出会えた好きを大切に。

    INTERVIEW

    #2
    好きなことが軸にあれば、回り道も味方になってくれる。

    INTERVIEW

    #2
    AYANO TAYAMA田山綾乃
    SIDE A:
    経理
    SIDE B:
    ネイリスト

    経理の魅力は、企業を俯瞰する視点。
    誰かをサポートする喜びは、ネイリストも同じ。

    経理とネイリストのお仕事、どちらを先に始めたのですか?
    経理の仕事です。もともとは美術系の大学に行きたかったのですが、親に反対されて…文系の四年制大学へ進学しました。就職活動の頃、自分自身がアーティストになることは諦めていたのですが、アーティストを支えていく仕事に就きたいと思ったんです。例えば、確定申告などお金周りのことや、契約まわりのサポートとか。それで簿記の勉強をはじめながら、就職活動を進めていきました。
    経理の仕事の面白さ、自分との相性の良さは?
    人や企業を支えることができるところでしょうか。経理の仕事は、表に出て目立つポジションではないですけど、お金の流れや、大切な企業情報に触れられ、会社全体を俯瞰して見られるのが魅力ですね。今いる会社は、ここ数年で急成長しているので、社員数や、給与に関することなど、色々変化が激しいんです。だから経理職以外にも労務や法務の仕事も触れられることができるようなポジションです。
    ネイルとは、どんな出会い方だったのですか?
    新卒で入社した会計事務所で働いている頃、友人のネイルがすごくかわいくて、サロンを紹介してもらったんです。そうしたらハマってしまって。プロになる気はなかったけど、ネイルのスクールに通って、ネイリストの資格を2級までをとりました。
    ネイリストになりたいと思ったのはいつ頃?
    出産を経て退社したのち、リクルートスタッフィングに派遣登録して、金融やエネルギー関連の企業で経理職として働いた頃です。すごく働きやすい環境で、ずっと続けてもいいかなと思っていたんですけど。
    当時はまだ自信がなかったので、とにかく場数を多く踏んで自信をつけようと、同僚のネイルをやらせてもらったり、出張ネイリストというスタイルで、コワーキングスペースなどでもやっていました。

    自分自身が欲しかった子連れOKのネイルサロン。創業のきっかけは、夫のひと言。

    ネイルをお仕事として始めるスイッチになった言葉はありますか?
    夫の一言ですね。夫には家でネイルの実技試験のモデルをやってもらっていて。まぁ練習台ですね(笑)。2時間、集中しっぱなしで作業を続ける姿を見て「こんな細かい作業、普通の人だったら苦痛なのに、それを楽しいなんて、本当に向いているんじゃないの?」って。
    ご自宅でサロンをやろうと思ったのは?
    私も子育てが大変だったので、子供連れママが来やすいネイルサロンをやりたいと思ったんです。子育て中、まだしゃべれない子供といる期間って、自分の話をする機会がないんです。だから何気ない話をする時間って、かなりリフレッシュになるかなって。
    お子さん連れのお客さんが、「ネイルきれいにするなんて3年ぶり〜」とか言ってくれて。仕上がりを見て、すごく晴れやかな表情を見た時、「ああ、やってよかった!」と。
    ご自身をアートの方向へ導いた、きっかけや体験は?
    小学生の頃、友達の手に絵やキャラクターを描いてあげていたんです。それを友達がすごく喜んでくれて。それが原体験かもしれないですね。(笑)
    もし一週間に8日間あったら、1日を何に使いますか?
    1日増えたら、ネイルですね。自分の爪で練習をしたり、新しいデザインにチャレンジする時間にしたい。デザインの素材もジェルも、新しいものがどんどん出てきますし。
    経理とネイリストの共通点は?
    どちらの仕事の時も人を支えたい、応援したいっていう気持ちは、一緒かも。
    経理などバックオフィスの仕事は会社を元気にするために大切なポジションだし。
    ネイリストの立場も似ていて。私は、ネイルって誰かに見せるためというよりは、ご自分のためにネイルしてほしい。ネイルをした後の手を見て、毎日の活力にしてもらえたら嬉しいです。
    過去の自分にアドバイスをするなら?
    十代の頃、親の反対を押し切って美大に行ってもよかったかな、とも思うんですけど。今となれば、企業内で経理や労務の仕事を経験できたのは、すごくプラスだと思います。契約書のやりとりなどに触れる機会も持てましたしね。そうやって視野が広がっていったから、ネイルを趣味ではなく、事業としてやろうと思えたのかもしれません。
    自分の“好き”の軸があれば、紆余曲折があったり、回り道をしてもいいと思います。
    sideAとsideB、どちらも本気で好きだけど、自信がないという方にアドバイスを。
    やりたいことはあるけど自信がないって、実は正常な認識だなと思っていて、自分を客観的に見ている視点だと思うので、すごく大切だと思います。
    好きなことが二つあったとしても、どちらもあきらめず、やめないことが大事。長く続けていれば、社内の仲間やお客様とも信頼が積み重ねって、自信になっていくと思います。
    AYANO TAYAMA田山綾乃
    SIDE A:
    経理
    SIDE B:
    ネイリスト

    さまざまな企業の経理を担当し、バックオフィスでの知見を養いながら、スクールでネイリストの資格を取得。出張ネイリストとして技術を磨いたのち、子供連れでも通えるネイルサロンを自宅にオープン。休日はネイリストとして活躍。自身も未就学児の母。
    JNECネイリスト技能検定1級。

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