試合中も、移動中も、目元にはいつもサングラス。1990〜2000年代に活躍したトップアスリートたちが選んだ実用的なギアは、自然とおしゃれなスタイルになっていた。レジェンドたちのアイウェア、少しマニアックに覗いてみよう。
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[ID: 001]
NAME: Edgar Davids (1973- )
COUNTRY: Netherlands
SPORT: Soccer
BRAND: OAKLEY
MODEL: Racing Jacket
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守るためのギアが、アイコンになった
1998年に登場した〈OAKLEY(オークリー)〉の「RACING JACKET」。通気性を確保するためのベンチレーションを備えたフレームに、スイッチロック式の交換レンズ。顔をぐるっと包むラップアラウンド構造は、ハードなパフォーマンスのための一本だ。その初期モデルを象徴的に着用していたのが、オランダ代表のMF、エドガー・ダーヴィッツ。彼は2000年に緑内障を発症し、視力保護のためにゴーグルを着けてピッチに立つようになった。医療的な選択だったけど、そのビジュアルがドレッドヘアと自然にフィットし、スタイルそのものへと変わっていった。
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[ID: 002]
NAME: Ato Boldon (1973- )
COUNTRY: Trinidad and Tobago
SPORT: Track and Field/Sprinting
BRAND: OAKLEY
MODEL: OVERTHETOP
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記録も記憶も残した、アイウェア
2000年のシドニーオリンピックで、世界中の視線をさらったのが、トリニダード・トバゴの短距離王者、アト・ボルドン。「トバゴの弾丸」の異名を持つ彼が着用していたのは〈OAKLEY〉の異形モデル「OVERTHETOP」。左右のテンプルは耳に“かける”のではなく、頭部をホールドする構造で、まるで昆虫の大きな目のような、あるいはSF映画のプロップのようなフォルムだった。トップスピードと激しい振動の中でも、装着感と視界を安定させるために設計されたパフォーマンスギア。記録とともに、人々の記憶にも強烈に焼きついた一本。
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[ID: 003]
NAME: Ichiro (1973- )
COUNTRY: Japan
SPORT: Baseball
BRAND: OAKLEY
MODEL: JULIET
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スポーツとストリートが交差した瞬間
2000年代初頭にトップアスリートやストリートのキーパーソンたちに支持された〈OAKLEY〉の名作「JULIET」。未来的でインダストリアルな造形と、軽量なメタルフレームで、ハイテク素材ブームの波を捉えたプロダクトは、パフォーマンス中もオフもそのまま使える存在感があった。1999年に発売されてからずっと愛用していたのが、僕らのイチロー。シーンを選ばず着用する姿から、“ジュリエット=イチローモデル”と認識しているファンも少なくないはず。最近は、トラヴィス・スコットによって復刻されるなど、今じゃすっかりY2Kファッションを象徴するサングラスなのだ。
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[ID: 004]
NAME: Marco Pantani (1970-2004)
COUNTRY: Italy
SPORT: Road Race
BRAND: BRIKO
MODEL: BOLD
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峠のヒーローを支えた、イタリアンシールド
イタリア生まれの〈BRIKO(ブリコ)〉は、1980〜90年代にサイクリング用のアイウェアでブームになった。大胆なフレームデザインに、通気ホール付きのブリッジが特徴で、当時の原宿ストリートカルチャーの象徴でもあった。“イタリアのヒーロー”と称されたロードレーサー、マルコ・パンターニが愛用していた「BOLD」は、ブランドと時代を象徴するようなビッグシルエットと派手なカラーリングが印象的なモデル。スキンヘッドにバンダナ、そして大きなレンズ。山岳でアタックを仕掛けるその姿は、すでにアイコンだった。
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[ID: 005]
NAME: Kerri Walsh Jennings (1978-)
COUNTRY: United States
SPORT: Beach Volleyball
BRAND: OAKLEY
MODEL: COMMIT
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ビーチの女王を支えた、タイトフィットの実力派
女性アスリートのために開発された〈OAKLEY〉の「COMMIT」は、顔立ちに沿うタイトめのフレームが特徴。あらゆる天候や環境に対応できるレンズ交換機能を備え、ビーチバレーやゴルフを中心に支持を集めてきた。アメリカのビーチバレー界のレジェンド、“ビーチの女王”ことケリー・ウォルシュ・ジェニングスも愛用者のひとり。砂浜での強烈な紫外線や照り返し、潮風といった過酷なコンディションでも、安定した視界を確保するパフォーマンスギア。小ぶりすぎず、大胆すぎないスリムなフォルムが、身長188cmの彼女にクールになじんでいた。
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[ID: 006]
NAME: Ayrton Senna (1960-1994)
COUNTRY: Brazil
SPORT: Racing Driver
BRAND: CARRERA
MODEL: 5623
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伝説のヒーローは、パドックがコックピット
1990年代初頭に、日本に空前のF1ブームを巻き起こしたレーシングドライバー、アイルトン・セナ。レース中はヘルメットだけど、パドックでは決まってサングラスをかけていた。その象徴が、ダブルブリッジのティアドロップ。彼がよくかけていたのが、イタリアのアイウェアブランド〈CARRERA(カレラ)〉の「5623」。シャープだけど、レーシングスーツにも私服にもスッとなじむ、どこか色気のあるデザインが印象的だった。Netflixのドラマ『セナ』でもたびたび描かれるティアドロップ姿は、やっぱりスピードを追いかけた男の横顔によく似合う。いまもオマージュモデルがリリースされていることから、スタイルとして記憶されている一本だ。
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[ID: 007]
NAME: Dennis Rodman (1961-)
COUNTRY: United States
SPORT: Basketball
BRAND: OAKLEY
MODEL: EYE JACKET
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コートの外でも、主役級
“リバウンド王”の異名を持つ、NBA界のレジェンド、デニス・ロッドマン。プレーも派手だったけど、ヘアカラーもタトゥーも、そしてサングラスもすべてが個性的だった。そんな彼がオフコートでよくかけていたのが、〈OAKLEY〉の「EYE JACKET」。大ぶりのシールド全盛の時代に、あえてコンパクトに振り切ったラップアラウンド。フレームとレンズが一体化したような流線形は、90年代のムードそのもの。真っ赤なシカゴ・ブルズのユニフォームに、シルバーのオーバルシェイプ。バスケとストリートの距離がグッと近づいた時代を象徴する一本だ。
Photo:Aflo
Edit & Text:MANUSKRIPT