若手クリエイターが集う、新たなカルチャー発信地。
博多発の人気アーティストといえば、この二人。
音楽活動を並行して行うイラストレーターのNONCHELEEEと、モノトーンの線画で描く女性のグラフィティでおなじみのKYNEだ。
2月にオープンしたばかりの共同アトリエ兼ギャラリー「ON AIR」は、隠れ家のような佇まいながらも毎日客足が絶えず、いつも賑やか。
そんな二人に今回のコラボレート作品の制作秘話から、足繁く通う行きつけの呑み処まで、あれこれ直撃。
博多でいま一番ホットな場所とは?
「ON AIR」開店、おめでとうございます。ギャラリーを二人で構えようと思ったきっかけは?
NONCHELEEE:昨年の夏、お互いよく行く酒場「つどい」で呑んでる時に、ここの物件を紹介してもらったんです。広くて良さそうな場所だったから、すぐにKYNEくんに「やろうよ」って。フィールドも作風も違う二人なので、内装にしても展示にしても意見はすぐにまとまらないですが、お互いの落とし所を見つけてやってます。
“アトリエ兼ギャラリー”ですが、お店の方がかなり繁盛している様子ですね。最初からこういうイメージだったんですか?
NONCHELEEE:いやいや、全然ですね。最初はアトリエにちっちゃい売店がくっついているような規模で考えてたんだけど、いつの間にか大ごとになっちゃった。
KYNE:内装工事を始めた辺りから、いろんな人に「いつ開くの? 何売るの?」って言われるようになって。なんか……、ちゃんとやらなきゃなって(笑)。
博多を代表するアーティストがタッグを組んだとなれば、周りの期待が高くなるのもうなずけます。さて今回、「STAND 九州」で制作した二人の作品は、地元福岡の伝統工芸品とのコラボレーションによるもの。気になるのは制作過程ですが、イラストをどのように3D化したのでしょうか。
NONCHELEEE:それぞれ担当の人形師さんがいるので作業工程は違うんですが、実はお互いにどうやって作ったか知らないですね。これ(博多人形)って、どうやって作ったとね?
KYNE:僕はまず、過去の自分の作品をファイリングして、担当してくれた人形師の松尾さんに見てもらいました。作風を知ってもらった上でポーズや細かいところを密に打ち合わせて。実際に形成していく時も、途中経過を見せてもらいつつ、イメージが合っているかどうか何度も話し合いましたね。
KYNEさんの博多人形は実在のモデルがいるんですか?
KYNE:この作品は誰かをモデルとして立てたわけではなくて、完全にオリジナルなんです。髪型は、過去の資料を見た松尾さんから「ショートの方が“らしさ”が出るんじゃないか」と言われて、それで決めました。自分が手を動かして作ったわけではないので、こうやって対面してみると、なんだか不思議です。松尾さんと一緒にこだわったのは首から鎖骨の辺りのシルエット。この鎖骨のくぼみの立体感はなかなかすごいと思います。
バストアップの博多人形というのも珍しく、いろんな意味でインパクトがありますね。
KYNE:博多人形は基本的に全身のものが多いとのことだったんですが、今回は僕の作品の雰囲気に合わせてくれました。この方がイメージに合うだろうと。なかなかないらしいですね、博多人形をバストアップで切っちゃうのは(笑)。
そもそも、バストアップの作風になったのには何か理由はあるんですか?
KYNE:限られた画面のなかでインパクトを出そうと思ったときに、全身や半身よりも顔のアップがより印象を残せるなと。昔のアイドルのレコードジャケットなんかも、顔のアップが多いですよね。最初の下書きは引き目で描くこともあるんですが、仕上げの段階になると結局トリミングしてしまうことが多いですね。
NONCHELEEEさんは津屋崎人形をデザインされていますね。
NONCHELEEE:津屋崎人形は、かなりやりましたよ(笑)。候補案の時点で、第四案までありました。最初は花の一輪挿しにしたくて、第二案では情けない感じの“だっちゅ〜の”風のポーズを。第三案は顔のアップに花2本を差して無人君みたいにしたくて……。第四案はおしりの穴から花を出すっていう、コレです。ただ、そもそも素焼きなんで水は入れられないってことで、花器はNG。それからまた何度かやり取りを経た後に、先方から「昔から津屋崎人形にある型を使うのはどうか」と。直立した女の子の原型で有名な「ゴン太」というのがあるんですが、最終的にはその「ゴン太」のボディを借りることになったんです。でもそれって、よそのカラオケで歌う、みたいな感じじゃないですか。オレのトラックで歌わせてくれよ! って想いがあったから少し粘ったら、あっさり、いいよって(笑)。そこからこちらの希望がちょこちょこ反映されて、今の形に至ります。
取材クルー内でも、女の子のおしりの曲線が可愛い! と話題になりました。
NONCHELEEE:男女で仕様は変えています。でも津屋崎人形自体、もともと個性的が強いものなので、最後まで折り合いつけるのが難しかったですね。向こうもクセあるし、オレもクセ強いんで、クセがすぎる!(笑)
男女のペアにしたこだわりは?
NONCHELEEE:それは……、“男女でひとつ”っていうのは、常に僕のなかにあるテーマなんで。マジで、ほんと一人はダメ。でも別売りなんですよね。どっちかだけ売れ残ったらどうしよう……。
これから「ON AIR」でやっていきたいことは?
KYNE:直近だと、3月17〜20日まで、東京在住のアーティストZMURFとのユニット「MENTAL HERB GARDEN CLUB」のポップアップがあります。
NONCHELEEE:まだまだ気になるアーティストがいるんで、その人たちを巻き込んだ展示はしていきたいかな。あ、店名の由来になったラジオもそのうち!
ON AIR
住 所:福岡県福岡市中央区薬院3-12-31 2F
電 話:非公開
営業時間:事前にInstagramで確認
Instagram:www.instagram.com/onair_fuk/
NONCHELEEE&KYNEの博多おすすめSPOT4選。博多にきたらちょっと寄っていかんね!
「酒場 みんなの黄ちゃん」
博多の夜を遊び尽くしたいなら、まずはココ。銘酒を扱う地元の人気店「とどろき酒店」に勤めていた、通称・黄ちゃんが一人で切り盛りする立ち飲み酒場。福岡の人気店が集結したかのようなユニークなメニューの数々は、交友関係が広い店主ならでは。酒も肴もうまい!
住所:福岡市中央区警固1-3-6 警固フラット 101
電話:非公開
営業時間:17時30分〜24時 休:日曜日&不定休
「HIGHTIDE STORE」
福岡の文具メーカー「ハイタイド」による直営店が2/18にオープン。オリジナル商品はもちろん、海外から仕入れを行う同社らしい幅広いラインナップが特徴。久留米のコーヒーロースター「COFFEE COUNTY」によるオリジナルブレンドが楽しめるスタンドも。
住所:福岡市中央区白金1-8-28
電話:092-533-0338
営業時間:10時〜20時 休:水曜日
「魚辰鮮魚店」
NONCHELEEEさんが昔働いていたという、博多の台所。ここは、中洲や天神の飲食店が買い出しに来る人気の鮮魚店。威勢の良いスタッフが出迎えてくれる、アットホームな雰囲気が魅力。新鮮な魚介類を横目に、NONCHELEEEさんとコラボしたオリジナルグッズも販売中。
住所:福岡市中央区天神2-1-1 フクショクC&C内
電話:092-712-1313
営業時間:9時〜19時 休:不定休
「店名非公開」
薬院〜白金間のビルに佇む、隠れ家的ダイニングバー。KYNEさんが博多のイチ押しスポットとして選んだ店内には、二人の過去の作品や、様々な地元アーティストによる貴重な作品群がずらり。ギャラリーのようなスペースでアートを肴にしっぽり呑むもよし。サービス精神ゆえに、料理は男子も喜ぶボリューム系! 食事を楽しむなら大人数が◎
(詳細が気になる人は「ON AIR」にて聞いてみよう。)
BUY SHOP ONLINE
KYNE
博多人形 / ¥16,000+tax (78-83-0007)
STAND KYUSHU
TALK SESSION
BEAMS JAPAN
2017. 3/29.wed - 4/11.tue
2017年3月29日(水)〜4月11日(火)
ビームス ジャパン
ISETAN SHINJUKU
2017. 3/29.wed - 4/4.tue
2017年3月29日(水)〜4月4日(火)
伊勢丹新宿店
CREATOR'S TALK
CHECK! STORE
BEAMS JAPAN
2017. 3/29.wed - 4/11.tue
2017年3月29日(水)〜4月11日(火)
ビームス ジャパン
ISETAN SHINJUKU
2017. 3/29.wed - 4/4.tue
2017年3月29日(水)〜4月4日(火)
伊勢丹新宿店