FEATURE

2025.05.19

好きを突き詰めたら
自然と「つづく」に繋がる
そんな日々を大切にしたい

地球に、人に、動物に優しいことを、と言われるとなんだか壮大で難しそうだし、建前だけじゃ続かない。
でも、ワクワクを諦めたくない私たちにだってほんの少し視点の切り替えをするだけでできる何かはきっとあるはず。
そんな“つづく”のリアルなヒントをBEAMSスタッフの日常から切り取る連載企画。
今回登場するのはビームスの大阪オフィスと「ビームス ハウス 梅田」でそれぞれ働く、大内夫妻。
大好きな服を長く着る、が定着した大人夫婦が目を向けるネクストステージの日常を覗いてみました。

「コロナの時期頃から、インテリアやライフスタイルへの興味が増すようになり、関連するSNSを以前よりもよく見るようになりました。良いな、と思ったら積極的に真似しています。例えば手作りの衣類洗剤。5年ほど前から、月に2回ほどマルセイユ石鹸をこうして削って溶かし、重曹や水を混ぜて作っています。夫の方が几帳面なので色々アドバイスをもらいながら一緒に作業するのですが、そんな何気ない時間が楽しいし、何より自分たちで作ったものだと思うと愛着が湧くのがとてもいいですね。香りがキツいと感じる洗剤の多い中、好きな香りの精油を混ぜられることも家族全員気に入っています。そんなお気に入りのものが、使用後の洗浄水も自然分解されて排水も環境への影響が少ないと思うとなんだか嬉しくなります」(あい子さん)

 

衣類洗剤はお気に入りの精油を入れたものを。生分解性が高く環境に配慮されていることで知られる〈Frosch®(フロッシュ)〉を愛用中。

シャツ/International Gallery BEAMS
トップス/ERDEM
ワンピース/VIVIANO

 

「そういえば今年になって始めたコンポストも、実際に取り入れている人のYouTubeを観たのがきっかけですね。コロナの時期から育て始めた家の庭の夏野菜やハーブの肥料にしたくて、キッチン脇のドアから出てすぐの場所にコンポストを設置し、生ゴミを入れています。

家の階段の壁に飾っている3枚の写真も、僕の好きなミュージシャンがInstagramのストーリーズにあげていたことから知ったもの。コロナのピークで医療従事者たちが不眠不休で大変だった時期、写真を購入するとNYの「エルムハースト病院」へ寄付できるというものでした。初めてチャリティに参画したこともあり、とても大切な我が家の宝物です。

こうして考えてみると、偶然SNSで観たものに興味を持って真似してみたらそれが地球や環境に良いことと繋がっていた、ということがここ数年増えてきた気がします。我が家の「つづく」とSNSは切っても切れない関係なのかもしれません」(祐さん)

「妻が健康のために腸活を、と1年前から朝に甘酒の入ったミックスジュースを飲むようになったのですが、僕も怖々飲んでみたら意外と美味しくて。風邪をひきにくくなったし、お互いポジティブな性格になって、遅く帰っても怒られなくなったんです(笑)。妻曰く、腸内の菌が脳の細胞に良い信号を送るとか。これもある意味、人に優しい活動のひとつかもしれません(笑)」(祐さん) 大内家の今のブームは小松菜とバナナと甘酒を混ぜたもの。根や皮はコンポストへ。

シャツ/PHINGERIN
デニムパンツ/Levis®(used)
トップス/オールインワン

 

左上:4,5年ほど前、神戸で初めて〈Vermeerist BEAMS(フェルメリスト ビームス)〉オリジナルアイテムオーダー会をしたときにあい子さんが注文したネイビーコート。ミタケボタンやチラリとのぞくドット柄のインナーもお気に入り。合わせた〈LAUNER LONDON(ロウナーロンドン)〉のバッグもオーダーしたもの。

右上:3年ほど前にビームスのビスポークにて祐さんがオーダーした〈SARTORIA DALCUORE(サルトリア ダルクオーレ) 〉。手元に渡るまでに1年かかるその時間もオーダーの醍醐味。

左下:〈Vermeerist BEAMS〉オリジナルアイテムのオーダースワッチの一部。様々な生地から好みのものを選ぶ時間からアイテムとの思い出が始まる。

右下:オーダーシャツで余った生地を祐さんが手縫いして愛猫、定春(さだはる)のおもちゃに。

「2人とも洋服が大好きなことはずっと変わらないのですが、好きなものはある程度集まったので以前よりを購入する数は減りました。その代わり、新調する際には気心知れた信頼できる知り合いや友人のところへ行ったり、オーダーしたりすることが増えて、アイテムひとつひとつに対する想いが更に強くなったと思います。オーダーした服はもちろん、これまで集めてきた服や古着などどれも大切にしていて、夫婦共有のクローゼットでお互いの服を自由にシェアしています。」(あい子さん)

今回はそんな2人のシェアアイテムコーディネートを見せていただきました。

 

No.1

【共有アイテム】祐さんの〈SARTORIA DALCUORE(サルトリア ダルクオーレ) 〉のジャケット

トップス/Les Vacnces d’Irina
つけ襟/DEAD KENEDY’S CLOTHING
スカート/Kinloch Anderson
シューズ/ROCHAS

シャツ/Brilla per il gusto
パンツ/Levis®(used)
ネクタイ/ASCOT
ベルト/used
シューズ/J.M. WESTON

 

No.2

【共有アイテム】祐さんの〈 FANNI LEMMERMAYER(ファニ レマメイヤー)〉のカーディガン

トップス/Vermeerist BEAMS
スカート/Melitta Baumeister
シューズ/HIROSHI TUBOUCHI

トップス/U.S.ARMY(used)
パンツ/TAILORGARMENTS
眼鏡/SPEAK EASY(French vintage )
シューズ/ALDEN

 

No.3

【共有アイテム】あい子さんの〈 BELLA FREUD(ベラフロイド) 〉のTシャツ

スカート/VILSHENKO
ワンピース/Martin Grant
シューズ/MANOLO BLAHNIK

スーツ/GIVENCHY
スカート/LE KILT
シューズ/Crockett&Jones

 

 

これからの私の”つづく”

腸活を始めてから、麹や発酵にも興味を持つようになりました。味噌作りなど、自分の手でじっくりゆっくり時間をかけて健康や美容に繋がるようなことに挑戦してみたいです。

 

 

Ouchi’s recommendation list

Essential Store
Instagram: @essential_store
サイレントオークションという販売方法も革新的。モノの価値とは何か。本質的な問いかけをされているようで、自分自身の“消費”の視点や在り方を考えさせられます。

SOUP clozzet
Instagram: @soupclozzet
いつ博物館に収蔵されてもおかしくないフレンチミッドセンチュリーの“本物”のヴィンテージ家具を販売されています。

花次郎
HP: https://hanajiro.co.jp

スターフラワー
HP: https://starflower1993.com
自宅に季節を感じられるお花を飾ることが大好きです。ロスフラワーの削減にも繋がっていたら嬉しいです。

 

Photo:Seitarou Imura
Direction:Takako Shirasawa

PROFILE

  • Tasuku Ouchi 大内祐ディストリビューター / ヴィジュアルマーチャンダイザー

    広島出身。ビームス入社後、メンズドレスレーベル配属となり、販売員として丸の内や原宿などの都内店舗に約10年勤務。その後、拠点を関西に移しショップマネージャーを経て、現在は、ディストリビューターとヴィジュアルマーチャンダイザーを兼任。店舗への商品配置とディスプレイの2刀流で尽力中。我が家は好きなものがみんなバラバラ!そんな家族の”大切な物”を使って家の中をレイアウトするのも醍醐味です。最近は愛猫「定春」との時間が一番の愉しみ。

  • Aiko Ouchi 大内あい子ビームス ハウス 梅田

    奈良出身。同志社女子大学を卒業後、2009年入社。ウィメンズドレス店舗勤務。「ビームス ハウス 丸の内」「ビームス ハウス 六本木」「デミルクス ビームス 銀座 (閉)」など都内で10年程経験したのち息子の就学のタイミングで関西へ転勤、至現在。お洋服のことを考えない日はないほどお洋服に恋をしています。外にも、音楽や映画、インテリア、アート、お花など「美しいもの」が大好きで頭の中は想像のパズルでいっぱいです♩