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About Us

ビームスが思う理想の男性像

"MR_BEAMS"とは、ファッションをきちんと理解しながらも、
自分の価値観で服を選べる
"スタイルをもった人"のこと。
と同時に、決して独りよがりではなく、
周りのみんなからも「ステキですね」と思われる、
そのスタイルに"ポジティブなマインドがこもった人"のこと。

今回立ち上げたオウンドメディア#MR_BEAMSには、
私たちビームスが考える理想の大人の男性像と、
そんな理想の彼が着ているであろうステキな服、
そしてMR_BEAMSになるために必要な
洋服にまつわるポジティブな情報がギュッと詰め込まれています。

本メディアを通じて、服の魅力に触れていただいた皆様に、
ステキで明るい未来が訪れますように……。

2025年秋冬 西口修平が選ぶ マスターピース 11 -自分らしい 着こなしの見つけ方-

2025_26 AUTUMN WINTER VOL.12

2025年秋冬 西口修平が選ぶ マスターピース 11 -自分らしい 着こなしの見つけ方-

ビームスのドレスクロージングレーベル〈ビームスF〉ディレクターとしての手腕はもちろん、プライベートの装いにも高い支持を得る西口 修平。
彼の装いが魅力的なのは、服を熟知しているからでも、最新トレンドを採り入れているからでもありません。
何より自分を知り、自分らしいスタイルを心得ているからこそ、その装いは自分のものとして、洒脱に映るのです。

01. BEAMS F の「ハンドライン ソラーロスーツ」

「リングヂャケット社で仕立てるハンドラインのスーツは、随所にハンドワークを駆使することで、抜群の着心地と美しさを味わえるのが特徴です。新作はフィレンツェモデルに英国ウィリアムハルステッド社のソラーロを採用しました。グリーンがかったカーキに赤みのある玉虫状の光沢を帯びた正統派のソラーロです。夏のイメージが強いですが、ウェイトもしっかりあり、日本の秋めいた気候に最も合う生地として提案したいですね。シックになりがちな秋こそ、華やかさのあるスーツにトライし、ワードローブに奥行きを持たせてみてはいかがでしょうか。」

「イタリアらしいスーツに、ダブルカフスのシャツやペイズリータイといった英国的なスタイリングでまとめ、ミックス感を出してみました。また、ブルー系のワントーンでまとめた控えめなVゾーンは、華やかさのあるソラーロのスーツにはちょうどいいでしょう。」

02. BERNARD ZINS の「フランネルトラウザーズ」

「フランス屈指のパンツ専業ブランドである〈ベルナール ザンス〉は、数多くのブランドやショップのパンツも手掛けてきました。なかでも名店と称されたパリのセレクトショップがかつてつくらせていたパンツを、ビームスが復刻させたのが『H7』モデルの別注トラウザーズです。ゆとりのある2プリーツのウエストから、真っ直ぐに落ちるシルエットがとてもエレガントです。カシミヤタッチの柔軟なフランネルは落ち感があり、シルエットを一層引き立てます。洗練されたラインの美しさは、やはりパンツ専業ブランドならではのノウハウがあってこそといえるでしょう。」

「非常に柔軟かつとろみのある素材感のパンツに、あえて正反対のハードでラギッドなフライトジャケットを合わせた、ハズしの利いたコーディネート。インナーはヴィンテージTシャツ、足元はウエスタンブーツと、トラウザーズ以外は徹底してハードなアイテムで揃えました。」
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03. EASTMOND APPAREL の「キルティングジャケット」

「秋口から春先まで活躍するキルティングジャケットは、ワードローブに備えておきたいアイテムのひとつ。イギリスの〈イーストモンド アパレル〉に完全別注したモデルは、フランスのヴィンテージジャケットをベースにゆったりとしたシルエットを採用。襟や袖口も共地になっており、都会的に着こなせるのも魅力です。また、このブランドは可能な限り英国製の資材を使うというこだわりをもってり、モールスキンの表地やコットンの裏地は英国ブリスベン モス社製。ホーンボタンも英国製のものを用いた、まさにピュアブリティッシュなつくりですが、英国調になりすぎない雰囲気で幅広く着こなせます。」

「オリーブカラーのフレンチジャケットとワイドパンツに羽織ったラギッドなコーディネートも、全体の色使いをオリーブとブラックの2色に絞れば土臭くならず、モダンな印象にまとまります。自然豊かな郊外のシーンにはもちろん、都会にもマッチするスタイルといえるでしょう。」

04. BEAMS F の「ベルテッドバルカラーコート」

「英国のヴィンテージコートをベースに、現代的にアレンジした新型のバルカラーコートです。高密度コットンギャバジンは程良い光沢があり、アクセントになるタータンチェック柄の裏地もポイント。ウールのデタッチャブルライニング付きなので3シーズンに対応します。適度にゆったりとしたシルエットや、ヴィンテージのディテールである小振りの襟も特徴です。また、独特の色調であるオフホワイトとネイビーをご用意しており、英国ベースですが、パリっぽい雰囲気で着られるのも魅力でしょう。オン・オフ双方で都会的に着こなせるのもポイントですね。」

「ネイビーブレザーに色落ちしたヴィンテージジーンズ、プリントTシャツを合わせて古き良きパリジャンのスタイルを意識したコーディネート。足元はバーガンディのローファーを合わせました。小振りの襟は立ててもキザになりすぎないので、アクセントの演出にも重宝するはずです。」
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05. PEREGRINE の「メランジニット」

「色の異なる複数の糸で編んだ、いわゆるメランジ調のニットが注目されています。表情に深みがあり、アウターとして着てもさまになるのが特徴です。なかでも〈ペレグリン〉のアランセーターは、ソルト&ペッパーと呼ばれるホワイトとブラックの配色であり、立体的なアラン編みと相まって、抜群の存在感。シンプルな着こなしでも装いがきまるニットです。上質なブリティッシュウールを用いており、着込むたび体に馴染んでくるのも魅力。きっと手放せないワードローブとなるでしょう。また、ゆとりがありすぎない洗練されたシルエットにより、アウターを羽織ってもすっきりと収まります。」

「ソルト&ペッパーのニットに合わせ、白シャツとブラックデニムを合わせたモノトーンスタイル。シャツの襟とカフスをのぞかせ、こなれた雰囲気を演出しています。ボリュームのあるニットと、腰まわりがすっきりとしたフレアパンツのバランスも私の今の気分です。」

06. NEW & LINGWOOD の「ウェイファーラージャケット」

「立ててスタンドカラーにしても、また寝かしてラペルにしても着られる襟が特徴である、ウェイファーラージャケットと呼ばれる英国の伝統的なアウトドアジャケット。なかなかお目にかかれないビッグタータン柄のウール生地は〈ニュー&リングウッド〉がコート用としてムーン社に織らせていたものであり、今回はぜひこのジャケットに使いたいと別注しました。今季らしいブラウン基調の配色も気分です。また通常のテーラードジャケットに比べて着丈がやや長めに設定されているのも特徴となっています。時代を超越したクラシックな表情に仕上がった、長年愛用できるジャケットです。」

「ホワイトのややルーズなタートルネックにVネックニットをレイヤード。ボトムスにブラウンホームスパンのワイドパンツを合わせ、フランスのカントリージェントルマンを意識しました。かなり英国調の強い服だからこそ、あえてフレンチに振った合わせも面白いでしょう。」

07. R.C.A.F の「ショートサイドゴアブーツ」

「ハリウッドスターのようにエレガントに履くこともできますが、フレアジーンズに男らしく合わせるのが僕の気分。ジャケットはダブルブレストのネイビーブレザーを合わせました。もちろんスラックス系のパンツにもコーディネートできる、幅広く合わせられるレザーシューズです。」
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08. PELLETIERの「コンビネーションバッグ」

「ネイビーブレザーにデニムといったベーシックなスタイルに、さらりと肩掛けするのが今どきです。スポーティなカジュアルスタイルにも合わせやすいなど、リラックスした休日用のバッグとして重宝するはず。レザー使いで高級感がありながら、軽やかに持てるのもいいんです。」
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09. CINQUANTAの「フレンチジャケット」

「フランスの伝統的なワークウェアをベースとする〈チンクワンタ〉のフレンチジャケット。きめの細かい上質なスエード製で、フレンチが薫るチャコールグレーをカラー別注しました。いわゆるパリのリヴ・ゴーシュ(左岸)スタイルをイメージしており、端正なスタンドカラーで無駄のないミニマルなデザインです。また両玉縁のポケットなど、テーラリングテイストの味付けを利かせているので、タイドアップもさまになると思います。フレンチジャケットはオーバーサイズのものが多いですが、ジャストに収まる肩幅など、大人らしくきちんと着こなせるつくりになっているのもポイントですね。」

「ベージュのポプリンシャツに、パープルの利いたスカーフで差し色をプラス。ボトムスはキャバルリーツイルを用いたフレアスラックスを合わせ、モノトーンでフレンチテイストを演出しました。70年代のパリジャンなら、このジャケットをこう着たのではないかと想像した着こなしです。」

10. BEAMS Fの「ハンドライン ハウンドトゥースジャケット」

「モノトーンの配色が一般的なハウンドトゥースですが、この英国フォックスブラザーズ社のものはグレーとオフホワイトで構成されています。かっちりしがちなハウンドトゥースが苦手な方にも、柔らかい雰囲気で着られるのでおすすめです。モノトーンと印象が大きく違うわけではありませんが、絶妙なニュアンスの差を楽しめるジャケットと言えるでしょう。かっちりしないのでカジュアルダウンもしやすく、デニムなどとも合わせやすいはずです。また、ハンドラインのフィレンツェモデルなので、着心地に関しても申し分ありません。普遍的な色柄なので古びることもなく、末永く愛用できるでしょう。」

「古き良きパリをイメージし、ブラックのニットとホワイトデニムを合わせたモノトーンコーディネート。ジャケットの柔らかいニュアンスが、インナーとパンツのハイコントラストをバランスよく中和してくれます。ポケットチーフは白ではなく、ダークカラーで引き締めました。」

11. LORENZONIの「ハーフジップニットポロ」

「2025年秋冬の重要キーワードであるレイヤードスタイルに欠かせない、すっきりとしたハーフジップタイプのニットを製作しました。ボタン留めだと印象が硬くなりがちですが、ジップ仕様にすることでレイヤードしやすくなります。〈ロレンツォーニ〉に完全別注したこのニットは、味のある引き手とYKKの高性能ジップ「エクセラ®」を採用しており、開閉もスムーズです。レトロな雰囲気のポロカラータイプは、ジャケットからブルゾンまで幅広いスタイルに合わせられます。今シーズンのキーカラーである深みのあるパープルは、落ち着いた大人の雰囲気を演出。秋から春にかけて長く活躍するでしょう。」

「ブラックのコットンオフタートルをインナーに合わせたレイヤードスタイル。コットンカットソーとウールニットという、厚みも素材感も異なるアイテムを重ねることで、奥行きのある表情を演出しました。ウールパンツと手に持ったレザーブルゾンは、ダークブラウンでシックに。」

自分らしさって ナンですか?

僕は親がファッション関係だったとかではなく、親の影響というのはファッションに関してはないんですね。ただ、ファッションに目覚めた中学、高校くらいのときから、流行っているものはダサいと決めつけ、みんなが流行に沸いているのを横目で見るような、天邪鬼な側面がありました。そういうヒネたマイノリティって、どこにでも一定数いるじゃないですか。俺たちはみんなとは違う、みたいな。

そういった天邪鬼な性格はファッション業界に入ってからも変わらず、今も基本的には変わっていません。僕が携わるクラシックスタイルには、ルールのような決まり事がたくさんありますよね。“昔からこう着てきたものだから、こう着るべき”というように。ですが、歴史は塗り替えられていくべきだし、ファッションはアップデートしていくべきという思いが、僕には常にあります。過去にNGだったから今もNGというのではなく、着たいなら今はOKという新しいルールをつくればいい、と思ってしまう。そういった天邪鬼な性格は、今も変わらず僕のアイデンティティなのです。

だから、装いにおいても素直に着ないというか、自分なりに新しく見える、新鮮で面白いと感じるようなスタイルを実践してきました。自分自身で独自にアップデートできるような、まさに天邪鬼的な着こなしです。今47歳ですが、そういった他人とは違うスタイルを装いたいというモチベーションは、若い頃から変わっていません。流行りものに手を出さず、またクラシックな服をセオリー通りに着るのでもない。常に冒険心をもって面白く、自分らしく着る。それが僕らしいスタイルだと思いますね。

そしてビームスのお客様にも、自分らしいスタイルを見つけていただきたいと思っています。そうすれば流行に踊らされることもなくなり、ファッションがもっと楽しくなるはずですから。そんな自分らしいスタイルを見出すためには、まず自分自身の外見を理解することが大切です。どんな服が似合い、どんな服が似合わないのか。それらを把握することで、服の方から寄り添ってきてくれるのです。そして外見と同じくらい、自分の内面も理解することが必要です。どんな服を着ると心地いい気分となれるのか。それに気付くことで、ファッションへの充足感が格段に高まるでしょう。いずれにしろ大切なのは、“何を着るかよりも、どう着るか”だと、僕は思っています。そしてその先にこそ、自分らしいスタイルがあると思うのです。

2025年秋冬シーズンは、ここ数年ずっと気分であった、いわゆる“ミックススタイル”に変化を感じます。国別のスタイルやジャンルを問わず、自由に組み合わせるスタイルですが、近年ボーダーレス化やグローバル化が一層進んだことで、もはやミックスするのが当たり前となっていると感じるのです。つまり、ハズしとしてミックス感を出すのではなく、多様な服がフラットに、自然に溶け合っている。そんな新しい感覚のミックススタイルが僕の気分であり、それを今季の〈ビームスF〉でも感じ取っていただければ幸いです。

Photo / Satoshi Kuronuma [aosora]
Styling / Shuhei Nishiguchi [BEAMS]
Text / Yasuhiro Takeishi [City Writes]
Special Thanks / Issei Inada

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