
Kazuko Hayasaka Vol.2
「美しさ」は自分の中の心象風景
Featuring

早坂香須子
(メイクアップアーティスト Make-up Artist)
看護師として大学病院に勤務後、メイクアップアーティストに転身。数々の雑誌や広告等で、女優、モデルのメイクアップを担当する。アロマや植物療法にも精通し、インナービューティの情報発信やオーガニックプロダクトのコンサルタントなど活躍は多岐にわたる。AMPP認定メディカルフィトテラピスト。オーガニックコスメブランド「NEROLILA Botanica」ブランドディレクター。

「これは手放せない!」という、ビューティガジェットは? (森田)
GMコーポレーションの「デンキバリブラシ」は欠かせないですね。頭皮のケアっていうのもすごく大切で、このデンキバリブラシは、先端から出る低周波とLEDで、むくみをとって肌を引き上げてくれるんです。
頭蓋骨と頭皮の間に、脳髄液っていう液体があって。気圧の変化や、疲れなんかが原因でここがむくむと、脳が圧迫されてしまう。それを、低周波が正しい状態に戻してくれる効果があるんです。
本当に即効性があるから、仕事現場でもプライベートでも手放せなくって。ほら、顔の片側に2、3分使っただけで、もうフェイスラインが違うし、目も大きく開きましたよね。肌もいきいきしてきます。同じモデルさんと数日仕事をした時に毎日使っていたら、ファンデーションの量がどんどん減って、最後はコンシーラーだけで大丈夫、ってなっちゃったことも。
10分くらい使っていると、リラックス状態で出るといわれるα波が確認されたという実験結果もあって。脳ストレス対策にもおすすめです。

デンキバリブラシの前に「頭皮用マッサージローション」を拭きかけると、リフトアップの相乗効果とピリピリという刺激も緩和できる。

気合いを入れる日など、特別なスキンケアは? (河江)
クレイパックですね。クレイは毛穴の奥の普段はとれない汚れや角質を取り除いて、表面の血管を開いてくれる。酸素や栄養素の交換は毛細血管が担っているので、血管を元気にしてあげるという意味でもクレイパックは有効です。
いろんなクレイパックがあるけれど、良い香りのものがなかなかなくて。自分のブランド「NEROLILA Botanica(ネロリラボタニカ)」で作ったのが、この「アースマスク」です。普通クレイパックには入れないような上質なオイルをたくさん配合しています。九州シラス台地の「シリカ」っていうミネラル成分と、沖縄の海底泥「クチャ」が主成分。そこに余分な皮脂をオフする竹炭も配合しています。
顔に塗って、10分〜15分したら洗い流す。私はお風呂の中でやる時もあれば、コーヒーを淹れながら、掃除機をかけながらやっちゃうこともあります。そのあとに化粧水を含ませたコットンでパックすれば、白く、透明感がアップして、毛穴が目立たなくなる。高い美容液なんていらない、そんな感じです。

クレイパック(右)からのローション(中)を使ったコットンパックが、早坂さんのスペシャルケア。

「NEROLILA Botanica」といえば、きれいな2層のビューティーセラムが気になっています。どうやってあの色を選んでいるんですか? (森田)
実はすべて天然の色で、結果的にこの色になっただけなんです。例えば、最初に発売した、この「インテンシブビューティセラム」。「引き上げ」「ハリ」というテーマで成分を選んでいったら、自然とこのピンクと黄色になった。2層に分かれた水とオイルを、使用前に混ぜてから肌にアプローチしてもらうアイテムです。
昔はメイク前のマッサージに、オイルだけを使っていました。でも、メイクのもちがいまいちだったんですよね。それで、水分量の多い美容液とオイルを自分なりに混ぜて使ったらすごく良くて。なんでこれが世の中にないんだろうって思って、作っちゃいました(笑)。20代で、オイルだけだと重いかなって人でも、無理なく使ってもらえると思います。
昔からマッサージ用のオイルを自分でブレンドしたりはしていたんですけど、もっと知識を深めようと、40歳でアロマテラピーインストラクターの資格を取りました。そのあと、もう少し医学的な側面からも学びたいと思って、森田敦子さんのもとで植物療法を学んだ。結果的に、そのすべてが今のブランドディレクターとしての仕事にすごく生きています。

「NEROLILA Botanica」のビューティーセラムは、「インテンシブ」「レスキュー」「ドリーミング」の3種類。

早坂さんが意識して取り入れているサプリメントは? (河江)
ビタミンCは、肌のためにもアンチエイジングのためにも、気に入ったものを常備しておくといいと思います。私が飲んでいるのは、天然成分を使ったamritara(アムリターラ)のもの。日焼けしちゃった!飲みすぎちゃった!とかそういう時ももちろんあるので、あとから意識的にビタミンCをとるようにしています。
それと腸活もすごく大事だから、フローラプラスの「発酵マメ子」はおすすめ。菌そのもの、菌のえさになるもの、菌を増やしてくれるもの、この3つの成分が一緒になって、ちゃんと腸まで届くサプリメントです。タブレットの他に、ゼリータイプも最近出て。こちらは食物繊維も配合されているので、便通の悩みがある人はぜひ。
小林薬品工業の「DEPLIS(デプリス)」は、ツバメの巣の成分が配合されたサプリメント。ツバメの巣には、他に母乳くらいにしか含まれていないシアル酸という成分があって。細胞のハリや潤いに欠かせないものなので、肌が内側からもちっとしてきます。もともとは製薬会社の方が奥様のために開発した商品なので、そういう意味でも安心感があります。
一番大事なのは、サプリも自分の体調に合わせて取り入れること。毎日とっていると、どんどん体が慣れていってしまいますからね。

メーカーも成分もそれぞれ異なる早坂さんのコレクション。その時の体調に合わせて、最適なサプリを選ぶ。

早坂さんにとって「美しさ」とは何ですか? (森田)
美しさの基準は、それぞれ人によって違って良いと思うんです。でも、それって一貫して「自分の内側」からにじみ出るものです。どんなにきれいな景色を見ても、自分の心が荒れていると卑屈になってしまう。結局は、自分の中の心象風景が映し出されているんだと思います。
ちょっとしたことに喜びを見いだせるかどうかは、自分のなかの余裕にかかっている。そのためには、無理をしないこと。美容にマニアックになる必要はなくて、気になったものをまずは取り入れてみることからはじめればいいと思います。
それでみんながきれいになって、気分が上がって、機嫌がよくなったら、人間関係も変わってくるはず。最終的にはそれが世界平和につながると思っているんですよね。


早坂さんの内側からあふれるポジティブなエネルギーと、仕事に対する真摯な姿勢に心を打たれました。
Kazuko's Recommend

『天の香り』スザンネ・フィッシャー・リチィ、手塚千史訳(あむすく)
ドイツの実践的アロマテラピーを解説した1994年発行の名著。植物の香りの効能を解説し、75種類の精油、83種類の調合レシピを紹介する。「学術的な話だけじゃなくて、表現がポエティックで素敵。ひとつひとつの植物がもつ物語を感じる、私のバイブルです」

『潤うからだ』森田敦子(ワニブックス)
日本における植物療法の第一人者である森田敦子さんが、デリケートゾーンのケアについて解説。女性の体の中心で大活躍している場所を丁寧にケアすることこそが、全身のうるおいアップはもちろん、免疫力を上げ、妊娠力の向上や穏やかな更年期につながると説く。
Brand Profile
NEROLILA Botanica (ネロリラボタニカ)
オーガニックコスメやアロマテラピーに造詣が深い、メイクアップアーティストの早坂香須子さんと、表参道のオーガニックアロマスパ「シンシア・ガーデン」のコラボレーションで生まれたスキンケアブランド。「肌の再生、心の再生、土壌と地域の再生」をコンセプトに、植物本来のエネルギーを感じることのできるラインナップをそろえている。
Voices
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熱心にお話してくださる早坂さんの姿に愛を感じた!すぐにでも試してみたいトピックばかりでした。
「陽」のイメージがあふれる早坂さん。お肌の美しさからも、日々の積み重ねの大切さを学びました。膣ケアがすごく気になったので、さっそくオイルやクリームを買いに行きます!
PROFILE山・海問わず、自然と触れ合うのが好き。自身で無農薬野菜の栽培も。美容も生活も、身体と環境に良いものを選びたいと話す。
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顔など見える部分ばかりにこだわっていたけれど、インナーからのお手入れの重要性に気づかされました。
書籍『潤うからだ』、すぐに買います! デリケートゾーンケアと、精油を使った良質な睡眠への改善に取り組んでみたい。終始、早坂さんのハッピーな魅力に引き込まれました。
PROFILE花、読書、おいしいものが好き。最近はギターをはじめた。本企画をきかっけに、新たなビューティの知識と出合うことを楽しみにしている。
今、会いたい美容のプロフェッショナルに、ビームススタッフ(以下、bb部員)がインタビューをする対談企画「Hi! Professional!」。毎回独自の視点で、部員が本当に知りたい疑問をホンネでぶつけていきます。前回に引き続き、メイクアップアーティストの早坂香須子さんのお話!今回は仕事にもプライベートにも欠かせない、おすすめのギアやアイテムについて教えていただきました。