1976

ゲームの中に、
BEAMSの「遊び場」を。
なんで今、BEAMSがRoblox?

PRODUCT

text: Ryo Sudo(Jeep Creative Department)

ビームスが新しく挑戦したのは、ショップでもイベントでもなく、世界中の子どもたちが集まる巨大プラットフォーム「Roblox」の中に、ビームスらしいゲームをつくるプロジェクト。タイトルは『STEAL THE CLOTHES』。ちょっと物騒な名前だけど、そこで体験できるのは、服を探し、街を歩き、友達と一緒に盛り上がるという、実際の買い物の楽しさにも似た時間。目指したのは、まず一緒に遊んでもらって、「あれ、このゲームなんか面白い!」と思ってもらうこと。今回覗き見るのは、この新たな遊び場をプロデュースした宣伝部・松井のハナシ。

– で、まずはこのゲーム、何をするの?

タイトルは『STEAL THE CLOTHES』です。直訳すると「服を盗め!」なので、なかなか攻めた名前なんですが(笑)、僕らとしては「服を集めるゲーム」という感覚です。Robloxの中につくった街に、約140種類のアイテムが隠されていて、それをディグるように探していく。レアなものを見つける楽しさもあるし、図鑑をコンプリートするやり込み要素もあります。面白いのは、服を取った瞬間にマネキンが追いかけてくるところですね(笑)。とにかく逃げて、捕まったらタップバトル。それに勝つと、自分のベースに持ち帰って飾ることができます。本当に楽しんでほしいのは、「友達と一緒に遊ぶ時間そのもの」なんです。例えば、「あっちにレアなアイテムあったよ」と教え合ったり、先に見つけてちょっと自慢したり。勝ち負けより、その街を誰かと一緒にうろうろすること自体がワクワクする、そういう場所にしたかったんです。

「勝ち負け」より、仲間と一緒にディグるのがサイコー。

– そもそも、なんでRoblox?

ビームスは今年50周年を迎えましたが、まだビームスを知らない人ってたくさんいます。特に小・中学生くらいの世代にとって、ファッションブランドってまだ少し遠い存在かもしれないですよね? じゃあ、どうやって知ってもらうか。そこで僕らは「彼らって普段どこで遊んでいるんだろう」と考えました。そのひとつがRobloxだったんです。Robloxって、僕は”ゲーム版のYouTube”みたいな場所だと思っています。プロも個人もゲームを作って公開できて、ユーザーが自由に遊びに行く。だから、そこでビームスがただ広告を発信したってたぶんあまり面白くない。むしろビームスが考える「遊び場」を作って、「よかったら遊びに来ない?」と言う方が自然だなと。知ってもらうより前に、まず一緒に遊んでもらう。そこから始めたかったんです。

– 「服を売るゲーム」にはしなかったんですね。そこがビームスっぽい。

そこは最初から決めていましたね。ビームスって、服だけを売る会社じゃないと思っているから。例えばお店を歩きながら何か新たな発見をしたり、スタッフと何気ない話をしたり、友達と「これいいね!」って盛り上がったり。「服に出会うまでの時間」にだって、ちゃんとワクワクがある。古着屋で掘り出し物を探す感じに近いかも。目的のアイテムだけを買いに行くんじゃなくて、あちこち寄り道しているうちに、思いがけないものに出会う。あのワクワクをゲームに翻訳したら、「探す」「集める」「友達と盛り上がる」という形になったって感じですね。ゲームをクリアすることより、その街でダラダラ過ごす時間が面白い。ビームスらしさって、もしかしたらそんな感じなのかも(笑)。

– あのRobloxの世界で、ちゃんとビームスに見せるのって大変そう。

RobloxにはRobloxらしいカクカクしたビジュアルがあります。その感じはちゃんと活かしたい。でも、ビームスとして出す以上、「なんとなくゲームっぽいですね」では終われない。特に、ビームスを初めて知る人にとっては、このゲームが最初の印象になるかもしれないので、表現はかなり気をつけました。服のグラフィックも、ビームスのサイトに載っているスタイリングをたくさん共有して、めちゃくちゃ細部まで追求しています。「服のたるみが違う」とか、「タックの入り方はこう」とか、たぶん誰も気づかないようなところまで(笑)。でも、絶対誰も見ていないところにこだわるのがビームス流(笑)。

ゲームの中でも、たるみが大事(笑)。

– 街の奥にお城まである!(笑)。

はい。街に入った瞬間に、ちょっと気分が上がることがなにより大事(笑)。某テーマパークでは、アーケードを抜けた先にでっかいお城が見えた時ってめちゃくちゃワクワクするじゃないですか。あの「あそこまで行ってみたい!」という感覚を作りたかった。もちろん実際のビームスのショップをモチーフにした建物もありますし、50周年のキックオフムービーに登場した「火星にもしビームスがあったら」というお店を再現したエリアもある。現実のビームスと、ゲームだからこそできる架空のビームス。その両方を表現したかったんです。

– 松井さん、ゲーム好きが、仕事に?

そう、本格派のゲーマーです(笑)。子どもの頃は友達と遊ぶゲームに夢中でした。母親には「ゲームばっかり!」とよく叱られていたんですが、今回の企画を話したら「無駄やと思ってたけど、ちゃんと仕事に役立ったね」って褒められました(笑)。僕が好きだったのは、ゲームの勝ち負けよりも、放課後に「今日どこ集合?」って友達と集まって、ワイワイ遊ぶ時間。ゲームそのものよりも、友達と遊びたいからゲームをしている感覚かも。

– 公開は、ゴールじゃなくてはじまり?

Robloxはもともとユーザーの声を聞きながらアップデートして育てていくカルチャーがあるんです。今回も最初の3ヶ月くらいは、制作パートナーと一緒にかなり細かく更新していく予定です。ゲーム内では、ビームスのイメージキャラクターであるラビオンが街に出現して、レアアイテムが手に入る仕組みもありますし、今後はラビオンが大量発生するゲリライベントや、超巨大ラビオンが登場するような企画も考え中(笑)。あとはリアル店舗との連動も予定しています。画面の中だけで完結するのではなく、リアルの場所ともつながっていく。そこが面白いところだと思っています。

ラビオン大量発生!!

– リアルのお店とゲームの街。これからどうつながっていくんでしょう?

デジタルがリアルに置き換わるとは思わないです。ショップに行く楽しさや、スタッフと話す楽しさ、実際に服を手に取る体験は、これからもビームスにとって大切なもの。ただ、その「体験の入口」はもっともっと増えていい。技術やプラットフォームはどんどん変わっていくと思うけれど、「人が何かを好きになる瞬間」って、時代が変化したってそんなに変わらない気がしています。だからビームスは、その時代ごとの新しい場所に飛び込みながら、人と、その人が好きになるかもしれないカルチャーをつなぐ役割を続けていけたらいいなと思っています。

– 10年後、ビームスの遊び場って、どうなってる?

僕、ビームスってヒーローマンガみたいだなと思うことがあるんです。最初はひとりだけだったけど、仲間がどんどん増えて、それぞれが自分の強みを持ってみんなで成長していく。ビームスにとって「ファッション」は主人公。でも、その周辺に音楽があって、アートがあって、スポーツがあって、今回みたいなゲームがあったり。主人公の周りに、個性的なキャラクターがどんどん増えていく。ファッションは大切な軸だけれど、ビームスを知らないお客さまに、ファッション以外の入口から、ビームスらしい体験をお届けすることはいくらでもできるような気がします。そんなビームスらしい「遊び場」をどんどん増やしていきたいですね。

Sneak Peek Notes.

これは、ビームス がゲームを作った話ではなく、自分たち自身がみんなと遊べる「遊び場」を増やした話です。50年前、原宿という街に小さな店をつくった時も、きっと同じだったのだと思います。洋服を売ることよりも、「なんだか面白そうな場所がある」と思ってもらいたい。今回は、その場所がRobloxの中でした。友達と集まって遊んだり、レアな服を探したり、「あっちへ行ってみようよ」と寄り道したり。その時間そのものが楽しいからこそ、結果としてビームスと出会う。そんな順番です。つまり、まず好きになってもらい、そのあとであれこれ知ってもらえればいい。遊び場の形は時代によって変わりますが、「人が集まる遊び場をつくる」というビームスのスタイルは、50年前からずっと変わっていないのかもしれません。

INFORMATION

ビームス、Roblox で初のオリジナルゲームを公開!

2026 年 7 月 31 日、世界最⼤級のゲームプラットフォーム「Roblox」にて、初となるオリジナルゲーム『マネキンから 服を集めろ!』(STEAL THE CLOTHES)が公開された。プレイヤーは広大なワールドを探索しながらファッションア イテムを集め、自分だけのスタイルを完成させていく。ビームス らしい遊び心を散りばめた世界観の中で、「見つける」 「集める」「組み合わせる」というファッションの楽しさをゲーム体験として表現。50 周年を迎えた ビームス が、ゲー ムを通じて次世代との新たな接点を創出し、ブランドとの新しい出会い方を提案するプロジェクト。

 

Title:STEAL THE CLOTHES!  

公開⽇時:2026 年 7 ⽉ 31 ⽇(⾦)11:00  

対応端末:PC、iOS、Android、PlayStation、Xbox、Meta Quest ほか(Roblox 対応端末)

プレイ料⾦:基本無料(ゲーム内課⾦あり)

PROFILE

松井 崇洋

2019年入社。店舗スタッフを経て2023年にビームスの企業PRを担う部署に。外遊びからポップカルチャーやVR領域などビームスの多様な取り組みのPRを担当。エンタメ好きのミーハーならではの、ALL HAPPYな施策を提案します。

...Sneak

「ルーツ」も「いま」も「あした」のことも。
知れば知るほど、⾯⽩い。
少し未来の「ビームス」のハナシ、
覗き⾒します。