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ビームス50周年別注モデルから紐解く、今価値のある一本

〈orSlow〉デザイナー・仲津一郎が語る

ビームス50周年別注モデルから紐解く、今価値のある一本

BEAMSが50周年を迎えた今年。〈BEAMS BOY〉では、そのアニバーサリーを記念して、〈orSlow(オアスロウ)〉との別注モデル『Monroe Jacket & Pants 50th Used Wash』を制作しました。
ヴィンテージ品の持つ雰囲気やディテールを忠実に再現しながら、現代の着こなしに馴染む絶妙なバランスで、多くのファンを魅了しつづけている〈orSlow〉。
今回、ブランド設立20周年を迎えた〈orSlow〉の自社アトリエを、〈BEAMS BOY〉のバイヤー二人が訪問。妥協しないもの作りを貫くデザイナー・仲津一郎氏に話を聞きました。ヴィンテージへの愛着、〈BEAMS BOY〉との歴史、そして別注モデル『Monroe Jacket & Pants 50th Used Wash』に込められた想いを通して、妥協なき服作りに迫ります。

仲津 一郎

仲津 一郎 Nakatsu Ichiro

〈orSlow〉デザイナー

6歳の頃に母親に買ってもらったデニムのオーバーオールをきっかけにジーンズに興味を持ち、その後、岡山県倉敷市児島の老舗デニムメーカーで商品企画を担当。長年の経験を経て、2005年に自身のブランド〈orSlow〉を設立。

公式サイト

品川 智美

品川 智美 Shinagawa Tomomi

〈BEAMS BOY〉バイヤー

2014年入社。入社から現在に至るまで〈BEAMS BOY〉を担当。町田、池袋、立川、原宿と、各店舗を経験し、現在はウィメンズのバイヤーとしてウェアの別注やオリジナルの小物の企画を担当。

川相 健太郎

川相 健太郎 Kawai Kentaro

〈BEAMS BOY〉バイヤー

1996年、岡山県生まれ。大好きなアメリカ古着をルーツとしたアイテムに定評のある〈BEAMS BOY〉に憧れを抱き、店舗スタッフに配属されたのち、バイヤーに就任。

ー〈orSlow〉は流行に左右されない“永遠の定番服”として愛されていますが、服作りをする際に、仲津さんが大切にしていることはありますか?

僕自身、古着がすごく好きなんです。 理由は、流行に囚われず、いつの時代でも着られるから。今の服ももちろん素晴らしいけれど、古着と同じように時を経て味が出て、愛着が湧くものを作りたい。その想いが、〈orSlow〉の服作りの格となっています。デニムに関しては、色落ちや縫製、シルエットを極限まで吟味し、追求することで、 50〜60年代のあの独特な雰囲気を再現できるので、その辺りにこだわっていますね。

ー 今日、四天王寺の蚤の市を一緒に歩いたときもクラフト感のあるお皿を手に取ってましたよね。やっぱり手仕事感のあるものがお好きなんだなと感じました。

そうなんです。実際に自分が作っている製品も50〜60年代のもの。50〜60年代のプロダクトは、ある程度工業化が進みつつも、縫製糸に綿を用いたり、生地にムラ感があったりと、手仕事の温もりが残っていた“発展途上”の時代 。効率を求めた現代の服にはない、工業的要素とクラフト感のミックス。そこにある「ちょうど良さ」が好きなんです。

ー ビームスは来年50周年を迎えます。〈orSlow〉はブランドがスタートして20年が経ちましたが、続けることの楽しさや難しさはありますか?

ここまでくると、もはや〈orSlow〉は自分そのもののようなもの。もちろん、 しんどいこともありますが、これだけ長く続けてこられたのは、僕らの服を買ってくださるお客さまがいるから。 時折、修理の依頼を受けて、「新しいのを買った方がいいんじゃないか」というくらいボロボロになるまで履いてくださっているのを見ると、自分の作ったものが誰かの役に立っているんだと実感できて、「もっと頑張らないといけないな」と背筋が伸びるんです。

想像の斜め上をゆく、“50年の時”を表現したデニム。

〈orSlow〉と〈BEAMS BOY〉の関係は2010年頃から始まりました。その象徴とも言える名品が『モンローパンツ』。生地からオリジナルで開発したこのモデルは、今やブランドを代表するスタンダードとなっていますが、50周年の別注企画として持ち込まれたのは、その“50年”という時間を表現する驚きの提案でした。

ー 今回、ビームスの50周年を記念し、50年履き込んだような加工のモンローシリーズ『50th used wash』を依頼しました。この話を聞いた時、正直どう感じましたか?

正直、難しいですよ(笑)。 50年前のデニムは分かるけど、“50年履き続けたデニム”ですからね。『モンローパンツ』はソフトなファブリックなので、50年のダメージ感をどうやって出すかが悩みどころ。それに『モンローパンツ』は比較的丸みのあるシルエットが特徴なのもあって、ヒゲ(履きジワによる色落ち)のついたものはあまり見たことがない。なのでダメージ感をどう表現するかがポイントでした。
また、今回はあえて大胆に穴を開けることに挑戦してるので、お客様にはダメージを活かしたレイヤードを楽しんでもらえたら嬉しいですね。 

ー 仲津さんが今日履いているデニムも、見事な色落ちですね!

これほぼ毎日履いていて、洗うのは2週間に一度くらいかな。自分で言うのもなんですが、いい色落ちをしてますよね。あまり洗いすぎると濃淡がつかなくなってしまうので注意です。デニムは履く人の環境や癖によって、唯一無二の表情へと変わっていく。『50th used wash』シリーズは、その究極の到達点を形にする試みでした。

ー〈BEAMS BOY〉のファンは、年齢や性別を超えて自由なスタイルを楽しむ方が多いです。そういったお客さまに何か着こなしのアドバイスはありますか?

僕からのアドバイスは何もなくて、 古着と同じように、性別、年齢、サイズ感も関係なく、個人が自由に着てもらえたら一番嬉しいです。 僕らが若い頃は、まだヴィンテージの『501』にモードな服や全く違うジャンルの服を合わせるような楽しみ方があったけれど、今は古着が高騰して、手軽に買えなくなってしまった。だからこそ、〈orSlow〉がヴィンテージに代わる存在になれたらと思っています。あくまで理想ですけどね(笑) そう考えると、色落ちの仕方、ムラ糸の形状、染料、ファイブポケットの型紙など細かいところにもこだわって作らないと、その代わりには絶対になれないと思っていて、まだまだ追求すべきことがたくさんありますね。

ー 最後に、今後〈BEAMS BOY〉と挑戦してみたいことがあれば教えてください。〈BEAMS BOY〉としては、『モンローパンツ』の歴代モデルをお店に並べてみたいなと。

それは面白いですね!お客様が実際に履き込んだユーズドの『モンローパンツ』を店頭に並べて、色落ちの個体差を見比べるのも楽しそうです。
実はこのパンツ、20年の間にも細かなアップデートを繰り返しているんです。初期型には、白タブが付いていましたが、途中から無くしています。 後期の初期型は、ベースも文字も全部レーヨン素材。ただ100%レーヨンだと強度が弱いから不良品の発生率が高まることもあって、後期の後期型は、縦糸がポリで横糸はレーヨンにしています。強度を上げることや在庫管理のことを考え、成長する段階で歴史ごとにデザインもシルエットも変えているんです。
もし3年や5年で終わるブランドならそんなことしなくてもいいのかもしれません。でも、僕らはものづくりを続けているからこそ微調整が必要になる。ディテールや織り糸の質感、ケアタブの変遷、ポケットの位置。そうした、一見すると気づかないような変化を、お客様にも見比べていただきたいです。

“50年履き続けたデニム”という、ある種のロマンを形にする。それは、単なるヴィンテージの再現ではなく、未来の古着をいま作り出すという〈orSlow〉と〈BEAMS BOY〉だからできる挑戦。
手に取ったその一着が、あなたの側でさらに数十年という時を刻み、いつか本当のヴィンテージへと育つように。
BEAMS 50周年を記念した別注モデル『Monroe Jacket & Pants 50th Used Wash』にご期待ください。

ビームス50周年を記念して別注モデルを発売!

長年にわたり、ヴィンテージへの深い造詣と現代的な解釈を掛け合わせながら、数々の別注を重ねてきた〈orSlow〉と〈BEAMS BOY〉。この度、ブランドを代表する『モンローパンツ』と『モンロージャケット』をベースに、長年着込んだような経年変化を表現した『50th Used Wash』を制作しました。両者のものづくりへの姿勢が重なり合うことで生まれた特別なコレクションにご注目ください。

発売日:2026年4月24日(金)
発売店舗:BEAMS BOY取扱店舗(一部地域を除く)およびBEAMS公式オンラインショップ