#1

CONVERSATION

KIKUNO
(PURPLE THINGS / MARMOT DIRECTOR)

CONVERSATION#1KIKUNO

CONVERSATION

#1

(PURPLE THINGS /
MARMOT DIRECTOR)

写真 ・ 聞き手 = luka / 琉花(写真家/モデル)

〈ビームス ボーイ〉のモノづくりの背景にはいろんなことがあります。
プレッピーだったり、ユニフォームだったり、ワークウェアに古着。
そんな背景を今気になる人と話すことで深掘りしていく連載企画。
第一回目のテーマはブランドのルーツでもある“ボーイッシュ”について。
ゲストは〈パープルシングス〉のデザイナーであり、
そのクールなスタイルで女の子だけでなく男の子からも支持される菊乃さん。
聞き手は〈ビームス ボーイ〉のシーズンルックを手がけた
フォトグラファーのlukaさん。2人が辿り着いたボーイッシュとは?

〈ビームス ボーイ〉のモノづくりの背景にはいろんなことがあります。
プレッピーだったり、ユニフォームだったり、ワークウェアに古着。
そんな背景を今気になる人と話すことで深掘りしていく連載企画。
第一回目のテーマはブランドのルーツでもある“ボーイッシュ”について。
ゲストは〈パープルシングス〉のデザイナーであり、
そのクールなスタイルで女の子だけでなく男の子からも支持される菊乃さん。
聞き手は〈ビームス ボーイ〉のシーズンルックを手がけた
フォトグラファーのlukaさん。2人が辿り着いたボーイッシュとは?

CONVERSATION #1
KIKUNO

自分が着たいものを作って、
男の子に着てほしかった

琉花さん(以下、琉花) : いろんな人にテーマを絞ってお話をしてもらおうという会の第一回目です。

菊乃さん(以下、菊乃) : 話を聞こうの会?その質問みたいなのがあるってこと?

琉花 : 質問っていうか、はい。お話を聞ければと。ボーイッシュというのがテーマなのですが。

菊乃 : そんな私、答えられることとかあるかな、わかんないけど。

琉花 : じゃあまずは!

菊乃 : まずはなんでしょう、マル1。

琉花 : メンズ服を、ブランドを始めた理由とかはまずなんなんですか?

菊乃 : 自分のブランド、〈パープルシングス〉は来年10周年なんですけど、でもそんなにあんまガチガチな感じで始めてなくて。最初はTシャツとかスウェットとかそういうのを自分がよく着るからと思って始めて、2017年にちゃんと展示会とかをやってまとまったコレクションで出すようにしたんだけど。そのタイミングでメンズに切り替えようと思ったのはなんでなんだろうね?なんでなのかわかんないけど(笑)。そもそも自分がそんなにウィメンズのお洋服を着ないし、自分が着たいようなものを作ろうと思って〈パープルシングス〉を始めたんだけど、男の子にも着てほしかったからかな。その方が自分はデザインとかしやすいかもって思って、自分の作りたいものを作れるかもって思ってメンズにしたという感じだったかな。

琉花 : じゃあ小さいときから、そういうちょっとメンズっぽい服を着たりすることも多かった?

菊乃 : そうね、あんまり人生でスカートを穿いてた時期というのはあんまりないかもしれない(笑)。

琉花 : 確かにあんまりイメージないかも(笑)。

菊乃 : 最近やっと穿けるようになったけれど、結構抵抗があって。動きやすい服が好きだし、だからヒールもあんまり履かないし。あんまりというか本当に持ってないぐらいなんだけど、デニムとTシャツとスニーカーみたいなのが自分の落ち着く格好だったから。女の子のブランドのお洋服を着るということはあんまりなかったかな。

琉花 : 男の子のブランドを始めてみて、まわりからの反響というのはどうでした?

菊乃 : そもそも昔から男友達がめちゃめちゃ多くて。本当に幼稚園ぐらいからずっとまわりが男の子ばっかりで、今もそうだし。だからその影響もあるかな。小学生ぐらいのときからヒップホップ好きな男の子たちとつるんでいて。自分もそういうカルチャーとか音楽とか、そういうお洋服を着るような人たちが好きだったし、それに影響されたのは大きいかな。それでまわりの男の子たちにも着て欲しいし、気に入っても欲しいなという気持ちがあったし。男の子と女の子って服を選ぶ基準とか全然違うと思うんだけど、自分はどちらかというと結構マインドが男性だから、そっちの服選びの感覚に自分が近いからというのもあって、しばらくメンズでやってましたね。メンズモデルをちゃんと使って「メンズです」、「メンズですよ」って言っていたし。メンズといってもずっとユニセックスで、今はウィメンズも作れるようになって作っていますけど、基本的にメンズ視点というとちょっと違うかもだけど、男の子が好きなものが好きな部分は大きいかな、私は。

アクセサリーは女の子っぽいものを

琉花 : 菊乃さんが考える、どうしたらスタイリングで男の子らしさを出したりできるのかなっていう点はありますか?

菊乃 : 難しい(笑)。

琉花 : でもちょっとビッグシルエットを着るとか、そういうのとか、なんだろう。自分の中でこうしてるみたいなのがあったら。スタイリングの肝をボーイッシュにしたいときとか。

菊乃 : なんでしょうね、あんまりボーイッシュにしてるという意識もあんまりないんですけど。ザ・男の子みたいな服はあんまり着ないかもね、そういうスタイリングはあんまり。男の子が着てても全然違和感ないけど、その中にアクセサリーとか女の子っぽいのを付けたいし。ゴールドのジュエリーとかはすごい女性らしさみたいなものを出せるところだとも思うから、そういうのをね。あとサイズ感は自分の体のラインが出るようなデニムを選んだりもするし、あんまりすごく男の子らしい、男の子っぽいんですねという感じにはならないようにしてるかな。

琉花 : バランスが大切と。

菊乃 : そう。あんまメンズメンズすぎるのはあんまり好きじゃなくて、そこのバランスはわりと考えてて。

琉花 : サイズとかどうですか?

菊乃 : サイズ、Tシャツの袖の丈感とかはわりとすごい気にしてます(笑)。

琉花 : ちょっと女の子らしさを出せるってポイントはTシャツでいうと?

菊乃 : Tシャツのオンスとか、めちゃくちゃ分厚いものだと結構しっかり見えるけれど、逆に古着のクタクタになったものとかだと、肩のラインとかが出やすくて好きかな。テロテロのTシャツ、テロテロのなんでもないですよ!みたいなTシャツをさらっと女の子が着てるとなんかかわいいなと思う。

琉花 : 〈プロクラブ〉とかじゃないということで。

菊乃 : 〈プロクラブ〉は今は着ない、〈プロクラブ〉とかは今は着ないですね(笑)

琉花 : 男の子っぽい格好だけどフェミニンにしたいというとき、例えばTシャツ、デニムだけ、みたいなときにはそういう生地感とかが大事と。丈もそんなに長すぎないほうがいい?

菊乃 : うん。あんまりオーバーサイズ、オーバーサイズみたいな格好はしないかな。フーディーとかもわりと着丈短めのボディー、ちょっと身幅はあるけど着丈短めのものにしたり。

琉花 : 自分で買い物するときは、何かとときめいて買うかじっくり考える方ですか?

菊乃 : 買い物、あんましないんだよね、私。買い物全然しなくて。最近はそれこそ古着を買うことが多いですけど、それは結構人と被るのがすごい嫌な人だから。古着だとそれはないでしょう?今見つけたものは今ここにしかないし、自分が見つけたものだから。だから、そういうときめきみたいなのは結構大事かもしれない。新品は全然買わないですね。友達のブランドとか、そういうふうに自分が仲良くしてる友達とかに、服を作っている人がすごい多いから、応援の気持ちを込めてそういう人たちの洋服は着たりしてるけれど。

大事にしているところはサイズ感

琉花 : そうなんですね。1つ聞きたいことがあって。全部女の子の格好じゃ嫌で、1個ボーイッシュじゃないけど崩したいなというときに1番便利なアイテムってなんだと思いますか?このまんまだと私っぽくないからなにか変えてやれというか、これがあったらちょっと動きやすいというかボーイッシュに見えるからいいなみたいなのって?

菊乃 : なんだろう、でもデニムですかね。でもわかんない。デニムって別に女の子も穿くしね。でも私あんまりおしゃれデニムみたいなのを穿かなくて。すごいワイドとかフレアとかっておしゃれっぽい、おしゃれじゃないですか。

琉花 : 流行りっぽいということ?

菊乃 : そうそう、そういうのはあんまり。デザインが入ってるデニムとかも。どっちかというと超クラシックなストレートの“501”とかを穿くことが多いですけど、それがあるとわりと落ち着くかな、なんか。

琉花 : “501”をわりとタイトに穿く人もいれば、ちょっとワンサイズとかツーサイズ大きいのを穿いてベルトというか紐で縛る人もいるけど、基本ジャストで?

菊乃 : そうね、ジャストかな。私、上をすごいピタッとしたものを着ることはあんまりないから、すごいお尻とかがきれいに見えるデニムとかは女の子っぽさが出せるところだからすごい好きだし、ちょっとデニムの丈を若干気にしてみると、ちょっと短めにして足首が出るような靴とかは女の子っぽさが出せるでしょう?だから結構好きかな。あと最近はスカートとデニムを合わせたりとかそういうおしゃれテクみたいなこととかもする。おしゃれテクみたいな(笑)。

琉花 : スカートとデニムというと?

菊乃 : デニムの上にもうスカートを穿いちゃうみたいな、ちょっと長いの穿いたり。そうするといい具合に間を取れるみたいな。

琉花 : 確かに、メンズとウィメンズの。

菊乃 : そう。動きやすくもあるし、なんか女の子っぽい感じも出せるし。

琉花 : 今している格好に何か1個足して女っぽくするとしたら。

菊乃 : なんだろう、アクセサリーじゃない?やっぱりジュエリーとかはわりとキラキラしたものをするし、あと最近ネイルとかもかわいいじゃんとか思ってやってみたり、私やれるんじゃん!と思ってやってみたりしてるかな。自分の服の中で女性らしくしてるところって本当にあんまりなくてサイズ感ぐらいかも、それで言ったら。サイズ感に気をつけるぐらいかな。

琉花 : あとは私が聞きたいのは、〈ビームス ボーイ〉の春夏ルックを撮影したんですけど。春夏は服が結構シンプルになりがちじゃないですか?そこでの着こなしの何かを……。

菊乃 : ダメ、私なんか1番ダメ(笑)。私なんか1番、春夏同じ服しか着てない。

琉花 : 私もそうなっちゃうけれど(笑)。

菊乃 : 着てない代表だから。

琉花 : でもポイントじゃないけどシンプルになりすぎずにするにはどうしますか?わかんない、バンダナをつけるとか、なんでもいいんですけど。

菊乃 : 服装はシンプルでもバッグとかはわりと女の子っぽさを出しやすいよね。ちっちゃいバッグとか、本当に何にも入んないんじゃない?みたいなバッグとかは。

琉花 : 何入ってるの?みたいな。

菊乃 : そうそう。すごいかわいい感じだけど、それは男の子は絶対持たないじゃない?それを持つだけでわりと女性らしくなるなって最近思った。私ずっと手ぶら、なんなら私たち手ぶら代表(笑)。

琉花 : バッグ忘れちゃうぐらい(笑)。

菊乃 : そう、バッグ忘れちゃうぐらいの手ぶら代表なので、今までそれはあんまりやってこなかったけど、ちっちゃいなにも入らないバッグみたいなのを持つことでちょっと女性らしさをね。何も入らないのがいい、入らないのがかわいいんだもん。入らないバッグが1番かわいいから。

琉花 : ちなみに色は何色が多いとかあるんですか?白黒とか。

菊乃 : 私は紫の服がめっちゃ多いね。〈パープルシングス〉も。

琉花 : そういえばなんで〈パープルシングス〉なんですか?ブランドの名前。

菊乃 : 紫が好きだから。私、紫色が大好きで。紫とか青とかはすごい多いかな。あんまり黄色とかオレンジとかはあんまり着ないかも。

琉花 : そしてブランドがすごい、10周年。何か特別なことは?

菊乃 : 全然決めてないです。作りたくなったら作ろうかな。作りたいものがあったら作ろうかな。でもどうせだからなんかやりたい、せっかくなんで。10年続いたというほど今続けてるわけじゃないんだけど。今は〈パープルシングス〉が結構遊びっぽい感じだし、友達となんか作る?とか、自分がなんか作りたくなったら作るとか、夏にポップアップ、みんなでワイワイやりたいから作るみたいな、結構そういうノリでやってるので。

琉花 : じゃあ自分が着れて、着れるものを作って。

菊乃 : そうね、自分とか自分のまわりが「いいね」って言いそうなものを作ってる。

日常で便利だなと思うものを
そのままデザイン

琉花 : 今まで作ってなくても良いんだけど、メンズアイテムで作るの大変かもしれないけどいつか作ってみたいなと思うものはありますか?

菊乃 : なんだろう、デニムはいつか作りたいなと思ってるかな。

琉花 : 作りたいものというと、最近アウトドアブランドの〈マーモット〉でデザインしてますよね?アウトドアって基本的にメンズじゃないですか。アウトドアを女の人が名前を出して作ってることってあまりないと思うんだけど、自分が女性としてアウトドアのものをデザインするときに気をつけてるというか、自分らしさとしてどういうアウトドアを作ろうって思ってますか?

菊乃 : ウィメンズのアウトドアウェアってすごい機能性重視だし、結構シェイプされてるものが多くて、サイズ感も結構ビタビタで。

琉花 : パッツパツです(笑)。

菊乃 : そうそう。超ジャストサイズみたいなものとかが多いから。そういうジャケットとか、腰がシェイプされてるものとか全然着ないし、自分は。寒くならないようにちゃんとキュッとなってるみたいな。山登るんだったらそれが正解だけど、街で着ようと思ったらそこをもうちょっとゆったりさせてあげて。

琉花 : その方が普段も着れるしね。

菊乃 : 普段も全然着れるし、もちろん山でも着れる。便利なアイテムとして作ってるって感じですかね。

琉花 : 今アウトドアブランドってたくさんあるじゃないですか?他と差別するためにやってることって、たとえば切り割りとかカラーリングとか?

菊乃 : 色のことは結構言ってもらえるかな。「色使いがとても独特ですね」と言っていただいているんですけど、それは自分の好きな色を選んでるだけで。あんまり、「今季はこういう理由があるからこの色です」みたいな感じには全然してなくて、本当に自分の好きな色とか、そういうのを選んでるだけ。特徴といえばほぼ全部のアイテムにドローコードがついてて、パンツも上着も。それっていうのは、もうちょっと大きく着たいな、でもちょっと丈長くなっちゃうんだよな、ってときでも絞れば大丈夫だし、パンツもこのへんはもうちょっと大きく着たいなとか、もうちょっとジャストに着たいけど丈がな、とかそういうのも解消されるし。わりとそこの選択肢の幅は広いし、そっちの方が洋服を選びやすいし、どんな人でも合うようなシルエットに自分で変えられるから。単純にそれも自分が絞るのが好きだから、絞り師(笑)?なんかつけてるだけで、自分が日常で「ここにこれがついてたら便利だな」と思うものをそのままデザインの細かいところに入れてるという感じ。

琉花 : そこだけ絞るとまた感じが変わるし。

菊乃 : そうね。そこはわりと。全体をすごいユニセックスに作りたかったし。結果的にみんなの便利なあれとして使ってもらってありがとうございますって感じなんですけど、それはすごい推しポイントかな、自分的には。

琉花 : メンズの動きやすさ以外になにかいいなと感じることだったりとか、そもそも作っていてメンズの服のこういうところ良いよなって思うものとかあったりします?

菊乃 : なんですかね。私は19、20歳ぐらいのときにアメリカに留学してたんですけど、その頃ってまだメンズのお洋服を女の子が着るというのはまだあんまりなかったし、ユニセックスという言葉やメンズライクとかもなかったし、基本女の子は女の子の服を着るみたいな感じでまわりもそうだったけど、自分はあんまりなんか違うんだよなって思ってて。そんなときにアメリカに留学して古着とかをちょっと見るようになって、Tシャツとかスウェットとかデニムってめっちゃ楽だし、動きやすくない?ってなって、めっちゃいいなぁって。なんかすごい楽な感じが。あとは着ていて着心地の良い感じがすごい好きだったからかな。

琉花 : そこにハマったんですね。

菊乃 : 結構ギャル世代、ギャルがまだ全然いたときで。ジャストサイズとかピタッとしたお洋服とかだったし、日本のお洋服ってみんな結構ちっちゃくて、私わりと外国人体型だし、家系的にも。体が大きかったから、あんまり合う洋服がなくて、それで日本に帰ってきたときに着たい洋服がないかもみたいな、日本に着たい洋服がないみたいになって。自分でじゃあ作っちゃうかってなって作ったって感じ。あとそういうまわりの好きだったカルチャーとか音楽とか、すごい男っぽかったし、それもあるのかな。なんだろう。作ろうと思ったことは結構謎なんですけど。

「あいつ男っぽいよね」だけじゃ
嫌じゃない?

琉花 : 自分のスタイリングというか、デニムだったりを着る女の人で自分のファッションアイコンみたいな人っています?

菊乃 : 全然いない。でもジェーン・バーキンとかはかわいいかなって思う。デニムとシャツとかそういう結構メンズっぽい格好しててもすごい女性らしさはあるし、なんかセクシーな感じとかはすごいいいなって思ったりするかな。あと、90年代後半とか2000年代前半ぐらいのケイト・モスとか、ジュリア・ロバーツとか。私服がすごいかわいいなって思う。

琉花 : 格好は結構メンズっぽいのに女らしさもありますよね。胸元が開いてたり、あとバッグとかもかわいい。

菊乃 : そうそう。さっきもちょっと言ったかもだけど、女の子っぽい部分のライン、例えば鎖骨とか手首とか足首とか、女性はすごい細いでしょ。そういう部分を見せたりするとちょっとセクシーなんだなって、そういうのを見て思ったし、自分もそうしようって。あと自分が男性だったらどんな女性にグッとくるかみたいなのは結構あるかもね。男に「あいつ男っぽいよね」みたいに言われるだけじゃ嫌じゃない?なんか。「男すぎだよね」みたいな。「男だよね」みたいになるのは嫌だから、なんか男っぽいけどなんかちょっとセクシーだよねみたいな、フェミニンさを感じるほうが。良い匂いがするとかもそうだし。髪の毛サラサラとかもそうだし。そういう女の子をアピールできるところは残しつつみたいな感じですかね?

琉花 : すごくわかる。ボーイッシュなのにセクシーな子っているけれど、そうじゃない子との差はなんだろうって思っていて、そういうことなんだ。ちょっとしたところの露出だったり、そういうのが急に女性っぽさを感じる。

菊乃 : そう。女性ではいたいですからね。かわいいとは思われたいし、きれいとも思われたいし。だってそう思われないともったいない(笑)。

琉花 : いろんなことをやってるけど、スタイリングとかはやったことはあります?自分以外の女の子。

菊乃 : ないない。でもやりたいことではあるかも、今後。スタイリストとまでは言えないけど、スタイリングとかはしたいのでお仕事お待ちしてます。お仕事、お待ちしてます(笑)。

琉花 : スタイリングでいうと今年はこういうメンズライクなもので、今まで身につけてないけどちょっと試したいなってものはある?

菊乃 : なんだろう、何かな。メンズのもので?でも今年はちょっとデニムは大きめが気分で、大きいのを穿いてるかも。大きいのを穿いて大きい靴を履いてる。それこそ〈ティンバーランド〉とかブーツとか、そういうでかめの靴を履いてるかな、最近は。

琉花 : 夏はそれで?

菊乃 : うん。夏は引き続きでかめのデニムの方が気分かもしれない。それにビーサン。

琉花 : 私も!本当、ビーサンって最高、あんな楽なことない。

琉花 : あとは1番影響を受けた映画とか、そういうのはありますか?

菊乃 : 映画とかは全然ない。1番ないかもしれないぐらい。

琉花 : カルチャー、音楽とかだと?

菊乃 : 小学生からずっとヒップホップを聴いてて、ラッパーのアティチュードみたいなのがすごい、「かっけー」というふうに影響されてきたので、それとかは結構あるのかもな。中身ラッパーとか言われるしね、私。

琉花 : もうやったほうが良いんじゃないですか(笑)?

菊乃 : ラッパーとばっかいるからそうなっちゃうのかな、人生。全然なりたくはない、ラッパー。

着るものですよ、服は。

琉花 : ちなみにラッパーでおしゃれだって思う人はいたんですか?

菊乃 : 昔の人とかはわかんないかな。みんなだって同じじゃん。基本オーバーサイズ。偏見かもしれないけど。タイラー・ザ・クリエイターとかはおしゃれなんじゃない?やっぱり。でも自分が好きな音楽の、ヒップホップ、自分が好きなのは2000年代初頭とかの感じだから、みんなわりとブリンブリン、キャップ横にかぶるみたいな。そういうのにあんまり影響を受けたってことはないなあ。でも自分の心地良いところにずっといる感じ、そこから絶対にぶれない感じとかぶらさない感じ、まわりにどれだけなにされても動揺しない感じとか、それがすごいいいなって思ってて。それがすごく自分の中でスタンスとしてあるので、だから洋服も着心地良いほうがいいし、着心地の良い、どしっといれるような感じのが好きなのかな。

琉花 : なるほど。締めということで最後に、自分にとって服とはどんな存在ですか?

菊乃 : 難しいね。でも私、ただ着れればいいなとは思ってる。あんまりおしゃれしたいという気持ちとかあんまりないかも。「おしゃれとかじゃないっしょ」がかっこいいと思ってるから。「おしゃれです」というのはあんまり。着るものですよ、服は。それで締めておいてください。服は着るもの。

琉花 : 自分が心地良い服を着れたら……。

菊乃 : うん、それでいいかなって感じです。だから自己満だよね、本当に。自己満でいいなって感じです。あんまり人に向けてやってる感じじゃないのかもね。

菊乃さんが手掛ける〈パープルシングス〉は、2015年からユニセックスブランドとしてスタート。2018年春夏シーズンからメンズブランドに。

アメリカンなヘヴィーオンスのTシャツといえば〈プロクラブ〉。リーズナブルかつタフな品質で世界中にファンを獲得している。

〈リーバイス〉が生んだ、ジーンズのオリジンにして最高傑作。その歴史は150年を誇り、ヴィンテージから新品まで幅広く愛されているマスターピース。

モトーラ世理奈さんをモデルに起用し、lukaさんが撮り下ろした〈ビームス ボーイ〉の2024春夏のシーズンルック。
A DAY IN LIFE

2023年秋冬にスタートした〈マーモットキャピタル(MARMOT)〉。デザインは菊乃さんを中心としたチームで構成。

アウトドアウェアに多く採用されるディテールで、フードやウエスト、袖口、裾などに付けられる留め具付きのヒモ。

唯一無二のファッションアイコンとして世界中の女性に影響を与え、〈エルメス〉の名作バッグ“バーキン”の由来に。2023年7月16日パリの自宅にて76歳で逝去。

低身長、痩せ型体型のケイトは、従来のスーパーモデル像とは対照的なモデルとして1990年代から活躍。そのスタイルは今も多くの女性から注目を集めている。

1990年の映画『プリティ・ウーマン』でアカデミー賞にノミネートし、一躍スターの仲間入り。2001年、『エリン・ブロコビッチ』で同賞の主演女優賞を受賞。

1973年に誕生したオリジナルイエローブーツ、“ティンバーランド”。1978年にブーツの名前をブランド名に変更し、まさにブランドの代名詞に。

ラッパー、音楽プロデューサー、自身のブランド〈ゴルフワン〉のデザイナーなど、マルチに活躍。2024年春夏、〈ルイ・ヴィトン〉とのコラボレーションを発表。

PROFILE

菊乃

東京出身。サンフランシスコ、ロンドンで写真とアートを学ぶ。2015年にブランド〈パープルシングス〉を立ち上げ。 現在は〈マーモットキャピタル(MARMOT)〉のディレクターを務める。メンズアイテムも自然に取り入れたカジュアルなスタイルや、自身のYouTubeにもファンが多い。

luka / 琉花

1998年、東京都出身。モデル・琉花としても、広告・雑誌・MVなど幅広く活動。写真家としても意欲的に活動しており、広告撮影、ZINE製作の他、個展『VOYAGE 2014-2017』『VOYAGE-Iceland 2019-』を開催。2024年2月、旅先で撮影した写真を用いたトップスをメインとしたアパレルブランド・VOYAGEを始動

Photographer: luka
/ Creative Director: Kunichi Nomura (TRIPSTER)
/ Web Director: Masahiro Murayama (maam.)
Editor: Masato Shinmura
/ Project Manager: Satoshi Miyazaki (PADDLE)