牛乳石鹸のひみつ | Vol.2

牛乳石鹸のルーツに迫ってみた! 歴史資料館編

1909年に誕生した牛乳石鹸は、明治、大正、昭和、平成と、時代の移り変わりをリアルに体験してきた老舗メーカー。それだけに、歴代の商品パッケージを見るだけで、時代背景をビシビシと感じることもできる。創業からのあゆみを知ることができる「歴史資料館」が安田工場内にあると聞いて、bb部員が早速訪問!

Featuring

牛乳石鹸

(ぎゅうにゅうせっけん)

1909年に大阪で誕生した「牛乳石鹸共進社」は、常に良質な石鹸を作ることを心がけ、時代とともに進化。当時からロングセラーを続ける「赤箱」と「青箱」は特に有名で、2016年にはグッドデザイン賞を受賞。時代ごとにリニューアルされるパッケージデザインからは、当時の時代背景を感じることもできる。ひとつの石鹸が完成するまでは約1週間。あえて手間のかかる“釜だき製法(けん化塩析法)”で作る理由は、保湿感が高く、肌あたりのやさしい石鹸に仕上がるから。こだわりがたっぷり詰まった老舗メーカーは古くからのファンも多数!
ウェブサイト https://www.cow-soap.co.jp
YouTube 「360度工場見学動画」

03 History Museum Tour

「歴史資料館」は一般公開されていないそう。ありがたく、貴重な情報をたっぷり学ばせていただきます!

Q.

牛乳石鹸の誕生について教えて!

A.

創業時の小さな町工場が近代工場(今の安田工場)に姿を変えた1928年に「赤箱」が誕生。創業当時の日本には自社ブランドという発想はなく、いろんな問屋に頼まれた石鹸を作るのが主流だったそう。「佐藤貞次商店の牛乳石鹸」もそのひとつ。その商標を譲り受けたのが「牛乳石鹸」の始まり。時代の流れに寄り添いながらも、品質と信頼を守り抜き、お肌と心にやさしい化粧石鹸を作ってきた誇りと職人技術。当時から日本全国だけではなく、海外の問屋とも取引があり、そのクオリティの高さが伺える。

日本の職人技が早くから海外でも注目されていたなんてビックリ!

Q.

有名なパッケージデザインの秘密は?

A.

赤箱のパッケージは、時代に合わせて少しずつ変化。でも、牛のマークと“COW”の文字は現在までしっかりと継承! 昔から変わらないアイコニックな手書きの牛は、実は誰が描いたかはわかっていないそう。

変わらないポリシーは「目元は愛らしく、しっぽは行儀よく、足元は清潔に」。1949年からは牛がスマートな印象に。1967年には日用品から化粧品と位置付けが変わり、名前は「Beauty Soap」へ。細かな部分を知れば知るほど時代を感じる! ヴィンテージデニムに出会ったような、ワクワク感で、洋服屋魂に火がついてしまう!

Q.

赤箱と青箱の違いって?

A.

香りや大きさに違いがある「赤箱」と「青箱」。大きな特徴はその使い心地。赤箱はしっとり、青箱はさっぱり! どちらも職人が約1週間をかけて作る愛情たっぷりの石鹸で、“肌あたりのやさしい石鹸”と好評だそう。保湿成分が多く含まれた赤箱は、特に洗顔におすすめ! 以前は白箱、緑箱など、さまざまな石鹸が販売されていたそうで、そのレア感にもbb部員は反応。今手に入らないからこそ欲しいーーー! 赤箱、青箱の最新パッケージは2015年から展開。COWのロゴが金色になり、少しリッチな印象に。

パッケージデザインの偏移にコレクター魂がくすぐられる!

Q.

宣伝媒体も気になります!

A.

石鹸といえばお風呂。日本に古くから伝わる銭湯文化はやっぱりいい! そこにはいつものれんがある。「のれんは始めは日よけ塵よけに使われていましたが、寛永頃から、屋号や商標を染め抜き、看板や広告に使われるようになりました」とCC室の宮崎さん。

牛乳石鹸がのれんの制作を始めたのは1959年頃。情報交換の場であり、コミュニティ広場でもある銭湯を宣伝媒体に活用したのだそう。そのデザインは街の風景の一部になることを意識。今でも関わりのある銭湯で牛乳石鹸ののれんを見ることができる。「のれんをくぐるだけでなんだかテンション上がるよねー」とbb部編集長の堀。「いやー本当に。同じ湯船に入れば、みんな仲良し!」と島田は満面の笑み。いや、知らんけど(笑)

BEAMS JAPANとのプロジェクト『銭湯のススメ。』の製品も展示されている。

BEAMSコラボの商品が展示されているのは感慨深い…

Q.

牛乳石鹸以外の製品はどんなものがあるの?

A.

牛乳石鹸のテーマソングが流れる資料館を歩きながら、3番まで歌詞があったのかと気づくbb部員。石鹸ばかりにフィーチャーしていたけど、他にもたくさんの商品を作っていたことに驚き! 「シャンプーを初めて作ったメーカーです。自称ですが…」とCC室の宮崎さん。歯磨き粉が練り物だった時代。さまざまなアイデアを駆使して、牛乳石鹸は暮らしに寄り添っていた。ブームになる前のピンクレディを広告に起用したり、いち早くデオドラント製品を開発したり。最初にスポンサー契約をしたのがプロスノーボーダーというエピソードもオシャレ!
「時代がついてこなくて」と苦笑いしているけど、最高ですよ。「牛乳石鹸さんがスポンサーしていた中高の軽音楽部系クラブコンテスト『スニーカーエイジ』に憧れてました。スターになれるんじゃないかって」と島田。「何それ!? 島田くんの歴史にいろいろ衝撃!」

石鹸以外にも様々なブランドや製品が世に出ている。プチプラコスメを中心に展開している「Bison」もその一つで、印象的な商品ばかりでついつい気になってしまう。

Q.

歴史資料館は誰でも入れるの?

A.

安田工場内にある牛乳石鹸の歴史がたっぷり詰まった「歴史資料館」は、残念ながら一般の方には解放していないそう。でも、赤箱の歴史や過去の銭湯のれんはホームページに掲載されているので、気になる人はチェック!YouTubeには「バーチャル工場見学」の動画もあるので、石鹸ができるまでを知ることができる。“牛乳石鹸、良い石鹸”。資料館の帰りに思わず口ずさんでしまうポップさよ! 異業種ながら学ぶところたっぷりの旅でした。

普段は入れない歴史資料館で貴重な体験ができて良かったー

04 Red or Blue? part2

「赤箱」と「青箱」。どちらもチャーミングなパッケージ! しっとりとした洗い上がりとクリーミーな泡立ちが特徴の「赤箱」。そしてさっぱりとした洗い上がりとソフトな泡立ちの「青箱」。あなたはどっち派? 牛乳石鹸の2大スター、どちらが好み!?

蜷川さん(9年目)

私は赤でも青でもなく、橙箱派!

際川さん(4年目)

クリーミーな泡立ちの赤箱派!

濱出さん(6年目)

僕はやっぱり、青箱派!

Impressions

  • 島田優也

    (ビームスストリート 梅田)

    歴史あるメーカーの工場見学にワクワクが止まらなかった

    学生時代以来の工場見学で、ワクワクしました。牛乳石鹸の歴史も深く、昔の広告や実際の商品も見ることができてとても貴重な体験ができました。製造過程での環境への配慮なども教えていただき、業界関係なく自分達も同じ様にサステナブルや環境問題に向き合いたいと思いました。工場の方々もお忙しい中、貴重なお話が聞けたりとても親切にしていただいて嬉しかったです!

  • 堀麻衣子

    (bb部編集長)

    当たり前に使っていた石鹸はたくさんの愛からできていた

    工場内はスタッフの方による赤箱・青箱のイラストがドアに描かれていたり、大きな壁画があったり、すごくフォトジェニックな工場でびっくり!何より、当たり前に使っていた石鹸がこれだけの歴史やスタッフの方々の愛でできていることを知り、今まで以上に愛着を深める工場見学となりました。できたての牛乳石鹸がぐにゃっと曲がった時は大興奮!

前編はこちら!

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