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消防士を辞め、東京で
筋トレだけをした1年と、その後

Leaving the Fire Department for a Year of Weight Training in Tokyo.

2026.02.18

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お疲れ様です。青木マッチョです。

ついに最終回を迎えてしまいました。

 

トレーニングやスポーツに特化して文章を書かせていただいてましたが、前提として、自分は運動自体が苦手だし、そんなに好きでもないんです。

 

なのに、なぜかずっと運動を続けていて、自分でも意味わからないです。

 

それでもスポーツや運動を半ば嫌々続けていたら、結果的にそれが今こうして文章を書く仕事になって、好きなことをやるきっかけになったので、やはり無駄なことはないのだと思いました。

 

と、コラムの最後のまとめみたいな文章を書きましたが、きれいごとを言いました!!!

 

文章を書く仕事をするために何年間しんどい思いをしてるんだよ、そんでそんな長くやってきたスポーツの方では何も花が咲かないのかよ、文章書く仕事っていってももうこれで終わりじゃねえか! 割に合わなさすぎるだろ!

 

筋トレは、仮にスポーツをやっていなかったとしてもしていたと思いますし、今の生活を考えると、スポーツをやらずに筋トレだったり楽器だったり、趣味をもっとやっておけばよかったなあと、後悔する毎日でもあります。

 

でもまあ、まだ30歳ですのでここから時間ができてくれば、もともとやりたかった文化的な趣味を増やしていけばいいかと思い、落ち着いてはきました。(なぜなら時間は戻れないので)

 

そんな自分のただ後悔するだけの時間はさておき。

 

今回はまず、自分が消防士を辞めてからの1年間、フリーターとして生活しながら筋トレだけをしていた時の話をしていこうかなと思います。

実家に戻った、青木マッチョさん。

6年間働いた消防士を辞めて、とりあえず無職になりました。

 

4月1日から、自分が住んでいた消防署と実家の間の賃貸を離れ、自分は実家に戻りました。

 

本来であれば4月1日に東京へ引っ越す予定だったのですが、コロナ禍ということで東京は緊急事態宣言真っ只中であり、どれだけネットの力を駆使しても都内で営業しているジムを見つけられなかったため、まだ営業しているジムのある愛知県に留まりました。

 

当時は何も疑問に思わず、その理由で、自分が住むはずだった誰も住んでいない物件に家賃を払いながら、実家でニートしていたのですが、さすがに脳筋すぎましたね。

 

でもジムに行けずに生活するというのは、魚が陸地で生活するのと同じような感覚だったんです。

 

痩せるのが怖いし、当時12年間続けていたジム通いがなくなる生活が想像できず、恐ろしかったのです。(自分で言っときながらなんだよ、それ)

 

ということもあり、都内でジムが営業するまでは、実家で暮らしながら筋トレをすることになりました。しかし無職の自分は、今ありがたいことに休みがない自分が思い返すと、涙が出てきそうになるぐらい暇でした。

 

別に、特別会おうとする友達もいないし、予定もない。

 

朝は目が覚めるタイミングで起きて(9時とか10時ぐらい)、オートミールと卵白を食べて、少し楽器を演奏とかしたりして、どこかのタイミングで筋トレに行く。

 

それも、合間を縫って1時間とかではなく、がっつり3時間とか筋トレして。(特に筋トレ以外やることがないから後先考えずにめちゃくちゃ追い込む)

 

食事は母親が作る料理(自分は母親の作るご飯が大好きです)を食べ、プラスで自分で買ってきた、筋肉に大事な胸肉だったり馬肉、刺身等を食べて、好きな時間に寝る。

 

そんな生活を2ヶ月過ごしました。

 

それを知らしめられるくらい、たった2ヶ月でかなり体が大きくなりました。やはり筋肉に照準を合わせて生活すると流石に育ちます。当たり前のことを言っているように感じると思いますが、自分からすると消防士時代もめちゃくちゃ筋トレはしてたんです。

気持ちとしては同じくらい筋トレしているのに、まったく違う体になりまして。

 

以前、全日本ボディビルで優勝している横川尚隆選手も、YouTubeで「体を大きくしたいなら、まず仕事を辞めろ」と発言していて、極端すぎるだろ! と思っていましたが本当にそうでした。

 

貯金を切り崩しながら、実家で筋肉のための食事をとり、毎日筋トレする。

 

「不安にならないの?」と思われそうですが、筋トレってすごいんです。

 

仕事を何もしていないはずなのに、毎日ジムに行っているだけで「俺はやり遂げた」という気持ちになり、まったくナーバスになりませんでした。(無敵!)

 

だから毎日家にいる人は、ジムに行くといいかもしれませんね。筋トレどれだけしても自信がつかなかった自分でも、それはおすすめできます。

 

無職なのに、あまりにも余裕そうな顔して実家で暮らしている自分を見て、母親から「働きもしないくせに、身体だけが大きくなっていってムカつく!」と、ちゃんと怒られたぐらいです。(それでも母親の作る料理が大好きです)

高タンパク食材を、ご飯と一緒に炊き込む。

そして6月。都内でも使えるジムが出てきたという情報が入り、足立区北千住に引っ越します。

 

北千住にはありがたいことにゴールドジムがあったため、すぐに入会し、バイトをしながら筋トレをしました。ですが、知り合いも特にいなかったため、バイト以外の予定はなく、NSCの入校も次の年に先延ばしした自分は、時間もあり、貯金もそこそこあり、完全に筋トレに集中します。

 

空いている時間は、ネットで筋トレの情報を調べます。というのも、筋トレに関する常識やトレーニング方法って、ずーっと移り変わっていってるんですよ。

 

例えば、プロテインを飲むのは筋トレの後がいいのか、筋トレの前がいいのかっていう話だけでも何年間も入れ替わったりするんです。(自分はわからないのでどっちも飲んでいます)他にも、あるボディビルダーはこう言ってるけど、別のボディビルダーは違うことを言っている、とかもあるので、ぶっちゃけて言うと、「正解がない」のが筋トレなんですね。厳密にいうと正解があるところもあるし、ないところも多いです。

 

結局、筋トレの方法とか何を食べるのがいいのかっていうのは、「人による」が正解です。なので、いろんな情報をキャッチして、それを自分で試して合っているかどうかを判断する必要があるんです。その判断をする時間が当時の自分にはありましたので、とにかく、いろんなトレーニング法を試しました。

 

あえて軽い重量で、とにかく筋肉に“効かす”ことを意識したトレーニングから、効かすことは考えずにとにかく重い重量でトレーニングしたり。同じ部位でもいろんなトレーニングのバリエーションがありますので、自分に合うのはどれかを試したり、思い切ってベンチプレスを捨ててみたり。なので、ただがむしゃらに筋トレをしていてなかなか伸びない人は色々試してみるといいですね。

 

これは筋トレだけに限らず、ほとんどのことに言えることだと思います。

 

最近は時間がうまく作れず、どんどん筋肉が小さくなっているので、思い切って仕事を1年間ぐらい休んで、めちゃくちゃ筋トレに集中するのもいいかもしれないですね。(全ての仕事を失いそうなので、しませんが)

 

上京してからの食事に関しては、基本的に1日の総カロリーが4500kcal〜5000kcal、タンパク質は450g〜500g、脂質は20gに抑えて、残りのカロリーを炭水化物に充てるというものでした。栄養素について少し詳しい人ならわかってくれると思うんですが、この食事は素人にしてはだいぶすごいです。(本当です)

 

5000kcal摂るだけなら、ラーメン食べたりカロリー高いものを食べれば割といけるんですが、脂質を20gに抑えるということは、脂質が1gで9kcalなので脂質だけだと180kcalしか摂れません。なので、ほぼほぼタンパク質と炭水化物だけで4500kcal以上摂っていました。この説明をしたことでわかってくれるのか微妙なので、1日の食事の例を出します。

 

朝起きたらお餅を10個焼いて、蜂蜜をかけて食べます。プラスで卵白10個分と黄身を2つ混ぜたスクランブルエッグを食べます。ちなみに卵白は、Amazonで売ってたお菓子を作る用の牛乳パックに入った卵白を使っていました。そして、鶏胸肉を1kg、白米を5合、卵を2個、パスタを400g、プロテインを死ぬほど。すべて油を使わずに調理します。胸肉だったら塩胡椒だけで味付けをして、パスタは麺つゆをかけるだけで味付けしていました。スクランブルエッグは脂質フリーのケチャップをかけて食べていました。

 

それを基本的に毎日食べます。

 

なので、バイト先にも胸肉とお米を持っていかないと食べきれません。先ほどの食事を食べないと1日を終えられないという謎の枷をつくったので、昼寝とかをガッツリすると絶望です。米5合ととんでもない量の胸肉を食べ切るまで寝られないので、夜中3時ぐらいまで炊飯器と睨めっこする日もありました。(流石に東京にまで来て何やってんだと思ってました)

 

ジムで追い込む、青木マッチョさん。

そんなことを1年間続けたら、かなりデカくなりました。

 

もちろんトレーニングをいろいろ試しながら、重量も伸ばしながらやっていましたが、消防士の頃から一番変わったのは食事です。やはり食事はめちゃくちゃ大事だと思います。たまに「どうしたらデカくなれますか」と聞かれますが、圧倒的に食事だと思います。

中にはどれだけ食べても太れない人もいますが、ちゃんと記録をつけて、カロリーやタンパク質量を知ることが大事だと思います。

 

めちゃくちゃ食べてるつもりでも、実際に記録してみたら全然足りてない、ってことはザラにあると思いますので。

 

割と大食い…いや、めちゃくちゃ大食いの自分でも、脂質を抑えての5000kcalはめちゃくちゃきつかったので。

 

その1年でかなり筋肉をつけて、そこから芸人になるのですが、そこからどんどん筋肉が落ちていきます。

 

なぜかというと、単純にご飯を食べられなくなったからです。

 

食べられなくなったというか、食べるお金がなくなったんですね。

 

芸人としての給料は1万円程度(これでもめちゃくちゃもらっている方です!)で、あとはバイト代なんですが、なんだかんだ全てのオーディションに応募したり、先輩の飲み会全て顔を出したりしていた自分はなかなか時間がなく、バイト代もそこまで貰えなかったです。

 

筋トレをしても、やはり大事なのは食事。どんどん痩せていきます。

 

このコラムを読んでいる人はわかると思いますが、まあまあ筋トレの努力してきたじゃないですか。

 

最初はかなり緊張しながら近所のジムに行って、中学・高校と青春と引き換えにジムに行って(多分ジムに行ってなくても青春はできてなかった)、高校卒業して「ゴールドジム」に入り、いろいろ試行錯誤しながら筋トレに励み、上京したのに特に遊ばず筋トレばかりして(マッチングアプリを入れたりはしました)、ありえない量のご飯を食べて。

 

それが「お金がない」という理由で痩せていくの、悲しすぎませんか?

 

まあ勝手にこっちが筋トレ初めて、勝手にお金がなくなる道に行っただけの話なので、何悲しんでるんだよという話ではあるのですが…。

 

でも悲しいものは悲しいし、悲しむぐらい自由でしょ!なんなんですか!

 

そんな中、自分を助けてくれたのは先輩の安藤なつさんでした。

 

左から青木マッチョさん、元相方・鈴木ロン毛さん、相方・青木細マッチョさん。

そんなこともあり、なんとかそこまで筋肉量を落とさずに世に出ることができたのですが、世に出てからが本当の勝負だったんですね。

 

食べるお金は稼げるようになりましたが、いかんせん時間が足りす、トレーニングもできて週4回、1回のトレーニングも1時間未満。

 

食事も弁当や外食が増え、なかなかタンパク質重視の食事が取れないので、どんどん体が小さくなっていきます。

 

実際に、会う人会う人に「細くなった?」とか、「テレビで見るより小さいですね」と聞かれますし、昔の自分の写真を見てオファーをいただいた仕事先でも、「写真で見るよりなんか小さいですね」と言われて、少しパネマジと言われる気持ち(パネルマジックの略。選ぶときに写真で見たものと実物が違うこと)がわかっちゃったりしています。

 

このままだと仕事が減る!と、かなり危機感を感じていますので、短い時間でもしっかり効果のあるトレーニングを今は模索中です。

 

中学1年から始めた筋トレも、もう18年目となりますが、このコラムを読んでくれている方は分かる通り、まだまだ研究することがありますし、まだまだ掴めていません。

 

自分のセンスがないのもありますが、こんなに長い年月が経ってもやりがいのあることに、当初は「不良に絡まれすぎたから」という不憫な理由ではありましたが、出会えて本当に良かったと思います。

 

これは筋トレに限らず、いっぱいあるはずですし、誰もが筋トレにハマるとは思っていません。

 

人生は短いと言いますが、自分は割と長いと思っているので、皆さんも自分で言うところの「筋トレ」のように、長く楽しめるものを探すのは、まだ遅くないんじゃないでしょうか。

 

それがもし、筋トレになった時には、自分に相談してください。

 

その時も自分は筋トレしていると思うので。

 

大それた文章ですみませんでした。

Profile
  • 青木マッチョ(かけおち)

    1995年生まれ。愛知県名古屋市出身。

    高校卒業後、地元愛知で消防士として就職した後、2022年にNSC東京27期を卒業しプロデビュー。
    不良に絡まれないように、中学1年生から今にかけて筋トレを続けている。

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