My 5 Stylings | 名物スタッフによる"普通の5日間"
Vol.04 Mr.Ryota Kaji
"MR_BEAMS"とは、ファッションをきちんと理解しながらも、
自分の価値観で服を選べる
"スタイルをもった人"のこと。
と同時に、決して独りよがりではなく、
周りのみんなからも「ステキですね」と思われる、
そのスタイルに"ポジティブなマインドがこもった人"のこと。
今回立ち上げたオウンドメディア#MR_BEAMSには、
私たちビームスが考える理想の大人の男性像と、
そんな理想の彼が着ているであろうステキな服、
そしてMR_BEAMSになるために必要な
洋服にまつわるポジティブな情報がギュッと詰め込まれています。
本メディアを通じて、服の魅力に触れていただいた皆様に、
ステキで明るい未来が訪れますように……。
My 5 Stylings | 名物スタッフによる"普通の5日間"
『MR_BEAMS』の制作を手掛け、プレスとしてのアクティブな業務に日々勤しむ中で愉しむ装いがある。第5回目となる今回、満を持して登場するのはプレスの芹沢良輔です。豊富な知識量と持ち前のセンスをベースに、バイヤーの経験を活かした着こなしは、振り幅の広さ、造詣の深さともにビームスの同世代の中でも随一。そのオーセンティックで奥行きのあるこなれた装いは、若くして多方からの注目を集めています。そんな芹沢のリアルな”普通の5日間”にフィーチャー。
「数あるクラシックなアイテムの中でもスーツは特別。バイヤーからプレスに異動してきてはや一年、モノからPRへと仕事内容は変わりましたが、この心持ちは全く変わりません。私が勤務しているオフィスでは店舗と違いデスクワークが中心。なので、スーツを着ているスタッフはあまり見かけることはなく、どちらかというと私は少数派。もちろん、動きやすく過ごしやすい格好は他にもたくさんあるけれど、やっぱりスーツに袖を通すと身が引き締まるし、何より落ち着くんです。仕事ができるような気さえしてきます。(笑)週に一度は着るようにしていて、最近ではタイドアップ以外にも洒落や遊びを入れたドレスダウンもよくします。気分に合わせて着方を工夫できるのも完成された衣服であるスーツならではの愉しみ方だと思います。まだ肌寒さの残る朝で始まったこの日は、ブラウンのウールモヘア生地を用いた〈ビームスF〉ハンドメイドラインを。きれいな発色とモヘアならではのハリ、光沢感が気に入っていてよく袖を通します。Vゾーンは淡いクリームカラーのシャツにグリーンベースのペイズリータイ。ブラウンとのマッチングは少し野暮ったく映るかもしれませんが、個人的には好きな配色です。足もともポイントで、〈ジョージ クレバリー〉のダミーレースサイドエラスティックシューズを合わせました。これはバイヤー時代、ロンドンへ出張に行った際に現地で購入した一足。その後実際に弊社でも展開することとなった思い入れのあるドレスシューズです」
「まだ日が昇る前の明け方から始まることが多いカタログの撮影業務。冬はとてつもなく寒く、夏はとにかく暑い。その中でモデルが着用するコーディネートの準備や着方の調整、カットの選定など多方に動き回るので、気温に合わせた装いはもちろん、機動力も求められます。となると必然的にカジュアルな装いに。古着が好きで、特にアメリカンな匂いのするアイテムには目がない私にとって、〈ラルフ ローレン〉のチノは最も身近なアイテムのひとつです。様々な年代、カラーのものを所有していますが、この日はネイビーをチョイス。シャンブレーのバンドカラーシャツにダンスシューズの爽やかな配色でまとめました。また、朝昼で気温差のあるロケ現場では、ニットやカットソーなどの体温調整できるアイテムが不可欠。装いのアクセントにもなるので、その日の装いに合うものを取り入れたりします。全力で一瞬に向かう撮影の合間には、仲間やスタッフの方々と談笑を交えてひと休憩。洋服のこと、仕事のこと、プライベートのこと。いろいろな話題で盛り上がります。このメリハリの濃い時間も撮影の醍醐味ですね」
「プレスの仕事のひとつであるリース。雑誌やWEB、TVなど様々な媒体に合わせスタイリストの方々に自社の洋服を貸し出す業務です。その媒体の特性に合わせて提案したり、着る人をイメージしてコーディネートをご紹介したり。これは接客と通じる部分がありますね。そしてこのリースがスケジュールに入っている日は、できるだけスーツやジャケットを着るようにしています。クラシックなアイテムを扱う私にとって、最も説得力のある装いだと思っているからです。店舗スタッフもそうだと思いますが、接する方々に自分が身をもって自社のアイテム、世界観をPRすることは、洋服屋として大切なことです。ブルーグレーのニュアンス感ある絶妙な色出しが特徴的な〈ポール・スチュアート〉のスーツは、ウールコットンの素材感も相まって非常に柔らかな空気感を纏う一着。この日はセッテピエゲのタイでさらに柔らかさをプラスしたスタイリングにしました。スーツ、シャツ、タイと基本的なアイテム同士も、その素材感やディテール次第で無数の見せ方ができる。そんな懐の深さもスーツの好きなところ。いつの時代も色褪せない所以でもあると思います。貸し出しのアイテムが詰まった重たいバッグを運んだ後は、行きつけのイタリアンに。スーツとランチ。このバランス感も、なんだか良いですよね」
「実際の商品と色がずれていないか、ブランド、プライスの表記は間違っていないか。文字や色合い、レイアウトなど、掲載媒体の校閲、校正を行うのもプレスの仕事です。この日はまさに『MR_BEAMS』の校正真っ只中。総ページ数は100を超え、掲載アイテム量も凄まじい本誌は、最も校正が過酷なもののひとつと言っても過言ではないと思います。(笑)集中して真剣な表情になりがちなので、ブレザーにチノパンという定番の合わせにスリーピングシャツで少しリラックスした雰囲気をプラスしました。さらに裾を出すことで柔らかい抜け感も表現しています。ブレザー、チノパン、ブラックウォッチ、カヌーモックというアメリカン要素の強いマッチングには、足もとをあえてブラックでまとめ現代的なムードに。慣れ親しんだスタイルもディテールで気分や全体のバランスを変えており、同じ合わせをすることはほとんどありません。そうして『やっと終わった』と思いきや、ディレクター陣からのチェックで膨大な量の赤字が。『ここまでやるか!』というほど、こだわりにこだわり尽くすのがビームス流。まだまだ終わりそうにない一日です」
「久しぶりに何も予定のない休日。『そういえば』と、サイズ感が気になっていたアイテムのことをふと思い出し、コインランドリーへ。洗濯もしますが、敢えて生地に負荷をかけ味を出したり、サイズを縮めたりすることが多いですね。コインランドリー特有の、あのなんともいえない雰囲気も好きなんです。自宅では溜まっていた靴たちのメンテナンスを。テラスで適当に音楽やラジオを聴きながら、ゆっくりと時間をかけるリラックスしたひとときです。そうしてひと通り身の回りのことを終えると、体を動かします。ボルダリングやキックボクシングが趣味でよく行くのですが、ついでに散歩もするので古着をベースとした動きやすい格好がメイン。この日はミリタリーパンツにカバーオール、バンドカラーシャツと、かなりラギッドな装いです。それでもシルクストールやレザーアイテムで大人っぽい質感は残し、だらしなく見えないように。見える面積の少ない小物こそ、全体の印象を決める最大の要素だと思っています。洗濯物を入れたり着替えを詰め込んだりと、かなり愛用している〈エル・エル・ビーン〉のトートバッグは、大きめのサイズがお気に入り。それほど物を入れない日でも、このバランス感が良くてついつい持ち出してしまいますね。締めは大好きなサウナで。明日からも気持ち良く仕事に入れるように整えます」
プレス
芹沢 良輔 Ryousuke Serizawa
プレス
芹沢 良輔 Ryousuke Serizawa
1992年静岡県御殿場市生まれ。学生時代にビームス アウトレット 御殿場にアルバイトとして勤務。2015年に新卒として〈ビームス〉に入社し、ビームス ジャパン(現ビームスF 新宿)に配属され、そこで初めてドレスクロージングの世界に。3年の販売員経験を経て、2018年より〈ビームスF〉 バイヤーに就任し、商品のバイイング、オリジナルの企画生産に携わる。2021年よりプレスとの兼務となり、その後プレス専任に。趣味はサウナ、コーヒー、サーフィン、スノーボード、ボルダリング、キックボクシングと多岐に渡る。重厚感あるスーツやジャケットの着こなしを得意とする一方で、フットワークの軽さには自信がある。
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