
OSAJI
Vol.2
空間で感じるOSAJI
-ensoの体験で整う-
Featuring

enso
(エンソウ)
鎌倉・小町通りの路地裏にある、芸者の置屋だった古民家をリノベーション。OSAJI初となるレストランを中心に、30種類以上のシングルエッセンシャルオイルの調香に特化した「kako-a scent-」や、OSAJIのセレクトアイテム他、「enso」オリジナルのグロサリーがそろうショップも併設。”食”や”香り”の体験を通し、心身の”調律”を行い、日常生活に心地良い循環を生み出すことを目指した複合型ショップ。
【enso 公式サイト】
https://www.enso-osaji.net

01. 心を整える
kako -a scentで調香体験!
30種類以上のエッセンシャルオイルから心地良いと感じる香りを選び、調香していくことで自分の本質的な感覚に“気づく”約90分(+アイテム製作時間30分)の体験。調香した香りは、エッセンシャルオイルやホームフレグランスとして持ち帰ることができます。香りのレシピはシリアルナンバー付きで保管されるので、同じ香りのアイテムをお店やオンラインショップでリピートすることも可能です。
STEP1
4つのグループから好みの香りを選ぶ
香りは、素材によって持続時間や感じられる印象が異なります。まずは直感で香りを選べるよう、オイルの種類や効能はブラインドで好みの香りを選択していきます。作りたい香りの印象や生活シーンを想像しながら選ぶのがおすすめ。

香りは4つのグループの中から気になる香りのナンバーを選びます。

香りを選ぶ時は、直感派と慎重派とタイプの違いが出るようです。



STEP2
選んだ香りの比率を調合
ワイングラスに1滴ずつ調合しながら、お気に入りの比率を見つけていきます。ブレンドによってそれぞれのオイルがもつ香りの特徴が変化。1滴入れるのと、2滴入れるのとでも印象が大きく変わります。自分の直感と想像力を頼りに、理想の香りを楽しく作っていきます。

1つの香りに対して5滴までは調合できます。理科の実験をするように香りを確かめながら調合していきます。

1滴1滴調合するたびに香りのバランスは全く違う香りになります。

STEP3
比率が決まったらオーダーシートに記入
調香したオイルの種類と何滴垂らしたかをオーダーシートに記入。「ブレンドエッセンシャルオイル」か「ルームフレグランススプレー」、あるいは両方を選ぶと、30分ほどで製作してくれるのでその日のうちに持ち帰ることができます。

調合は3回までチャレンジができ、2人はそれぞれ2回調合しました。

今回2人が選んだプランはオイル+ルームフレグランスのセットプラン。



02. 身体を整える
ensoの食事で身体を整える
数々のレストランで経験を積んだ藤井匠シェフによる料理は、モダンフレンチをベースに、自家製の発酵食品や和の要素を入れ、彩りと香りを丁寧に引き出した“身体と風土に調和する”料理。自然のリズムや香りを凝縮した一皿を通して、ニュートラルな状態を取り戻す、そんな食体験が待っています。

発酵の文字が並ぶメニュー。ドリンク選びからワクワクします。
食材は、鎌倉のものを中心に、手の届く範囲のものを使用。季節のランチコースの他、カフェタイムでは自家製ドリンクや軽食をいただけます。ランチコースと土日・祝日の夜に楽しめるコース料理は、約1ヶ月半で少しずつ内容がアップデート。手に入る季節の野菜の顔ぶれを見ながら、まずは前菜、次の週にはメインディッシュが変わるというように、季節の移り変わりとともにグラデーションで入れ替わっていきます。





ensoでの食体験を通して、伝えたいことは?
(藤井)エンソウには楽器を演奏するという意味も含まれています。楽器は音がずれてきたら調律していきますが、ゲストにも食事やお店のしつらえ、接客などを通して心身の調律をしていただきたいと思っています。また、香りも料理のテーマのひとつです。香りを感じる部分が脳に近いこともあって、人は味を感じるより香りを感じるほうが早い。記憶にも残りやすいので、香りが立つような料理というのを意識しています。
自家製の発酵の料理が多いのもそのためですか?
(藤井)発酵ならではの奥深い香りは料理の特徴にもなっています。発酵によって食材に含まれるたんぱく質が分解されるとアミノ酸になり、旨味がぐんと上がった状態になります。今はイカや鶏肉、じゃがいもで作った味噌などいろいろなものを発酵させていて、瓶が置ききれないんですよね……。発酵食品は微生物によってすでに分解されているので、香りや栄養が高まるだけでなく胃への負担が少ないという副次的なメリットもあります。身体を整えてくれるものなので、料理のひとつの技術として取り入れています。

現在藤井さんがensoで発酵しているのは約50種類。チャーミングな瓶のイラストは、藤井さんによるもの。

見た目からは想像もできない香りにドキドキ。旨味が凝縮された香り……。

茂田さんは、藤井さんの料理に対してどんな印象を持っていますか?
(茂田)僕は藤井くんの料理が”おいしい”と思っています。これはすごく大事なことで、料理は「面白い」と言われた時点で終わりなんです。おいしくなかったら藤井くんと一緒に仕事することはなかったし、みんなが藤井くんの料理をおいしいと言ってくれているので本当に良かったと思います。最近は発酵などの技法や、ローカルガストロノミーといった考え方がありますが、コンセプトだけがどんどん先走りして結局おいしいのかどうか分からなくなってしまうこともあるので、やっぱりおいしいかどうかはすごく大切です。

OSAJIで働くスタッフは、茂田さんに共感して集まってくるんですか?
(茂田)コンセプトに共感するというより、OSAJIの目指すクリエイティブの方向性が予定調和でないことを面白いと思ってくる人が集まってくれていると思います。例えば、料理なら藤井くんなりの解釈と僕がもつOSAJIを組み合わせる作業でコンセプトができあがっています。だから僕は藤井くんが何をやっているか知らないですからね。オープン前は相当入念にすり合わせしましたが、レストランは彼らのお店なので僕は口を出さない。藤井くんはいろいろなものを発酵させているけど、この店でいちばん発酵したのは藤井くんだと思いますよ(笑)。藤井くんが料理を作る作業もお匙だし、kako -a scentの調香もお匙。スタッフ一人ひとりがゲストのお匙であろうということがOSAJIの想いです。

茂田さんと藤井さんの信頼関係がとても素敵でした。



香りのオーダーリストに合わせてオリジナルの香りがシリアルナンバー入りで完成!

完成した香りをお互いに確認し合うのも楽しいですね。
Impressions
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美容に対する新しい視点に気づくことができました!
茂田さんがおっしゃっていた美容の定義は私たちも考えるところで、何を美とするかは難しいと思っていました。年をとることに対してもポジティブなワードが少ないと感じていたのですが、侘びさびという言葉を聞いたときにすごく美しいと思えました。本当に大事なことに気づけましたし、改めて大事にすることを発見できた良い体験と良い出会いだったと感じています。私も心と身体を整えていきたいと心にしみました。ありがとうございます。
PROFILE山梨県出身。2005年ビームス入社。ショップスタッフ/マネージャー、SVを経て、2020年より現職プレス。ビームスのパーソナルブックシリーズ「Meguro's SIMPLE STYLE MEMO(I AM BEAMS)」が好評発売中。
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茂田さんのOSAJIに対する想いに心を動かされました!
茂田さんの中で常に人を起点にものごとを動かしていらっしゃるんだなと思いました。人のためにだったり、人から得たものだったりを経て、今ここにいらっしゃる。お話をうかがって、私も人が大好きでこの会社に入ったことをふと思い出しました。見失っちゃうこともありますが、何度でも立ち返っていこうと改めて思いました。また調律しに来たいです。ありがとうございました。
PROFILE2010年にビームスに入社。ショップスタッフ、バイヤーを経て昨年よりB:MING by BEAMSのウィメンズディレクターを担当。最近は彫金にはまっています。
「健やかで美しい⽪膚を保つためのライフスタイルをデザインする」をコンセプトに、メイドインジャパンにこだわったトータルビューティブランドOSAJI(オサジ)。bb部員にもファンの多いブランドで、2022年には、神奈川県鎌倉市に地元野菜を中心としたレストランやエッセンシャルオイルの調香ができるお店を併設する複合型ショップ「enso(エンソウ)」をオープンしました。今回は、ensoにお邪魔して、ブランドディレクターの茂田正和さんにOSAJIの立ち上げから現在、これからのことをうかがいました。レストランでの食事と調香体験もレポートします!