岬の突端にもかかわらず
「この先、さらに直進です」
そんなことを言うものだから
新しい靴でアクセルを踏み込み
波をけって朝焼けを目指す
魚の群れを追い越して
くじらの背中をいくつか越えて
珊瑚の街までひた走る
「この先、水平線を左折です」
知らない国のラジオが流れ
トランクの中から聞こえる鼻歌
波しぶきに踊るワイパー
「まもなく、目的地です」
私は波間に車を停めて
秋の深さの海原で
ガラスの小瓶を遠くに投げる
VOL.
A TOTAL OF 17 STORIES ABOUT WOMEN WHO LIVE THEIR
EVERYDAY LIVES WITH A SENSE OF CURIOSITY AND FRESHNESS,
BROUGHT TO YOU BY THE MODEL MAKIKO TAKIZAWA.
ISSUE
VOL.02
岬の突端にもかかわらず
「この先、さらに直進です」
そんなことを言うものだから
新しい靴でアクセルを踏み込み
波をけって朝焼けを目指す
魚の群れを追い越して
くじらの背中をいくつか越えて
珊瑚の街までひた走る
「この先、水平線を左折です」
知らない国のラジオが流れ
トランクの中から聞こえる鼻歌
波しぶきに踊るワイパー
「まもなく、目的地です」
私は波間に車を停めて
秋の深さの海原で
ガラスの小瓶を遠くに投げる
PROFILE
滝沢 眞規子
MAKIKO TAKIZAWA
VERYの表紙モデルを経て、2020年4月より創刊される「VERY NAVY」を新たな活躍の場に。〝お母さん業〝が大好きと言い切る彼女のライフスタイルは、愛情とセンスでいっぱい。3児の母。特技は貼り絵、飾り巻寿司など多彩!
詩人。2011年、アメリカの出版社PRE/POSTより詩集『裸でベランダ/ウサギと女たち』で 逆輸入デビュー。執筆活動を軸に、異業種とのコラボレーション、ラジオやテレビでの朗読、アメリカ、ヨーロッパ、ロシアでの海外公演など広く詩を表現。Superflyや合唱曲への歌詞提供、東京藝術大学大学院との共同プロジェクト、美術家とのインスタレーションなど、音楽や美術との接点も多い。現在は雑誌「BRUTUS」他で連載。近著に『かのひと 超訳世界恋愛詩集』(東京新聞)。東京藝術大学 非常勤講師。
Model: Makiko Takizawa (NLINE) / Photo: Takanori Okuwaki (UM)
Hair: Koichi Nishimura (angle management office)
Makeup: Kazuko Hayasaka (W) / Styling: Takashi Ikeda
Location: keigoFukuda (A PLUS) / Edit: Kenichi Aono (BEAMS)
冬を待って
TEXT : しまお まほ
Eyes Wide Shut
TEXT : 五所 純子
cadeau
TEXT : 真舘 晴子
アン王女のように
TEXT : 青野 賢一
外、寒いよ。
TEXT : 山内 マリコ
銭湯、突然炎のごとく
TEXT : 桜井 鈴茂
大きいことと新しいこと。
TEXT : 西谷 真理子
バーとポエジー
TEXT : 青野 賢一
夜の休止符、落ち葉の色
TEXT : 鳥澤 光
少しだけどうかしている
TEXT : 今村 真紀
自分を完璧にコントロールするためには
TEXT : 速水 健朗
色落ち
TEXT : 生湯葉 シホ
不足を補う
TEXT : 青野賢一
世界に一つだけの大根
TEXT : 絶対に終電を逃さない女
さよならを言うたびに
TEXT : 山崎 まどか
環七から水平線
TEXT : 菅原 敏
夜を揺らして
TEXT : 中島 敏子