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日常に、竹の呼吸を。<br/>『Hi, Beppu. ー別府竹細工のすゝめー』が描く、新しい景色。

日常に、竹の呼吸を。
『Hi, Beppu. ー別府竹細工のすゝめー』が描く、新しい景色。

別府の湯治文化とともに育まれてきた“別府竹細工”。そのしなやかな強さと機能美を、現代の“モダンリビング”として再解釈する展示イベントが、下北沢「reload」にて開催されています。

伝統工芸という言葉から連想される少しの緊張感を解きほぐし、暮らしの中に「使い方の余白」を提案したのは、インテリアスタイリストの作原文子さん。一本の竹が細い線になり、編まれて面になり、やがて立体へ。会場に漂う清々しい空気と、光を受けて壁に落ちる編み目の陰影。そこには、私たちが忘れかけていた、日々の暮らしを“整える”ことの心地よさが溢れていました

下北沢の「reload」に現れた、別府の山々と繋がる空間。無機質なコンクリートと、有機的な竹の質感が不思議と調和する。

道具に宿る、繰り返しの記録。

割る、剥ぐ、測る、編む、整える。竹細工は、人の手と、その延長である道具によって生まれます。自作の道具に刻まれた傷や汚れは、幾度となく繰り返されてきた手仕事の記憶そのものです。

竹が形を成す、魔法のような時間。

夜の帳が下りる頃、始まったのは職人・岩尾一郎さんによる制作のデモンストレーション。おめでたい名を冠した籠「四海波(しかいなみ)」が、流れるような手捌きで、軽やかかつ鮮やかに編み上げられていく。その迷いのない手元には、47年という歳月が裏付ける職人の矜持と、手仕事への深い愛情が宿っていました。

別注の試み。現代の暮らしに、新しい定位置を。

レコードやデニムを収納できるほど大振りの“角物(かくもの)”。手がけたのは、日常に溶け込む凛とした佇まいを追求する〈SUI〉です。

伝統的な角物の技法を用いながら、今のライフスタイルに寄り添うサイズ感へとアップデートされた一品。現地でもなかなか出合えない新鮮なスケール感の細工は、部屋の中に、凛とした心地よい緊張感と新しい景色を運んでくれます。

伝統を、今の部屋に。作原文子さんが描く、竹細工の新しい景色。

「竹の籠って、実は一般的に少しハードルが高い気がするんです。竹の良さでもありますが、フォルムがくっきりしている分、”和”の主張が強くなりやすく、今の暮らしには近寄りがたい空気があるのかもしれない」と作原さんは言います。

それでも今回、下北沢という場所で表現したかったのは、竹が持つ「大らかさ」でした。

「竹細工にどんなインテリアを組み合わせて表現すれば、ビームスのスタッフさんはもちろん、ここに足を運んでくださるお客さまに親近感を持って観ていただけるのか。それを想像しながら、ワークスペースとリビング、二つの架空のコーナーを作りました。普段目にすることの出来ない工程の素晴らしさを伝える半分と、リアルな暮らしに落とし込む半分。入れる、乗せる、飾る。そんなふうに自由に、自分らしく取り入れられる余白を感じてもらえたら嬉しいです」
伝統を遠くから眺めるのではなく、今の自分の部屋に置いてみる。作原さんのスタイリングは、その最初の一歩を優しく後押ししてくれました。

profile
作原 文子(さくはら ふみこ)|インテリアスタイリスト

岩立通子氏のもとでアシスタントを経験した後、1996年に独立。
雑誌、カタログ、TV-CM、エキシビション、ショップディスプレイ、舞台や映画美術などの
スタイリングを手がけ、インテリアスタイリストとして第一線で活躍。
柔軟な感性を活かし、様々なテイストをミックスした独自のスタイリングは、
世代を問わず定評がある。

event info

2月25日(水)までの開催です。別府の竹がつくる新しい景色を、ぜひ会場で体感してください。見終えたころには、きっと手元にひとつ、連れて帰りたくなるはずです。

会期: 開催中〜2026年2月25日(水)
時間: 11:00〜20:00(最終日のみ17:00まで)
会場: ビームス プラネッツ リミテッドストア 下北沢
※「reload」内エントランスホールと2フロアで開催