって着やすい、ブラウンベースのマドラスチェック柄ジャケット。リゾート的な着こなしよりもあえてブラックのポロシャツを合わせ、都会的にこなすのが新鮮かつ今季的。
明るすぎないブルーとブラウンの配色が絶妙なマドラスチェックのオープンカラーシャツは、一枚でもさまになる存在感が魅力です。リネン製でこなれた表情もあり、エコスエードのショーツやサンダルで抜け感を演出するのが正解。
ホワイトとブラウンで構成された、シックなコットンマドラスチェックが新鮮。今季注目のチョアジャケットタイプで、ジャケット代わりにTシャツやニットに羽織るのが気分です。上品な色調でデニムと合わせてもカジュアルすぎません。
「明るく鮮やかな色使いは、クラシックドレスに限らずモードやカジュアルでも今季大きなトレンドになっています。ただし、どの色がトレンドというよりも、カラフルな色を身につけることで、服をポジティブに着ているという雰囲気を醸し出すこと自体が今季的ということ。装い全面にではなくても、一点差すだけで今シーズンらしい雰囲気になります。またブルーなら緑がかったブルーというように、同じ色でも今シーズンらしい色調を吟味するのが、洒脱に見せる秘訣です」
「素材のトレンドとしては長く継続中のデニムですが、今季は新しい動きがありました。これまではキレイめのリジッドデニムがクラシックスタイルでは主流でしたが、色落ちしたものや最初から薄く染めたもの、また厳密にはデニムではないですがシャンブレーなどのアイテムが増え、再び注目されています。デニムながら軽く見えるこれらは、一点で今シーズンらしいリラックス感や軽快感が演出できる便利なアイテムばかりゆえ、ぜひ採り入れてください」
名作バルカラーコート「ダンケルド」のショートレングスモデルをベースに、軽快感のあるライトインディゴカラーで別注。フロントも比翼からボタンスルーへ変更しており、リラックスした雰囲気で羽織れる一着に仕上がりました。
ナポリらしい軽やかな仕立てのモデル「ポジリポ」の新作は、デニムより軽いシャンブレー素材採用により、高温多湿な日本の夏場も快適に着こなせます。淡いインディゴブルーに映える、ホワイトのホーンボタンの組み合わせも絶妙です。
100年以上前の農民が着ていたリネンシャツをベースに、アウターとして着こなせるようにアレンジした「ガーデナーエプロンシャツ」。ソフトでコシのあるコットンリネンデニムで別注しており、シャツやニットにさらりと羽織れるのが魅力です。
グルカショーツのようなロングベルトとウエストのフラップポケットがクラシックなアクセントになった2プリーツのデニムスラックス。デニムらしいこなれたカジュアル感とスラックスの大人らしさを併せもち、ジーンズが苦手な人にもお勧め。
旧式織機で丹念に織ったオリジナルの14ozセルヴィッヂデニムを使用した、オーセンティックなストレートシルエットのジーンズ。今季はリアルなユーズド加工が施されたモデルをピックアップしました。激しすぎない加工のさじ加減が絶妙です。
100年近い歴史を継ぐナポリの老舗工場が展開するファクトリーブランド〈ガボ〉。随所にハンドワークを駆使した軽快な着心地のアンコンスーツを、ウールリネンのシャンブレーで別注。パターンから起こしたビームスエクスクルーシブモデルです。
「夏の定番素材として毎年必ず登場するシアサッカーは、いわば冬におけるコーデュロイのような存在です。なかでも2023年春夏はこれまでになくバリエーションの幅が広く、アイテムはもちろん色柄の種類もとても豊富。それだけ素材としての注目度が高いということの証明でしょう。ビームスでも定番のスーツやジャケット、パンツに加え、シャツやブルゾンまで幅広く取り揃えているので、ぜひ夏のワードローブに加えてください」
これまでにない色柄のシアサッカーも増えている今季。涼し気なネイビーの同系色チェックもそのひとつです。ストレッチシアサッカーのカジュアルな表情に加え、仕立ても軽やかゆえ、ポロシャツやTシャツなどのインナーとも抜群の相性です。
シアサッカーの素材感はそのままに、フレンチヴィンテージに見られるメランジ調の表情を融合したオリジナルコットンシアサッカーを使用。ベーシックなスウィングトップですが、現代的に着こなせるようゆったりめにアレンジされています。
高級シャツ生地ブランドとして名高い、イタリアはアルビニ社のネイビーシャドーストライプシアサッカーを用いたプルオーバーシャツ。ゆったりめのリラックスしたシルエットに加え、台襟が一枚になったオープンカラーは、イタリアの夏の定番です。
ウエストのグルカショーツ風ロングベルトがアクセントになった人気モデルは、シアサッカーバージョンもあり。スタンダードなネイビーストライプのシアサッカーとウエストの仕様が相まって、オーセンティックな雰囲気に仕上がっています。
今季ぜひトライしていただきたいシアサッカースーツ。軽やかな仕立てが素材感とマッチした「ポジリポ」モデルのスーツは、これまで見られなかったグリーンストライプのコットンシアサッカーが新鮮です。目立ちすぎず、さりげなく差別化できます。
定番の色柄とは一味違った、シックなダークブラウンのコットンシアサッカーはドライタッチで非常に軽快な着心地。アンコン仕立ての「イージー」モデルのジャケットと、ドローコードとサイドシャーリングウエストで快適なパンツの組み合わせです。
「大人の基本色のひとつであるベージュ・ブラウン系は、テラコッタやサンドなど色調を変化させながら、ここ数年、毎年提案されています。その今季版がアーストーンです。これはコットンやリネンのナチュラルな素材感がトレンドであることと連動しており、それらをイメージさせる色調がアーストーンということ。色使いの今季トレンドはカラフルにポジティブさを表現するのが主流ですが、アーストーンは唯一色を使わず同系色でシックにまとめるのが気分です」
濃度や色調の異なるアーストーンアイテムでまとめるのが、アーストーンを今季的に着こなすポイントです。バンドカラーのシャツブルゾンは0.4mm厚に加工した、柔軟かつ軽量の極薄スエード使用。シンプルに仕上げた別注モデルです。
1970~80年代のブッシュジャケットがベースの完全別注モデル。5つのポケットを装備したデザインはそのままに、シルエットを現代的にアレンジ。撥水性に優れたポリエステルコットンを用いた、大人のサファリジャケットです。
プリーツのワイドシルエットが今季らしいリラックス感を醸し出す、ビームスのエクスクルーシブモデル「サーシャ」。アーストーンの生地はやや厚みのあるポリエステル製で、ホップサックのようなナチュラルな表情です。
ハリがあって落ち感が美しい、アーストーンのウールリネン生地で仕立てたシングルスーツ。ナチュラルな色調と素材感が醸すリゾートテイストのリラックス感がとても今季的であり、オン・オフ双方で活躍すること間違いなしです。
「久々にリバイバルしたパイルは、日本ではあまり馴染みがないですが、ヨーロッパではリゾートウェアの大定番素材。リラックスしたリゾートテイストの演出には最適であり、ジャケットからカーディガン、カットソーまで、これまでになく幅広いアイテムが揃います。吸湿性に富む柔軟な肌触りが気持ち良く、まさに外出するための服の象徴です。着たことがない方も多いと思うので、ぜひ一度袖を通し、その抜群の心地よさを野外で実感していただきたいですね」
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この春は、軽やかな気分で。中村 達也のトレンド解説〜2025年春夏編〜
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中村達也が考える 2024-25年秋冬の10の真実 Nakamura’s Notebook
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今季のトレンドはぜんぶココに集約 中村達也的、春の10個の太鼓判